ハイブリッドセオリー とは、創造性とコミュニケーションの融合である。無料メディアと有料メディアを組み合わることで、アイデアを活性化し、コミュニティをまとめ、ストーリーを拡大し、そして、最終的に求める結果をもたらす。
三部作の第一部…
マーケティング、広告、サービス、コミュニケーション、そして、事業全般の動向が大きな変革期を迎えている。以前行われたイノベーションでは、コンテンツの民主化および影響の均一化を介して働きかけられたときほど、ビジョンからイノベーションが導き出すことは出来なかった。メディアがソーシャル化されることにより、個人が情報を作り、消費し、そして、共有する仕組みが変わってから数年が経過した今、私たちの立場は、マーケットを追う立場から導く立場へと変わろうとしている。
事業、そして、情報の配信、つながり、そして、接触を担当する部門は、インタラクティブなメディアにおいては、もはやその存在価値を失っていると言わざるを得ない。消費者の行動を把握する果てしないサイクルから脱却するため、新しい哲学と方法が必要とされている。そうすることで、私たちは認められ、影響を与えられるようになり、経験と目標を導くことが可能になる。さらに、従来のメディアだけでなく、インフルエンサーおよび影響力の強い顧客の意見、考え、そして、最終的には世間の検証を介して、存在を確立することが出来るようになる。しかし、そのためには、アイデア、創造的なアプローチ、または会話に“なんとなく参加”するだけでは不十分である。注目、マインドシェア、さらに親近感を効果的に勝ち取るには、新たなスキルセットが必要になる。ハイブリッドセオリーは、数々のマーケティングの技術、心理学や社会学等の社会科学、クリエイティブなビジョン、ビジネスの仕組み、サービス、そして、コミュニケーションをマスターした専門家を異種配合した労働力を活用する。ハイブリッドセオリーにおいては、これらの専門家は、それぞれの分野での権威を交換するのではなく、ニューメディア、そして、付随する領域およびマーケットへと能力を拡大する。
ソーシャルネットワークにおいて、注目は無料で手に入れることが可能であり、交流は参加者の特権と言える。しかし、多くの組織や組織をサポートするチームは、内部および外部の意義深い協力と交流を行う機会を取り入れたり、特定したりするのではなく、ブランドを代表して誰がソーシャルメディアを所有するのかについて議論を重ねている。「誰がソーシャルメディアを所有するのか」と言う疑問に対する答えは、企業に機会をもたらしてくれるわけではない。しかし、多くの組織がこの点に気づいていないようだ。
USCアネンバーグ・スクール・フォー・コミュニケーション & ジャーナリズムのストラテジック・パブリックリレーションズ・センターによる、6度目のコミュニケーション・アンド・パブリックリレーションズ・ジェネラリー・アクセプティド・プラクティスズ(GAP)調査では、ソーシャルメディアの支配者を巡る覇権争いにおける勝者が明確に記されている。このレポートによると、25%以上の企業がソーシャルメディアに対して81~100%の予算を管理していると答え、マーケティングはこれに対して12.6%のみであった。また、調査の回答者の4分の1が、PRが組織内でソーシャルメディアに対する戦略を管理していると述べたのに対し、マーケティングがソーシャルメディアを管理していると答えたのは9%のみであった。25%を少し超える回答者が、マーケティングは予算を全く管理していないと述べ、22%の回答者はマーケティングは何に対しても戦略的な管理権を持っていないと話していた点は注目に値する。
ストラテジック・アンド・パブリックリレーションズ・センターのディレクターを務めるジェリー・スウェーリング氏はこの結果を次のように説明している。「[ソーシャルメディア]には比較的非営利的なアプローチが求められる。一方的にメッセージを伝えるのではなく、会話を必要としている。製品の特徴ではなく、客観的な情報を頻繁に伝達し、本質的に無償で行われる傾向がある。これは、厳密にコントロールされているマーケティングの世界とは正反対だ。」
この調査で集められた情報を信じるなら、PRが企業のソーシャルメディアを動かす戦略および財布のひもを牛耳っていることになる。しかし、それが業界の標準だとしても、そうであるべきだとしても、もしくは、それが答えだとしても、実際には現実から大きくかけ離れている。パブリックリレーションズは、営利的な目的では動いていないかもしれないが、PRならではの先入観と意図が必ず隠されている。全体的なマーケティングミックスの一環であり、こちらも改革を必要としている。
ブランディングのトップダウンの局面をコントロールしていても、ソーシャルメディアの私たちの地位を決めるのは消費者である。彼らの見解は、口コミを介して、共有する印象、見識、そして、意見を通して作りだされ、一人で意見をかみしめるだけでなく、現実の世界、そして、私たちをソーシャルに結びつけるネットワークで、共有している。ウェブは優れた記憶力を持ち、消費者の言葉もまた、マーケティングの取り組みで私たちが採用するSEOおよびSMOによって、同程度、そして、時にはそれ以上の認知されることになる。
そのため、ソーシャルメディアの所有権に関しては、しばらくの間は誰か一人に与えられるのではなく、共同で所有していると言えるだろう。だからこそ、企業が真の360度のアプローチを採用することが出来ない原因である、欠けている要素を特定する取り組みへの時間および労力の投資こそが、最も私たちの関心を呼んでいる。そうすることで、具体的な価値とリソースを特定し、一番重要な場所、そして、ニーズと能力を明確に合う場所に適用することが出来るようになるのだ。
メディアのソーシャル化は、組織の文化に影響与えて、マーケットでの関連性を促すための、リバースエンジニアリングを介したアプローチを生む。そして、製品、サービス、さらに、影響を受ける組織の全ての部署のコミュニケーションをつなげる外部への取り組みをソーシャル化する。このプロセスの中で、ソーシャルの所有権を変えるには、以下のアイテムにおける新進気鋭なプロを介した、関係者の交流を平等化および公平化するしかないことに気づくだろう:
– PR
– マーケティング
– 広告
– 人事
– 経理
– 営業
– サービス
– 製品
– R&D
– 戦略提携
– その他
的を絞った、ソーシャルな消費者のニーズと期待を満たし、偽りのない交流を行うためにはハイブリッドなアプローチが求められる。
ソーシャルネットワーク、そして、それぞれのネットワークに広まっている文化は、知名度、および、つながりを介して、交流および見返りを活発に行い、ネットワークに貢献するユーザーを育成する。オンラインのネットワークに存在する個人が有名になると、彼らの威光および影響が拡大するのは明白である。私たちが人々、そして、彼らの言動を学ぶ取り組みは、現在、ビジネスにとって欠かせない要素と言える。そのため、360度のアプローチは、マーケティングミックスの5番目の「P」、Peopleの融合なくして実現しないのだ。
マーケティングミックスの4つの「P」については、耳にタコが出来るほど聞かされてきたはずだ。補修が必要な人、もしくは補修を楽しいと感じる人のために簡単に説明しよう。「マーケティングミックス」と言う用語は、ニール H. ボーデン氏が1964年にコンセプト・オブ・ザ・マーケティングミックスと言う本を出版した際に注目を浴びた用語だ。1940年代後半、ボーデン氏は、マーケティングマネージャーを「材料のミキサー」と表現していたジェームズ・クリトン氏の刺激を受け、この用語を講義の中で採用した。ボーデン氏は、マーケティングミックスの材料を、製品計画、価格設定、ブランディング、流通経路、個人販売、広告、プロモーション、パッケージ化、ディスプレイ、サービス提供、物理的な取り扱い、事実発見、そして、分析の13の分野に分類した。数年後、E. ジェローム・マッカーシー氏がこれらの材料を、現在私たちがマーケティングの4つの「P」と呼ぶ4つの領域にまとめたのだ:
1. Product(製品)
2. Price(価格)
3. Place(場所)
4. Promotion(宣伝)
情報源: NetMBA.com
4つの「P」は、マーケティングマネージャーがコントロールする変数を表し、これはマーケットのエコシステムの内部的および外部的な動きの影響を受ける。もともと、4つのPは、価値の認識を作り出し、行動を前向きで利益を生む方向に促すために策定された概念であった。
ソーシャルメディアの時代において、4つのPは、その家賃を稼ぎ出すために、新たなテナントを求めている。2010年、ソーシャルメディアは、トップダウンのコミュニケーションのバランスを崩している。かつて組織は、情報の流れを管理することで繁栄したが、組織が接触を試みる仲介人や個人の多くは、彼らが思う以上に影響力を持っている。
コンテンツの制作と流通が民主化され、影響が均等化されていくと、既存の4つのPの完全性を維持するためには、新たな「P」が必要になる。
それが、People、5つ目の要素だ
続き…
パート 2(日本語版は近日公開)
パート 3(日本語版は近日公開)
この記事は、Brian Solisに掲載された「The Hybrid Theory Manifesto: The Future of Marketing, Advertising, and Communications Part One」を翻訳した内容です。
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。