Googleの最新アルゴリズム「ハミングバード」徹底解剖

公開日:2013/10/01

最終更新日:2024/03/01

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長期出張中の私ですが、先週Google市場、最大級のアルゴリズム更新が行われたようですね。その名も「ハミングバード」ということで、サーチエンジンランドが徹底検証したその内容をFAQ形式でわかりやすく解説。SEOというより根本的なアルゴリズム改善のようですが、果たしてSEOに与える影響は?検索の未来はどうなるのか?とりあえず読んでおきたい。 — SEO Japan

Hummingbird

グーグルが、新しいアルゴリズムを導入した。グーグルは、このシステムを用いて、検索が行われる際に全ての情報を調べ上げ、見つけた答えをユーザーに提供する。このアルゴリズムには「ハミングバード」と言う名称が与えられている。それでは、ハミングバードについて分かっていることをこれから紹介していく。

「検索アルゴリズム」とは何か?

検索アルゴリズムとは、この業界の専門用語であり、グーグルが、無数のウェブページ、そして、同社が持つその他の情報を調べ、最適な答えと思われるアイテムを返すために利用する、所謂、レシピのような存在である。

「ハミングバード」とは?

ハミングバードは、グーグルが利用している最新の検索アルゴリズムの名称である。グーグルは、ハミングバードの導入によって、より良い結果を返すことが出来ると指摘している。

ハミングバードが導入されたことにより、「ページランク」アルゴリズムは姿を消したのか?

ページランクは今も健在だ。ページランクは、ハミングバードのレシピに加えられる200点を越えるメインの「材料」の1点に過ぎない。 ハミングバードは、ページランク(ページへ向かうリンクの重要度)、そして、例えば、ページの品質、さらには、ページ上で用いられているワードを含む、様々な要素に注目する(詳細は、SEOを成功させるための周期表で確認してもらいたい)。

ハミングバードと呼ばれる所以は何か?

グーグルによると、「正確であり、早い」ことが、ハミングバードが名称として選ばれた理由のようだ。

いつ、ハミングバードは導入されたのか?今日、発動されたのか?

約一ヶ月前からハミングバードの導入は行われていたが、本日まで発表は行われなかった。

ハミングバードを例えると?

1950年代に作られた車をイメージしてもらいたい。この時代に作られた車は、優れたエンジンを搭載していても、燃料噴射ノズル等の部品がない、あるいは、無鉛燃料を利用することが出来ない等の欠点を抱えている。グーグルは、ハミングバードに切り換えることで、この古いエンジンを捨て、新しいエンジンを搭載したのだ。また、速やかにエンジン交換が行われた結果、誰も変化に気づかなかった。

グーグルが、前回、このような形式でアルゴリズムの交換を行ったのはいつか?

グーグルの現職のスタッフでさえ、このタイプのメジャーな変更が行われた時期を思い出すのに苦労していた。2010年に導入されたカフェインアップデートは大きな変化であった。しかし、カフェインは、情報を探し出すよりも、情報を集めること(インデックス)に焦点を絞っていた。グーグルの検索部門を統括するアミット・シンガル氏は、これほどの規模でアルゴリズムが書き直されたのは、同氏がグーグルに入社した2001年以来ではないかと話していた。

ペンギン、パンダ & その他の「アップデート」は、アルゴリズムに変更を加えなかったのか?

パンダペンギン、そして、その他のアップデートは、以前のアルゴリズムのパーツに対する変更であり、アルゴリズム全体を交換するものではなかった。ここで再びエンジンの例を用いて説明していく。パンダやペンギン等のアップデートは、新しくオイルフィルターを加える、もしくは、改良されたポンプを搭載する行為に似ている。ハミングバードは、全く新しいエンジンではあるものの、ペンギンやパンダを含む以前のパーツと同じパーツを継続して利用している。

と言うことは、新しいエンジンは古いパーツを利用しているのか?

どちらとも言えない。一部のパーツは今でも問題なく動くため、捨てる理由はないが、頻繁に交換が行われるパーツもある。グーグル曰く、ハミングバードは、既存のパーツと新しいパーツで構成された新しいエンジンであり、10年前のテクノロジーを用いて10年前の需要に応えるためではなく、現在の検索の需要に応えることを念頭に置いて、整備されている。

ハミングバードはどのようなタイプの「新しい」検索に有効なのか?

この質問に対して、グーグルが示してくれた例の中で特に重要なのは、会話型検索(日本語)であった。検索が音声で行われる場合、会話形式の方が便利である。

例えば、クエリ「家から一番近いiPhone 5sの変える場所は?」に対して、従来の検索エンジンは、「買える」と「iPhone 5s」等のワードを持つページとのマッチングを最優先していた。

ハミングバードは、ワードの裏側にある意味に巧みに着目すると言われている。このアルゴリズムは、ユーザーがグーグルと場所の情報を共有している場合、家の実際の位置を特定し、「場所」が現実の店を意味していることを理解し、さらに、「iPhone 5s」が、特定の店で販売されている特定の電子機器である点を把握することが出来るようだ。このような意味を理解すると、グーグルが、ワードのマッチング以上の取り組みにステップアップする上でプラスに働く可能性がある。

とりわけ、ハミングバードは、クエリ内の各ワードに注目して、特定のワードではなく、クエリ全体 – 文全体、会話、または、意味 – を考慮する。この取り組みのゴールは、たった2、3のワードにマッチするページよりも、意味がマッチするページの方が、有益になる状態である。

グーグルは会話型検索を既に実施していると思っていたのだが…

確かに既に実施している(詳細はGoogleの新しい会話型検索サービスを徹底解明(日本語)で確認しよう)。しかし、この取り組みでは、ナレッジグラフ内の答えの提供に限定されていた。ハミングバードは、ナレッジグラフのデータに加えて、ウェブ上に存在する無数のページに対して、この意味を理解するテクノロジーを適用し、その結果、さらに質の高い結果を返すことを意図したアルゴリズムである。

本当にうまくいくのか?ビフォア & アフターで証明してもらいたい

うまくいくかどうかに関しては、何とも言えない。また、今となっては、ビフォア & アフター分析を実行することは不可能である。基本的に、「結果は改善されている」と言うグーグルの言葉を信じるしかない。それでも、グーグルは、ハミングバードが実際に結果を改善したことを証明するビフォア & アフターの例を幾つか用意している。

例えば、「acid reflux prescription」(酸 逆流 処方箋)で検索をかけると、以前のグーグルは、多くの医薬品をリストアップしていた(例えば、このページ)。このページは、必ずしもこの病気を治療する上で、とりわけ役に立つとは言い難い。しかし、グーグルによると、現在、このクエリに対する結果から、 リスティングの一つとしてこのページのように、実際に薬が必要かどうか等、治療に関する総合的な情報を得られるようになったようだ。

クエリ「pay your bills through citizens bank and trust bank」(請求書をCitizens BankとTrust Bankを介して支払う)では、かつては、Citizens Bankのホームページを返していたが、現在は、請求書の支払いに関する具体的なページを返すようになった。

また、「pizza hut calories per slice」(ピザハット スライス当たり カロリー)と言う検索に対して、グーグルは、以前、このような答えを提供していたものの、ピザハットのページではなかった。現在、グーグルは、答えとして、ピザハットのこのページを直接提供している。

ハミングバードによって、グーグルは改善されるのか?

ほぼ間違いなく改善されるだろう。残念ながら、実際に質が高くなったと言い切ることは出来ない。しかし、(本当にハミングバードが一ヶ月前から用いられていると仮定して)、グーグルの質が突然落ちたことを指摘するユーザーからのクレームが、ここ一ヶ月の間に激増していないこともまた事実である。質が落ちた場合、ユーザーはこぞって批判するが、改善された場合は、気づかないことがない。

ハミングバードはSEOを滅亡に導くのか?

グーグルは、ハミングバードの登場後も生き残る(日本語)。事実、グーグルは、SEO業者やパブリッシャーが、心配するべき、新しい、もしくは、異なる要素が増えるわけではないと明言している。アドバイスの内容は、今までと同じであり、オリジナルの、質の高いコンテンツを提供することが求められている。今まで重要であったシグナルは、今も重要である。ハミングバードは、あくまでも、グーグルが、新しく、そして、希望的観測ではあるが、より優れた仕組みで、シグナルを処理するために利用されているに過ぎない。

ハミングバードによって、グーグル経由のトラフィックは減少するのか?

ここ一ヶ月間、無事なら、ハミングバードの監視を無傷で切り抜けたことになる。一ヶ月前に発動されているため、問題を抱える可能性があるなら、既に問題に直面していなければおかしい。

全般的に、ランキングが落下したことを嘆くパブリッシャーは今のところ現れていない。この事実は、ハミングバードが、クエリごとに影響を与え、大幅なトラフィックの変動をもたらす、所謂クエリの「ヘッド」をつつくのではなく、特定の検索(とりわけ複雑な検索)の結果を改善すると言うグーグルの主張を裏付けている。

…って言うけど、実際にトラフィックが減った

ハミングバードが原因なのかもしれないが、グーグルは、常に変更、調整、そして、改善が行われているアルゴリズムのその他のパーツの影響を受けた可能性もあると強調している。はっきりしたことは分からない。

どうして、こんなことが分かるのか?

今回提供した情報の一部は、本日行われた報道向けのイベントでグーグルが公表していたものだ。また、会見の後、私はグーグルの2名の重役、アミット・シンガル氏とベン・ゴメス氏から詳しい話を聞く機会をもらった。近いうちに、この二名の重要人物との会話で知り得た変更点に関して、もう少し詳しい情報を提供したいと思う。それまでの間は、この会話を基に作成した質疑応答集が、皆さんの役に立つことを願っている。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「FAQ: All About The New Google “Hummingbird” Algorithm」を翻訳した内容です。

9月26日に行われたこの発表、導入自体は既にされていたということですし、パンダ、ペンギンのような特定のSEO施策への耐性強化とは違う、アルゴリズムを根本的にアップデートした更新ということで、特別SEOに影響があるわけではなさそうな雰囲気です。会話型検索の強化というのは、通常のウェブ検索に慣れしたんだ私たちの大半にとっては、意味あるのか?という気がしなくもないですが、スマホやグーグルグラス等でGoogleがよりパーソナルアシスタント的に機能していく過程では重要になってくるテクノロジーでしょうし、それを先取りした実装なのかもしれません。

実際、私も海外出張中で初めての土地に来ていますが、一番便利なのがスマホ版Google Nowで勝手に表示される天気予報や地図、道のり諸々の情報だったりしますし、ここに洗練された会話型検索(もはや検索といっていいものか?)が組み込まれてこれば、さらに便利というかさらにGoogle漬けになってしまいそうです。ソーシャルではFacebookやTwitterに一歩先を行かれているGoogleですが、検索を軸に圧倒的な技術力を活かしたこれらの試みに、Googleの未来を感じます。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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