SEOのなかで最も大変なタスクは何だろうか?公式の調査であろうと、オンラインのフォーラムであろうと、カフェでの会話の中であろうと、“リンク構築”と答える人が最も多いはずだ。その理由には納得がいく。外部リンクは、当然ながらSEOがすぐにコントロールすることが出来るようなものではない。外部リンクの構築には、創造力と見識ではなく、戦略的なフォーカス、そして、まとまった時間と労力の投入が求められる。
社内のSEOプログラムの存在は、リンク構築の重要性を弱めることも、また、よく考え、検討に検討を重ねたリンクの開拓戦略を不要にすることもない。
利用可能なリソースに関して、社内にSEOがいるとプラスに働く利点がある。このようなリソースには、スペシャリストのSEOスタッフの支援やリンク構築の予算、はたまた組織内のリンク構築パートナーにいつでも連絡を取ることが可能な予算に余裕のない単独のSEOのスタッフも含まれる。p>
事実上、外部のウェブサイトとの交流に関する作業に関わっている組織のメンバーはすべて、リンク構築パートナー候補と言える。時間を割いて、個人もしくは各部門の代表の人物と話し合い、リンクを開拓する機会を特定する作業に手を貸してもらおう。
リンク構築パートナーの候補が基本的なリンクの仕組み、および、最適化したリンクを作成する上でのベストプラクティスを理解している点を確かめよう。
いたずらに技術的になり過ぎることなく、直接のリンクとnofollow属性もしくはリダイレクトによって抑制されているリンクとの違いを説明する必要がある(後者について、302と301の違いを説明するのは“いたずらに技術的”のカテゴリーに該当する。マウスを乗せて表示されたURLが、クリックして訪問したURLとは違う場合、そのサイトはリンクを張る相手として適当ではない、のような大ざっぱな説明で十分だ)。この情報がなければ、同僚の中には悪気はないものの価値のないリンクを求めてしまう人も出てくるだろう。
また、複数のロケーションから同じページにリンクを張る際にアンカーテキストを変える点、そして、アンカーテキストとしてURLを使ってリンクを張ると、あまり効果は期待出来ない点等、アンカーテキストの最適化のコンセプトについても忘れずに説明しておこう。alt属性がテキストのアンカーの役目を仮定する際の、ハイパーリンクを張ったイメージの価値についても触れておきたい。
ブロガー、コピーライター、その他のライターは、外部リンクを探す上で間違いなく候補に挙がる。外部サイトの企業の支援を受けた記事が掲載されていたら、一つ一つリンクが自分のターゲットのサイトにリンクバックすることが出来るように最適化およびインデックス可能な状態になっているか確かめよう。
彼らをゲストブロガーとして迎え入れよう。あるいは必要ならばこれらの機会を促進させるため、他のサイトへの投稿を求めよう。多くのサイトが、質の高い、関連性のあるコンテンツを求めており、エントリや記事内に発リンクの1本や2本が張られていても気にしないだろう。とりわけコンテンツを無料で提供することが出来れば、受け入れてもらえる確率は高まる。
メディアのプランナーやバイヤーは、広告取引の要素としてサイトへの直リンクを張らせてくれる可能性がある。そこまでいかなくても、少なくとも考慮してもらえるはずだ。こうすることで、間接的な広告のリンク(バナー等)を補うか、もしくはリンクを張る機会を、例えばラジオのスポット広告に加えて、ラジオ局からのリンクを獲得する等、従来のメディアの取引に盛り込むことが出来る。
検索マーケティングのイニシアチブに対する個人の責任として、このようなリンクの手配がどの程度有料リンクとして考えられるのか、そして、この戦略を採用し、検索エンジンのペナルティを受けるリスクをどの程度冒すのか決断しなければならない。
アフィリエイトパートナーからリンクの価値を得ると言うトピックは、論文のような長文の記事でなければ、別の話題として扱われることが多い。企業はアフィリエイトリンクのSEOの価値を見限ることに特に懸念は抱いていない。302リダイレクト、パラメータ化されたURL、もしくは双方が絡む追跡の要件が原因である。
アフィリエイトプログラムの技術的な部分が社内で管理されている場合、クッキーと301リダイレクトの組み合わせを用いて、SEOフレンドリーなアフィリエイトのリンクを作成することも可能だ。また、良好且つ収益の高い関係を実現する相手とのアフィエイトは、十分に収益化されているトラフィックのソースではない場所ならばサイトへの直リンクを認めてくれるだろう。繰り返すが、この戦略が有料リンクの領域にまたがっているかどうかを判断するのは自分自身であり、もし、またがっているならそのリスクを負うかどうかを決めるのも自分だ。
PRの取り組みをアウトソースしていようが、インハウスのスタッフによって賄っていようが、この重要なリンク候補のソースを無視するべきではない。最低でも、すべてのプレスリリースに、最適化したリンクを少なくとも1本は掲載しておきたい。これは、プレスリリースを配信するために、リンクのターゲットおよびリリース内で使われるアンカーを全て自分で管理することが可能な場合、とりわけ重要になる。
PRの担当者はブロガー、ジャーナリスト、あるいはその他のインフルエンサーと親しい関係を築いている可能性がある。PRの担当者にこのような関係を活用することを勧めると、サイトに非常に利益の高いリンクが転がりこむ可能性がある。大抵の場合、メディアのソースは、デジタル配信用のマテリアルに最適化されたリンクを掲載する必要はほとんどない。そのため、PRの担当者に外部リンクの価値を認識してもらうことで、この取り組みを円滑化することが出来るだろう。
ソーシャルメディアはリンク開拓の機会としては最も重要な存在になるつつある。しかし、ソーシャルメディアを“ソーシャルネットワーク”と限定してしまうと、あまり納得してもらえないだろう。なぜならソーシャルネットワーキングサイトのリンクの大半は、nofollow属性の利用により調整されているか、もしくは書き直されているからだ。
あらゆるレベルのリンクにおいて言えることだが、サイトに直リンクを構築することでリンクの本数が増えていく可能性がある。ソーシャルネットワークでのリンクの本数が増えれば、ブログ、特定のディレクトリ、フォーラム、そして、その他のインデックス可能なロケーションに直リンクが提供される可能性も高くなる。
ソーシャルメディアでの言及は、“新しいリンク”として浮上しつつある。ソーシャルメディアの言及が検索エンジンのランキングアルゴリズムにどの程度重要視されているのか、そして、今後どのような役割を持つようになるのかは不明である。
しかし、ウェブサイトの質を識別する際に、“票”としてリンクに依存する従来の検索エンジンのオーソリティモデルは、票をソーシャルメディアの言及にも割り当てるようになる可能性は高い。事実、ソーシャルメディアで生成されたリンクはリアルタイムの検索、そして、ソーシャルネットワーキングサイトで実施された検索において、既にインパクトを与え始めている。
そのため、サイトのコンテンツを容易に共有することが出来るようにすることが重要である。また、出来れば共有する価値のあるコンテンツを提供しておきたい。さらに、ブログのコメントや製品のレビュー等、ユーザーがサイトで生成したコンテンツにリンクバックすることが出来るようにしておく点もまた重要である。
ソーシャルメディアマーケティングを担当する部署にSEOが割り当てられることが多い。言うまでもなく、これはソーシャルメディアの取り組みが外部リンクの獲得に役立つことを考慮しているためだ。
企業の従業員はリンクの供給源となる可能性を秘めた多数のウェブサイトで存在感を発揮している可能性がある。その中には、個人的なブログかもしれないし、個人または商業的なウェブサイトやプロフィールのページも含まれる。リンク構築を学ぶトレニーングがなくても、従業員にリンク構築の重要性、そして、企業のウェブサイトへの被リンクのメリットを叩きこんでおこう。SEOに関するトレーニングやセミナーを実施するなら、プレゼンに組み込む“余談ん的な”スライドとしてはうってつけの題材である。
とりわけ、経営陣は価値の高いリンクのソースになり得るポテンシャルを秘めている。会社の役員は大学で職務を持ち、講義を行っているだろうか?もしくは、専門家の機関に所属しているだろうか?
もしそうなら、彼らは、.eduや.orgのサイトに備わっているリンクを得ることが可能な関連性の高いプロフィール、プレゼンテーション、もしくはコースを持っているだろう。大抵、このようなページには企業を言及するもののリンクが張られていないコンテンツが存在する。
当然だが、サイトにリンクをもたらすために採用することが可能な戦略、そして、採用するべき戦略は他にもある。これらの戦略の中で最も重要なSEOプログラムは、リンク構築プログラムであり、内部のSEOのスペシャリストに任せるか、もしくは自らの管理の下、業者にアウトソースする手もある。
しかし、他の戦略を拡大するため、もしくは、リンク構築の取り組みの出発点として、自らの組織に存在する潜在的なリンクの構築者の存在を無視するべきではない。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Connecting For Links: Recruiting Link Building Partners In-House」を翻訳した内容です。
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ここまで全社的にできるかはともかく、部分部分でSEO対策担当者以外であっても外部リンクを自然に増やしていけるような仕組みを作れると強いでしょうね。この記事を読んで何か実践できることがあれば是非チャレンジしてみてください! — SEO Japan
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