ChatGPTをはじめとする昨今の生成系AIのトレンドを受け、2023/6/6(火)にセミナー「”ChatGPT×SEO”徹底討論!AIは敵になるか?味方になるか?」を実施いたしました。
今回はアイオイクスのパートナー企業であるヒーローズ株式会社の木村様をお招きし、弊社事業部長の遠藤との公開ディスカッションを実施いたしました。
当日ディスカッションを行った内容の一部をサマリーとしてお届けいたします。
注釈:当セミナーについては、2023年6月時点での内容であり、現在とは見解が異なる部分がございます。ご了承ください。
目次
新澤(アイオイクス 司会・セールス):ChatGPTがトレンドとなっていますが、SEOやコンテンツ制作に携わる者として、AIはSEOやコンテンツ制作の現場にどのような影響を及ぼしていると感じていますか?
木村(ヒーローズ株式会社):まずライティングという仕事への影響が大きいという実感があります。いわゆるWebライターと呼ばれる方々の中には、「本当に仕事がなくなるのではないか?」という懸念を抱えている方もいらっしゃるようです。
一方で、セールスライティング・コピーライティングを扱うライターの方からは、「まだ大丈夫」という意見を聞いています。人対人のコミュニケーションを考える上では、ChatGPTはまだ十分な精度に達していないとのことです。
また、普段からコンテンツ制作に携わっている我々としては、まだChatGPTを実務ベースで使っていくには難しく、人の手をかけるべき余地が多いように感じています。
遠藤(アイオイクス 事業部長):独自に実験を行った所感として、コンテンツ制作に活用することは可能ですが、そのままではコンバージョンに寄与するコンテンツを作ることは難しいと感じています。
コンバージョンに寄与するのはユーザーに態度変容を促す、すなわち人の感情に寄り添ったコンテンツです。
実際にとある領域で、AIのみで作ったコンテンツによる実験を行ったのですが、流入数は増えても一切コンバージョンに寄与しないという結果となりました。
※実験結果については、以下の記事をご覧ください。
AIライティングで30本の記事を作成した結果|アイオイクスの社員ブログ
木村:我々の方でも実務に活用できないか検証を行っているのですが、修正を加える工程自体に時間がかかってしまう印象があります。
新澤:お話を聞く限り、「ChatGPTをSEOやコンテンツ制作にそのまま活用することは難しいのでは?」と感じられますね。ChatGPTはどの領域で活用できると考えていますか?
遠藤:疑似的なブレインストーミングのツールとしては大いに活用できる余地があると思います。私は一つのテーマについて考える時、観点を漏れなく洗い出すためによくChatGPTと壁打ちをしています。
また、伝えたいことを箇条書きにしてアレンジしてもらうなど、アウトプットの叩き台を作るツールとしても有用ですね。
木村:私も同じく、コピーライティングの案の洗い出しなどに活用しています。
手軽にいろいろな案が出力できるので、自分の観点の抜け漏れを見つけるなど、思考に関する業務に役立てています。
木村:単純な量産は可能であると思います。しかし、コンテンツに求められるゴールなどを度外視して量産することは可能であるものの、その先に繋げることは難しいです。
遠藤:SEO観点ではコンテンツの品質が低いことで、Googleのコアアップデートに弱いサイトになってしまうという点も懸念として挙げられます。
先の実験では一度コアアップデートを乗り越えましたが、AIコンテンツばかりのサイトではどうなるかわかりません。
木村:AIで生成したコンテンツの弱点として、「読みにくい」「人の感情に寄り添っていない」という点が挙げられます。
それらの要素は明確に言語化しにくいものもあり、人が対応してもなかなか質を上げるのは難しい領域であることから、AIに丸投げして質を担保することは困難でしょう。
遠藤:加えて、AIで生成したコンテンツには独自の観点が抜けていると感じます。時には良い切り口で出力されることもあるのですが、深みのある内容を再現することは難しいです。
定義や概論を説明するコンテンツには耐えうるかもしれません。
※実験結果については、以下の記事をご覧ください。
「ワンピース 組織論」の上位表示をGPTで再現できるのか?を実験してみた|アイオイクスの社員ブログ
新澤:本日の内容を踏まえて、ChatGPTをどのように活用すべきか、総括するといかがでしょうか?
遠藤:壁打ちやライティングのサポート役として、ChatGPTは非常に有用だと思います。一方で、本質的には繋がる可能性の高い言葉を次々に繋げていくという原理で動いているため、その挙動をうまく把握して活用することが大切です。
木村:ChatGPTから出力されたものであっても、適切な編集を加えることで良いアウトプットに整えていくことは十分可能です。生成系AIを人工として捉えるのか、アシスタントとして捉えるのか、捉え方によって適切なリソースをあてることができれば良い使い方ができるはずです。
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