顧客ルートがない起業家ができる5つの顧客開拓手法

公開日:2011/10/25

最終更新日:2024/02/17

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150社のスタートアップから学んだ起業に関する5つの教訓最後の話は、ビジネスで最も大事な?!顧客開拓について。スタートアップ起業の際、なんだかんだいって心配なのは実際にお客様が現れてくれるかということ。検索広告にSEO、ブログやFacebookマーケティング、アフィリエイトにTwitterまでネットを駆使したマーケティング手法は多数ありますが、どんなスタートアップだって同じことをやっている今、何かに異常に秀でたスキルがあればともかく、顧客開拓が本当にできるかどうかは誰でも不安なはず。そんな起業家に贈る筆者からの顧客開拓のアイデア集です。 — SEO Japan

技術屋の創設者にそのスタートアップについて尋ねると、彼は自分の素晴らしいソフトウェアについて、シンプルで、圧倒的で、役に立って、面白いと、誇らしげに説明するだろう。それから彼は、自分の最先端のプラットフォームについて、クラウドベースで、拡張可能で、分散型バージョン管理で、継続的インテグレーションで、ワンクリックのデプロイであると説明するだろう。恐らくあなたは、ヨロヨロしたデモを見ることにさえなるだろう。

私はいつも、モダンなソフトウェア開発のスリルを共有して、“すごいね”と大声で言った後、“じゃあこの素晴らしいウェブサイトを人々はどうやって知るの?”と言う。

ここで、セミの鳴き声。
(または、“コオロギの甲高いさえずり”。しかし、テキサスではセミの声の方が大きい。)

居心地の悪い4秒間の後、創設者の顔に笑顔がこぼれる。“ほら始まるぞ”、“やっぱり戦略があるのだ!”と、私は思うのだ。

私が何回も耳にしてきたたくさんのたわ言の“戦略”を除き、創設者の口から噴き出る言葉を私は口パクで言うことができる:

  • “私達は、自分達の聞かせどころを発見するまでアドワーズのキャンペーンをA/Bテストするつもりだ。”
  • “私達は、適切なメッセージが現れるまでランディングページをA/Bテストするつもりだ。”
  • “私達は、SEOでは他の誰よりも優れている。”
  • “私の友人が、Twitterで有名になる方法を知っている。”
  • “私達は、ブログで評判を得るつもりだ。”
  • “私達は、独自のネットワークから始め、それを成長させるつもりだ。”
  • “私達は、アフィリエイトプログラムを使用するつもりだ。だから、私達の顧客が私達のためにそれを販売する。”
  • “私達は、口コミの成長を促すために製品の中に‘リツイート’ボタンを設置している。”

明らかな問題は、地球上の全てのスタートアップがこれらと全く同じことを言うことだ。近頃では、上記の“戦略”は、以下のようなことと同じに聞こえる:

  • “私達は、ウェブサイトを開設するつもりなので、人々は私達について知ることができる。”
  • “私達は、メールアドレスを所有するつもりなので、人々は電話を持たずに私達とコミュニケーションを取ることができる。”

そう、あなたはこれらのことをするつもりでいるが、他の何百万という人たちもそれをするつもりなのだ。あなたはまだ表に出ていないのだ。知名度は否。クズを提供する者は誰もが失敗する。

OK。では、あの耳触りな音に負けないためにあなたには何ができるのだろうか?ここにいくつかアイディアを挙げよう。そして議論しよう!

1. 口コミをビルトインする

WhenBusyは、あなたが自分のカレンダーを共有することなく、人々にあなたの空いている時間にミーティングをスケジュールさせるブートストラップ・スタートアップだ(実は、私はここのアドバイザーである)。例として、創設者(Josh Baer)の空いている時間がどうなっているか見てみよう:

空き時間のリストをメール交換する代わりに、Joshはこのページへのリンクを送信するだけで、他の人はこの製品を使ってミーティングをスケジュールすることができる。口コミのステップはこうだ:このツールを試しに使ったら、見知らぬ人がそれを自分でも使用するかもしれない、そしてより多くの人がそれを知るようになり、と続いていく。

“人々にこれをFacebook上で‘いいね!’と言わせるボタン”について私が言わなかったことに気付いて欲しい。ボタンが理由で“口コミが広まった”企業を私は知らない。ボタンは良いが、それはあなたの製品をWhenBusyのように本質的に口コミで広めることはないのだ。

それは全く問題ない。全ての製品が口コミで広まる必要はないのだから!しかし、もしそれが口コミでないとしたら、あなたには客を見つける優れた手法が必要であるし、もしそれが口コミであるなら、それは後からの思い付きで追加されるのではなく、アプリケーションのDNAの中にコードされているべきだ。

2. 恐るべき正直さ

Balsamiq Mockupsは、超が付くほど有名なワイヤーフレームのツールだ。このソフトウェアは良いが、Peldi(創設者)を際立たせているのは、先進的な機能選択でもバグのないリリースでもなく、彼の驚くべき透明性である。彼は、彼らがまだうまくいっていない時にさえ利益を公開し、非営利団体にたくさんの無料コピーを提供することを声を大にして誓い、競合相手に知られることになろうとも自分の全ての(効果的な)マーケティング戦略ここで更新)を明らかにした。

彼は単に“正真正銘の声”を持っていただけでなく、大衆に約束をしたのだ。それは人の心をつかんで離さない。

彼は単に“事実をありのままに話す”だけでなく、自分のマーケティングの秘密を打ち明けて、自分の会社の帳簿をオープンにしたのだ。それは信頼に値する。

これは、ただ単に“人間であること”や全てのくだらない話なんてものじゃなく、あまりにも正直が過ぎる。まるで、あなたが「最近どう?」と尋ねたら、先週の水曜日から足の中指に噴き出ている変なデキモノについて話す人のように。

全ての人が“会話に参加している”(おっと、私はこのフレーズを定期的に使用している!)世界では、透明性の領域で競争したいのなら、あなたは自分の魂を真にむき出しにしなければならない。それは誰にでも合うものではないので、私はそれをすべきだとは言わないが、それを不完全にやっても意味がない。

3. オプラを泣かせる

(註:オプラ = 米国で一番有名、かつ最も女性の購買に影響力があるといわれる女性司会者)

報道を発生させようとして創設者が犯す一番の過ちは、説得力のあるストーリーを伝えるというよりも会社がやっていることについて話すことだ。

Twitterは、イラン人が非正統的政府と戦うのを手助けする時、もしくは、アップタイムを増やすために新しい内部ITプロセスを作りだす時に報道されるだろうか?Appleは、デザインに対するこだわりや、APIの開発が理由で何百万もの心を勝ち取るのだろうか?37signalは、彼らのソフトウェアが競合他社よりも“優れている”ことが理由で、300万ものユーザーがいるのだろうか?それとも、彼らがその文章と哲学を介してデザイナーと起業家をやる気にさせているからだろうか?

力強い語り口なしでは、あなたが大きく報道され、あなたのために噂を広めてくれる熱心なユーザーを獲得するチャンスはゼロに近い。

Smart Bearでこのことが分かるまで私は何年もかかった。最初、誰かがSmart Bearのツールパッケージとは何かと尋ねた時、私はこう言った

Smart Bearは、バージョン管理システムのためのデータマイニングツールを作っている。

それは、正確ではあるが、ハードコアなギークさえを何を言っているのか分からない、まして役にも立たない難解な説明である。

数年後、コードレビューのソフトウェアが私達の唯一の中心になったことが分かった時、私は説明がもっと上手になった:

あなたが修正やコメントができ、それを他の人に見せることができる“トラックチェンジ”をワードがどのように持っているか知っているだろうか?私達はそれをソフトウェア・デベロッパのためにやっている。ワードではなくて彼らが使用するツールと統合し、彼らの標準的技法の中で作用するのだ。

良くなった。しばらくの間、私はそれを成功だと思っていたが、それでも報道はなかった。次第に(助けてくれたジャーナリストのおかげで)、私は自分が、人が気にかける理由というよりはそれが何であるかをただ説明しているだけだということに気が付いた。私は、人々が胸を躍らせる理由を見つけ出すのを読者任せにしたのだ。

徐々に私は、以下のようなストーリーを開発した。それぞれ特定のカテゴリの聴衆に合わせている。ここに紹介するのはジャーナリスト用のものだ:

あなたのようなジャーナリストに、私達が、ソフトウェア・デベロッパがお互いのコードをレビューするのを可能にしていることを伝えるのはいつだって楽しい。なぜならあなたの反応はいつも、“ちょっと待って、あなたは本当に彼らがこれをまだしていないと言うのかい?”だからだ。編集とレビューのアイディアは、あなたの業界にはすでに浸透しているため、これのない生活なんてあなたには想像ができないのだ。そう、あなたは正しい!あなたは、他の人の目がいかに重要な問題を見つけるかを他の誰よりも良く知っているのだ。

もちろん、頭が2つあるのは1つよりもいいが、従来、デベロッパは単独で仕事をする。それは主に、チームがソーシャルの溝を埋めるのに役立ち、現職のツールと統合し、楽しく今どきの軽いツールが不足していることが原因だ。

私達がやっていること:それは、ソフトウェア開発にピアレビューの恩恵をもたらすことだ。

今ここでは、興奮の理由が明らかである:私達は、ソフトウェアがいかにして作られるかを変換し、ピアレビューの昔からのテクニックをそれを必要としていたがそれをするのが従来難しかった業界に採用しているのだ。それがストーリーというものだ。

(a)ストーリーが必要だということ、(b)ストーリーとは何かということが分かるまで私は5年かかった。大変だが、1つのストーリーが山積みのアドワードのA/Bテストに勝る。

4. 広告 → [変形] → 利益

現在のマーケティングとは、“関係”、“オーソリティ”、そしてお金ではなく時間がかかるその他のことが大切だ。それが、最近私が耳にする全てだ。

しかし、お金を稼ぐためにお金を使うと言う考えを投げ出すのを急がないことだ。広告は死んでいない。あなたはまだ視聴者を買うことができる。私は、広告ページにリンクしているアドワーズを買うことのような“トリアージ”戦略について言っているのではない。世界中の大部分の企業が顧客獲得のために“会話に参加すること”に頼っていないということを指摘しているだけだ。

それはシンプルだ:顧客獲得の平均費用がCドル(広告、販売、サポート、デモ)で、その顧客からあなたが得る生涯利益はRドルだとする。もしC<Rなら、あなたのビジネスは成立する。Cは、安い広告やより良い見込み客のクオリティ、より効率的なコンバージョン率、最小限の技術サポートのついた単純なトライアルによって縮小することができる。

もちろん、それは簡単ではないが、私が見てきた(無意識に)多くのビジネスプランが獲得の真の原価を省いている。C<Rとなる繰り返し可能で収益のあるモデルを求め、それを最適化して成長させる方法について議論したVentureHacksのSean Ellisとの素晴らしいインタビューを読もう。それは、私にとっては少し“大きなVCスタイルの企業”戦略に重きを置いているものだが、あなたは、広告費を(多くの)利益に変えるマシンを築く方法について力強い考え方を手に入れることになるだろう。

5. 有名人の地位

私はすでに、いかに有名人からの推薦が誰も触れることのできない競争上の優位性を提供するかについて述べた。そして、それはインターネットマーケティングの轟音から飛び出す方法の答えでもある。

私はSeth Godin程の有名人ではないが、もし私が新しいソフトウェア開発ツール会社の共同創設者だったなら私に何ができることを考えてみる:

  • 私には、CEOや数百ものソフトウェア開発会社のインフルエンサーとの個人的関係がある。観念化の間は、彼らとブレインストームするだろう。ベータテストの間、彼らは実験台になるだろう。V3.0のリリース後には、何人かはお金を支払う顧客になる準備ができているだろう。
  • 私は、ほぼ全てのソフトウェア開発出版(オンラインおよびオフライン)の編集者と関係がある。私はすでに彼らと一緒に記事を発行したことがある。何人かは私達のストーリーを入念にチェックするのを助け、何人かは私達の記事を発行するだろう。
  • 私は、全ての主要な(そしてほんの少しのマイナーの)ソフトウェア開発ウェブサイト、マガジン、ニュースレター、カンファレンス、オンラインセミナーで広告を買ったことがある。だから、広告に関しては、私達はオーディエンスに適切なメッセージに参加し、恐らく取引を結ぶだろう。
  • もしあなたがこのブログを読んでいるなら、あなたは恐らくソフトウェア開発者だろう。ということは、ここにあるほんの少しの言及さえも、A/BテストをしたGoogleアドワーズに懸ける10,000ドルより強力なのかもしれない。
  • もし私達がお金を集めようとしているなら、私の今の成功が私達に最初のミーティングをもたらすだけでなく、資金調達のチャンスを驚くほど上げるだろう。

他の誰もが新しいブログをいじくり回したり、懇願メールでLinkedInネットワークを吹き飛ばしたり、アドワーズのバリエーションをテストするためにお金を出したりしている間に、あなたにはマーケティング戦争において何年も先を行くチャンスがある。


150社のスタートアップから学んだ起業に関する5つの教訓

  1. あなたがビジネスの優位性だと勘違いしている8つの誤解
  2. スタートアップ起業に役立つ不当なまでの8つの優位性
  3. たった10人の賛同も得られない製品の5つの言い訳
  4. 競合他社と自社のポジショニングでよくある2つの誤解
  5. 顧客へのルートがない起業家に贈る5つの顧客開拓手法

この記事は、a smart bearに掲載された「If you build it, they won’t come, unless…」を翻訳した内容です。

あくまで一例に過ぎませんが、どれもチャレンジする価値はあるものばかりでした。事例のWhenBusyも中々にユニークですが口コミ自体がビルトインされたウェブサービスがはまった時はかつてのHotmailしかり最強ですよね。もちろんそんなサービスを考えることが難しいのですが。2番目の正直さで勝負というのはアプローチとしては面白いですね。特に最近はソーシャル起業が流行っていますし、この手法を使うのは注目を浴びる・ファンを増やす意味では効果的かもしれません。マーケティングの一環と思われないことが大事でしょうが。。。3番目のストーリーを作ることの重要性も同じくでしょうか。5番目は人次第という感じですが、4は4でいつの時代・どんな状況でも最適化・効率化は大事ですよね。シリーズ最後の記事は、ここまで読んでも起業したいとまだ思っているあなたのための筆者からのプレゼントのような内容でした。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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