大企業やWebを事業の主軸に置いている企業であれば、インハウスのSEOチームを保有していることでしょう。しかし、特に中小企業などにおいては、インハウスのSEOチームがないため、外部のコンサルタントを雇うケースが多くなるはずです。しかし、SEOの複雑さから「良質な」コンサルタントを雇うことは難しいかもしれません。今回は、このトピックに関して、ジョン・ミュラー氏の発言から派生したディスカッションをまとめた、Search Engine Journalの記事を紹介します。
Googleのジョン・ミュラー氏がSEOのコンサルタントを雇用するうえでのアドバイスを求めている。実績、順応性、倫理観が重要と言えるだろう。
目次
Googleのサーチ・アドボケートであるジョン・ミュラー氏が、SEOコンサルタントを雇う上で考慮すべき点について、Twitterでアドバイスを求めた。
彼は動物園を経営している人物に代わり、その動物園のWebでの露出を高めるため、ローカルSEOのコンサルタントが必要であるとのことだ。
「コンサルタント・企業、その他、考慮すべき点を教えてほしい」とミュラー氏はツイートしている。また、「真面目な人と、真面目でない人を見分けるためにはどうすればよいか?」という質問も投げかけている。
この記事では、ミュラー氏の質問から派生した、一連のディスカッションを取り上げる。SEOの専門家を雇う上で考慮すべき点が見えてくるだろう。
ミュラー氏の質問に対する返信の中には、SEOのコンサルタントを雇うための費用について強調している発言が見られた。
クリス・ロードラック氏は、月額1,000ドル以下の低予算のローカルSEOのサービスは、最低限のサービスしか提供しない「分解屋」である、と述べている。
ロードラック氏は、こうしたサービスは一般的な方式をなぞるだけであり、予算を拡充しない限り、事業が望むレベルのサービスは期待できない、と主張している。
ロードラック氏の主張は下記の通りである。
残念ながら、SEOのサービスは、予算によって大きく左右される。低予算のローカルSEOのサービス(月額1,000ドル以下)の殆どは、実際には多くの作業はしておらず、低賃金のスタッフによって実行される一般的な方式を採用しているだけの分解屋である。悲しいことに、この金額は、弁護士や歯医者などの価値の高いサービスを提供している企業以外の、多くの中小企業の予算なのである。
ロードラック氏の発言に対し、「これは、紛れもない事実だ」という返信も見られた。
イサリン・マルハサー氏は、ジョン・ミュラー氏の質問に対し、ローカルの代理店が助けになる、という返信をしている。
彼女は、事業者と同じ地域でサービスを提供している代理店と組むことの利点を強調している。
ローカルSEOの経験があり、その地域のマーケットに精通している人を選ぶべきだ。我々の場合、ローカルSEOでは、多言語対応と、検索ボリュームが低いキーワードへの対応を行っている。該当の動物園のオーナーは、一般論を語るコンサルタントではなく、自身の事業を理解してくれるコンサルタントを採用すべきである。
そうすることで、その代理店が必要なツールにも精通していることが確認できるだろう。
SEOGoddessというアカウントからは、下記の返信が来ている。
そのローカルSEOの代理店が、YextやRenderSEOが何であるかを知っているのであれば、彼らが提供すべき内容を信用することができる、最初の一歩となるだろう。そこからは、良い戦略を立案し、それを実行する方法を知っているかどうかが、選択基準となるだろう。
Twitter上では様々な反応が見られた。しかし、下記のような重要なトピックについては、未解明のままである。
この問題を解決するために、動物を扱うローカルビジネスの成功例を見てみよう。
私が見つけた中で最も近しい事例は、イリノイ州のDeer Grove Animal HospitalへのローカルSEOを行った、Step 5 Creativeのものだろう。
この事例は、包括的なSEOには何が必要であり、代理店のサービスに何を期待すべきかを、よく示している。
Step 5 Creativeが最初に行ったことは、下記を含む、徹底的なレクチャーだった。
上記は、実際のユーザーと検索エンジンのボットに対する、Webサイトの露出を改善することを目的としている。
Step 5 Creativeの戦略は、ディレクトリサービスへの掲載と、Googleビジネスプロフィールの内容を完璧なものにすることも含まれていた。
キーワードの再調査も重要であった。各ターゲットキーワードのCTRと順位を観測し、それに対応した戦略を採用した。
広範囲なキーワード調査も行い、様々なバリエーションの中からより良い結果を出すキーワードも調べ上げた。
この動物病院のWebサイトへのトラフィックと直帰率を確認し、ユーザーがどこから訪問し、Webサイトをどのように利用しているかを理解した。こうした情報をもとに、ユーザー体験とトラフィックの流れを改善することができた。
最後に、長期間における成功を得るために、定期的なアップデートの必要性を説いた。最新のベストプラクティスを提供するSEO担当者と組むことが重要と言える。
複雑なSEOの世界では、「真面目」なコンサルタントと「真面目でない」コンサルタントを見分けることが重要である。
真面目なコンサルタントは、あなたの事業、業界、特有のニーズを理解することを重視する。
反対に、真面目でないコンサルタントは、一般的なサービスを提供し、あなた独自の要求に応えようとしないだろう。
さらに、SEOのコンサルタントを採用する上での注意点をまとめておこう。
ジョン・ミュラー氏の質問から始まったTwitter上での議論は、SEOの専門家を採用するために重要なアドバイスが散りばめられていた。
低予算のサービスでは最低限の結果しか得られないこともあるため、予算を唯一の判断基準にすべきではない。
その地域のマーケットを理解している、実績のあるSEOのコンサルタントを採用するべきだろう。
あなたの事業特有のニーズに対応した戦略を提供できるコンサルタントを探そう。
その他の検討事項としては、透明性、実績、継続的な学習、倫理観などが挙げられる。
この記事で紹介した内容に沿うことで、デジタル環境におけるあなたの事業の成功へと導いてくれる、優秀なSEOコンサルタントを採用することができるはずだ。
SEOに限らずですが、外部のコンサルタントを採用する際には、色々と検討すべき事項があります。SEOの能力を証明することは非常に難しいことですが、少しでも信頼を得るための情報を提供できればと思います。今回の記事はローカルSEOに焦点をあてた内容でしたが、あまりSEOに詳しくない方にとっては有益な情報だったのではないでしょうか。SEOサービスを提供する側として、これらの事項に留意して仕事に励みたいと思います!
この記事は、Search Engine Joournalに掲載された「Google’s John Mueller Seeks Advice On Hiring SEO Consultants」を翻訳した内容です。
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。