起業大国を築くにはイスラエルを見習え

公開日:2010/10/26

最終更新日:2024/02/17

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起業大国といえば誰もがアメリカをまず思い浮かぶでしょうが、イスラエルも実は起業大国ということを知っている人はいますか?人口わずか700万人強の小国ながら日本はもちろん中国やインド、イギリスより起業数が多いのだとか。そんなイスラエルの秘密について少しだけ解説。 — SEO Japan

どうやってシリコンバレーのスタートアップ企業生態系を模倣するか(もしくは、それを他の場所に適用するのは可能なのか)というディベート議論は、これまで不足することはなかった。私も2007年にそのことについて書いているが、あれから数年が経ち、大きな変化や発展があったことは確かである。しかし、Start-up Nation: The Story of Israel’s Economic Miracle(スタートアップ企業大国:イスラエルの経済奇跡ストーリー) のような本を読むと、行かなければいけない多くの場所がどんなに遠いのかということに気付かされる。

Start-up Nation: The Story of Israel’s Economic Miracle (スタートアップ企業大国:イスラエルの経済奇跡ストーリー)は、イスラエルの暴力的で信じられないような歴史を要約した本だ。ここには、敵に囲まれた国を築いたイスラエルの起業家たちの興味深い驚くべき話しが多く書かれている。単純に読んで楽しい本ではあるが、実際にそこから学んだことをすぐに自分のスタートアップ企業の試みに応用できるという類のものではない。「うーん・・・」と考えてしまうものだ。

この本を読んでからというもの、私は、イスラエルのスタートアップ企業の経験を私の故郷ケベック州モントリオールを含めた他の場所で生かすにはどうすればいいのかについて長い間考えてきた。正直言って、イスラエルでの経験や教訓を自分たちに応用することはできないと思う。なぜなら、彼らが経験したことというのは、他の場所とはずいぶん異なっているからだ。例えば、カナダは戦争を経験せずに生まれた国だ。私たちは絶え間ない危険な状態にはいないし、それがゆえに、張り詰めたものではない、気の抜けたゆっくりとした行動をする余裕がある。(私たちにそういう余裕があるのだとは思わないが、そうしてしまうのだ)

それでも、この本の中には私たちにも応用できると思われるいくつか興味深いアイディアがあり、モントリオールやその他数多くの小さいけれどスタートアップ企業の生態系が成長している土地で、もっとそのことについて話されるべきなのだ。

  1. 厚かましさが必要だ。 この本を読んでいる間、私は “カナダの厚かましさはどこにあるのだろう?” とずっと考え続けていた。その結果、私たちは、オリンピックのホッケーでアメリカに勝って金メダルを獲った後にいくらかの厚かましさを持ったかもしれないことが分かった。スタートアップ企業には厚かましさが必要だ、たくさんの厚かましさが。
  2. 失敗は必然的なもの。たくさんの人がスタートアップ企業における失敗について話題にしているが、結局のところそのほとんどは単なる話題にすぎない。カナダも含め多くの場所では、失敗は失敗のままなのだ。黒星なのだ。イスラエルでは、正真正銘、失敗を違った風に対処する。
  3. 売却をうるさく勧める。 イスラエル国内で売却する起業家たちは国民的ヒーローとしてみられ、そのストーリーは伝説になる。カナダにはもっと売却が必要であるし、売却にはそれをうるさく勧めることが必要だ。この本の中で参照されていたものは巨大な売却だったが、カナダは我々がこれまでに目にしてきた小さな売却でさえもっと宣伝をすることができたと思うのである。
  4. 起業家をキープする。イスラエルは、頭脳流出に苦しんではいるが、人をキープすることが上手い。カナダは成功した起業家をキープするのが上手くない。戻ってくる人もいるが多くはないのだ。
  5. 十分に成長した学生ほど成功する。 イスラエルの大きな違いの1つが、ほとんど全ての人が最低2年間を軍隊で過ごすということだ。軍隊にいる間、彼らは重要なスキルを大量に学ぶ。最も重要なことが、彼らは精神的な成熟が速いことだ。22歳で軍隊を去る時には、彼らはカナダ人が理解するに及ばないほどの何かを経験しているのだ。どうにかしてカナダは学生にもっとチャンスを与える方法を見つける必要がある。それには、大企業でのくだらないインターンシップは含まれない。学生は、ものすごく真剣で意味のあるインターンシップと役割に放り出されなければならない。彼らには、実際の結果を伴う本物の責任が必要なのだ。
  6. 国境を越えて目を向ける。 イスラエルはとても小さく、敵に囲まれているため、成功のためには国境をはるかに超えた先に目を向けざるを得ない。それは多くの輸出を意味する。さらにユニークな世界観を持つことも意味する。チャンスをうかがったり、外で何が起こっているのか学んだりするのに国境を越えた先へ目を向けているカナダ人はかなり少ない。TechCrunchやMashableなどのブログを数個読むことはこれには当てはまらない。もっと多くの起業家が自分たちの都市の制限を超えて繋がる必要があるし、外にどれだけの競争相手がいるのかに気がつく必要がある。さらに小さなスタートアップ企業の生態系は、進行中のあらゆることのトップにつくには、もっと一生懸命取り組まなければならないし、全てのパイに指を突っ込んでいく必要があるのだ。

私は、アメリカとイスラエルを本拠地にした起業家や投資家とのもっと多くの価値のあるパートナーシップを見たい。シリコンバレーとイスラエルのブートキャンプもしくはエクスチェンジプログラムもあるべきだ。私はまだ全ての方法を考え出してはいないが、私たちはそこに存在する必要がある。まずは足を運び、学び、盗み、繋がり、そして自分たちのホームベースに戻ってくるのだ。

あなたにもStart-up Nation: The Story of Israel’s Economic Miracle (スタートアップ企業大国:イスラエルの経済奇跡ストーリー)を読むことを勧めたい。そこには、あなた自身やあなたのスタートアップ企業に役に立つ教訓や例やアイディアを見つけるチャンスがある。たとえあなたがどこにいるとしても。


この記事は、Instigator Blogに掲載された「How To Build a Start-Up Nation」を翻訳した内容です。

本を読んでみないと深いところまでは分かりませんが(早速注文しました)、私も10年程前にイスラエル人の起業家と会ったことがあります。軍隊にいた時に戦車の中で思い付いたという(ネタの可能性大ですが)、PCのソフトウェアに広告を配信する技術を扱っていました。当時は何故イスラエルなんだろう、軍事産業があるからハイテクは強いのかな、という意識程度でしたが、もっとスゴイ何かがありそうです。日本ももっと国境を越えて目を向けるべきなのでしょうが、周りを海に囲まれた日本と他国の土地が隣にあるイスラエルの違いは精神的に大きいのでしょうか。イスラエルにはグーグルやマイクロソフトも開発拠点ありましたよね。資源が無い小国同士、日本も何か学べるところがあるのかもしれません。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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