構造化データとSEO:2025年に知っておくべきこと

公開日:2024/12/13

最終更新日:2024/12/13

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本記事は、2024年10月 7日に Search Engine land で公開された Olya Ianovskaia「Structured data and SEO: What you need to know in 2025」を翻訳した記事です。

構造化データがなぜ重要なのか、使用するべき主要なスキーマタイプ、そしてリッチリザルトの可視性を最大化するための高度なテクニックについて解説します。

検索エンジンは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために構造化データへの依存をますます強めており、この傾向は2025年以降も続くと考えられます。そのため、構造化データは単なる「付加価値」ではなく、あらゆるSEO戦略において欠かせない要素となっています。

ここでは、構造化データが重要な理由、注目すべきトレンド、主要なスキーマタイプ、高度な技術を含む「構造化データ」についての基礎と応用を詳しく説明します。

構造化データとは?

構造化データとは、ウェブページ上のコンテンツを整理し、ラベル付けするための標準化された形式です。これにより、検索エンジンはコンテンツをより効率的に理解できるようになります。

たとえばGoogleは、構造化データを活用することで、検索結果画面(SERP)において拡張リストやリッチリザルトといった特別な機能を表示しています。これらの機能を通じて、特にエンティティベースの検索で、ウェブサイトの可視性とオーガニックリーチが向上します。

構造化データの構成要素

1. 語彙(Vocabulary)
構造化データで最も一般的に使用される語彙は、オープンソースのフレームワークであるSchema.orgです。このライブラリには、広範な「タイプ」と「プロパティ」が含まれています。

例として、ProductやEventといった数百種類の定義済みタイプ、またname、price、descriptionのようなプロパティがあります。これらは、コンテンツの種類や特性を詳細に指定するために使用されます。

2. 形式(Format)
構造化データを実装する際には、Googleなどの検索エンジンが推奨するJSON-LD(JavaScript Object Notation for Linked Data)が最適な形式とされています。

JSON-LDは、構造化データをHTML内の<script>タグにカプセル化する形で実装し、HTML本体から分離することで柔軟性が向上します。この形式は特に、大規模なウェブサイトでの動的コンテンツ管理に有用です。さらに、実装が簡単でメンテナンスの手間も軽減される点が特徴です。

3. 検証(Validation)
リッチリザルトを獲得するためには、構造化データを正しく実装することが不可欠です。そのため、以下のようなツールを活用して検証を行うことが推奨されます。

  • Google リッチリザルト テスト
  • スキーマ マークアップ バリデーター

これらのツールは、スキーマのエラーや不足を検出し、構造化データが有効かつ検索エンジンで正しく処理されることを確認します。

構造化データがこれまで以上に重要になる理由

構造化データは、検索エンジンがウェブサイトのコンテンツをより深く理解し、ページのインデックス化や検索結果での表示方法を向上させるための重要な手段です。

これにより、ブランドは音声検索や画像検索といった競争の少ない検索分野でオーディエンスにリーチすることが可能となり、従来のSEOの枠を超えてトラフィックやエンゲージメントを促進することができます。

ゼロクリック検索とブランドの権威性

近年、ナレッジパネルや注目のスニペットなど、多くのSERP機能が検索結果内で直接回答を提供するために構造化データに依存しています。これにより、ユーザーはパブリッシャーのサイトを訪れることなく必要な情報を取得できるようになり、いわゆる「ゼロクリック検索」が増加しています。

ゼロクリック検索の普及により、構造化データはSEOにおいてさらに重要な役割を果たすようになりました。これらのSERP機能は、クリックによる訪問を直接的に促進することが難しい場合もありますが、次のような効果をもたらします。

  • オーガニックインプレッションの増加
  • ブランド認知度の向上
  • ユーザーとのインタラクション維持

さらに、リッチリザルトに頻繁に表示されることで、トップオブマインド認知度(TOMA)が強化されます。特に、信頼性と権威性を評価するEEAT(専門性・権威性・信頼性)の観点から、信頼されるブランドを築くことがSEOの成功に欠かせません。

2025年に注目すべき主要なスキーマタイプ

新しいスキーマタイプが定期的に登場する中で、以下の「エバーグリーン」と呼ばれるスキーマタイプは、その有効性が長期的に実証されています。

1. 電子商取引(eコマース)

  • Productスキーマ
    製品の詳細情報(例:価格、在庫状況、レビュー)を検索エンジンに提供するため、eコマースサイトには不可欠です。このスキーマは、SERP内での製品カルーセルやレビューのスター評価といったリッチリザルトを強化し、クリックスルー率(CTR)を大幅に向上させます。
  • Offerスキーマ
    Productスキーマと組み合わせることで、新規のeコマースサイトがGoogleショッピングを活用し、早期段階での認知度向上とトラフィック獲得を実現します。
  • AggregateOfferスキーマ
    同じ製品について複数の販売者のオファーを表示し、ユーザーが価格や選択肢を比較できるようにします。これにより、マーケットプレイス型のウェブサイトに適しています。

2. 情報提供

  • FAQスキーマ
    一般的な質問とその回答を検索結果に直接表示でき、リッチリザルトや音声検索での可視性を向上させます。簡潔な回答を提供することで、ユーザーエンゲージメントを高める効果があります。
  • Q&Aスキーマ
    ユーザーが質問を投稿し、複数の回答を得られるページに最適です。フォーラムやコミュニティベースのプラットフォームでよく活用され、SERP内のQ&Aカルーセルを強化します。これにより、ロングテールクエリや会話型検索のCTRと可視性が向上します。
  • Articleスキーマ
    GoogleニュースやDiscover、トップストーリーのカルーセルでの可視性を高め、音声検索での露出も促進します。

3. イベント

  • Eventスキーマ
    コンサート、会議、ウェビナー、ローカルミートアップなど、仮想または物理的なイベントの詳細をマークアップするために使用されます。日付、場所、開始・終了時刻、チケットの空き状況、出演者といった情報を提供し、Googleのイベントリストに掲載されることで、ローカル検索やイベント関連検索での可視性が向上します。
  • BroadcastEvent・ScreeningEventプロパティ
    ライブイベントや上映会の検索結果での表示を強化し、特定の視聴体験を探しているユーザーにアピールします。

2025年に構造化データを活用する方法

以下のアプローチは特に目新しいものではありませんが、ユーザーの行動が進化し続ける中で、2025年までにその重要性がさらに高まると予測されています。

エンティティベースの検索

エンティティベースの検索では、検索エンジンが個別のキーワードではなく、エンティティ(人、場所、物、概念)を優先して扱います。
これにより、検索エンジンは単語そのものやその間の関係だけでなく、エンティティ間のつながりや、それらがどのように広い文脈に適合するかを深く理解できるようになります。

  • Personスキーマ、Organizationスキーマ、Placeスキーマ
    関連するエンティティを明確に定義することで、ナレッジグラフやエンティティベースの検索結果での可視性を向上させることが可能です。
  • SameAsスキーマ
    特定のエンティティが他の信頼性のある情報源(Wikidata、Wikipedia、信頼できるソーシャルメディアプロファイルなど)と一致することを検索エンジンに伝えるために使用されます。これにより、関連性が強化され、ナレッジグラフやリッチ検索結果での認知度やリーチが拡大します。

これらのスキーマを活用することで、Googleがコンテンツをより深く理解できるようになり、SEOの成果がさらに向上します。

Speakableスキーマ

Speakableスキーマ(現在Googleでベータ版)は、音声検索結果の最適化に役立つ重要なツールです。

  • 機能
    検索エンジンがWebページ内で音声再生に適したセクションを識別する際に利用されます。特に、Googleアシスタント対応デバイスでのテキスト読み上げ(TTS)に使用されるコンテンツに適しています。
  • 目的
    ユーザーの質問に対して簡潔かつ明確な音声回答を提供することです。この機能は特にニュースサイトや出版社に適しており、重要な情報を効率的にユーザーに届ける手段となります。

マルチモーダル検索

マルチモーダル検索は、テキスト、画像、音声など複数の形式の入力を組み合わせて検索クエリを実行できる機能です。このトレンドは、異なるデータ形式を同時に処理するAIモデルによって支えられています。

  • VideoObjectスキーマ・ImageObjectスキーマ
    マルチメディアコンテンツを適切に理解し、インデックス付けし、ランク付けできるようにします。これにより、画像や動画の可視性が向上し、より多くのトラフィックを獲得できます。

スキーマのネスト

スキーマのネストは、構造化データ内で複雑な関係を表現するための方法です。これにより、検索エンジンはデータポイント間の接続を理解し、コンテキストに基づいたリッチリザルトを提供できます。

  • ネストの例
    たとえば、以下のようなスキーマをネストして利用することが考えられます。
    • Productスキーマ内にOfferスキーマをネストし、それをさらにLocalBusinessスキーマ内に含める。
      → 製品の在庫状況、価格、販売場所に関する階層化された情報を提供します。
    • Recipeスキーマ内にHowToスキーマをネストし、さらにPersonスキーマを含める。
      → 特定の人物(著者やシェフ)が作成したレシピの材料、調理手順、栄養情報を詳細に記述します。
  • 実用例
    Recipeスキーマを使用することで、検索エンジンは次のような情報をリッチリザルトとして表示できます:
    • レシピの作成者(Personスキーマで定義されたシェフの名前やプロフィール)
    • 料理の手順(HowToスキーマで整理されたプロセス)
    • 材料や栄養情報(Recipeスキーマのデータ)
  • 主な利点
    ネストされたスキーマにより、検索エンジンはコンテキストを深く理解し、ユーザーの検索意図に応じて情報を適切に優先順位付けできます。また、リッチリザルトを通じて検索結果の視認性を大幅に向上させます。

構造化データで検索の可視性を最大化する

構造化データは、現在すでに多くのWebサイトにとって、規模を問わずSEO成功の鍵となる要素の一つです。
数百種類におよぶスキーマタイプ、数十種類のGoogleの検索結果ページ(SERP)の機能、さらにはAIや音声検索の用途が広がる中で、構造化データの重要性は2025年以降もますます増していくと予想されています。

Googleをはじめとする検索プラットフォームが進化し続ける中で、構造化データを慎重かつ創造的に活用することが、競争上の大きな優位性をもたらします。
これにより、現在利用可能な機能の可視性を最大化するだけでなく、将来的なチャンスを捉えるための準備を整えることが可能になります。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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