先日、ノマドワーカーで独立したい人に贈る17のアドバイスという記事を紹介しましたが、その中に「パートタイムで始める」という項目がありました。いきなりフルタイムで独立して失敗しないためにも有効なアドバイスとは思いますが、実際にパートタイムで始める際にはそれはそれで色々と気を付けるべきことはありそうです。既存の仕事に迷惑をかけないためにも、フルタイムに発展していけるためにも、パートタイムノマドワーカーの乗り切り方をマスターしたい。 — SEO Japan
フリーランサーとして始めるのに最高の方法は、パートタイムである、というのが私の意見だ。フルタイムに飛び込むのとは対照的に、限られた役割の中で始めるメリットはたくさんある。ここでは、このテーマについて詳しく見ていき、経験に基づいたアドバイスを提供する。この記事は主に、デザインの経験があるが、フルタイムのフリーランスに入る前にもっと経験を得てスキルを向上することを目指している人向けだ。
私は、フリーランスやデザインのキャリアの初期段階にいる読者と定期的にやりとりをしているので、このテーマがあなたにとって価値あるものになることを願っている。
1. フルタイムの仕事を辞めない
フリーランスは大きなチャンスだ。多くの人は、自分の時間を設定したり、自宅から仕事をしたりすることができることを望む。しかし、フリーランサーとして生計を立てるのは大変だ(特にあなたが初めて独立する時)。そして、通常、適切なタイミングが来るまでフルタイムの仕事を手放さないことによって避けられる不必要なリスクがある。加えて、中にはフリーランスは楽しくないとすぐに気が付く人もいる。もしこれがあなたに当てはまるなら、フルタイムの仕事を持っている間にこれに気が付くことがベストだ。
フルタイムで働いて自分の“空き時間”にフリーランスになることは、多くの自制心と犠牲を要するが、それをパートタイムで試して、仕事を辞める前にほんの少しビジネスを築くことができるため、リスクを減らすのに役立つ。リスク要因よりもっと大きいのは、パートタイムでフリーランスをする時には、自分にぴったり合うプロジェクトを選ぶ余裕があり、その時にはお金を稼ぐ必要なく学ぶことに多くの時間をささげることができるということだ。しかしながら、フルタイムの仕事がなければ、すぐにお金を稼ぐというプレッシャーが大きくなり、あなたは学ぶことや自分自身の発展を優先させることができずに、見つけることが出来る仕事は何でも受け入れなければならないだろう。
2. 基本的なポートフォリオサイトを用意する
質の高いポートフォリオサイトを持つことは、クライアントを獲得するためにできる最良のことの1つだ。もちろん、これは、ポートフォリオ内で紹介する仕事がいくつかあることが前提だ。もしあなたがデザイナーとして始めたばかりなら、まずはポートフォリオを作るという目的のためにいくつかのプロジェクトに取り組む必要があるかもしれない。
自分の最高の仕事を映し出すポートフォリオサイトをデザインするために、できる限り多くの時間を費やすようにしよう。とても素早くデザインしてコードすることができる1ページのポートフォリオが人気だ。それに加えて、テンプレートやポートフォリオのためのWordPressテーマから選ぶこともできる。この場合は、スタート地点としてテーマを使用して、ユニークなデザインにするためにカスタマイズをすることも可能だ。
3. 収入よりも経験を優先させる
先に進めるプロジェクトを決める時には、一番支払いの良い仕事をただ引き受けるのではなく、学ぶことや自分のスキルを発展させることにより重点を置くこと。それほど支払いのよくないプロジェクトを採用することができるほどの別の収入があれば、あなたは価値のある経験を得るだろう。これには、非営利団体のための仕事や、予算の少ない事業や、収入を生み出さない可能性のある独自のプロジェクトに取り組むことが含まれる。
この方法を取ることによって、短期間で稼ぐ額は少なくなるが、特定のスキルを向上することができ、長期的には大きく役に立つであろう価値のある経験を得ることが出来る。
4. 独自のプロジェクトに取り組む
ほぼ全ての新人フリーランサーが苦戦することの1つは、十分な仕事を見つけることだ。もしたくさんのクライアントプロジェクトを見つけることができないのなら、学習を目的として自分の独自のプロジェクトに取り組むという選択肢が常にある。クライアントと仕事をすることは、フルタイムのフリーランスの仕事に移行するための必要なステップではあるが、クライアントを探すことに自分の時間を全て費やしていたら、多く学習したり自分のスキルを向上することがあまりないかもしれない。その代わりに、自分が学びたいことを具体的に何か選んで、それを時間がある時に取り組むことが出来る自分の独自のプロジェクトに組み込んではどうだろうか?例えば、WordPressに関してもっと学びたいのなら、自分のブログ用にテーマをデザインしたり開発したりする時間を設けたり、自分のサイトから無料で提供できるテーマをデザインするのだ。
5. 基本的な仕事のスケジュールを確立する
フルタイムの仕事をしながらフリーランスの副業をすることは、時間を効率的に管理することを要求する。私の経験では、フリーランスの仕事のためにいくらかの時間を確保することが出来るように最低でもおおよそのスケジュールを持っておくのがベストだ。例えば、火曜日と木曜日の夜は4時間働き、土曜日は5,6時間働く計画をするかもしれない。どんな場合であるにせよ、これが、1週間のスケジュールの中でフリーランスの仕事に専念する時間を作るのに役立ち、必要な時には物事を変更する柔軟性も残している。
パートタイムフリーランサーにとって、他のことに邪魔をされて自分の仕事にかける時間が少なくなるのはとても簡単なことだ。こういうことが起きる場合には、数か月後に振り返ると自分がほんの少ししか進展しなかったことに気が付く可能性が高い。もしあなたの目標が、フルタイムの収入を稼いで他の仕事を辞めることができるようなフリーランスのビジネスを築くことなら、基本的なスケジュールを設定することが、ある程度の仕組みを提供し、あなたの役に立つだろう。
6. 別の銀行口座を開設する
収入と支出を記録することは、綿密にお金を管理することに慣れていない人にとっては困難なことがある。1つの問題は、フルタイムの仕事に対してどのお金がフリーランスから発生したのか区別するのが難しいことがあるということだ。物事を区別するのに最も簡単な方法は、フリーランスの収入のためだけに口座を設定することだ。フリーランスで稼いだものは全てこの口座に入り、ビジネスに関連する支出がある時にはいつもそこから使うことになるので、これらの支出のために他の口座に手を付ける必要がなくなる。
7. 稼いだお金を再投資する
フリーランスをする理由の1つは、多くの人にとって、必要とする金銭的投資が少なく、参入する壁が低いことかもしれない。しかしながら、もっと良い仕事をしたり時間を節約したりするのに役立つことにお金を費やしたい、もしくは費やす必要があることもあるだろう。ソフトウェアや、ホームオフィスの基本的設備を購入したり、ホスティング費を負担したり、トレーニングや教育のために支払いをしたりする必要があるかもしれない。これら全てのことは、もしあなたが、自分で稼いでいるお金を再投資する意思があるなら、負担することができる。この考えは、ビジネスに自分の収入を投資する方法をいくつか見つけなければならないということではなく、より良い仕事をするのに本当に役立つことがある時に、自分が稼いだお金の一部を費やす意思があれば、長期的に見てもっと良い状態になるだろうということだ。
8. 税金を忘れない
フリーランスの収入を他のお金と区別した方が良いもう一つの理由は、予想したよりも高い税金になるかもしれないからだ。別の口座にフリーランスの収入を持っていれば、そこから税金を支払うことができ、他の口座に手を付ける必要がない。もちろん、税法はあなたが住んでいる場所によって異なるし、支払う義務のある金額は収入や支出によって左右する。もしあなたがフルタイムのフリーランスに移行するつもりだったり、フリーランスから大きな収入を得るつもりなら、自分が全てを支払い、物事を適切に合法に行っていることを確実にするために会計士を雇うべきだ。
9. 知っている人に話す
フリーランサー(フルタイムでもパートタイムでも)にとってビジネスの最良の源の1つは、口コミ広告だ。友人や家族に自分が提供しているサービスについて話せば、あなたのサービスを使うことができる誰かを彼らが知っていることが判明するかもしれない。たとえ自分の知っている人があなたのサービスに対するニーズがあると思わないとしても、彼らはあなたの知らない人たちの独自のネットワークをそれぞれ持っていて、それが見込みクライアントとコンタクトを取る最高の方法になり得るのだ。
10. デザインの求人掲示板を訪問する
オンラインには、仕事のチャンスを見つけることができるデザインの求人掲示板が数多く存在する(私たちの記事、27 Places to Find Web Design Jobsを読もう)。Freelance Switch job boardやSmashing JobsやDesignM.ag job boardのようなソースは、特定のプロジェクトにフリーランサーを採用したい人たちからのリストを見つけることができるので、最高だ。求人掲示板が、仕事の唯一の供給源であるということではなく、口コミ広告やポートフォリオを介してクライアントを引き付けることの補完になるのだ。特に、仕事を必要としている時にいつでも、新しいネットワークを見つけようとしてたくさんの時間を注ぎ込むことなく、求人掲示板を訪問して相応しい投稿に返答することができる。
11. 自分の料金に心地よく感じる
自分の仕事に値段を付けることは、新人フリーランサーにとってはとても難しいことかもしれない。実際、しばらくフリーランスの経験があるデザイナーでさえも、いくら請求するか決めることに苦労することがよくある。この件に関して書かれた記事はたくさんある(12 Realities of Pricing Design Services参照)が、その大部分は、フルタイムのデザイナーが同じ境遇のオーディエンスを前提として書いたものだ。始めたばかりのパートタイムフリーランサーとして、あなたは、高い料金を請求することを怖がるかもしれないし、そういった状況では追加のプレッシャーを感じることさえあるかもしれない。
現段階で自分の仕事の価格設定をする際に検討すべき最も重要なことは、自分が心地よく感じる料金を請求することだ。できる限り多くのお金を稼ぐことは、ここでのあなたのプライオリティではないため、自分はまだ学んでいると感じる間は料金を低くしておきたいのなら、それは問題ない。私の経験では、クライアントがプロジェクトを真剣に捉えるに十分な額を請求したい(あまりに少ない請求額は、投資する額が少ないためにクライアントが自分のウェブサイトをあまり優先しないという結果を引き起こす)が、自分が思うサービスの価値よりも高く請求しないことだ。もっと経験を積んだら、自分の仕事にもっと自信が持てるようになり、料金を上げることは問題ではないはずだ。
あなたが独自のキャリアとデザイナーとしての進歩の過程にあることについてクライアントに率直に打ち明けることも良いアイディアだ。状況と価格が適切であれば、経験の少ないデザイナーと仕事をすることを望んでいるクライアントはたくさんいる。もしあなたのクライアントが、あなたの経験やスキルのレベルについて誤って思い込んでいるなら、将来問題を引き起こすことになるかもしれない。
12. クライアントの仕事をたくさん引き受けすぎない
新人フリーランサーがする間違いの1つは、自分のところに入って来る可能な限り全てのプロジェクトを引き受けることだ。特に始めたばかりの時は、全ての時間を使って、自分が取り組んでいるプロジェクトから学んだり、自分ができる最高の仕事を生み出す必要がある。もしあなたがポートフォリオを作ることに取り組んでいるのなら、仕事を急ぐことは、自分のベストに満たない仕事をもたらし、ひいては標準以下のポートフォリオを生み出すことになる。
さらに、もしあなたがフリーランスに加えてフルタイムで仕事をしているなら、多く引き受けすぎるという誘惑に耐えるのだ。見込みクライアントに、一緒に仕事をしたいと思っているが、あなたが始められるようになるまでには数週間(状況によって変わる)待つ必要があるということを説明するのだ。
13. ネットワークを作る
成功しているフリーランサーはみんな、長年にわたって築いてきた人脈の強いネットワークを持っている。これには、あなたが学ぶことができる他のデザイナーや、自分の仕事量によっては照会を共有できるデザイナーや、SEO、コピーライティング、マーケティングなどの関連分野にいる他のプロフェッショナル、もしくは全く異なるタイプのプロフェッショナルが含まれる。全てのビジネスはウェブプレゼンスを必要とするため、あなたのネットワークの価値ある一員になり得る人のタイプに限りはない。
ネットワーク作りは時間がかかる。そして、最も重要なことは、他の人に何かをお返しするという献身だ。ネットワーク作りのためにあなたがオンラインで出来ることはたくさんある(Twitterのように)が、オフラインの機会も忘れないようにしよう。去年、私はフリーランサーのためのネットワーキングの様々な側面について取り上げた4部作の記事を発行した:
14. 独自のビジネス習慣を実践する
パートタイムからフルタイムのフリーランサーに徐々に移行する時には、支払い請求や、請求書の支払いや、収入の記録、カスタマーサービスの提供、見込みクライアントからの料金のお問合せに対する返答などのことに必要とされる膨大な時間に気が付くだろう。これら全てのタスクはビジネスの必要不可欠な部分であるが、これらのことが、収入を生み出すサービスを実施することに使えたかもしれない時間を全て奪っている。これらの活動のプロセスを能率的にすることができればできるほど、あなたは他の仕事をする時間をもっと持つことが出来る。
ある時点で前進するという考えを持ってパートタイムで働いているのなら、どうすればこれらのタスクをほんの少しの時間しか必要としない整備されたやり方で対処することができるのかについて考える時間を設けることだ。財政や請求書にはFreshBooksやBillingsのようなものを使うと多くの時間の節約になることが判明するかもしれない。人はそれぞれ異なるやり方で仕事をし、物事をするのに好むやり方があるため、自分に一番合うものを見つけよう。
15. 差別化へのプランを立てる
フルタイムのフリーランスの仕事を計画する時に、検討したい1つのことは、世に出ている他の全てのデザイナーから自分をどのように区別するかということだ。パートタイムフリーランサーとして仕事をする間は、他のデザイナーよりも低い価格でサービスを提供することができるかもしれないが、それは次第にあなたがフルタイムに移行する時に変わってくるだろう。この時点で、クライアントを引き付ける最良の方法の1つは、どうにかして自分自身を差別化することだ。例えば、あなたはカスタマイズしたWordPressテーマをデザインすることを専門としたいかもしれない。この場合は、自分自身をWordPressエキスパートとして売り込むことによって、クライアントがカスタマイズしたWordPressテーマを必要とする時に、WordPressを専門としない他のデザイナーよりもあなたに連絡をする可能性がある。もちろん、これは単に1つの例にすぎないが、このアイディアは、世にいる大量の(しかも増え続けている)他のデザイナーからあなたを区別するものがある場合には、クライアントを引き付けるのが簡単になるということなのだ。
もしあなたが差別化のために何かを決めることができるなら、どのようにして自分自身を売り込むことが出来るかについて考えよう。特定のスキルを持っていることは、あなたがそれらのスキルを持っていることを他の人に知ってもらい、あなたのことを覚えてもらうことができることほど大切ではない。さらにあなたは、有効な差別化を計画するためには、特定の分野のスキルを向上する必要があるかもしれないため、他の経路で学ぶことに取り組んだりプロジェクトを見つけたりするための時間が必要になるかもしれない。
あなたの経験は?
すでにパートタイムフリーランサーとして仕事を始めるプロセスを経験した人たちへ、あなたが学んだことで他の読者に共有したいことはなんだろうか?
この記事は、DesignM.agに掲載された「15 Tips for Breaking in as a Part-Time Freelancer」を翻訳した内容です。
パートタイマー向けのアドバイスといいつつ、フルタイムでフリーランサーを始めたい人にも十分役立ちそうなアドバイス集でした。デザイナーを念頭に書かれているだけにポートフォリオサイトの話が出てきますが、ウェブ関連の仕事であればブログや、ウェブサービス等、自分の知識や能力を披露する場をウェブ上に持っておくことは大事ですよね。口だけのコンサルはこれ以上誰も欲しくないですし。。。
最後に、今更なんだといわれそうですが、そもそも副業・兼業を禁止している会社も日本には多そうなのでご注意ください m(_ _)m。 — SEO Japan [G+]
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