2019年9月にGoogleのコアアルゴリズムアップデートが行われました。
自身が管理しているサイトにおいて、特にYMYL領域であれば、サイトの順位が大きく変動したという方も多いのではないでしょうか。
今回はジョン・ミューラーへの質疑から、コアアルゴリズムアップデートの認識について、Search Engine Journalがまとめた記事をご紹介します。「なぜ、サイトの順位が下落するのか」、その原因を正しく理解し、分析する手助けとなる記事です。
Googleのジョン・ミューラーは、2019年6月に行われたコアアルゴリズムアップデートによって、サイトの順位やトラフィックが減少した場合に、どれくらいの期間を経てそれらが回復するのかを回答した。
ジョン・ミューラーは、コアアルゴリズムアップデートの影響があったサイトを回復させる方法に関して、4つのポイントを提示している。
目次
Googleのジョン・ミューラーは、「コアアルゴリズムアップデートによってサイトの順位が下落する理由は、Googleが他のサイトをより関連性が高いとみなしているためだ」と強調した。
重要なことは、「関連性と関連性の欠如」にある。
コアアルゴリズムアップデートによる影響からサイトを回復させる方法を理解するための鍵は、Webサイトの関連性が低いとみなされた理由について考えることである。
質問者は、GoogleBotに対して誤った認識を抱いていた。
「GoogleBotは、コアアルゴリズムアップデートでペナルティを受けた(とされる)サイトをリカバリーさせるかどうかを決定するもの」という認識である。
しかし、GoogleBotは、Webページをダウンロードする単なるソフトウェアプログラムである。一般的にはクローラーと呼ばれている。
クローラーによってダウンロードされたすべてのWebページを評価し、順位付けするのは、データセンターのGoogleのアルゴリズムによるものだ。コアアルゴリズムアップデートによって更新されるのは、これらのアルゴリズムである。
Webサイトが2019年6月のコアアルゴリズムアップデートによる影響を受けてしまった。現在、高品質のコンテンツの作成に取り組んでいる。サイトの状況が回復するまでは何か月待つ必要があるだろうか。また、GoogleBotは、コアアルゴリズムアップデート以外でペナルティの削除を決定することはできるのか。
以下は、ジョン・ミューラーによる回答である。
まず、コアアルゴリズムアップデートはサイトへペナルティを課すものではない。Googleのアルゴリズムは、個別のサイトに対してペナルティを課しているわけではない
コアアルゴリズムアップデート後に順位が下落した場合、ペナルティが課せられたように感じることがある。順位が下落するという意味では、一緒だろう。
しかし、厳密に言うと、コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落と、ペナルティによる順位の下落は異なるものである。
ペナルティが課された場合、Googleはウェブマスター向けのガイドライン違反について、Googleサーチコンソールを通じてサイト運営者に通知を送る。
一方、コアアルゴリズムアップデートによって順位を失った場合、そのような通知が送られることはない。
ジョン・ミューラーが伝えているのは、「コアアルゴリズムアップデートによって順位が下落したからといって、Webサイトの運営者が何か致命的な誤り(※)を犯しているわけではない」ということだ。
※致命的な誤り:コンテンツスパムやリンクスパムなど
ジョン・ミューラーは、サイトの順位が下落する理由を繰り返し論じている。
端的に言うと、「サイトの順位が下落する理由は、Googleの新しいアルゴリズムが、他のサイトの方がより関連性が高いと評価したためである」とのことだ。
ジョン・ミューラーは、順位を上下させるコアアルゴリズムアップデートと、その影響を受けるサイトについて以下のように述べている。
コアアルゴリズムアップデートによる影響とは、本質的には、Googleのアルゴリズムがページの関連性を評価する計算方法を変更し、より関連性が高いと思われる他のページを見つけたことによるものである。
つまり、あなたが何か間違ったことをしたというわけではなく、また、アルゴリズムアップデートがあったからといって、直ちにサイトを修正する必要はない(例え、何か対応を行ったとしても、アルゴリズムに沿って評価が行われるだけである)。
さらに言うと、サイトの順位が下落する理由は、アルゴリズムが検索クエリに対するサイトの関連性が高いと判断しなかったことによるものである。そして、順位の変化は時間の経過と共に起こる。
ジョン・ミューラーは言及しなかったものの、我々がサイトレビューを行ったところ、コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落には、少なくとも2つのパターンがあることがわかった。
順位が下落するパターン
下位のサイトがより上位を獲得し、それまで上位にあったサイトの順位が下落するパターンである。
完全に順位を失うパターン
特定のサイトが完全に順位を失う=検索ランキングに現れなくなるパターンである。こちらはより深刻な問題であり、SERPsを詳しく調べなおす必要があるだろう。
その後、ジョン・ミューラーはGoogleがコアアルゴリズムアップデートの手引きを提供した2019年8月のブログ記事を紹介した。
参考:Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと(2019年10月)
我々はコアアルゴリズムアップデートに関して、我々が見ているものをかなり詳細に説明したブログ記事を投稿している。私もこちらの記事を再確認したいと思う
最後に、ジョン・ミューラーは「Googleのアルゴリズムは常に更新されている」と答えた。
つまり、Webページの改善が役立ったかどうかを確認するのに、次のコアアルゴリズムアップデートまで待つ必要はないということである。改善はランキングにすぐ反映されるはずだ。
ジョン・ミューラーは言及していなかったが、コアアルゴリズムアップデート後に順位が戻る場合がある。これは過度に広範囲なアップデートになった結果、影響を与えるつもりのないサイトにまで影響を与えることがあるためだ。そして、彼らはアルゴリズムを微調整することがあるかもしれない。
要するに、コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が戻るのは、アルゴリズムの変更について、その一部を撤回したためである可能性が考えられる。
ジョン・ミューラーのコメントは以下のとおりである。
コアアルゴリズムアップデート後にWebサイトの大幅な改善を行った場合、いつその結果は反映されるのだろうか。結論を言うと、その結果は順次反映されていく。
アルゴリズムの更新には2種類がある。大幅な変更であるコアアルゴリズムアップデートと、常に変化し続ける小さなものだ。
インターネット全体は時間の経過と共に変化する。その結果、基本的に検索結果は毎日変化するし、毎日改善することもできる。
したがって、Webサイトを大幅に改善した場合は、それらの細かい変更も時間の経過と共に反映されるだろう。よって、アルゴリズムの変更がされたことを確認するまで待つ必要はない
ジョン・ミューラーは、「順位が下落したからといって、それはサイトに問題があったことを示すものではない」ことを繰り返して、質疑応答を終了した。
繰り返すが、コアアルゴリズムアップデートは、Webサイトに問題があることを示すものではない
広範なコアアルゴリズムアップデートのすべてについて、それを品質に関するアップデートであるとみなす者がいる。彼らは、サイトが順位を失う度に「それは、サイトの質が低いからだ」という。
一方で、順位の下落を技術的な問題によるものであるとみなす者もいる。例えば、サイトの表示スピードが遅い・リダイレクトが連鎖しているなどだ。
確かにサイトの品質や技術的な問題は、サイトの順位に関する正当な懸念事項だろう。これらの問題には、対処していく必要がある。
しかし、一般的にコアアルゴリズムアップデートの目的はそれらの一部のみに対応するものではない。
コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が下落した場合、品質及び技術的な問題が存在する可能性がある。
だが、その場合には一部の問題のみに注目することなく、順位の下落に関連するであろうすべてについて、特にページの関連性についても確認することが望ましい。
コアアルゴリズムアップデートによってサイトの順位が下落した場合、品質または技術的な問題の改善点が見つかることがある。
しかし、順位を失ったサイトをチェックした私の経験から言うと、サイトの関連性について調査することが有効なケースもあるだろう。
Googleのコアアルゴリズムアップデートは、通常、個別のサイトに対するペナルティを課すものではありません。また、サイトの品質や技術的な問題など、単一の問題に対応するものでもないということが簡潔にまとめられた記事でした。
Googleの動向ばかりに注視しすぎるのは良くありませんが、一方でコアアルゴリズムアップデートの傾向を分析することによって、「Googleが何を重要視しているのか」を客観的に見ることができるのも事実でしょう。
ユーザーにとって価値のあるサイトとは何か。Googleはそれをどう判断しているのか。様々な情報や経験を元に考えていきましょう。
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