アクセス解析ツールがユニバーサルアナリティクスからGoogle Analytics 4に代わり、SEOの現場では求められるGoogle Analytics 4の理解度が少しずつ上がっているのではないでしょうか。
しかし、まだ十分に慣れている人は多くなく、「データの計測や分析に苦労している」という声もよく聞きます。
そのような状況の中、9/26(火)に「SEOの成果をどう検証する? 本当は怖いGoogle Analytics 4の落とし穴」セミナーを開催し、SEOの初期調査について解説を行いました。
こちらの記事ではセミナーでご紹介した内容を画像付きで解説しています。SEOに携わる皆様のご参考となりましたら幸いです。
目次
セミナーの場で参加者の方にGoogle Analytics 4の理解度チェックアンケートにお答えいただきました。
6つの選択肢から一番近いものをお選びいただいた結果は以下のとおりです
(※n=22)
参加いただいた方の属性として、「これからGoogle Analytics 4を触っていきたい」「既にGoogle Analytics 4を本格的に扱っている」の2つが多く見られました。
また、株式会社イルグルム様やHubSpot Japan様の調査結果によると、Google Analytics 4への期待度に対し、利用状況が追いついていないという認識であることがわかります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000327.000009812.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000037724.html
しかし、ここで改めて考えたいのは「どこまでデータを確認すべきか?」という観点で、データ分析の価値を正しく理解することが重要です。
データを活用しながらSEOを進めていくにあたり、本来取り組みたい形は以下のモデルです。
しかし、SEOプロジェクトの現場では数値の計測が正しくできておらず、それにより誤った分析や仮説出しをしてしまっているケースが珍しくありません。
数値の計測が正しくできていないとどうなるか、それを示したのが次のスライドです。
このように、レポートに上がる数値が誤っていたり、それ以上の深掘りができなかったりする状態にあると、プロジェクトの地盤が揺らいでしまいます。
実態と報告が乖離した結果、プロジェクトが縮小し、さらに成果が悪くなってしまうこともあります。
データはプロジェクト関係者間での認識を揃え、プロジェクトを正しい方向へ進めていくために活用されるものです。
プロジェクトが本来辿るべき道から外れないように数字を正しく扱いましょう。
また、次のようなケースを考えてみます。
この数字に則れば、ユーザー数やコンバージョン率を2倍にすれば、コンバージョンは2倍になるのでしょうか?
計算上は確かにそのとおりですが、データの内訳を確認すると一筋縄ではいかないことがわかります。
Webサイトにアクセスするユーザーの属性が見込み顧客と異なっていれば、単純にセッションを増やしてもコンバージョンの数は比例しません。
また、セッションを増やすことで見込みの薄いユーザーの割合を増やしてしまい、結果としてコンバージョン率が下がってしまうこともあります。
加えて、Webサイトで得られるコンバージョンの数値は実態と乖離があるため、「この計測方法ではどこまでのデータが得られるのか」というデータの解釈には注意しましょう。
Google Analytics 4にはサンプリングというデータの一部分から全体データを推計するという仕様があります。
サンプリングはその範囲のイベント数が1,000万件を超える場合に適用されるため、多くのデータを扱おうとするとサンプリングがかかりやすくなります。
サンプリングの割合は各レポートの上に表示されますが、利用可能なデータの60%未満に基づいたデータは正確性に乏しいため、そのまま使うことはおすすめできません。
Google Analytics 4を活用するにあたり、データがどの程度信頼できるか、3つのレベルでまとめたものがこちらです。
「参考になる仮説が欲しい」という粒度であれば、まずは信頼レベル②を目指しましょう。
データの需要やWebサイトの規模によっては信頼レベル③を目指しても良いと思いますが、コストがかかる割に改善幅は大きくないため、②で十分なケースがほとんどです。
まずは70%の粒度でデータを扱い、施策の実施と改善のサイクルを早く回すことを優先しましょう。
Google Analytics 4を活用して目指すべきは、勝ちパターンを見つけて横展開し、勝てるエリアを増やせる状態を作ることです。
そのためには、データを正しく計測し、活用することが必要となります。前提や活用の方向性を誤ってしまうと、勝ちパターンが見つからないまま時間だけが経ってしまいます。
「打ち手は多く試してきたのに、なかなか勝ちパターンが見つからない」という方は、データの計測と活用方法から見直してみてはいかがでしょうか。
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