Googleの進化は日々進んでおり、検索結果の順位に、それが表れています。
しかし、それと同時に、検索結果自体も変化を続けています。いわゆる、「青い10本のリンク」のみが表示される検索結果はほとんどなく、画像、ナレッジパネル、FAQなど、様々な機能が検索結果に含まれています。
これらを含めて最適化を行うことが、現在のSEOとしては適切でしょう。今回は、そうした検索結果の分析方法を解説したCXLの記事を紹介いたします。
Googleは検索結果の表示方法に常に変化を加えている。
効果的なSEOの戦略を練るためには、Googleが何を表示することを選択したのか、その理由を理解することが重要だ。
これを行うことで、「高順位を獲得するために何を作成すべきか」「既存のWebサイトにどのような調整を加えるべきか」を把握することができる。
この記事を読むことで、検索結果の分析における、重要なプロセスを学ぶことができるはずだ。また、実施した分析を活用し、より関連性のあるクリックを獲得する方法もお伝えする。
目次
ここ10年間でGoogleが加えた変化は大きく2つある。
2013年に、Googleは“answer boxes”の表示を開始した。初期の強調スニペットと言える。
answer boxはナレッジグラフを使用し、検索クエリに対する答えをボックス内に表示した。ユーザーが知りたいと思う定義を、クリックする必要なく、知ることができた。
強調スニペットはそこで表示する答えを拡大させ、Googleは検索結果に直接それらを表示している。
2018年には、特定のクエリにおいて、Googleは拡張強調スニペットを表示し、複数の強調スニペットを表示させている。
「単一の強調スニペットがあらゆる質問に対して適切な答えとなり得ない」ため、複数の強調スニペットは、より多くのユーザーの質問に答えられる可能性を秘めている。
その結果、ユーザーのクリック数は減少する。実際、Sparktoroが2019年に行った調査では、検索の50%以上が何もクリックをしないという結果がでている。
※直近、Googleはゼロクリックサーチを巡る議論へ公式に意見を述べています(Google Search sends more traffic to the open web every year)。
伝統的な自然検索結果が向かう方向はただ1つだ。検索結果ページの下部である。
しかし、全ての検索結果が同一のレイアウトであるわけではない。また、全ての検索結果の機能がずっと同じ場所に表示されるわけでもない。
だからこそ、検索結果の分析は重要なのだ。
「what is digital marketing(デジタルマーケティングとは何か)」というクエリを例に挙げてみよう。
この検索結果の特徴をまとめてみよう。
この例では、“People also ask”と“Videos”のセクションが大きな領域を占めており、その他の自然検索結果が目立たなくなっている。
モバイルでは、2つの広告がページ上部に表示されており、自然検索結果にたどり着くのがさらに難しくなっている。
このような検索結果の分析を行うことで、コンテンツを作成する前(もしくは、既存のコンテンツに調整を加える前)に、そのクエリから得られる可能性があるトラフィックを把握する手助けとなる。
把握できる内容は下記だ。
それでは各プロセスを見ていこう。
このタイプの検索結果の分析における目的は下記である。
“Apple”と検索した場合、テクノロジー企業のAppleについての検索結果の機能で埋め尽くされている。果物の“Apple”についての情報は皆無だ。
しかし、「アップル 購入(buy Apple)」と検索した場合、購入についての情報が表示されている検索結果となる(企業についての情報は無くなる)。
検索結果の機能は、検索の背後にある検索意図を把握する手掛かりとなる。
誤った検索意図をターゲットにしてしまうと、高順位の獲得が難しくなる。仮に上位に表示されたとしても、直帰率が高くなり、これはSEOにとって悪影響となってしまうだろう。
検索結果は、Googleの「手の内を見せる」ものだ。つまり、検索の背後にある検索意図を把握することができる。
もし、特定の機能が検索結果を独占していれば、あなたが作成するコンテンツも同様の形式を採用し、質問に答えるべきである。
検索クエリを僅かに変更するだけで、検索意図が大きく変化する場合がある。
「SEOがうまくいかない(my SEO sucks)」というキーワードを例に挙げてみよう。
1位に表示されるのは、SEOのエージェンシー(My SEO Sucks)であり、強調スニペットは表示されていない。
しかし、「SEOがうまくいかない理由(why does my SEO suck)」というクエリの場合、2008年に書かれたMozの記事と“People also ask” が表示される。
「私のWebサイトのSEOがうまくいかない(my website’s SEO sucks)」というクエリの場合、広告、Quoraの回答、“People also ask”、また、関連するSEOツールの検索結果が表示される。
「SEO」のように、短いキーワードにした場合、複数の検索意図を満たすために、様々なタイプの検索結果が表示される。
つまり、「何を求めているかわからないから、いくつかの選択肢を表示しておこう」というGoogleの意図がわかる。
分析している検索結果に複数の検索意図が見られる場合、ターゲットを絞り切ることができていないと考えられる。
こうした複数の検索意図が表示される検索結果は、それぞれの検索意図に注力したコンテンツの中でも、最高レベルのコンテンツが選ばれている。
一般的なクエリをターゲットにするのではなく、よりロングテールのクエリに注力したほうが利益を得られるだろう(それでもなお、一般的なクエリで上位表示される可能性はある)。
ターゲットキーワードの検索意図を把握することができたら、次に行う分析は、高順位を獲得するための競合性を判断することだ。
下記の主要な指標を見ることで、上位表示できる可能性を算出できるはずだ。
常にそうであるとは限らないが、検索ボリュームが大きいほど、購入検索意図が強いほど、競合性は高くなる。
ターゲットとするキーワードで上位に表示されているWebサイトのDRが90以上であった場合、強力なバックリンクを獲得していない限り、そこに割って入ることは容易ではない。1ページ目に表示される可能性のないキーワードを狙う必要はないだろう。
例えば、「腕立て伏せの方法(how to do a push up)」は権威のあるWebサイトで占められている。
(下記の画像には無いが)The New York Times、wikiHow、Men’s Health、Nerd Fitnessなどだ。
では、どうすればよいか? こうしたWebサイトに真っ向勝負を挑むのではなく、関連するキーワード(つまり、同一セグメント内のオーディエンスに訴求できるように)を狙うのだ。
「腕立て伏せ 連続(Push up progression)」を見てみると、検索ボリュームは大幅に少なくなるが、競合性ははるかに低くなる。
新規のWebサイトであっても、「腕立て伏せ 連続」についてのコンテンツを作成することで、上位に表示されることも可能だろう。
AhrefsのKeyword Explorerは私のお気に入りの1つだ。この機能を使用した、「SEOツール(SEO tools)」の分析画面は下記となる。
このダッシュボードから、現在の検索結果で表示されている競合サイトの情報が確認でき、上位表示が可能かどうか、予測することができる。
MozやSEMRushも同様の機能を有する。Ahrefs、Moz、SEOquakeはブラウザのエクステンション機能もあり、競合性や検索結果画面の機能を分析することも可能だ。
この時点で、どのような種類のコンテンツが検索意図と合致しているか、また、現在表示されている競合サイトに打ち勝てる可能性があるかを把握しておくべきである。
次に、分析で得られた結果をコンテンツの作成や改善に活用する方法を見ていこう。
検索結果画面のスニペットを改善することで、同じ順位でありながら、より多くのクリックを獲得することができる。
ここでは、あなたが注力すべき検索結果の機能を紹介していこう。
強調スニペットは特定の検索クエリに回答し、Googleの検索結果の上位に表示される。
自然検索結果の一部であるため、強調スニペットは「0位」と称されることもある。
強調スニペットに採用されるため(または、ずっと表示されるため)の明確な戦略は存在しないが、いくつかの工夫は考えられる。
例えば、「定額法(straight line depreciation)」というキーワードで表示される強調スニペット(FreshbooksのSmall Business Resource Hubが採用されている)を見てみよう。
Chromeでこの記事をクリックすると、クエリに対する答えが記載されている箇所が色付けされていることがわかる(これは、Gooogleのパッセージを上位表示させる能力の改善に関連している)。
Googleは、関連するコンテンツを色付けしている。
( そのトピックに特化した、ページ上部に表示されている)明確で、簡潔なまとめを記載することで、そのコンテンツが強調スニペットに最適であるとGoogleが判断する手助けとなる。Moz曰く、「強調スニペットに最適なパラグラフの長さは、40~50単語、もしくは、300文字程度である」とのことだ。
この例では、ページ全体が「定額法とは何か」という質問への回答に注力している。
これにより、検索エンジンはこのページは何についてのページであるかを明確に理解することができる。その結果、「定額法とは何か」を知りたいユーザーにとって関連性のあるコンテンツであると判断できるようになっている。
PAAボックスは検索クエリに関連した質問をリスト化しており、リンクされているWebサイトに記載されている答えを表示している。
このボックスは様々な検索結果に表示されるが、(強調スニペットと比較すると)ビジビリティはそれほど高くはない。なぜなら、リンクを表示するためには、何回かのクリックが必要となるからだ。
そうであっても、PAAボックスはあなたがページに追記すべき、関連する質問のアイデアを提供してくれる(強調スニペットに採用されることや、順位上昇の可能性を高めることができる)。
また、新しいコンテンツを作成するアイデアにもなるだろう。単独の記事にしてもいいし、コンテンツハブの一部としても良い。
検索結果には表示されているが、PAAボックスには表示されていないページを発見するための最適な方法は、Ahrefsのサイトエクスプローラーにあるオーガニックキーワードのセクションを見ることだ。
“SERP features”を“People Also Ask”で絞り込もう。
Freshbooksの場合、「定額法(straight line depreciation)」では1位に表示されているが、「バランスシート(balance sheet)」では6位に表示されている。
リンク数の観点からは、Investopediaは強力な競合サイトである。しかし、コンテンツをさらに研ぎ澄ますことにより、より高い順位を獲得することは可能なはずだ。
強調スニペットの下部に表示されるPAAボックスから、あなたのコンテンツでも扱うべき項目のアイデアを得ることができる。
ここに表示されている質問に対する答えをすでに記載しているだろうか? それらの答えは、検索エンジンがすぐに把握できるよう、明確な定義となっているだろうか?
動画カルーセルは、関連する動画のプレビュー選択する機会をユーザーに提供する。現在はベータ版であるが、クリップは動画内の特定の箇所に直接ユーザーを遷移させる。
YouTube動画を検索に最適化させるための方法の例として、HubSpotの動画を見てみよう。
ここで表示されているサムネイルに表示されているテーマは共通している。
人物が映っており、大きなタイトルが表示され、背景は非常にカラフルだ。また、上位2つの動画のタイトルは、クエリに対して最も関連している。これは偶然ではない。
タイトル内に含まれていないフレーズである、タグも手助けとなる。タグは動画のアップローダーで追加することができ、ユーザーには表示されない。
しかし、それを見つけることはとても簡単だ。競合動画が使用しているキーワードを見るためには、ページのソースで「keywords」と検索すればよい。
YouTube動画を検索に最適化するための方法を紹介している動画では、「YouTube動画を最適化する方法」、「hubspot」、「マーケティング」、「ビジネス」、「SEO」、「ソーシャル」、「メディア」、「ブログ」、「グロース」、「youtube」、「youtube seo」、「youtubeで上位表示させる方法」というキーワードが使用されている。
最高の結果を得るために、具体的(「YouTube動画を最適化する方法」)と一般的(youtube seo)なタグを動画に追加し、何についての動画なのかをまとめよう。
タグを読むだけで、その動画が何についての動画なのかを理解することができれば、タグの最適化ができているといえるだろう。
しかし、タグを使用しすぎるのは良くない。大体5~8個で十分である。
混雑したシグナルをYouTubeのアルゴリズムに送信してしまうため、多すぎるタグは逆効果となってしまう。
よくある質問(FAQ:Frequently Asked Questions)は質問と答えのドロップダウンのリストであり、検索結果画面に表示される。
FAQのスキーマを追加するためのステップを紹介しよう。
コンテンツに追加すべき質問と回答を発見するため、下記を参照することも有効だ。
関連するFAQのみを追加し、回答は短く、はっきりとした内容にしよう。
Googleのマップパック(または、ローカルパック)は、ローカルの検索意図があるキーワードで表示され、検索に関連する2つか3つのローカルビジネスが表示される。
そこから、該当のローカルビジネスについてのプロフィール、写真、レビュー、その他の情報へのリンクが付与されている。
ローカルSEOはそれ自体が1つの課題ではあるが、いくつかのポイントを紹介しよう。
「不当差し押さえ 弁護士 近所(wrongful foreclosure attorney near me)」の検索結果を見てみると、Lawsuit Legalが「通常」の自然検索の最上位に表示されているが、マップパック内には表示されていない。
Googleマイビジネスのプロフィールをきちんと記載していなければ、自然検索で1位に表示されていたとしても、(特にモバイルでは)トラフィックの取りこぼしにつながってしまう。LawsuitLegalが30分間の作業時間をさけば、数千のトラフィックを新たに得られるかもしれない。
ビジュアルコンテンツがより良い検索結果であるとGoogleが判断すれば、検索結果の至る箇所で画像は表示される。
画像は、横並びかつブロックで、また、自然検索結果の間にも表示される(備考:画像はコンバージョン率を高めるという理由から、ブログ記事には常に画像を含めるべきだ)。
画像からより多くのトラフィックを獲得したいだろうか?そのための施策リストを記載しよう。
サイトリンクはブランドクエリで表示されるため、すでに自身のWebサイトでも表示されているかもしれない。
しかし、サイトリンクを最適化することで、ユーザーが少ないクリックで関連のあるページへ遷移することができる。
Googleによるサイトリンクの改善のためのアドバイスは、SEOのベストプラクティスに沿ったものである。
あなたのWebサイトの構造を明確にし、情報に富み、コンパクトで、繰り返しの使用を避けた、関連のある内部リンクとアンカーテキストを設置する。
Webサイト内で重要なページをGoogleがクロールし、インデックスできるようにする。フェッチ機能を活用し、ページが適切に読み込まれているかを確認する。
検索からページを完全に削除する場合、noindexタグをページに設置する。
関連性があり、質の高いページがサイトリンクに表示されていない場合は、下記を試してみると良いだろう。
Googleが新しい機能を検索結果に導入するにつれ、キーワード調査単体では十分ではなくなっている。
実際の検索結果からデータを導き出す必要があるのだ。
検索結果の分析は、あらゆるコンテンツ作成における1つのプロセスとして見なされるべきだ。
そのキーワードで検索する際、ユーザーが求めているものは何なのか、そして、あなたが作成するコンテンツは、すでに上位評されているコンテンツに打ち勝つ可能性があるのか、それらを把握する必要がある。
検索結果における最新の情報を得る作業は、必ずしも複雑であるわけではない。
検索結果の分析に役立つ情報を発信しているアカウントを紹介しよう。
数ある検索結果の機能の中でも、強調スニペットは非常に重要であったと感じています。導入当時は、「スイス・アーミー・ナイフ」と表現し、簡単な作業を手軽に行えるという意が込められていました。現在は、非常に多くの機能を有し、様々なことが検索結果画面で直接行えてしまいます。従来の「自然検索結果」のみならず、こうした機能にも対応していき、最適化を進めていければと思います。
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