ローカル検索は重要だ。今までも、そして、今後も重要な存在であり続ける。移動が多い人であっても、ローカル検索の結果を軽視するべきではない。
Googleの最新のローカルアルゴリズムは、具体性および正確性を一段とレベルアップさせている。今回の投稿では、このアルゴリズムのアップデートに関して、知っておくべきことを全て伝える。
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昨年の7月24日、Googleは新たなローカル検索アルゴリズムを導入した。バリー・シュワルツはその日の夜にSearch Engine Landでこのニュースを伝え、その後、「ピジョン」と命名した。
Mozはアルゴリズムの変化に関するレポートで、このアップデートを次のように描写していた。
Googleは、このアップデートで、一部のローカルの結果を大幅に変え、さらに、検索エンジンが場所の手掛かりに対処 & 解釈する仕組みに修正を加えたことで、ローカルSEOを大いに揺るがした。そのGoogleは、ローカルアルゴリズムとコアのアルゴリズムの結びつきをより密接なものにした、と主張している。
8月1日、ピジョンはアップデートされたようだが、Googleは認めていない。
Googleの検索とGoogle マップの検索は、時折異なる検索結果を表示することがある。ピジョンが導入された後、この傾向に変化が見られるようになった。ピジョンはウェブ検索とマップの検索の結果に一貫性をもたせる。
ピジョンアルゴリズムにより訂正されたローカルの結果は、Volume Nineがレポートの中で説明しているように、「Google ウェブ検索のページのランク付けに似ている」。
Search Engine Landは「ピジョンはローカルの結果を通常のウェブランキングシグナルにより密接に結びつける」と指摘している。
新しいローカル検索アルゴリズムは、サイトのウェブ検索のランキング能力と密接に絡み、スペルミスの是正、類義語、および、ナレッジグラフ等の機能に加え、多数のランキングシグナルを活用する。
ローカルレビューサイトのYelpは、検索結果で同社のサイトが明らかに軽視されているとして、2014年の中ごろGoogleに抗議した。Yelpは、検索エンジンのユーザーがクエリの中で具体的に「Yelp」を求めているにも関わらず、GoogleのレビューがYelpのレビューよりも上位に掲載されるととして、Googleを批判していた。
ピジョンはこの問題を解決し、現在、Yelpを指定するクエリは、Googleのレビューよりも上位に表示されるようになっている。
引き上げてもらったローカルレビューサイトはYelpだけではない。Urbanspoon、OpenTable、TripAdvisor、Zagat、Kayak等のサイトもまたピジョンのリリース後、検索結果で目立つようになった。
「サンフランシスコ レストラン」のような一般的なクエリでも、つまり、レビューやレビューサイトを指定しなくても、このタイプの結果が返される可能性がある。基本的に、ピジョンはディレクトリとディレクトリのリスティングを重視していると言える。
Mozcastのデータには、アップデートが行われた後、大きな変動が記録されている。以下のグラフには、ローカル(通常のリスティング)、カルーセル、そして、ワンボックスにおける変化が記されている。
Search Engine Landは、「Googleがピジョンの導入により距離とロケーションのランキングパラメータが改善されたと述べた」と指摘している。距離 & ロケーションのランキングパラメータが何なのかは良く分からないが、具体性が高まったことにより、どうやら「インフォーマルスペース」(周りとの境界が曖昧な空間)と呼ばれる密度の高い地域に影響が及ぶと見られている。
昨年、アンドリュー・ショットランドは、「インフォーマルスペース」および「地域アルゴリズム」を記事の中で取り上げていた。
ローカル検索のデータの世界では、地域は「インフォーマルスペース」と呼ばれることがある。つまり、標準的な境界線が存在しないと言うことだ。従って、地域の範囲の定義は、人によって異なる。その結果、Google等のサービスは、地域を適切に反映させることに苦労する。
ピジョンがリリースされる以前、このような密度の濃いスペースに対するローカルの検索結果は解析が困難であった。現在、ピジョンが具体性をレベルアップさせたことにより、精度が増している。それでは、この精度の改善により、どんな影響が現れるのだろうか?私は次のように推測している。
ピジョンは、地域を検索するための従来のクエリ、および、同じ地域を検索するための口語調のクエリに対して、より精度の高い結果を返す。
地域は、話しかける相手によって、複数の異なる名称で呼ばれる可能性がある。例えば、地図を必要とする不慣れな人が、場所 Aを訪問し、地図に書かれているように「アップタウン」と呼ぶ。しかし、地元の住民は、「アップタウン?聞いたことがないな。ここはトラックビルだよ」と言う。1つの場所に2つの名前が存在する。どちらの呼び方が正しいのだろうか?今回のアルゴリズムのアップデートにより、どちらも正しくなった。
ピジョンは検索された地域の少し外側のエリアの結果も提供する。
都市でカフェを探していると仮定する。地図が定義する別の地域の「境界」に近づいてきた。
ラテが飲みたいだけであり、境界線の策定など知ったことではない。そのため、「ソーホー カフェ」で検索をかけ、ソーホーの公式の範囲から外れたリトルイタリーの結果が表示される。ソーホーの場所によっては、リトルイタリーは目と鼻の先だ。
この例は、ピジョンが土台を置く明確に限定されていない具体性、および、ロケーションベースの直観を物語っている。ショットランドは、「無限のアルゴリズムの知識を持つGoogleは、地域のような小さな検索の領域を見ると、より安定した一連の結果を提供するため、ユーザーに指摘された領域の外側の結果も見せたくなる」と表現していた。
ピジョンは地域に特化したキーワードを使い、地域に言及するビジネスを優先する。
具体性が強化されたため、地域のビジネス(会社、店舗)は、ソーシャルメディアのプロフィール、言及、そして、Google+のプロフィールを、市や地区の名前だけでなく、市や地区の領域内の具体的な場所を反映させることを意識して最適化に励むことで、より上位にランク付けしてもらえるようになるだろう。従って、ハイパーローカルの重要度がより高くなったと言える。
ピジョンの導入後、一部のサイトはランキングを上げていたが、その一方で、ランキングを下げるサイトもあった。Search Engine Landの読者のコメントを幾つか紹介する。
勝つ者もあれば、負ける者もある。アルゴリズムの変更はこのような結果を導く。
Search Engine Landに寄せられた大量のコメント、および、ダレン・ショウによる地道な作業の結果を参考にする限り、一部のビジネスのタイプは、ピジョンによるダメージを受けていると言える。ショウがランキングを落としたと特定した分野/テーマを挙げていく。
ピジョンがもたらした変化の中で特に目立つのが、ローカルのセクションの減少だ。Whitesparkを運営するダレン・ショウは23%減少したと報告し、Mozcastでは60%の減少を記録していた。この大幅な減少に対してマイク・ブルーメンソールは有益な意見を提供し、また、7パックにおける減少も指摘している。
アルゴリズムの変更が行われた直後、検索結果の上位にスパムが表示されていると言う苦情が寄せられていた。また、ピジョンがリリースされた後、Expediaはホテル扱いされていた。
当然だが、今回のアルゴリズムのアップデートはスパムを狙っていたものではない。そのため、一部のスパムが紛れ込む可能性はある。ピジョンに関する見解を多数提供していたバリー・シュワルツは、「あらゆるアルゴリズムの導入に共通することだが、バグ、予想外の結果、そして、関連性の低い結果を完全に避けることは不可能だ」と指摘している。
また、ローンチ後、継続的に改善が行われている。この点もあらゆるアルゴリズムの導入に共通することだ。事実、ピジョンが展開されてから、スパムレポートは徐々に消えていった(Expediaの問題も解決された)。ピジョンは、品質の高い結果のみを表に出すことで、安定化に成功したようだ。
2014年7月4日にローンチされたピジョンは、アメリカに限定されていた。昨年の12月、イギリス、カナダ、オーストラリアに展開されていった。この記事を書いている時点で、その他の地域にはリリースされていない。
この件に関しては、本のタイトルで「グローバルなバーチャルな世界において、場所は今まで以上に重要になった」と断言したジョン A. クエルチとキャサリーン E. ジョクスの考えを私は支持する。
サンフランシスコに行き、テルアビブの同僚と会話を交わし、ロンドンのクライアントのウェブサイトを調整し、パースとニューヨークの業者とテレビ会議を行うような生活をしている者であっても、ローカル検索の重要性を理解する必要がある。
ピジョン(どんな呼び方をしても構わない)は、ローカル検索を推進する。これは良い傾向だ。皆さんのビジネスは、今回のローカル検索の改良により、どのような影響を受けただろうか?
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Everything You Need To Know About Google’s Local Algorithm, Pigeon」を翻訳した内容です。
アルゴリズム自体はまだまだ調整途中にあるようにも思えますが、スマホの普及やGoogle Now等もあり、ローカル検索のアルゴリズム改善は今後、ある程度一息ついたスパム対策以上にGoogleにとっての大きな課題なのかもしれません。記事にもあった、人によって距離感の概念が違う「インフォーマルスペース」の問題をどう解決していくかは興味深いですね。クリック・閲覧履歴もベースにできるでしょうが、スマホの場合は最終的には過去の滞在場所・移動履歴等も考慮されるようになると、驚く程に適格すぎる結果が出てきそうで怖いような嬉しいような。またそこにセレンディピティ的要素も考えないといけない所が検索の難しさ。もしかすると、いつも同じラーメン屋やコンビニばかり行く人にはセレンディピティは必要ないと考えるのかもしれませんが。。。Googleの進化、想像するだけでワクワクしますね。SEO屋としては死にそうですけど。 — SEO Japan
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