「SEOには時間がかかる」とはよく言われることですが、「果たしてどれくらいで成果が出るのか?」はよくある質問のうちのひとつです。
投資するのもタダではない以上、芽が出るまでの期間を知っておきたいというのは当然の心情でしょう。
今回はそんなよくある質問に対して、SEOコンサルタントがSEOの3つの変数を取り上げて語った記事となります。
既にSEOに取り組んでいる方も、これから取り組まれる方も参考にしていただければと思います。
SEOで成果を得られるまでにかかる時間を左右する3つの要素がある。
それは、競合の取り組み・被リンク・コンテンツだ。
私がSEOの専門家としてよく受ける質問のひとつに、「SEOにはどれくらいの時間がかかるか?」というものがある。
クライアントが明確な回答を求めていることは当然ではあるものの、SEOには関連する変数がいくつもあるため、そのすべてを明確に回答する方法がなく、質問を受けるたびに私は困ってしまう。
SEOの成果が出るまでの時間を推測するには、「Webサイトの最適化」「競合の最適化への取り組み」にかかわる変数をすべて評価しなければならない。
これにより、ただでさえ複雑な質問への回答が余計に複雑さを増す。
「Pawn Starsから検索シェアを奪うにはどれくらいの時間がかかるか?」
「推測ではあるが・・・」
SEOの成果が出るまでの期間を見積もる上では、4ヶ月から1年ほどの範囲で答えざるを得ない。
その期間は、3つの主要な変数に基づいている。
これらの変数の背後に何かデータがあったとしても、この質問に答えるための公式はないことを伝えることは重要だ。
回答を導きだすためには、シンプルな要素だけではなく、複雑な要素も検討しなければならない。
SEOの成果が出るまでの期間を推測するためには、まずどれだけ迅速に取り掛かれるか、その結果を評価できるようになるかが重要だ。
そして、得られたデータの外の要素からもヒントを得て、特定のポジションに到達するのかをかかる時間を把握する。
サーモン風味の朝食用シリアルなどのニッチな商品を扱っている場合は、競合することはないだろう。
しかし、人が実際に購入する製品やサービスを扱う場合は、人の需要に基づいて程度の差はあれ、様々な競争に直面することになる。
例えば、小さな地元の市場にサービスを提供する配管工は、大規模な都市にサービスを提供する不動産ブローカーよりも競争が激しく、国の住宅ローン会社より競争は激しくない。
ご想像のとおり、競合するWebページが多いほど、検索結果の上部に到達するまでの時間は長くなる。
これは一貫性のあるパターンとなるが、下位のページを上回る方が簡単かつ高速だ。
しかし、検索結果を登っていくにつれ、各ステップにおいて多くの労力と時間がかかることなる。
これは競合他社が増えることと、上位ページがその背後にSEOの専門家を携えている傾向があること、その両方の事実によるものだ。
競争の見過ごされがちな側面に、競争率と、上位のWebページの背後についているSEO専門家の能力との相関関係がある。
次のように想像してみてほしい。
ユーザーのニーズにより、企業はニッチな市場に追い込まれ、競争が激化していく。
その競争は、彼らに競争力のある取引を提供するように促す。
それは、彼らが利益を維持するために市場のより大きなシェアを取らなければならないことを意味する。
これは、通常より多くのリソースを投下できる大企業に有利な環境であり、彼らは業界で最高峰のSEO専門家を雇う余裕がある。
もし、この状況に直面している場合、長く険しい戦いが待ち受けるだろう。
したがって、競合他社のSEOの全要素を評価する必要があるが、それは現在の状況のみならず、その先をも見据える必要がある。そしてそれは出発点に過ぎない。
また、過去数か月間の彼らの活動を見て、その後も彼らの活動を追跡し続ける必要がある。
競合を追い越すために、そして、追い越したいのであれば、彼らよりも多くの努力をすることが求められる。
SEOにおいて、リンクが依然として大きな役割を果たしていることは公然の事実だ。
しかし、リンクがSEOの成果にどのような影響を与えるかどうかは、より深いいくつかの要因に依存する。
まずは、Webサイトへのリンクの量だ。
一般的に、より多くのリンクを獲得することはSEOの迅速な成功に役立つが、ただ多ければいいわけではない。
関連性の高いWebサイトからの高品質なリンクが少ないと、低品質なリンクが大量にある場合よりも、結果に大きな影響を及ぼす。
高品質なリンクは獲得するのが難しく、競合が真似するのも難しくなるため、そういったリンクの獲得は重要だ。
また、自動化して生成されたリンクとは対照的に、高品質なリンクの効果は長く続く傾向がある。
一方で、リンクを獲得する速さと、これまでにリンクを獲得してきたペースも要因となり得る。
リンクの急激な増加は、ランキングを操作する不自然な試みを表す可能性があるからだ。
Googleのウェブマスター向けガイドラインに準拠しない方法を使用している場合や、急激な被リンクが増加した場合は、手動対策を受けることもあり得る。
以下はリンクの増加量を表したグラフだが、自然な形に見えるだろう。
以下は自然に見えないかもしれないが、メディアへの露出、新製品の発売、キラーコンテンツによるマーケティングプロモーションなど、他の要因によっては自然な増加になり得る。
以下は到底自然に見えないだろう。
したがって、一般的に関連性の高い高品質なリンクを早く獲得するほど、順位付けも早くなるが、注意が必要だ。
リンクを獲得する速度は、比較的安定した成長が求められる。
リンクビルディングの戦略がGoogleのガイドラインに従っている場合、リンクの増加は自然になる。
ブラックハットな戦術を使用した場合にのみ、不自然なパターンが見受けられる。
Webサイトに公開されたコンテンツは、上位表示の速度にも影響する。
最初に知っておくべきは、品質が非常に重要であることだ。
幸いなことに、Fiverr(クラウドソーシング)に依頼して用意した短文の記事を精査し続けたとしても、ランキングに影響を与えることはない。
一方で、長文コンテンツが良いという解釈もしないでほしい。
実際、SEO上有効な最低限の文字数や理想的な長さはない。コンテンツは、ユーザーの課題を解決するのに十分な長さである必要がある。
「新規のコンテンツを一度に大量公開するとGoogleに不自然とみなされ、ランキングに悪影響を与える可能性がある」という神話がある。
人々がこの神話を信じるのも無理はないが、Googleによって公式に否定されている。
すぐに使えるすばらしいコンテンツがある場合は、SEOの観点からいっても、すぐに公開しない理由はない。
早く公開すればするほど、ランキングに良い影響を与える。
公開を待つだけで、成果が出るまでに時間がかかってしまう。
Webページのランキングが、その年齢(ページエイジ)と相関していることは注目に値する。
新しいページは古いページほど良い順位になりにくい傾向にあるが、これはページエイジではなく他の要因によるものだ。
一方で、次の2つの理由から一度に公開するのではなく、一貫した公開スケジュールを維持することを推奨する。
また、コンテンツを作成することだけが良いわけではない。
コンテンツを削除することも、成果を出すための時間を早めることに役立つ。
重要なのは、保持するコンテンツ・改善するコンテンツ・削除するコンテンツを決めることだ。
ダニー・グッドウィンはこのトピックに関するウェビナーを主催し、Search Engine Journalが特定のアプローチを使用して、パフォーマンスの多数のページを間引いた方法を説明した。結果として、サイトの全体的なパフォーマンスは向上したとのことだ。
最終的に重要なのは、ユーザーのニーズを満たす独創的かつ有用なコンテンツを作成し、継続的に改善することだ。
また、高品質で長文のコンテンツは、低品質、または短いコンテンツと比較してより多くのリンクを獲得する傾向がある。
実際、Backlinkoのブライアン・ディーンは9億1,200万のブログ記事を分析し、長い形式のコンテンツは短い記事よりも平均して77.2%多いリンクを獲得していると判断した。
コンテンツはそれ自体でも重要な役割を果たすが、リンクビルディングにも良い影響を与えるため、一石二鳥と言えるだろう。
我々の仕事は気象学者の仕事によく似ている。
持てる限りの知識・経験・ツールをすべて用いても、我々はしばしば判断を間違う。
クライアントの望むような成果が迅速に出ないとき、私は厳しい目を向けられることになる。
気象予報士が「雨は降らない」といったのにもかかわらず雨が降り、私のビーチプランが台無しにされた時のように。
SEOの専門家の仕事のひとつは、クライアントの期待に応えることだ。
しかし、これは多くの専門家にとって困難な仕事ともいえる。
非常に多くの営業マンが都合の良いことを並べてきたせいで、多くのクライアントは非現実的な期待を抱くことになっている。
その結果、多くの企業はSEOを数週間、または数か月程度しかかからないものだと考えている。
確かに競争のほとんど見られない領域であれば、わずか数週間で順位が上がり、流入が増加するケースもある。
一方で、それなりに競争が発生する領域では数か月かかる場合があり、競争の激しい領域では1年以上かかることもある。
例えば、我々のチームは「マーケティング会社(marketing company)」というキーワードでWebサイトを1位にすることができた。
しかし、我々の高度なスキル・人材・リソースにもかかわらず、1年の地道な作業が必要となった。
他方で、ほとんどオンラインでの優位性を持たないクライアントが最適化されていないWebサイトの公開後に我々のもとへ相談しにきたことがある。
彼自身の名前で1位を取っていたため、これは彼に対し、かなりの取引をもたらした。
幸い、彼自身の名前では競争がほとんど発生せず、競争相手のWebサイトには権威性がほぼなかったため、検索結果の数ページを数週間で思いどおりに埋めることができました。
また、クライアントや代理店でさえ、SEOの成果を早く出すためにウェブマスターガイドラインに違反する戦術を使用しているケースを見てきた。
ブラックハットな戦術は短期的にうまくいくかもしれないが、最終的にはペナルティを受け、開始当初より順位を下げる結果になるだろう。
SEOの成果を確認するためには、数か月から1年を投資する準備が必要となる。しかし、それでも良い成果を得られるとは限らない。
GoogleがSEOの成果について触れた動画は以下だ。
実際、ティム・サウロによる包括的な統計分析によると、新規公開されたページが1年以内にトップ10にランクインするのは、全体の5.7%のみということだ。
そして、一度上位表示を達成したとしても、その栄光がいつまでも続くわけではない。なぜなら、競合他社は常にその地位を狙って施策しているからだ。
言い換えれば、SEOは終わることのない継続的な取り組みと言えよう。
SEOに取り掛かるまでの間に、SEOの成果が出るまでの時間を正確に予測することはできない。
ただし、特定の変数に基づいて裏付けのある推測を行うことはできる。
そして、時間の経過と共に、特定の領域において競合他社と比較し、どれだけの時間がかかるかをより良く理解できるようになるだろう。
SEOは広告出稿と比べて、成果を感じられるまでの期間が長い取り組みです。
記事の中には4ヶ月~1年とありましたが、実際にはそれ以上かかるケースも少なくないでしょう。特に新規で取り組む場合であればなおさらです。
しかし、「SEOには時間がかかる」という言葉を逃げ道にすることなく、時間がかかるからこそしっかりと仮説を立てて取り組んでいきたいですね。
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