数多のブランドが、フェイスブック、ツイッター、そして、その他の人気の高いソーシャルネットワークで、競って存在を確立しようとしている。当然だが、当初の目標は、ブランドの認知を高め、コミュニティを構築することである。しかし、そのためには寡黙なオーディエンスにメッセージを送りつける以上の総体的なアプローチで臨む必要がある。現在、ソーシャルな均衡状態を作り出し、そこで、コミュニティの4つのC、つまり、コンテンツのキュレーション(管理)およびクリエーション(作成)、コンバセーション(会話)、コンテキスト(背景)、そして、コンティニュイティ(継続性)を思慮深く導入することで、計測可能で相互に利益のあるアクティビティと交流を促進する必要がある。しかし、まずは、より多くの情報およびつながりを持つ消費者の役割、そして、彼らがソーシャルエコシステムで及ぼす様々な影響を把握するクリエイティブな手段を見つけることが先決である。
認識および力の供与により、ソーシャルスパークが起こり、ブランドをソーシャル化するだけでなく、消費者の行動を活性化することが出来るようになる。コンテンツに関するプログラムや意義深い交流は、コミュニティの精神を解き放つ効果があるが、最終的に、会話やつながりだけでなく、金銭の絡む取引が行われる舞台を整える効果もあるのだ。
ソーシャルメディアが成熟するにつれ、ブランドは、注目が集まる場所およびタイミングで、決定と意図を成果に変える新たなソーシャルスパークを導入しなければならなくなるだろう。そうすることで、バイラルなチャンスが訪れ、「コミュニティの4つのC」の新しい「C」であるソーシャルコマースによって推進されるソーシャルエフェクトを駆り立てることが出来るだろう。
時間を割いて、ソーシャルな消費者の注目の流れについて考えてみよう…
人々はフェイスブックで1ヵ月間で7000億分間過ごしている
300億個以上のコンテンツ(ウェブのリンク、ニュース、ブログの投稿、ノート、フォトアルバム等)が毎月フェイスブックで共有されている
ユーチューブは90億回/月以上ストリーミングされている
毎日、1億本以上のツイートがツイッターで投稿されている
ソーシャルネットワークの普及により、消費者の注目は、ソーシャルストリーム上に集中するようになり、企業は変革を余儀なくされている。ソーシャルストリームこそが、消費者が学び、発見し、そして、共有する場所である。そして、この点を理解する人もいれば、理解出来ない人もいる。理解する人は、ソーシャルネットワークでアドバイスや購入の決定に関する提案を求めるため、ソーシャルなチャンネルを徐々に利用するようになっている。この傾向がすべてを変え、企業は戦略を拡大して、従来の消費者およびソーシャルな消費者にそれぞれ接触する必要性に迫られている。
しかし、ソーシャルな消費者の台頭が浮き彫りにするのは注目だけではない。彼らをクリックさせる、行動させる、そして、共有させる動機を理解しなければならないのだ。これらのソーシャルな消費者の動機は、従来の消費者の動機とは異なる。ソーシャルな消費者は、賢明な戦術で動機づけられるわけでもなければ、ソーシャルネットワークでブランドの存在を探す意欲も持っていない。注目は貴重な商品であり、ソーシャルな消費者には、ソーシャルウェブでの彼らの地位を認め、その事実に対する見返りを与える直接的な交流が必要である。そして、ソーシャルな消費者の階層にブランドを紹介するのが、この地位である。この階層では、異なるレベルの影響が、献身的な交流および活性化プログラムによって満たされるのだ。それはなぜだろうか?ソーシャルな消費者はつながりを持ち、彼らの行動はソーシャルグラフで反響し、会話、そして、最終的にはクリック・トゥ・アクションを促すからだ。また、動機づけられると、あるいは鼓舞されると、ソーシャルな消費者は会話の統一を通じて変化を要求するようになる。
先日、ギャップの新しいロゴに対して、つながりを持つ消費者達が一斉にソーシャルな演説台に乗って不満を漏らし、改善を要求したことで、大きな波紋を呼んでいた。 この件で得られる教訓は、あらゆるブランドもコミュニティと交流して、消費者を利害関係者に変え、彼らに企業を進化させる取り組みで一翼を担ってもらうことが出来ると言う点だ。このようにして、消費者に接触し、接触される接点としてのソーシャルウェブで、関係性を得るのだ。
2010 ソーシャルメディアレポートで、ForeSee(フォーシー)は、オンラインショッパーの60%が既にソーシャルメディアおよびソーシャルネットワークを定期的に利用している事実を掴んでいる。そして、そのうちの56%は小売業者と友達になるか、フォローしているが、そのためには、小売業者が活発にこれらのネットワークで交流していることが条件である。この調査によると、上位100社のeテイラー(e-小売業者)はまだフェイスブックのページを作成していないようだ。この情報を知っても動く気にならないなら、ツイッターとフェイスブックのユーザーが平均的なインターネットユーザーよりも、1.5倍以上長くオンラインで過ごしている事実を発掘したcomScoreのレポートに目を通してもらいたい。
ソーシャルな消費者を受け入れるのは、すべての企業にとって義務である。彼らの注目および協力を得ることで、接触範囲、そして、彼らの周りにいる消費者の決定に影響を与える信頼を得ることが出来るからだ。
先日、ウォルマートはソーシャルコマースのグルーポンからアイデアを得た新しいプログラムを導入し、集団購入およびフェイスブックのニュースフィードによるソーシャルエフェクトのメリットを組み合わせた。グルーポンのように、Crowd Saver(クラウドセイバー)は集団購入の力を活用して、限定の取引で消費者に見返りを与える。しかし、グルーポンとは異なり、このプログラムはソーシャルグラフをミックスに統合し、取引を実現するためには、規定の人数のライク(いいね!)が必要となる。この条件には2つの目的がある。まず、毎年、米国で感謝祭に続くブラックフライデーやサイバーマンデーと同様に、取引に対する需要を高める。しかし、同時にクラウドセイバーは、ソーシャルオブジェクトの役割を果たしている。いいね!される度に、すべてのソーシャルグラフのニュースフィードに広がるため、範囲、魅力、そして、ブランドの認識度が拡大していく。例えば、ウォルマートが先日行った実験では、プラズマ TVの特売を実現するには5,000人のライクが必要であった。
ここでやめる必要はない。ウォルマートやその他のeテイラーは、注目を手中に収め、反応を促し、そして、フェイスブックを去ることなく購入する意図を取引に結び付けることが出来るはずだ。フェイスブックでオンラインストアをブランドが運営するf-コマースの時代が目前に迫っている。
注目が集まる場所とタイミングを捉えるメリットは大きい。例えば、1-800-Flowers.comはフェイスブックでオンラインストアを運営し、消費者はアレンジを閲覧し、フェイスブックのタブから直接オーダーすることが出来る。そうすることで、ソーシャルエフェクトに火をつけ、顧客のソーシャルグラフにアクションを配信している。
ソーシャルコマースをコミュニティの5つ目のCとして統合することで、新たな販売経路を開拓するだけにとどまらず、ソーシャルメディアを経費から収益へと変える効果がある。 試す機会を増やせば、学べることがらも増える。最終的にROIの議論はプロセスの問題となる。投資と見返りを計測することも、コンバージョンを改善してROI全体を引き上げることも可能だからだ。価値を上げて、個人に特化した経験を提供することで、ソーシャルな消費者に力および見返りを与えることが出来る。そして、コミュニティに対するオンラインの経験を向上するのだ。
明日のための競争に参加しないなら、現在および未来における注目を集める重要な機会を失ってしまう。これはデジタルダーウィン主義とも言えるだろう。見えないものは忘れ去られていくのだ。
「交流か死か」悩んでいる時間はない。
この記事は、Brian Solisに掲載された「The 5th C of Community, Social Commerce」を翻訳した内容です。
ユーザーがソーシャルプラットフォームで過ごしたり知人とコミュニケーションする時間がこれだけ長くなれば、そこでEコマースのサービスが提供されるのもまた必然ですかね。そこにソーシャルならではの特性をどこまで活用できるかということがブランディングにとってもセールスにとっても重要になってくるのでしょうね。そもそもEコマース自体、伸び続けている市場なわけですし、この分野は今後かなり伸びる気がします。 — SEO Japan
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