グーグルのパンダアップデート(当初はファーマーアップデート(日本語)と呼ばれていた)が初めて行われ、ニューヨークタイムズがJC ペニーの有料リンクの策略をすっぱ抜いたのはまるで昨日のようだ。あれもこれも今となっては良き思い出だ。
しかし、実際に2012年は始まっており、古代のマヤの暦のサイクルが2012年12月で一度終わるだけで済むなら、2012年も楽しいことがいっぱい起こるだろう。
そこで今回は、SEO/リンク構築コミュニティ業界の人達が来年も効率よく仕事をすることが出来るように、皆さんに参考にしてもらいたい新年の誓いを考えてみた。マヤ暦の人類滅亡説が本当だった場合でも、少しの間、そのことを考えないようにする効果は見込めるはずだ。
1. リンク/いいね!/共有ベイトを含む素晴らしいコンテンツを作成して、自然にリンクの本数を増やす。
自然なリンクを集めるためには、リンクを張る価値のあるものを提供しなければならない。従って、好奇心をそそるインフォグラフィック、バイラル動画、情報が詰まったニュースレター、または、秀逸なブログのエントリの作成に着手しよう。
得意な分野でエキスパートになるだけでなく、専門知識をもったいぶらずに、世界と共有するのだ。興味深く、有益な、そして、説得力のあるストーリーを語ろう。世界が息をひそめて皆さんの次の極上の意見を待っている。その意見が発表されれば、一斉にリンクを張ってもらえるはずだ。
と言うと少し大げさかもしれない。しかし、世界が待ちわびているような情報を分かち合えば、それがたとえ専門分野のみの話であったとしても、ファンを獲得することが出来るだろう。そして、口コミで広げてもらえるのだ。これが最も重要なポイントである。
2. ソーシャルメディアを使ってコミュニティを構築し、リンクベイトを宣伝する。
言うまでもないことだが、「作れば、彼らはやって来る」と言う有名な格言は、映画とトウモロコシ畑の映画の中の話だ(フィールドオブドリームズ)。私達にとっては、素晴らしいコンテンツを作ったとしても、仕事は半分終わっただけである。その後、楽しんでもらうために当該のコンテンツが存在することを世界に知ってもらう必要がある。
2012年においては、この後半とは、フェイスブックのファンページであれ、ツイッターのアカウントであれ、もしくはブログであれ、定期的に企業のソーシャルメディアのプレゼンスに時間を投じる取り組みを意味する。
3. フェイスブックとツイッター以外のソーシャルメディアへの進出を検討する。
既にソーシャルメディアでの宣伝に定期的に時間を投じると決意しているため、フェイスブックとツイッターと言うユビキタスな最低限の場所にも目を向けよう。
メディアコンテンツに対してはフリッカーやユーチューブ、プレゼンテーションならスライドシェア、ローカルの実店舗にはフォースクエアとゴーワラ、そして、アイデアや興味をビジュアル的にソーシャル共有するならピンタレスト等、他のソーシャルスペースにも注目するべきである。そして、検討する価値のあるブログは無数に存在する ? ニッチに関連する最高のブログを探し出し、寄稿しよう。しかし、何が何でも自分のサイトにリンクを張ってもらうことを忘れないでもらいたい。
4. オンラインコンテストを開催してリンクを生成する取り組みを検討する。
コンテストは楽しい。誰もが勝ちたいと思っているものだ。コンテストを主催するなら、フェイスブックの認可されたアプリの一つを使い、いいね!を参加の条件にして参加者を集めることが可能だ。また、ソーシャルメディアやリンクを使って情報を広めた人達に二度目の参加の権利を与えることで、コンテストの共有を促すことも出来る。
アドバイス: アップルまたはiOSのディベロッパーではないならiPad 2をプレゼントするのはやめておこう。自分のビジネスに関連するコンテストを行い、自社の製品やサービスに関する賞品を用意し、そして、関連する売り上げのリードを構築する機会としてコンテストを利用するのだ(あるいは少なくとも製品またはサービスに興味を持つ人達のeメールアドレスを集めること)。
多くの企業がいいね!キャンペーンでiPadを提供しているが、結局、フェイスブックのファンページには会社または製品/サービスにまったく関心を寄せない人達ばかりが集まる傾向が見られる。
これはビジネスを作り上げる方法としては最低クラスだ。賞品の価値は、ビジネスを構築するコストだが、ビジネスの構築(そして、リンクおよび共有を介してオンラインのプレゼンスを構築する取り組み)が最終的な目標である点を忘れないでもらいたい。
5. ボット型の投稿でディレクトリーを汚染する取り組みに頼らない。
その通り。リンク構築が、関連性にこだわらずにサイトのURLを手当たりしだいに投稿する行為とほとんど変わらないなら、リンクウィークの記事をもっと読んで勉強した方がよい。
6. サイトでニッチのコミュニティに貢献する、または少なくともサイトでその旨を説明するクリエイティブな方法を探す。
専門分野の知識を介して、それが供給するサービスであれ、販売する製品であれ、もしくは提供する情報であれ、人々に価値をもたらすのだ。エキスパートだと言う点を忘れてもらいたくない。実際にはエキスパートではなく、ネットの販売業者に過ぎないだろうか?それなら考え直してもらいたい。相対性理論におけるアルバート・アインシュタインレベルまではいかないかもしれないが、それでも知恵を振り絞る必要はある。
特定の分野で仕事をした経験があるなら、成功する方法、景気の良いときに事業を成長させる方法、不況時を耐え抜く方法、そして、オンラインで自分を売り込む方法等、何かしら興味深いことを学んでいるはずだ。
成功するポテンシャルは、特定の単一のノウハウに秘められているのではなく(ライバルが大勢いる可能性もある)、全ての取り組み、そして、その方法のオリジナルの組み合わせが鍵を握っていることもある。それが専門知識であり、他の人達と分かち合うべきである。基本で満足せずにその知識をコミュニティと共有するのだ。そうすることで、当該の分野でオーソリティ(権威)を確立することが出来るようになり、この権威こそが他の人達に価値を与える力を持つ。
7. サイトのURLを必ず(カノニカルに)オンラインのビジネスディレクトリのプロフィールに載せる。
オンラインのビジネスディレクトリおよびローカル検索のプロフィールを全てチェックし、自分の会社のページを探そう。存在すら知らなかったディレクトリサイトで自分のビジネスのページを持っている可能性が高く、その場合、データは不完全か、完全に誤っていることが多い。
このようなリスティング(特にほとんど情報が掲載されていないリスティング)を探し出し、情報を追加していこう。その際、とりわけ単一の、サイトの主要なURL(つまりカノニカルなURL)を利用する点に注意してほしい。これは一人でも実行可能な簡単なリンク構築作業であり、このようにリスティングに一貫性をもたらしていくと、その他のディレクトリも気づくようになる(検索エンジンも)。
8. 長期的なドメインの健全性、またはビジネスの評判を重要視しているなら、リンクやいいね!を買うのはやめよう。
1年前、JC ペニーは有料リンク広告キャンペーンを介してSERPを必死で操作しようと試みていた。同社にとっては幸いなことに、JC ペニーは大規模な小売業者であり、広告に割くことが出来る予算も豊富に持っていた。ニューヨークタイムズにすっぱ抜かれた後、今度はグーグルに不適切な行為を行ったとしてペナルティーを与えられたものの、JC ペニーは短い期間社会に対して罪の償いを行い(少なくともグーグルに対しては)、現在は元通りになっている。
しかし、皆さんの会社はそこまで恵まれてはいないかもしれない。グーグルは小さな会社に対してはペナルティーを短期間で撤回してくれるほど寛容ではないかもしれない。
グーグルのインデックスから永遠に追放されてもそのビジネスは存続することが出来るだろうか?ブラクハットの世界への進出がインデックスのペナルティーによって裏目に出た際の、代わりのプランを用意しているだろうか?ペナルティー期間中の検索リファラーの減少による減益に耐えることが出来るだろうか?グーグルが永遠に許さない方針を固めたらどうするのだろうか?
グーグルもビングも(そして、裏切り者を追放することを生きがいにする手厳しいSEO業者も)このような行為を探すために多くのリソースを投じている。ドメイン名の信頼が事業にとって重要なら、一時的な成功を夢見て検索からの収益を失うリスクを取るべきではない。
徹底した、継続的なSEOキャンペーンに投資し、同時にPPC広告キャンペーンで支え、そして、ソーシャルネットワーキングを介して積極的にコミュニティを構築する取り組みを並列的に行おう。リスクは遥かに少なく、そして、長期的な視点で見れば、検索において成功を追求する手段として遥かに賢明である。
9. オーソリティサイトにリンクを求める。
既に自分の業界の分野でのメジャーなプレイヤーが誰かは把握しているはずだ(分からないなら、競合しているサイトを探そう)。当然だが、ウィジェット Xを販売しているA社が同じくウィジエット Xを販売しているB社からリンクを獲得することが出来る可能性は低い。しかし、非常に人気の高いベッド & ブレックファースト(B & B)を経営しているなら、地域のB & B協会にリンクを求める取り組みを是非お勧めしたい。このアイデアにおいては様々なバリエーションが考えられる。
しかし、その前にまずはリンクに値する素晴らしいコンテンツを投稿しておくべきである。B & B協会の事業面の運営に関する記事を作成する手もある。お菓子作りのエキスパートかもしれない。地域の旅行業界に詳しいのかもしれない。ホスピタリティ業界の会計処理をよく知っているのかもしれない。このエントリを読んでいるくらいなら、オンラインマーケティングのエキスパートなのかもしれない(“エキスパート”と言う用語は自分の業界のその他の人達と比較している)。
それが何であれ、自分の分野に関するコンテンツを作成し、定期的に新しい作品を加える作業に専念し、コンテンツのコレクションに対するリンク構築の取り組みを実施しよう。競合者でさえ、その作品に好奇心をそそられ、リンクを張ってくれるかもしれない。しかし、常にリンクを求める作業を行ってもらいたい。断られるかもしれないが、OKしてもらえる可能性もある。要請しないなら、断られた場合と同じ結果しか得られない。リンクを求めることで、その素晴らしい作品に光り輝くチャンスを与えてあげよう。コンテンツに価値があるなら、リンクを徐々に入手することが出来るようになるだろう。
2012年はお互いに忙しくなりそうだ。マヤ暦の滅亡説が当たらないことを祈ろう。暖かく、平和で、そして、豊かにリンクを張れる一年でありますように。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「9 New Year’s Resolutions For Link Building In 2012」を翻訳した内容です。
リンク購入に関しては理想としては行うべきでないのでしょうが、その効果を考えるといきなり完全廃止にするのはそれはそれで覚悟がいるの事実なのが現状でしょうか。お金で変えるリンクにもIP分散**サイトに掲載してもらえる明らかなSEOリンクから無料で製品サービスを提供して人気ブログにリンク付き記事を書いてもらうスポンサー記事まで色々あるわけですが。。。Google自身も自らがトラップに陥ったようにこの辺の線引きも今後色々と問われてきそうではあります。
とはいえリンク掲載に対してお金をかけずとも自ら積極的に情報発信することで様々なソーシャルメディアで取り上げられ結果リンクも増えていくのもまた事実(このSEO Japanがまさにそうですが)。「コンテンツマーケティング」などと気負らずとも、ソーシャルブームにそろそろ乗っかる意味でも2012年のリンク構築、ブログやソーシャルメディアを通して何かしらの情報発進から始めてみても良いかもしれません。例えそれが日々の日記であっても見てくれているファンはいるかもしれませんし、何とっても継続は力なのもリンク構築の真実です。 — SEO Japan
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