様々なソーシャルプラットフォームの台頭やスマホの普及、そしてアドテクノロジーの進化と共にディスプレイ等、サーチ以外の広告が改めて盛り上がっているネット広告業界ですが、最近米国で話題になっているキーワードが「ネイティブ広告」。日本ではまだ余り聞かないこの言葉ですが、今回ネイティブ広告の意味や可能性、課題を簡潔にまとめた記事をアドテク投資家&起業家のダレン・ハーマンが書いてくれたので紹介します。 — SEO Japan
予測できる範囲内の未来で、ブランドは、消費者にある時点で自分達の製品もしくはサービスを買ってもらうために彼らに接触することにお金を使い続ける。ブランドは、異なるステージに渡って購入ファネルの改善を行い、最終的なコンバージョンを上げることを目指す。
「ネイティブな収益化」の機会について、近年、多くのミーム、カンバセーション、トレンド、トピックが生まれた。その機会について、私は多くの公の場で話してきた。それには、BuzzfeedのJon Steinberg on Branchによって始まった会話や、直近では今日のDigidayの記事が含まれる。
しかし、ネイティブ広告とは何なのか?iMediaConnectionによると、ネイティブ広告は、“ユーザーの消費体験にシームレスに統合するようにデザインされた広告ユニット”として定義されている。
インターネットの大部分で、私たちはネイティブ広告ユニットを見つけたことがないと思う。しかしながら、インターネット中に存在する満場一致のネイティブ広告ユニットは、理想主義の夢である。テレビでは、満場一致のユニットが“スポット”で、デジタルにおいてそれに相当するものがバナーだ。ただし、これらのユニットはネイティブではない。
最近、TumblrはRadarが盛り上がっていることを発表し(註:人気記事リストに掲載される広告)、Buzzfeedは強力なシェア率を示しているし(註:同じく口コミベースの人気ニュースアグリゲーションサイト)、Sharethroughはネイティブ収益化とシリコンバレーについてTechCrunchで記事を書いているし(日本語)、Facebookは新しいネイティブユニットを発表した。“ネイティブ広告”スペースが熱いのだ。
広告はコンテンツであり、コンテンツは通常、消費者のためにデザインされる。これはつまり、広告は消費者中心である必要があることを意味するが、現実はそうだろうか?マーケッターが法的整備およびビジネスルールを規定し終えるまでに、先にクリエイティブが消費者中心の境界線を引くかもしれないが、実際に配置されているメディアユニットがキャンペーン全体を失敗させる可能性もある。メディアの配置が視覚的に認識されないがために、戦略、クリエイティブ、プロダクション、プランニング等、各エージェンシーによる努力は全て無駄になる。なんてことだ。多くの人がバナー広告は死んだと思っているのも、これが理由なのだ。*
上に定義されたネイティブ広告は、ユーザーの消費体験と一体化される。適切に行われた時には、それはものすごく上手くいく。私たちはこのエージェンシーでそれを行ったことがあり、私はその内容を派手に宣伝し続けている。
しかしながら、ネイティブ広告には、その制約と問題が伴う。
これらは数多くあるネイティブ広告の制約の2つだ。ネイティブ収益化は新しいものではない。新聞の求人広告はネイティブだ。テレビガイドの広告はネイティブだ。有料検索はネイティブだ。デジタルスペースには新しいプラットフォームがたくさんあるのだから、私たちは同様のネイティブモデルが現実となるのを目にすることになるだろう。私はそのことについてワクワクする。そして、その制限を乗り越えることができるエージェンシーとマーケッターが利益を得るだろう。私はこれについてもワクワクする。何故なら、私自身もプランニングや投資で忙しくいられ続けるから。
もしあなたが、ネイティブ収益化に取り組むためのプラットフォームやソリューションを築いている企業家なら、私たちの投資会社kbs+ Venturesであなたに会うのを楽しみにしている。
*ちなみに私はバナー広告が死んだとは思わない。バナー広告はルネサンスを経験していると思っている。
この記事は、Darren Hermanに掲載された「Native Advertising Opportunities & Native Monetization for Publishers」を翻訳した内容です。
従来のディスプレイ広告とはまた違う(そのシーンはそのシーンで盛り上がっているようですが)、よりユーザー体験の線上でシームレスに提供する広告全般を指してネイティブ広告と呼ぶのですね。消費者中心の時代に一方的な製品サービス情報ではない、ユーザーに有益なコンテンツを発信していくことがマーケティングでも求められていますが、広告も消費者中心の考え方がより求められてきているといったところでしょうか。米国では既に様々な会社がネイティブ広告のコンセプトを意識し、実践し始めているようですが、日本でも例えばLINEのスタンプなどはネイティブ広告と呼べそうですね。
このネイティブ広告、特定の手法・フォーマットに限って呼ばれるものではないだけに、コンテンツマーケティングと同じく効果的に実践するには、それなりのアイデアとプランニングが求められそうです。ユーザーとのインターアクションが多いソーシャル系サービスは、上手く提供できれば効果抜群の気もしますが、ユーザー体験を損なわないためのバランスの舵取りが難しそうですね。さて新たなバズワード(良い意味で!)候補のこのキーワード、今後どこまで注目を浴びていくのでしょうか。
註:この記事を投稿した後、何故「ネイティブ」と呼ぶのか少し気になったので調べてみたのですがイマイチわかりませんでした。日本語で思うネイティブと似たような意味だとは思うのですが、ユーザーのサイト体験の中で「自然に」「元々あったように」連携して表示される広告だからでしょうか。わかる人がいれば教えてください m(_ _)m ちなみに翻訳も最初公開したものが直訳調過ぎてわかりにくかったので少し修正しました。– SEO Japan [G+]
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