Year One Labsは、リーンスタートアップの加速器である。私は、それは顧客育成とリーンスタートアップの綿密なプロセスに重きを置いた、その種で初めてのものであると思っている。私は3人のパートナー(Raymond Luk、Alistair Croll、Ian Rae) と一緒に2010年4月、Year One Labsを共同設立し、その年の9月に本格的に開始した。
共同設立以来、私達は、5つのスタートアップに投資をした(それは私達の目標数だった)。今も私達は、日々それらのスタートアップと共に仕事をしている。彼らには、プロダクト・マーケットをフィットさせたり(出来る限り近づける)、さらなる資金調達を進めたりして、自足できるようになるか、もしかすると失敗するか、Year One Labsで12ヶ月の猶予がある。
私達はスタートアップの加速器を始めて多くのことを学んできた。特に、リーンスタートアップの方法論に焦点を合わせたものだ。Year One Labsは、それ自体がスタートアップであり、多くの顧客育成とリーンスタートアップのサイクルを経験している。
Year One Labsの最初のアイディアをまとめている時、私達には、何が機能し何が機能しないのかについて自分達自身の仮説があって、自分達が取り組もうとしていたモデルに自分達の方法を繰り返し適用した。私達の最終的なゴール(と仮説)は、意義のある財務利益を投資家(私たち自身も含む)に提供することができることだった。しかし、そのプロセスには多くのステップと仮説がある。ここにその例をいくつか挙げる:
この状況において私達のモデルが実際にどのように機能するかを理解することが大切である。先述の通り、私達は50,000ドルの資金を提供する。この金額は、3つのステージに分割される:
調査ステージの間、起業家は顧客育成と検証に完全に焦点を合わせる。関心の問題を特定したら仮説をまとめて、できるだけたくさんプロブレム・インタビューに出掛ける。価値のあることを見つけたら、アンケートと同様にソリューション・インタビューに移る(定量データを集めるため)。もし計画通りに進まなかったら、全く違うことをすることに目を向けるか、自分達の関心領域の中で価値のあることを見つけて方向転換するかだ。そして、人々へのインタービューをして出来る限り学ぶことにまた戻っていく。
調査ステージを通過することは、全ての人に公平に一致している。彼らは、問題(解決する価値のあるもの)、ソリューション(実行可能なもの)、市場(規模、機会、アクセスに基き興味深いもの)、自分達のMVPの定義を明確に決める必要がある。MVPの定義には、実験的デザインの説明を含む必要がある。起業家がどうやってMVPの成功を認証または無効とするのか全ての人にとって明確でなければならない。その後で私達は、2回目の分割資金を提供する。
スタートアップがMVPステージに入ると、専門知識のスイートスポットに入る。Year One Labsでは全ての人が製品を技術的に作る方法を知っている。一番難しいのは、最初のMVPのローンチからけん引力を築く第三ステージに移行することだ。
私達は、MVPをローンチもしくは1つの製品リリースとして考えることはできないということを学んできた。MVPはプロセスにすぎないのだ。つまり、私達は、スタートアップが最初のMVPをリリースした直後に3回目の20,000ドルを提供しない。その会社は今、リーンスタートップの測定とリーンのステージに集中しているのだ。だから、彼らは自分達のMVPを人々の手に持たせ、反応を測定し(質的、量的に)できるだけ早く繰り返し適用するのだ。
3回目の分割資金は、スタートアップがユーザー獲得を拡大することが理にかなっていると認証した時点で提供される。これには数カ月かかることもあるが、製品を繰り返し適用し、自分達の仮説の正当性を認証したり無効にしたりして、適切な市場に適切な製品を探す十分な時間を持ち、できるだけ多くのサイクルを通過することが彼らにとっては大切なことなのだ。MVPとけん引力の構築の間の入り口に統計にもとづいたマイルストーンを置くのは難しい。それはケースバイケースで変わってくるのだ。
Localmindは、位置情報をもとにしたQ&Aのモバイル(およびWeb)プラットフォームである。最初のMVPは2010年12月にローンチされた。最初はWebベースだけだった。私達はすぐに興味深いパターンと数字を目にし始めた。驚くほどに、人々が質問に答える意思を強く持っていたのだ。しかし、Webのみのサービスだったため、質問の量が少なかった。同じようにユーザーの数も少なかった。その時点で、私達はすでにいくつかの仮説を証明していたが、全てではなく、MVPプロセスのステージからけん引力ステージに移行する準備ができていないことに同意した。
2011年3月、SXSWでiPhone版をローンチした。それがすぐさま信じられないほどのけん引力を得た。数千ものユーザーが登録してそのアプリを使い始めたのだ。
4月20日、Localmindは、Where 2.0でより多くの噂を呼び、Startup Showcaseのイベントで優勝している。さらにこれが大量の新しいユーザーとアクティビティを誘引した。噂と注目は偉大で、より多くのユーザーを獲得してアクティビティが増えることによって、私達はより多くの自分達の仮説を検証するだけのデータを集めることができた。それは、私達が全ての答えを手にしてLocalmindが一瞬のうちに数百万のユーザーを急増しているということではないが、このプロセスの加速が、私達に何が機能していて何が機能していないかを素早く判断することを可能にした。さらには、Year One Labsが最後の分割資金を提供してLocalmindがけん引力構築に焦点を合わせる力を与えるに十分な裏付けを与えたのだ。
Localmindの共同設立者、Lenny Rachitskyは、Localmindはまだプロダクト-マーケットのフィットに辿り着いていないと、あなたにおおっぴらに言うだろう。しかし、それはMVPプロセスのゴールではない。ゴールは、製品の価値に関する仮説を証明するか無効とするかするところまで辿り着くことなのだ。けん引力のステージは、ユーザー基盤とビジネスを成長させるためのものだが、継続して繰り返し適用してプロダクト・マーケットのフィットに向けて学ぶためでもあるのだ。
私達は、Year One Labsのローンチと運営で多くを学んだ。そしてこれからも学び続ける。ここに7つの教訓を紹介するので、あなたにも役立ってくれることを願う。
私達が投資家に意義のあるお金を返せばYear One Labsの成功であると、私は先述した。早期エグジットに焦点を合わせたモデルを持ってしても、それはそうなのだが、私達は結果を目にするまでにはかなりの年月がかかることを予測している。その間に私達は自分達自身の進展を判断し、繰り返し適用して改善し、物事がどう進んでいるか理解しなければならない。私はこれを“価値創造までの加速”として見ている。各スタートアップに対する私達のゴールは、プロダクト・マーケットのフィットであり、私達はそのゴールに向けて彼らを出来るだけ早く加速している。しかし、価値創造は、他の基準―後続の資金調達、ユーザー獲得、収益など―によってある程度測定されることもできる。これらは全て、私達が評価している基準であり、私達のスタートアップの進歩としてプロセスと通して評価し続けるだろう。私達は、メトリクスを超越して、スタートアップと共にスタートアップのために価値を創造していること、一貫した加速ペースでそれをしていることを根本的に信じなければならないのだ。
この記事は、Instigator Blogに掲載された「Lessons Learned Launching a Lean Startup Accelerator」を翻訳した内容です。
単なるマイナー起業家の私ですが、想像以上に良い内容で驚きました。私自身、今後5年で1つは大きく当てたいと思っており、その中で様々な新規事業にチャレンジしていくと思いますが、ここに書かれている手法や実例はどれも具体的で参考になりますね。日本でもリーンスタートアップ支援の取り組みが増えていますが、ブームだけで終わらないことを願っています。どちらかというと雑草から這い上がってきた私ですが(まだ途中)、起業文化を根付かせていくためには、スタートアップや起業家を育てる環境や仕組みがとても大事なんだろうな、と改めて感じる記事でした。 — SEO Japan
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