アドテクノロジーといえば従来手動で行われていた作業をコンピューターとアルゴリズムで自動化して行ってしまう、ある種、人的サービスが介入せずとも成り立つのが理想の世界。事実、米国のアドテク企業の間でもサービスを過小評価する傾向があるようですが、自らもアドテク企業を率いる筆者がサービスの重要性について改めて考え直した記事をAdExchangerから。 — SEO Japan
メディア業界のメンバーが綴る「データ・ドリブン・シンキング」は、メディアにおけるデジタル革命に関して新鮮なアイデアを提供するコラムである。
本日のコラムを担当したのは、AdRoll(アドロール)の会長を務めるアダム・バーク氏である。
「弊社はテクノロジー企業ですが、大きなクライアントにマネージドサービスを提供しています。」皆さんも誰かが会社を説明する際に、このようなセリフが用いられる場面に何度も遭遇したことがあるはずだ。なぜ、サービスはこのようにまるで腫れもの触るように言及されるのだろうか?
以前から存在する製品 vs. サービスの問題は、ディスプレイのエコシステムにとりわけ当てはまるように思える。無数の企業が注目と資金を巡って争っていることが理由なのかもしれない。アドテクノロジー企業は、広告スポンサーとパブリッシャーの間の意外に長いサプライチェーンのどこかに自社の重要な付加価値を認めてもらいたがっており、矛盾していることがある。アドテクノロジー企業は、本物のテクノロジーに資金を投じているものの、その他の一部のプロパイダーに関するコンサルティングサービスを賢く包むことに失敗しているケースが多い。
サービスを非難していると、素晴らしいテクノロジーを持つ企業は、顧客のサポートに関して、自分自身を過小評価してしまうデメリットがある。しかし、実際には中核として素晴らしいカスタマーサポートを提供しつつ、テックビジネスを拡大することは可能である。事実、優れたサービスを提供する上で鍵となるのは、効率よく、そして、規模に併せて顧客を喜ばすテクノロジーを策定し、活用することにある。
そこで今回は、テクノロジー企業がカスタマーサービスを強みとして迎え入れることが可能になる5つの戦略を紹介する:
1. サービスの規模の拡大を自動化する
2. 計測のシステムを導入する
3. ユーザーエクスペリエンスを優先する
4. カスタマーサービスのフィードバックのループを製品に策定する
5. サービスチャンネルとポリシーを強化する
顧客の規模が小さくても、中ぐらいでも、もしくは企業サイズであっても、テクノロジーの向こう側に存在するのは人間であり、製品を利用する上でいつか必ず助けが必要になる。優れたアドテクノロジー企業は、入札アルゴリズムや最適化アルゴリズムだけで満足するのではなく、このような顧客のニーズを満たす革新的且つ技術的なソリューションを策定することに前向きである。製品のアルゴリズムやQPS(質、価格、サービス)に関わらず、サービスの要請にどのように対応するかが、顧客の満足度に大きな影響を与えるのだ。
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この記事は、AdExchangerに掲載された「Service: A Dirty Word in Ad Tech?」を翻訳した内容です。
人的サービスを介入させないのがアドテクノロジーの強みとはいえ、その仕組みを顧客が活用しきれるための手厚いカスタマーサービスがアドテク企業が支持され勝ち残っていくためには重要だ、というお話でした。アドテク企業の文化として技術志向でサービスを重視しない傾向は多くあるのかもしれませんし、その結果アドテク関わらず技術志向の企業の多くがせっかく持っている良い技術を世の中に普及する前に消え去っていくのもまた事実なのでしょうね。。。
私の会社もLPO関連のアドテク製品を開発提供していますが、技術だけで競合他社と差別化することの難しさは実感していますし、自分たちにしかない特別な技術以上に、技術を活用するための提案、フォローサービス含めたサービス力が中長期的に一番の差別化要素になっているとも感じています。たまに、技術力だけで勝負できる圧倒的な製品も存在しますが(かつてのGoogleしかり、最近でいえばクリテオなど?)、今、旬のリターゲティングしかりアトリビューションしかり、その分野で戦う企業が勝ち残っていくにはそれ相応のサービス力が求められるのではと思います。 — SEO Japan [G+]
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