著者情報を活用したE-E-A-Tへのアプローチ

公開日:2024/05/30

最終更新日:2024/06/03

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本記事はSearch Engine Land「The myth of manufacturing author E-E-A-T」を翻訳した記事です。

先日、Googleのランキングアルゴリズムに関連すると推測されるドキュメントが拡散されました。

そのドキュメント内にも掲載があった「著者情報」についての重要性やE-E-A-Tへのアプローチ方法を紹介します。

専門知識、経験、権威性、信頼性(E-E-A-T)について、SEO担当者はGoogleのガイドラインを取り入れています。つまり、重要なのはコンテンツの内容ではなく、誰が発信しているか(著者)とどこで発信しているか(ホストするWebサイト)です。

E-E-A-Tを意識してコンテンツを作成し、ブランドのWebサイトにE-E-A-Tシグナルを表示させることは可能です。しかし、ブランドとして本当に信頼できる著者レベルのE-E-A-Tを大規模に構築し維持することはできないと考えています。

著者のE-E-A-Tは現実であり、適切に実行すればGoogle全体のコンテンツの可視性に大きな影響を与えるでしょう。しかし、SEOの「専門家」は、プロフィールページを作るだけでE-E-A-Tが完成すると言っています。

しかし、これは誤りです。Googleが著者とその評判を理解するためには、それ以上の努力が必要です。

実際、ほとんどの人が本当の著者レベルのE-E-A-Tを達成することはありません。なぜなら、著者の個人的な努力と継続的な献身、そしてその評判の維持が必要だからです。

ブランドは、著者の関与や個人的な投資なしに、大規模な評判を作り出すことは容易ではありません。

真の著者E-E-A-Tが Google にとって重要な理由

Googleは最近、通常のキーワードをターゲットにしたSEOスパムやAI生成コンテンツの氾濫に対処するため、より厳格な対策を取らざるを得なくなっています。これにより、検索結果が詰まり、記事の多くをインデックス化することが困難になっています。

ここで、著者のE-E-A-Tが重要となります。E-E-A-TはGoogle全体の可視性やインデックス作成のシグナルとして機能します。Googleは、信頼できるソースからの質の高いコンテンツに重点を置き、効率的にリソースを配分します。

著者がGoogleに認知されているか、その方法を確認するには、Googleナレッジグラフで著者名を検索し、ナレッジパネルを確認します。ナレッジグラフはGoogleのデジタル名刺交換帳のようなもので、トピック領域における評判に基づいてエンティティの関連性を評価する手助けをします。

Googleに知られていない著者については、固有表現抽出(NER)を使用してデジタルフットプリントに基づいて著者を特定する必要があります。この機械学習方法では、著者のE-E-A-Tを裏付けるのが難しくなります。

詳細については、Olaf Kloppが著者のE-E-A-Tを評価する方法について書いた優れた記事をお勧めします。

著者のE-E-A-Tを構築する戦術と、つまずいてしまう理由

著者の評判を構築し、Googleにアピールするための正当な戦術は数多くあります。基本的には、サイト内で著者について述べた内容を、サイト外の第三者による証拠で裏付けることが重要です。

しかし、ほとんどのブランドは実行段階でつまずいてしまいます。戦略の実行には、ブランドが直接管理できる範囲を超えた決定が含まれ、多くの場合、著者自身や人、プロセス、テクノロジーに依存するためです。

ページ内: 著者の署名とプロフィール

記事の署名欄からリンクされた包括的な著者略歴は、E-E-A-Tを強力に増幅します。これは、著者の資格や業界での影響力を紹介するプラットフォームとなります。

問題は、一部のブランドがリンク付き署名を持たず、記事の下部にあるプロフィールボックスだけに依存していることです。そして、その多くは名前(またはその一部)、不適切なトリミングの写真、無意味な文章、投稿の一覧という最低限の情報しか含まれていません。

コンテンツは、作成者に記入を指示されたために存在し、方法や理由についての指示がほとんどないため、低品質のページが作成されてしまいます。

著者が関連する教育、認定、賞などを追加するフィールドがあっても、多くの場合、これらのフィールドは空白のままです。著者がその資格を持っていないか、情報を提供したくないからです。

つまり、表面上、著者プロフィールは存在しますが、E-E-A-Tを構築するに値していないということです。

GoogleのE-E-A-T評価を向上させるためには、著者ページに以下の情報が含まれている必要があります:

  • 職業名と肩書き:「XYZ出版のテクノロジージャーナリスト、Joe Wright」
  • 高品質でプロフェッショナルなヘッドショット
  • アクティブなソーシャルプロファイルや理想的には個人のウェブサイト
  • トピックに関する資格:関連する経歴、業界での活動と実績、注目すべき認定資格や賞著者略歴:特定の分野について執筆する資格を持つ理由を説得力をもって説明する

これを包括的な「Person」構造化データでマークアップすると、インパクトがさらに強化されます。

一方、もし仮に架空の著者を作り上げたり、著者を偽造したらどうでしょうか?

結論、著者情報を偽造したり、架空のものを作り上げたとしても、その著者E-E-A-Tは機能しないでしょう。

著者E-E-A-Tは、単に著者の言葉を信じるだけではありません。Googleは、著者プロフィールページやPerson構造化マークアップに加えて、外部からのシグナルなど、さまざまなシグナルを使用します。

Google検索担当のダニー・サリバン氏はXの投稿で次のように説明しています。

「これはランキング要因ではありません。他の要因に影響を及ぼすものではありません。専門家が記事を書いたからといって、魔法のようにランキングが上がるわけではありません。誰でも自分が専門家であると自己宣言できますが、それは意味がありませんし、私たちが確認して『はい、それは専門家です』と言うこともありません。専門家が人々に好まれるコンテンツを書くことは良いことです。彼らの専門知識は自明だからです。そして、人々があなたのコンテンツを気に入れば、それは私たちが人々を第一に考えた満足のいくコンテンツを評価するのに使う、全く異なる実際のシグナルと一致することになります。」

https://twitter.com/searchliaison/status/1755283334631231514

ページ外: 裏付けとなる情報源

著者の経歴は、単なる出発点にすぎません。E-E-A-Tを達成するためには、著者が自身の正当性と注目度を証明する明確なデジタルフットプリント※が必要です。

※デジタルフットプリントとは、インターネットやデジタル機器上での活動や通信の痕跡であり、個人や組織のオンライン活動の結果として残る情報のことです。これにはソーシャルメディアの投稿、ブログ記事、ニュースでの言及、公開プロフィール、ウェビナーやポッドキャストへの参加などが含まれます。

構造化データを通じて著者に直接帰属するソーシャルメディアプロフィールは、一見成果がすぐに出るように思えるかもしれません。しかし、そのプロフィールがトピックに関連し、積極的に投稿され、熱心なフォロワーがいる必要があります。

これはすでに専門分野では珍しいことです。しかし、これが問題の始まりにすぎません。

著者に個人プロフィールを仕事に使うよう強制することは、法的責任の範囲に及びます。

つまり、著者が自らの自由意志でソーシャルメディアプロフィールを職業上の目的に使用する理由について、説得力のある議論が必要です。または、著者や裁判所から異議を申し立てられる可能性のある高額な雇用契約が必要です。

さらに、明確なソーシャルメディアポリシーを実装し、すべての著者が勤務時間中にソーシャルチャネルに投稿する時間を確保する必要があります。

単に公開した記事をLinkedIn、X、またはFacebookに投稿するだけなら、もっと簡単です。しかし、現代のソーシャルアルゴリズムは、可視性と引き換えにより多くのものを要求し、視聴者もエンゲージメントと引き換えにより多くのものを要求します。

さらに、ソーシャルメディアは今や主に動画です。記事の洞察をInstagramストーリーやリール、TikTok、YouTubeショートに変換する必要があり、時間がかかります。

ビジネス上の問題は、著者がすでにフォロワーを抱える著名な専門家でない限り、ブランドがその時間投資に対してすぐに利益を得る可能性は低いということです。ほとんどの著者はこのカテゴリには該当しません。

そして、時間をかけてフォロワーを増やしても、その資産はブランドではなく著者に帰属します。著者が去れば(誰も永遠に会社に留まることはないので)、フォロワーも一緒に去ってしまいます。

また、著者全員がソーシャルメディアで活動していても、Googleは強力な著者E-E-A-Tを付与するために、さらに多くの裏付けソースを要求します。

  • 著者が執筆した他のサードパーティの出版物からの追加の著者プロフィール。
  • 出版物に引用されたり、「best of」リストに掲載されるなどの報道。
  • Crunchbase や Muck Rack のプロフィールなどのディレクトリ リスト。
  • ゲストまたはホストとしてポッドキャストまたはウェビナーへの参加
  • 関連する業界イベントの講演者プロフィール。
  • 彼らが著した本。
  • 検証可能で、それ自体が注目に値する賞、協会、または認定。
  • Wikipediaでの言及または専用ページとしての存在。
  • Google は、理想的には関連するトピックと組み合わせて、名前を検索します。

このような第三者の証拠が著者の経歴ページの内容と一致すると、その人物がGoogle ナレッジグラフ内の エンティティになる可能性が高まります。

そして、著者を業界内の主題専門家として確立することができます。

しかし、ブランドとしては、著者の評判の証拠をコントロールできないことがよくあります。勤務時間中に時間をかければ、それを有効にできます。著者をブランドの PR 活動の「顔」にすることができます。ブランドの影響力を利用して、チャンスを広げることができます。

しかし、最終的には著者が自分の評判を築くことを決断する必要があります。正直に言うと、ほとんどの人は与えられた機会を利用しないでしょう。そして、利用した人でも、どの業界にも専門家はほとんどいないため、多くの人は決して有名にはなりません。

たとえあなたの作家の一人がトップに上り詰める才能を持っていたとしても、それは稀なことですが、あなたの他の作家はどうでしょうか?

肝心なのは、ブランドが著者の EEAT を大規模に構築する効果的な方法が実際に存在しないことです。ブランドは評判を確立するために 1 人か 2 人の主要人物をサポートすることはできますが、残りの人については既存の EEAT を示すことしかできません。

著者E-E-A-Tの再考 構築 vs. 購入

では、著者レベルのE-E-A-Tの現実を直視しましょう。多くのブランド、特にメディア企業以外では、専門知識を構築するよりも、専門知識を購入する方が効果的かもしれません。

ブランドは社内の「SEOコンテンツライター」に頼るのではなく、主題の専門家を雇用し、コンテンツ作成者として育成することを優先すべきです。この変化により、真のE-E-A-Tを実現し、ゼロから資格を構築するのではなく、既存の資格をキュレートすることに注力できます。

主題の専門家を雇用できない場合(例えば、医師をコンテンツ作成者として雇用するのが難しい場合)、社内の役割をライターから編集者に変更します。

単純なコンテンツを大量に生み出すのではなく、以下のような活動に焦点を当てます:

  • 主題の専門家の特定:トピックの専門家を見つけて関係を構築する。
  • コンテンツの共同作業:専門家と協力し、彼らの知識をSEOに適したコンテンツにまとめる。
  • E-E-A-Tを考慮した出版:専門家の承認を得て、社内チームが専門家の名前(または編集者の名前)で出版し、主要な貢献者として明記する。
  • 配信:ブランドのチャンネルと専門家ネットワークの両方で配信する。

しかし、この戦略にも課題があります。デジタル分野で活躍する著名な専門家は少なく、特に非英語圏では人材プールがさらに狭くなります。そして、これらの専門家は自分の価値を理解しているため、高額な報酬が必要です。リンク構築予算を再配分することを検討してください。

現実主義者の著者E-E-A-T戦略

著者E-E-A-Tの理論には異論はありません。

著者がトピックに関連した評判をGoogleが理解できる形で示すことは、オーガニック検索の可視性にプラスの影響を与えます。しかし、多くの著者はソーシャルメディアプロフィールを公開したがらず、業界との関わりや第三者ソースからの信頼性獲得に努力しません。

その結果、Googleは著者を十分に認識できず、同じ名前の人物を区別するのが難しくなります。さらに、Googleは著者の詳細な認識を持たないため、著者E-E-A-Tシグナルを付与できません。

結局のところ、コンテンツ作成者の才能と主題の専門家になるための継続的な努力が重要です。ブランドがこれを代わりに構築することはできません。ブランドの役割は以下の通りです。

  1. 専門知識の発見:その分野でデジタルフットプリントを持つ専門家を雇うか、協力する。
  2. 成長のサポート:コンテンツ作成者が継続的に成長し、E-E-A-Tを披露できる機会を提供する企業文化を作る。
  3. 連携の強化:包括的な著者プロフィールとオフサイトの裏付けを組み込んだ構造化データを通じて、既存のE-E-A-Tを明確に伝える。

このアプローチは、著者の影響力を活用し、ブランドの信頼性を高めます。

本記事はSearch Engine Land「The myth of manufacturing author E-E-A-T」を翻訳した記事です。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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