「SEOのエキスパート」という肩書を考えるにあたり、そもそも検索アルゴリズムがブラックボックスであることや、対象範囲が拡大の一途を辿るという状況を考えると、どの段階までいけば「SEOのエキスパート」と呼べるのか、なかなか定義が難しいです。
もちろん、他の業種もそうではありますが、自分自身の力量を把握する際、悩ましい気持ちになったりします。
今回の記事は、「SEOのエキスパートになる方法」という記事ですが、自身のスキルアップを図る際の指針となりそうな内容です。初心者の方にはもちろん、中級者以上の方にも、SEOのレベルアップの参考になればと思います。
あなたはSEOのエキスパートを目指したいと考えているだろうか。
もしそうであるならば、それは素晴らしいことだ。
この記事では、真のSEOのエキスパートになるために、あなたが知るべき21の項目を紹介する。
あなたがSEOのエキスパートになることを望んでいるとするなら、その理由を私は十分に理解できる。
SEOを愛すべき理由は沢山ある。
SEOはとても魅力的だ。
SEOは変化が激しく、長期間の需要がある領域だ。
しかし、SEOは、お金儲けのための手段や、在宅ワークの手段として考える人も引きつけてしまう。
いくつかのブログ記事を読み、専門用語を学び、終了。Linkedinの役職を「SEOエキスパート」に変更する。
この変更は数日間で行われる。
数時間の場合さえある…(´・ω・`)
これは数冊の医学書を読み、自身を医者と呼ぶようなものだろう、上手くいくはずはない。
SEOのエキスパートになることは、他の領域と同様、時間や努力や経験が必要とされるのだ。
単に、自身をSEOエキスパートと名乗るだけでは十分でない。
SEOはもはや経験や歴史の浅い分野ではないのだ。
何十年もSEOに従事しているエキスパートもいる。
彼らの足跡をたどる準備はできているだろうか?
ここから、SEOのエキスパートになるために知るべき、21の項目を紹介していこう。
目次
SEOのエキスパートになるためには、まずは基礎から始めよう。オーディエンスと検索エンジンがどのように影響し合うのかを理解し、コンテンツを効果的に最適化する方法を理解する必要がある。
SEOの基礎は3つの要素に分割することができる。
・ユーザーが求め、期待し、必要とするコンテンツの種類。それらは、全てユーザーインテントに関係している。
・検索エンジンがどのように機能しているか、その内部的な仕組み
・Webサイトを最適化するために必要なツールやテクニック
これらのバックグラウンドが無ければ、「何」を説明できても、「なぜ」を説明することはできないだろう。
15年間、この業界で働いた者としての経験であるが、理由を知ることは、あなたを際立たせることにつながる。
SEOの高度な側面に入り込むにつれ、1つ1つの理由を知ることで、より効果的になる。
Search Engine JournalはこうしたSEOの基礎を扱った電子書籍を作成しているので、ぜひ、ご確認いただきたい。
SEOの基礎を理解したら、その知識を実際に使用してみよう。
多くのプロフェッショナル達が、Webサイトを構築し、課題を克服することが、最も学びになると述べている。
Razorfishのライアン・ジョーンズ氏は、Search Engine Journal Showでのインタビュー時に、下記のように述べている。
ビッグブランドを相手に、いきなりSEOを始めるべきではない。自身のWebサイトでSEOを始めるべきだ。ブログでも、アフィリエイトサイトでも、アプリでも、何でもいい。自身のためにSEOを行い、腕を磨こう。
HTMLを学び、あらゆるタグを覚え、テストする。
コンテンツに調整を加え、検索結果画面にどう影響するかを知る。
興味のあるトピックを選ぼう。コンテンツが作成しやすいはずだ。
コンテンツのライティング以上に、最適化に時間をかけよう。
Webサイトの1/3はWordPressで作られている。
そのため、SEOのエキスパートになるためには、WordPressについても学んでおく必要があるだろう。
WordPressは広く普及しているだけでなく、SEOにとって最適なCMSである。
WordPressはSEOのパフォーマンスに直接的(例:メタタグ)にも間接的(例:ユーザー体験)にも関係する多くの機能を有する。
Kinstaが作成した有益なリソースのリストを読むことから始めよう。
SEOのプロフェッショナルはコンテンツの最適化や、施策の効果を分析するために、複数のツールを使用している。
Google AnalyticsとGoogle Search ConsoleはあらゆるSEOの領域における、必須のツールである。
Google Analyticsは測定とレポートのためのツールだ。
Google Search ConsoleはWebサイトの最適化に役立つ。
SEOのエキスパートになるためには、これら2つのツールをマスターすることが求められる。
SEOのエキスパートになるためには、「努力が必要である」と前述した。
SEOについての記事を毎日読むという決意が必要だ。
主要な検索エンジンは、日々、改良を加えている。それらの変更は、あなたのWebサイトのランキングにも影響してくる。
SEOについての記事を毎日読み、知識を最新のものにしておこう。
どの記事を読めば良いだろうか? まずは、この記事で紹介されている25のソースから始めてほしい。
あなたの運命の多くを、検索エンジンが握っているように感じられるかもしれない。まさにその通りだ。
これが、あなたがクローラーについて知る必要がある理由となる。
これらのボットが、あなたのコンテンツの品質や関連性についての決定を下すのだ。
いくつかの主要な要素は、こうした決定から派生する。
検索意図、関連性、コンテンツの品質、リンク、ユーザビリティについて理解することは、「アルゴリズムがなぜそのような方法で作用するのか」をより良く把握する手助けとなる。
検索エンジンはブラックボックスだ。その製品の背後に隠れている秘密のソースを明らかにすることはない。
しかし、既知の要素を用いることで、Webサイトを最適化し、自身を優位にさせることができる。
Googleの各種特許を理解したければ、ビル・スロースキー氏による、SEO by the Seaのブログを読もう。
もしくは、我々が作成した、検索エンジンの仕組みの記事を読んでいただきたい。
その背景をさらに深く理解するために、Googleの品質評価ガイドラインを確認しよう。
GoogleはWebサイトの評価者を雇用している。品質評価ガイドラインは、評価者が見るべき要素について書かれている。
品質評価ガイドラインは、短いガイドではない。
品質評価ガイドラインの要約バージョンのほうが親しみやすいかもしれない。いずれにせよ、E-A-Tとして知られる概念は覚えておくべきだ。
・Expertise(専門性)
・Authoritativeness(権威性)
・Trustworthiness(信頼性)
要約バージョンは初級者や中級者にとって有益だろう。しかし、エキスパートになるためには、オリジナル版を読むべきだ。
評価者はSEOのプロフェッショナルではない。一般の人々だ。
検索エンジンのボットと同様、評価者もあなたのWebサイトのパフォーマンスに影響を与える。
検索結果画面は、全てのアクションが起こる場所だ。
検索結果画面 (SERPs:Search Engine Results Pages)の各要素を確認しよう。
・検索結果画面はどのように構成されているか?
・どのようなコンテンツを表示しているか?
・うまく立ち回っている人は誰か?
検索キーワードによって、検索結果画面が変化することに気がつくだろう。
「アルフレードソースの作り方」と「アルフレードソース」の検索結果画面の違いを見てみよう。
質問を検索ボックスに入力しているため、レシピの強調スニペットが表示される。
右側にナレッジパネルが表示されている。
Googleはキーワードの裏に隠れているインテントについての決定を下し、ユーザーが最も気にいるであろうフォーマットでコンテンツを提供している。
そのため、検索結果画面の確認を怠らないようにしよう。
可能な限り、多くの検索結果画面を見るべきだ。
テクニカルSEOは、Webサイトのクロールとインデックスを容易にするために必要な作業である。
テクニカルSEOには、ユーザビリティ、サイトスピード、構造化データ、JavaScript、その他、Webサイトの仕組みに影響するあらゆるメカニズムが対象となる。
これらの要素は、「検索結果画面の何位に表示されるか」において、重要な役割を果たす。
優れたコンテンツがあったとしても、サイトスピードが遅かったり、多くのバグがあったりすれば、パフォーマンスに影響してしまう。
競合コンテンツが多数ある中、テクニカルSEOの確固たる土台があることは、SEO戦略を成功に導くことにつながる。
詳細は、テクニカルSEOガイドの記事を参照していただきたい。
※参考:テクニカルSEOガイド(基礎編)
テクニカルSEOは検索エンジンがより効果的にWebサイトをクロールし、インデックスする手助けとなるが、コンテンツの理解は、ユーザー体験、サイト滞在時間、リンクなどの改善の手助けとなる。
キーワードを第一としたコンテンツ戦略は過去のものだ。
ハミングバードとRankBrain以降、コンテンツはユーザーを第一とし、作成することが求められている。
しかし、コンテンツを公開するだけで、ユーザーがそのコンテンツを見つけてくれるとは限らない。
検索エンジンが、そのコンテンツをどのように分類するかを理解する手助けとなるために、コンテンツにはコンテキストを追加するという最適化が必要となる。
また、コンテンツをサポートするためのプロモーション戦略も重要だ。
SEOはそれ単体では不十分である。他のマーケティング・チャネル(例:ソーシャルメディア、Eメール)の貢献も、そのコンテンツの成功と失敗に影響するのだ。
リンク構築は、SEOを勉強する際、最初に学ぶものの内の1つだろう。
また、怪しげなアドバイスが多い領域の1つでもある。
リンク構築を成功させるためには、リンクの量ではなく、質が重要となる。
そのためには、優れたレポートと関係性の構築が必要だ。
リンク構築において、関係性は非常に重要である。私は、PointVisibleに「How To Write A Perfect Guest Post Pitch (We Asked 84 Editors)」を寄稿するよう依頼された。結果として、Search Engine Journalへの優れた被リンクを獲得することができた。
初心者の方は、我々が作成した「初心者のためのリンク構築」という電子書籍を参照していただきたい。
さらに詳細を知りたければ、リンク構築ガイドの上級編を確認していただきたい。
チェックリストの項目を追うことに集中し、柔軟性を欠いたり、ルーティン作業が意味をなさなくなったことに気が付かなかったり、といった事態は避けよう。
検索エンジンは常に変化している。
それに対応する力が求められるのであり、チェックリストの項目のみを追うことは、To-Doリストを盲目的に従うことを意味する。
時間が経つにつれ、To-Doリストの項目は古くなり、新しいアップデートに対応できない内容になってしまう。
その結果、チェックリスト信者であることは、Webサイトのパフォーマンスにネガティブな影響を与えてしまうだろう。
そうではなく、オープンなマインドで、結果重視の考え方を持とう。
Webサイトの順位が下がった場合、チェックリストの項目に固執するのではなく、クリエイティブに考えてみよう。
誰かに助けを求めたってかまわない。変化に備えよう。
チェックリストの考え方にのみ支配されるべきではない。
ここからは、あなたの継続的な成長を助けてくれる、優れた情報ソースを紹介していく。
FacebookにはSEOプロフェッショナルのための、活動的で有益なグループが多数存在する。いくつか紹介しよう。
Facebookグループに所属することで、既存の同業者とのネットワークにアクセスすることができる。
SEOのグループのみを探すのではなく、マーケター、コンテンツ作成者、ソーシャルメディアのプロフェッショナルなどが所属するグループも探してみよう。
ECサイトやBtoBマーケティングに興味があれば、そうした領域のグループを探そう。
Facebookでアクセスできるネットワークの数は、比類なきものである。
たまには、典型的なブログやニュースサイトから一息つくことも必要だろう。
TwitterでSEOのエキスパート達をフォローすることで、彼らの知識に触れる機会を手にすることができる。
最新ニュース、議論への参加、判断が難しいトピックに対しての見解、などを得るためにTwitterを活用しよう。
まずは、有名なSEOブログがすでにフォローしているSEOのエキスパート達をフォローしよう。
Twitterで適切な人々をフォローすることで、あなたのSEOの知識が磨かれ、まだ聞いたことのない意見を得る機会となるだろう。
確実にフォローすべきSEOエキスパート達のリストを作成しているので、ぜひ、ご確認いただきたい。
SEOのスキルをレベルアップさせるための手段として、イベントに参加するという方法がある。
カンファレンスやウェビナーは、コンテンツマーケティングの特定の側面について学ぶための優れたリソースだ。
対面のイベントは現在自粛されているはずだが、オンラインカンファレンスは多数行われている。
多くのSEOのプロフェッショナルが頭を悩ませるトピックに対し、エキスパートによる見解が語られている。
費用は高いかもしれないが、優れたカンファレンスへは投資する価値がある。
イベントへの参加は、業界のエキスパート達から直接意見を聞ける機会となる。
今年度と来年度に開催される有益なイベントをまとめた記事があるので、ぜひ、ご参照いただきたい。
読むこと、見ることに疲れたのであれば、聞けばいい。
ポッドキャストは近年盛り上がりを見せている領域であり、SEOを扱うポッドキャストもある。
通勤時間、料理を支度しているとき、運動している時などで聞いてみよう。
ポッドキャストは、複数のタスクを抱えながら、頭に活力を与えるための優れた方法だ。
複数のフォーマットがあり、長さを表示してくれ、自分の好みに合わせることができる。
先入観があることは認めるが、The Search Engine Journal Showを、ぜひ、聞いてほしい。今日のSEOの様々なトピックに対するアドバイスや知見が得られるはずだ。
あなたは全てを知っているわけではない。全ての答えを持ち合わせているわけではない。
SEOにおいて、ずっとこの状態は続く。
しかし、問題は無い。
JavaScript SEOのエキスパートはリンク構築についての知識が全く無いかもしれない。
コンテンツの戦略とプロモーションに長けている人は、テクニカルSEOを苦手としているかもしれない。
ある時点で、あなたは他の人からの助けが必要となるはずだ。
そのため、コネクションの構築を始めよう。
関係性を作るために、ソーシャルメディアを活用しよう。TwitterやLinkedInなどのプラットフォームは非常に便利だ。
コネクションを構築し、ネットワークを育てるための優れた方法は、情報を積極的に共有することだ。
受け取るだけではいけない。情報を与え、受け取ろう。
関係性は、双方向であることをお忘れなく。自身の経験や専門性を共有してみよう。親密な関係を築き、それを持続することが大事だ。
時間が経つにつれ、こうしたコネクションは自身をエキスパートとして見てくれるようになるだろう。
また、他社が共有したコンテンツに対してのコメントや共有も積極的に行おう。
最終的に、信頼できる人達とネットワークを築くことは、トラブル対応、アドバイス、戦略などを学ぶ優れた機会となるはずだ。
SEOを学ぶ優れた方法の1つとして、豊富に存在する無料の情報を活用することが挙げられる。
もちろん、無益な情報も含まれている。
しかし、著名な会社や人物による品質の高い無料レッスンも豊富にあるのだ。
例えば、Mozは彼らの知見をトピックごとに分けて公開している。
また、SEMrushやLynda.comのコンテンツも確認していただきたい。
エキスパートになるための終着点はない。
また、より有能なエキスパートになるための、SEOに適応する他のスキルは山ほどある。
Web開発、コピーライティング、グラフィックデザインなどもその対象だ。
特定の業界について学んだり、特定のタイプのコンテンツに特化したりすることも良いだろう。
継続的にスキルセットを拡大していくことは、あなたの専門性に磨きをかけ、自身を知識のソースとする地位を得られるはずだ。
また、あなた自身の価値向上にもつながる。より多く、稼ぐことができるだろう。
SEOは科学ではない。そして、エキスパート達もトライ・アンド・エラーを繰り返し、学んできた。
失敗は避けることができない。失敗から学び、前へ進もう。
反対に、上手くいった経験があれば、それを書き留めよう。成功を再現するためだ。
その効果が見えなくなるまで、継続しよう。そして、それが失敗となった時、そこから学べばいい。
ポイントは、学習と改善を止めないことだ。
この記事の冒頭で述べた通り、SEOのエキスパートになるためには時間が必要だ。
アルゴリズムの変化の波に乗ろう。検索ツールのアップデートに振り回されないようにしよう。自身のコミュニティを形成しよう。
そのどれもが一朝一夕にして為しえるものではない。
しかし、SEOへの情熱があれば、いつか報われ、需要のあるキャリアを築くことができるはずだ。
SEOのエキスパートになることは、世界を広げるきっかけとなる。
スタートアップでの主要な役割を果たすことができる。50年以上続く企業のWebサイトの露出を高めることができる。新興企業が新しいオーディエンスを獲得する手助けをすることができる。小売店が営業目標を達成する手助けをすることができる。
信頼される人物となるために、学ぶべきスキルは多くある。
しかし、忍耐強さ、誠実さ、学習への意欲から、その全てが始まるのだ。
具体的なテクニックやアドバイスというよりも、SEOのエキスパートとなるために学習が必要な領域の説明と紹介、といった内容でした。おそらく、紹介された領域の中で、「知らなかった」という領域はなかったかもしれません。
しかし、全ての領域を完ぺきに行える人は少ないのではないでしょうか? 記事内にもある通り、継続して、自分の領域を広げていきたいですね。
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。