数年前にGoogleのチーフエコノミストであるハル・ヴァリアンは、「スケールでアルゴリズムを考えすぎることは過大評価だ」と言っていた。
そう思われている方も多いかもしれないが、我々はスケールに関する議論については、かなり懐疑的だ。スケールに関する議論については、理解されていない要素が多すぎると感じる。
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全ての要素を考慮した時、スケールに関する議論は我々の視点では余り意味が無い。そもそも、違いを生み出す要素は、質や量では無く、レシピにある。我々は、我々が今日の位置にあるのは、より良いレシピを持っていたからだと考えている。そしてそれは我々が過去10年間にわたって、検索アルゴリズムのパフォーマンスを改善することを常に行ってきた結果なのだ。
一方、Googleのチーフサイエンティストであるピーター・ノーヴィグの意見はこうだ:
我々は他の競合より良いアルゴリズムを持っている訳ではない。我々は単により多くのデータを持っているだけだ。
だからこそ、多くの”起業家”は、新しいサービスを立ち上げてマーケットシェアを取る際に、詐欺まがいの行為をしたり、ユーザーを騙したり、ゴミのような話を持て囃したり、楽をして近道をえらんだり、法的な抜け穴を突いたり、と手法を問わず成功のためには何でも好きなことをするのだ。
スケールを生むことに成功すれば、キャッシュフローは回り出し、フィードバックメカニズムが機能し出す。口コミマーケティングをテストし、コンバージョン率を改善し、真の関連性とユーザーメリットを生みだせる。
2005年6月19日に、YouTubeの共同創立者であるスティーブ・チャンは同じく共同創立者のチャド・ハーレイとジョード・カリムに次のメールを送った。「ジョード、サイトに違法ビデオを掲載することは止めよう。共同創立者の一人が違法コンテンツをサイトに自らアップロードしてより多くのユーザーを獲得しようとしていることが発覚したら、我々のサイトの合法性を主張する際に、きっと問題になる。」
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カリムの返事にはこう書かれていた。「我々の密かな汚い秘密は … 我々は早期に事業を売却したい、と言うことだ」またチェンはメールの中で、「どんな手段を使っても、例え悪であっても、アグレッシブに我々の数字を伸ばすことに我々の全ての努力を集中させるべきだ」とも語っていた。
オンラインメディア革命のエキサイティングな世界にようこそ!
ブランドが無ければあなたは存在しないに等しい。
ブランドがあれば、違法コンテンツの塊りであるYouTubeであってもMahaloであっても、少なくとも一定期間は、生き残っていくことができるのだ。その間に、誰かあなたの成長ストーリーを買って、問題が本格化して燃え上がる前に煙だらけのバッグ(サイト)を買ってくれる間抜けな誰かを見つければ良いだけだ。
もちろん、我々は本当のビジネスを構築するために、嘘を付いたり、コンテンツを盗んだり、常に楽な道を選ぶ必要は無い。これらは、価値が何も無いものを売りつけようとすると人々の戦術に過ぎない。例えば、小規模かもしれないが特定のニッチなマーケットを独占し、レバレッジを効かせて成長させることは、真っ当なビジネスを運営することはできる。セクシーでは無いかもしれない。メディアで持て囃されることはないかもしれない。1日に数千万の売り上げを得ることはできないかもしれない。しかし、あなたはあなた自身のことを「例え悪であっても、どんな手段でも行う」人間であると認める必要は無いだろう。
この記事は、SEO Bookに掲載された「Usage Data vs Relevancy Algorithms」を翻訳した内容です。
タイトルは大幅に変えてみました。有料リンクの話題に続き、SEO Bookのアーロン・ウォール節が再び炸裂した記事です。MahaloはともかくYouTubeまでネガティブに取り上げているのは驚きました。サービス内容自体と言うよりは、何かと流行に躍りがちなインターネット業界で働く人々やメディアの姿勢や考え方に対する彼自身の意見とは思います。ちなみに Mahalo とはほぼ外部コンテンツのみで成り立っているにも関わらず人気があり、最近スパムサイトかどうかで議論が白熱しているサイトです。
悪とまでは言いませんが、グレーゾーンなSEOも行うことは時にありますし、インターネット業界に15年近くいますが、流行問わず心無い者のネットビジネスは一時的に流行ったとしても長続きしないのが実際の所とは思います。中には高く売り抜けてしまう会社も時にあるのですが。。。インターネット業界に携われる人間として身につまされる想いの記事でした。 — SEO Japan
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