場所や地域を含む検索を対象とした、いわゆるローカルSEO。
Googleマップの進化もあり、特に物理店舗を持つ中小企業にとっては非常に重要な施策と言えます。もちろん、あくまでSEOの範囲であるため、通常のSEOの施策はその効果を発揮すると思いますが、それだけでは不十分なこともまた事実。
今回は、こうしたローカルSEO特有の施策や気をつけるべきポイントについてまとめている、SEMrushからの記事を紹介いたします。
ローカルSEOとは、地域に特化した検索クエリに対し、ビジネス・商品・サービスを最適化させる作業だ。
Google(また、その他の検索エンジン)はIPアドレス(デスクトップ)と位置情報(モバイル)をベースとしたユーザーの位置を用い、彼らに何を表示させるべきかを判断している。
そのため、歯医者・洗車・鍵屋などと検索した場合、検索エンジンはユーザーのロケーションに関連するビジネスを表示させる。
検索結果はローカルのビジネスにとって、2つのメインとなるパートによって構成されている。
ユーザーは特定の地域を示す単語を加えることで、異なる地域の検索を行える。
例えば、「ロンドンのホテル(Hotels in London)」といった具合だ。その他の表示機会は、広告・画像・ワンボックスとなり、もちろん、ローカルファインダーやマップも含まれる。
ローカルSEOの作業は、ローカル検索のクエリに対するWebサイトの最適化を含むが、Googleマイビジネスのページの最適化も対象となる。
ローカル検索のクエリに対し、ローカルビジネスを表示させる場合にも例外はある。
この場合、Googleは、ユーザーの位置情報ではなく、ユーザーの検索意図による判断を行う。このケースは、特に「<場所名>のホテル(Hotels in …)」といった検索で起こりうる。
こうした検索でGoogleは、自然検索結果に旅行予約サイトを表示させることが多い。10個のホテルのWebサイトを自然検索結果に並べるのではない。
その地域の複数のホテルから選びたいという検索意図があると、Googleは判断しているのだろう。
ホテル検索では、2018年7月に、ユーザーの位置情報の重視から検索意図への重視へと切り替わっている。2019年7月には、英国での「空港までの送迎」のクエリにおいて、ユーザーの位置情報の重視から検索意図への重視へと切り替えている。
ローカルビジネスのWebサイトは全て予約サイトに取って代わられてしまった。
こうした検索でローカルビジネスを検索結果に表示させるには、ユーザーは「<場所名>の空港までの送迎(Airport Transfers in …)」のように、特定の場所を検索クエリに含めなければならない。
Googleは検索結果を変更することができ、実際、今後も変更されていくだろう。
しかし、ユーザーの位置情報と検索クエリに適合したホテルパックやローカルパック内に、ローカルビジネスのWebサイトをGoogleは今でも表示させている。
ローカルSEOの戦略は、あなたのビジネスのロケーションと顧客の検索意図に適した内容にすべきなのである。
通常、ローカル検索結果はローカルパック(Googleマイビジネス)と自然検索結果(Webサイト)によって構成されている。
※SEO Japan編集部注:
ローカルパック:Googleマイビジネスやマップから登録された施設情報から優先表示される領域
自然検索結果:Webサイトの候補を表示する領域
ローカルSEOの戦略は、そのビジネスのビジビリティを増加させるために、複数の側面を含んでいる。
ローカルSEOの実践者として、私は自然検索でのビジビリティ(非広告)の提供に集中している。
しかし、ペイド広告を使用するタイミングと機会は常に存在する。例えば、ローカルSEOを開始したばかりで、ローカルパックや自然検索結果に表示されていない場合などが考えられる。
競合サイトが特定の時間に広告を掲載し、あなたのWebサイトの表示が下部に追いやられている場合も該当するだろう。こうした時間帯でも、あなたはWeb上の露出を維持したいはずだ。
Googleは、クエリの性質やビジネスの種類により、ローカルパックの表示を僅かに変更している。
Googleマイビジネスはナレッジパネルの表示によって、検索結果に直接ブランドの露出を高めてくれる。
Googleは、下記のオプションをGoogleマイビジネスのページに表示させることで、ユーザーがそのビジネスと検索結果画面で直接やり取りが行える機会を増やしている。
Googleマイビジネスのページが無ければ、ローカル検索とローカルパックの機会の半分を逸していると言える。
Googleマイビジネスのページは、全てのビジネスが持つべき、最も重要なツールの1つである。
当然ながら、Googleは正確なランキング要素を公表してはいない。
しかし、いくつかの基本的な情報は「Google のローカル検索結果の掲載順位を改善する」で公開している。
“関連性とは、ユーザーの検索がローカル リスティングとどの程度一致しているかを示します。
充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスに関するより的確な情報が提供されるため、リスティングとユーザーの検索語句との関連性を高めることができます。”
“距離とは、検索語句で指定された場所から各ビジネス所在地までの距離によって計算されます。
検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。”
“知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを示します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、検索結果にはこうした情報が加味されます。
たとえば、多くの人に知られている著名な美術館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのインターネット上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果の掲載順位に影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、掲載順位が高くなります。”
距離はWebサイト側が最もコントロールしづらい領域である。全てのユーザーが異なるロケーションで検索を行うからだ。
何千ものサイテーション(店舗一覧サービスへの登録)を構築することについて警鐘を鳴らしたい。大量の店舗一覧サービスに登録することは控えよう。
低品質な店舗一覧サービスの場合、登録したページが数ヶ月間Googleにインデックスされないこともある。Googleにも、その状況が伝わってしまうだろう。
最も権威があり、最も関連性のあるサービスを選択しよう。
あなたがまずすべきことは、Googleマイビジネスのページを作成することだ。
実際に検索する、もしくは、https://www.google.com/business/にアクセスし、すでにGoogleマイビジネスのページを持っているかどうか確認しよう。
Googleマイビジネスはあなたのビジネスの認証を求めてくる。最も一般的な方法は、郵便はがきの送付による認証だ。郵便はがきにはパスワードが記載されており、認証されるために、そのパスワードを入力する必要がある。
他の方法については、Googleがどの程度、そのビジネスがそのロケーションに実在しているかを把握しているかによる。電話、テキストメッセージ、Eメールがそれに該当する。
認証されれば、ダッシュボード内にあなたのアカウントが作成される。モバイルで操作している場合は、Googleマイビジネスのアプリで確認できる。
ビジネスの種類には2つある。
メインビジネスの情報は情報セクション内にある。
下記が入力を必要とする項目だ。
・気持ちはわかるが、キーワードを詰め込んではいけない。いずれ問題を引き起こすだろう。また、ビジネス名、所在地、電話番号は一貫させることをお忘れなく。
・あらゆる種類のビジネスのカテゴリが用意されているわけではない。あなたのビジネスに最も近いカテゴリとサブカテゴリを選択しよう。
・複数の検索語句に対応するために、競合サイトが何を使用しているか確認しよう。
・ビジネスの正確な所在地を記載しよう。あなたのWebサイトに記載されている所在地と同一としよう。
・マップに表示されるピンが実際の所在地と合致しているか、確認しよう。
・サービスエリアのビジネスの場合、あなたの所在地は表示されないが、あなたがサービスを提供するエリアを選択できる。
・営業時間を設定しよう。
・予約によってのみ行われるビジネスの場合、何も選択しないことをGoogleは勧めている。
・特別な時間帯も追加できる。例えば、夜遅くのショッピングのために営業時間を延長したり、閉店マークを付ける場合などだ。例えば、クリスマスウィークは通常とは異なる営業時間になることもある。
・電話番号も複数設定できる。メインの電話番号とサブの電話番号だ。
・コールトラッキングを使用している場合、メインの電話番号にそれを設定しよう。また、ビジネス上でメインとなる番号はサブの電話番号に設定しよう。
・ビジネスの略称を設定することができる。
・これを設定すると、短いURLとレビューへのURLを取得できる。日々のマーケティング活動や、顧客へ直接送付するなど、活用しよう。
・Webサイトのアドレスを追加しよう。
・ここで、UTMトラッキングコードをあなたのWebサイトのアドレスに追加することをお勧めする。これにより、Googleマイビジネスからの訪問をGoogle Analyticsで直接確認することができる。
※例
https://www.example.com/?utm_source=google&utm_medium=organic&utm_campaign=googlemybusiness
・ビジネスの種類によって(予約、アポイント、注文など)他の地域でビジネスを行う場合も、その地域ごとにUTMトラッキングコードを使用できる。
・レストランでなければ、「サービス」セクションが表示されるはずだ。ここでは、あなたが提供するサービスの種類を追加できる。
・レストランの場合、メニューを追加できる。
おそらく、多くのユーザーが困惑し、誤解するセクションだろう。属性を追加することはできず、選択か非選択しかできないのだ。
新しくページを作成する場合、属性は表示されないはずだ。Googleマップをインストールしたユーザーがあなたのビジネスにより多く訪れると、あなたのビジネスについての質問をプッシュ通知する。
その質問へのユーザーからの回答によって属性が追加され、あなたはそれを選択(非選択)することができる。
例外はホテルであり、事前に選択肢が用意されている。
・ここに大きな機会がある。あなたのビジネスについて、よく考えられた説明文を記載しよう。あなたは誰で、独自性は何で、あなたが提供するものは何か。
Googleマイビジネスのよくあるミスを防ぐ方法も確認しよう。
Googleへの投稿機能は2017年7月にローンチされた。
ビジネスのナレッジパネル内で表示される、投稿、イベント、オファー(クーポンや特別なお知らせ)を追加することができる。
Googleの「投稿」は7日間掲載される。
しかし、過去の投稿もユーザーがスクロールすれば見ることができる。イベントやオファーは設定した期日まで表示される。
投稿からの流入は徐々に減少している。Googleはあなたのポストを表示させる位置を実験しており、現在は検索結果に表示されるあなたのリストの最下部に表示されている。
しかし、これは検索結果から直接あなたの顧客へブランディングできる無料の機会である。
また、FacebookやTwitterのようなクローズドなシステムで定期的に投稿しているのであれば、あと5分だけ作業時間を伸ばし、検索結果画面であなたのビジネスを発見してもらうための情報を提供しない手はないはずだ。
また、検索クエリに関連のあるコンテンツを投稿からGoogleが発見した場合、ローカルパックでスニペットに表示する機会も増えている。
GoogleポストにもUTMトラッキングコードを使用することができる。どの投稿がうまくいき、どの投稿がうまくいかないかを判断し、改善を重ねていこう。
Googleは小規模のビジネス向けに1ページのWebサイトを作成できるようにしている。
そのWebサイトにはGoogleマイビジネスからの情報を記載する。自身のWebサイトを保有している場合は、このセクションを飛ばしてもよい。もしくは、あなたのビジネスへのサイテーションとして考えてもよいだろう。
質問と回答はGoogleマイビジネスのリスティング内には表示されない。質問と回答は、マップ経由で作成され、ナレッジパネル内に表示される。
Googleマイビジネスのダッシュボードの対象ではないからと行って、このセクションを無視してよいわけではない。
私は、よくある質問と回答を目立たせることを勧めている。この領域で検索をするユーザーの助けとなるためだ。新しい顧客からの質問があれば、いつでも確認する。
Googleマイビジネスと同様のアカウントに付随しているGoogleマップのモバイルアプリがあれば、ユーザーが質問をしたさいに、マップ経由で通知が来る。
「より多くのレビューがあれば、より上位に表示される」という逸話を正さなければならない。
レビュー数が少なくとも、ローカルパック内で上位に表示されている例を多く見ているはずだ。レビュー数は、Googleが使用している唯一のシグナルではないのだ。
顧客にレビューを求めたい気持ちは理解できるが、それだけですべてが完結するというものではない。良いレビューにも、悪いレビューにも、誠実にプロフェッショナルとしての回答をしよう。
顧客が簡単にレビューを行えるよう、すぐにアクセスできるURLを用意し、Eメールやニュースレターに使用しよう。
自身のビジネスを運営しながら、SEOという新しいスキルを学ぶことは非常に大変だろう。
ここでは、ローカル検索のためのWebサイトの最適化における初心者向けのアドバイスをまとめたいと思う。
SEOについて情報は山程あり、Googleもヘルプ記事を用意している。
複数のロケーションで行うビジネスの場合は、わずかに違うアプローチが必要だ。
ローカルSEOの場合、あなたがどのロケーションでビジネスを行っているかを検索エンジンが理解することは非常に重要だ。
特定のロケーションでビジネスを行っている場合、検索エンジンと顧客にそれを伝える必要がある。
トップページに記載するコピーにはロケーションを含め、可能であればH1タグにも含めよう。
※例
<h1>ボブズ プラミング: ノーサンプトン州の緊急対応可の配管工</h1>
<h1>ハッピー・ポーズは受賞歴のあるノーサンプトン州のドッグ・グルーマーです</h1>
Webサイトであなたのロケーションをしっかりと記述することはSEOの助けとなる。また、あなたのビジネスのロケーションを判断する際、顧客が混乱することもない。
ページタイトル(検索エンジンでユーザーが目にする箇所)も同様だ。トップページの場合、あなたが主に提供しているサービスの記述を含めよう。
※例
<title>ボブズ プラミング – ノーサンプトン州 緊急対応可 – 24時間受け付け</title>
<title>ハッピー・ポーズ – ノーサンプトン州のドッグ・グルーマー – 受賞歴あり</title>
タイトルの文字数は60文字に収めよう。
メタディスクリプションは、検索結果からあなたのWebサイトに訪問することを顧客に促す役割がある。
※例
ノーサンプトンにある緊急対応可能な配管工です。終日24時間営業しています。パイプの破損から配管の修繕まで対応しています。ボブズ プラミングにぜひお問い合わせを!
ディスクリプションは160文字に収めよう。
内部のページは、あなたのビジネスが提供するサービスや商品についてのページだ。これらのフォーマットはトップページのそれとは僅かに異なる。どのページに顧客が訪れるかはわからないため、ロケーションはしっかりと記載しよう。
※例
<h1>ノーサンプトン州のラジエーターの修理と取り付け</h1>
<title>ラジエーターの修理と取り付け ノーサンプトン州 – ボブズ プラミング</title>
※例
<h1>ハッピー・ポーズのカットとドライヤー ノーサンプトン州</h1>
<title>カットとドライヤー – ドッグ・グルーミング ノーサンプトン州 – ハッピー・ポーズ</title>
商品やサービスについてのよくある質問を記載することは非常に良いだろう。
顧客の疑問に答えながら、検索エンジンに対して十分なキーワードを含んだセマンティックなコンテンツを提供することになるからだ。
ビジネスの所在地やその他関連する情報は、サイト全体のフッターに記載するべきだ。
あなたのロケーション情報を強化するだけでなく、顧客がWebサイトのどのページを閲覧してもビジネスについての詳細を確認することができるからだ。
所在地、電話番号、営業時間、お問い合わせ情報、Googleマイビジネスへのリンクなどを含めよう。
サイト全体にあなたの情報を記載した後は、それらのコンテンツに構造化データをマークアップしよう(ローカルSEOのチェックリストを参照)。
ビジネスのサイテーションやメンション(必ずしもリンクではない)検索エンジンがそのビジネスについての理解とロケーションを把握することの手助けとなる。オンライン上での知名度向上の手助けにもなる。
繰り返しとなるが、数百のサイテーションを構築することが手助けとなるわけではない。より知名度のあるサイトに的を絞るべきだ。サイテーションとローカルリンクの機会となり得るいくつかの例を挙げてみよう。
ブログやニュースのセクションは、サイトのメインとなるページでは満足しなかったユーザーに対し、ローカル化されたコンテンツを提供する最適な場所だ。調査段階にいるユーザーを惹きつけることにも役立つだろう。
ボブズプラミング(配管工)を例に挙げてみよう。彼らのラジエーター修理と取り付けについてのページは、修理の基礎知識、修理の種類、新しいラジエーターの取り付け方法などを記載している。
ここで扱っていない内容は、修理や取り付けの際に起こりうる潜在的な問題の重大さについてである。
メインの修繕ページでは、修理が必要なケースを数百も記載することはない。そのため、調査段階にいるこうした顧客を惹きつけるために必要な答えや解決策を提供してみよう。
その場合、必ずしも「ブログコンテンツ」である必要はない。ケーススタディ、ポートフォリオ、プロジェクトページなど、購買段階における顧客を惹きつけるには最適な方法だ。
ローカル化されたコンテンツのアイデアは他にもある。ガイド、プレゼンテーション、技術的な情報を集めたシートなど様々だ。
また、SEMrush、Answer the Pubic、Also Askedなどのツールから、ユーザーが検索に使用しているトピック、キーワード、フレーズを探すことができる。
このビギナーズガイドはあなたのビジネスを正しい道筋に向かわせ、ローカルSEOを構築し改善するためのより深い理解を提供できたはずだ。
ローカル検索でのあなたの競合サイトをレビューする。あなたが真似ることができる箇所、より良くできる箇所はどこだろうか。
Googleマイビジネスとローカルランキングで苦労しているのであれば、ぜひコメントを寄せて欲しい。
ローカルSEOにおける一番の課題は、「そのビジネスがローカルSEOに取り組む時間を確保できない」ことにあると思います。
通常のビジネスに割く時間のほうがもちろん重要であるため、なるべく効率的にローカルSEOの施策を行いたいところです。
今回の記事のように重要な課題やポイントをまとめてくれるのは非常に助かりますね。すでにローカルSEOを行っているサイトも、ヌケモレ確認のためのリストとして活用していただければと思います。
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