サーチ・ユア・ワールドは日本上陸まだでしょ、Google+も人気ないし、なんてノンキに構えてはいられない、Google、そしてソーシャル化しつつある検索の未来を占うともいえる重要な議論をサーチエンジンランドのダニー・サリバンが詳しく解説した記事を今回はお届けします。そもそもサーチ・ユア・ワールドに詳しくない(遅れている)あなたはSEO Japanの過去記事やTechcrunchの記事を先に読んでおくと今回の記事や現在の議論の内容が深く理解できるかと思います。 — SEO Japan
私はグーグルが多くの公開済みのデータを持っており、新しいサーチ・プラス・ユア・ワールド(日本語)機能の一部にフェイスブックやツイッター等のライバルのソーシャルネットワークを含めることが出来ると主張している。現在、これらのネットワークは私の主張の正しさを実感しつつある。生まれて間もない「Don’t Be Evil」(邪悪になるな)ツールを使えば、誰でもグーグル自身の結果を活用し、この情報を見ることが出来るのだ。
このツールは、ブラウザ内で利用可能なブックマークレットであり、現在グーグルプラスの情報のみを提供するサーチ・プラス・ユア・ワールドの3つの部分を変える:
このツールは、ウェブサイト「Focus On The User」(フォーカス・オン・ザ・ユーザー)で提供されている。このツールはサイトにも記載されているように、フェイスブック、ツイッター、そして、マイスペースのエンジニア達によって作られ、その後、その他の匿名のソーシャルネットワークサービスの助言を得て生まれた。このツールには、グーグルにとってではなく、ユーザーにとっての最善の取り組みに専念することを目指したグーグルの企業理念「Don’t Be Evil」と言う名前がつけられている。
このツールの開発に関わった企業は、グーグルが、サーチ・プラス・ユア・ワールドでユーザーにとって最善の取り組みに焦点を絞っているとは思えなかったようだ。その通りだ。このツールは、サーチ・プラス・ユア・ワールドに関して交されている議論よりも、遥かに的を射た主張を実現している。なぜなら、検索ユーザーが望む場合、グーグルが本来ならば与えることが出来たユーザーにとって役に立つ情報を見せてくれるからだ。
以下に、このツールをインストールする方法、そして、その仕組みを紹介していく。インストールを終え、使い方を理解したら、このツールが強調する問題の一部について検討していこう。
目次
このツールを手に入れるには、まずこのサイトを訪問し、「Try a more relevant Google」ボタンを探し出す必要がある:
このボタンをクリックすると、新しいウィンドウが表示される。その中に「don’t be evil」ボタンが用意されている:
このボタンをクリック & ホールドし、ドラッグして次にブラウザ内のブックマークバーまで持っていく(ブックマークバーが見当たらないなら、ブラウザのオプションを探し、このアイテムを使えるようにする必要がある):
インストールを終えると、ブックマークバーにこのツールが表示されるはずだ:
グーグルで検索を行う際に、このボタンをクリックすると、これから説明するように結果を変えることが出来る。ちなみに私はこのツールをグーグルクロームとファイヤーフォックスで試してみた。サファリでも利用することが出来るはずである。ただしインターネットエクスプローラでは利用することが出来ないので注意してもらいたい。
サーチ・プラス(サーチ・プラス・ユア・ワールドの私なりの略称)が持つ問題点の中で特に納得できないのが、一部の検索ユーザーに提供される「グーグル+上の人物 & ページ」の結果である。これらのリスティングは、グーグル+のアカウントを持っていなくても、もしくはグーグルから完全にログアウトしていても表示されることがある。
グーグル以外のソースを持っているにも関わらず、グーグルのソースしか提示しない結果は、私は今まで一度も見たことがなかった。この点の詳細、そして、これがグーグルにとって大きな背反行為に当たる点を理解するため、私が以前投稿した「グーグルの偏愛を理解するには、グーグル+がユーチューブだったと仮定しよう」に目を通すことを薦める。
今まで見たことがない手法でえこひいきをグーグルが行っている点以外にも、とりわけ主要なスペースが与えられているには、結果が単純に最高の情報を検索ユーザーに与えているとは思えない。過去の投稿「グーグルの“サーチ・プラス”が関連性よりもグーグル+をゴリ押しする実例」ではこの点を詳しく説明している。
関連性のギャップが生まれる理由はとても単純である。グーグル+には、いまだにその他のソーシャルネットワークには存在する多くの重要なユーザーや有名なユーザーが欠けているのだ。事実、ツイッターとフェイスブックでは多くのフォロワーを抱えているにも関わらず、レディーガガは先週まではグーグル+を利用していなかった。ガガが登録していない状態では、グーグルが紹介する人物 & 場所に対する音楽の推薦にはガガが含まれないことになる。
その他のソーシャルアカウントを人物 & ページの結果に含めると、再三申し上げてきたように、グーグルに検索エンジンとして期待する取り組み、つまり素晴らしい検索経験を提供してもらえることになる。過去の投稿の一部を以下に掲載する:
グーグルには、ソーシャル提案を一新し、グーグル+の「人物 & ページ」の結果をグーグルに挿入するだけでなく、その他のソーシャルサイトも取り上げてもらいたい。このような包括的な検索製品こそが、グーグルが得意としている分野であり、ユーザーが提供してほしいと期待しているからだ。
そして、フェイスブック、ツイッター、そして、マイスペースのエンジニア達が、グーグルに期待する取り組みを代わりに行い、検索エンジンのソーシャル提案機能を作り上げた。
「music」で検索を始めてみよう。左側には、グーグルのサーチ・プラスで表示された結果を掲載し、右側には「Don’t Be Evil」ブックマークレットをクリックした後の画面を掲載する:
上部の矢印は、「People and Pages on Google+」が「People and Pages from the Social Web」になっている点を指摘している。
2列目の矢印はブリトニー・スピアーズに対して、グーグル+のプロフィール(160万人のフォロワーを持つ)ではなく、ツイッターのアカウント(1260万人のフォロワーを持つ)が表示されている点を指摘している。ツイッターのアカウントの下には、マイスペース、フェイスブック、そして、タンブラへのアカウントへのリンクも用意されている。
3列目の矢印は、スヌープ・ドッグに対して、グーグル+のプロフィール(140万人のフォロワーを持つ)ではなく、ツイッターのアカウント(620万人のフォロワーを持つ)が表示されている点を指摘している。ツイッターのアカウントの下には、マイスペース、フェイスブック、そして、グーグル+のアカウントへのリンクが提供されている。
それぞれのプロフィールが選択される仕組みについては後ほど詳しく説明するが、まずは引き続き例をさらに紹介していく。次に「cars」で検索した結果を掲載する:
この結果では、フェラーリのグーグル+のページ(6,500人のフォロワーを持つ)が、フェラーリのフェイスブックページ(560万人のフォロワーを持つ)に変更され、ユーチューブページがリンクとして別に提供されている。トヨタのグーグル+のページ(18万人のフォロワーを持つ)もまたフェイスブックのページ(70万人のフォロワーを持つ)に変更されている。
グーグルの現在のシステムの問題点を浮き彫りにする例として私が気に入っているのが[Facebook]の検索だ:
左側のイメージでは、グーグルの通常のリスティングはマーク・ザッカーバーグ氏のグーグル+のプロフィールをユーザーがフォローするべきアカウントとして提案している。これはザッカーバーグ氏の公式のページであり、60万人以上にフォローされている。しかし、ザッカーバーグ氏はグーグル+が立ち上げられた直後にプロフィールを作成して以来、一度もこのアカウントに投稿を行っていない。
右のイメージは、「Don’t Be Evil」ボタンを利用した後の画面であり、このリスティングをさらに役に立つであろうザッカーバーグ氏のフェイスブックのページ(代案として、グーグル+、ツイッター、そして、クオラのページがリストアップされている)に変えている。
それでは、再び矢印に注目してもらいたい。このケースでは、私はグーグル+にサインインしており、そのため「Add to circles」ボタンがグーグル+の結果の隣に表示されている。しかし、ツールを使ってフェイスブックのリスティングを表示させると、フェイスブックで私が既にザッカーバーグ氏をフォローしている点が指摘されていた(フォローしていなかった場合は、同氏をフォローすることが出来るように“いいね!”ボタンが表示される)。
もう1つ例を出しておく。今回はこのツールが、グーグル+のリンクをはぎ取り、その他のネットワークへのリンクに切り換えるだけでなく、さらに高度な機能を持っている点を指摘する。以下に[Google]の検索の結果を掲載する:
一つ目の提案はグーグル+のグーグル自身のページであり、このリスティングはツイッターのグーグルのページに切り替わる。ツイッターのリンクの隣に“フォローする”ボタンも掲載されている点に注目してもらいたい。
その下にはラリー・ペイジ氏のページが提供されている。ペイジ氏のリスティングはツールの利用後も変わらない。同氏のグーグル+のページのままであり、これは的を射ている。私の知る限り、同氏がアクティブに活動しているソーシャルネットワークはグーグル+のみである。リンクトイン、フェイスブック、そして、ツイッターのアカウントも表示されるものの、どれも同氏のアカウントのようには見えない。
上の例において、どのソーシャルアカウントを表示するのが最も適しているのかについて、以下のように様々な基準で考えることが出来るだろう:
すべてを解明しようと試み – そして、自社のソーシャルネットワークを贔屓していると非難される事態を避けるため – 「Don’t Be Evil」ブックマークレットの開発者達は、どのソーシャルアカウントが最も関連しているのかと言う疑問をグーグル自身にぶつけることに決めたようだ。
それでは、少し戻りスヌープ・ドッグのリスティングの変更を例に取って考えてみよう:
このブックマークレットはまずはグーグルが人物 & ページのセクションにリストアップされているアカウントに注目する。次にリストアップされた人物や企業に対する検索を行い、グーグル自身が最も関連していると考えるソーシャルプロフィールを100位までの結果で探す。
スヌープ・ドッグの場合、このブックマークレットは、[music]の検索に対する人物 & ページにスヌープ・ドッグがリストアップされていることを確認する。次にグーグルで[snoop dogg]で検索を行い、どのソーシャルアカウントをスヌープ・ドッグに対してグーグルが最初に掲載しているのかを調べる。
上のイメージをご覧になれば分かるように、ツイッターのアカウントが最初に表示されているため、ブックマークレットはスヌープ・ドッグに対する提案をツイッターのアカウントへのリンクに書き直す。スヌープ・ドッグのマイスペースのアカウントは次に見つかる。そのため、一つ目の代案としてマイスペースがリストアップされる。その次にフェイスブックが見つかるため、マイスペースの次に表示される。グーグル+はフェイスブックの次に掲載されており、3番目の代案として表示される。
このツールのFAQページによると、Don’t Be Evilは以下のソーシャルネットワークのリンクをチェックするようだ:
このツールが見つける情報は全てグーグルに掲載されている情報のみであり、プロフィールの写真もグーグルのリッチスニペットのテストツールを使って生成されているとFAQページで説明している。
グーグル自身の情報のみが利用されているため、このツールは、全ての提案はそもそもグーグルプラスを利用している人物をベースにしていると言う重要な弱点を克服していない。
例えば、ケイティ・ペリーは、フェイスブックやツイッターでは最もフォロワーの多いミュージシャンの一人に数えられるものの、決して[music]の提案で表示されることはない。ケイティ・ペリーがグーグル+を利用していないことが原因であり、音楽関連のクエリで彼女が提案される可能性はゼロである。提案されない限りは、このツールはケイティ・ペリーを追加することは出来ない。
サーチ・プラスがグーグル+を贔屓しているもう一つの機能は、グーグルの検索ボックス内に存在する。 タイプしていくと、グーグルインスタントのオートコンプリート機能が検索するべき用語を提案し始める。著名人やセレブに対しては、この提案はグーグル+のプロフィールに向かうリンクを含める。例えば、フェイスブックのCOOを務めるSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏に対するこの検索について考えてもらいたい:
完全にグーグルからログアウトした状態で[sheryl]と入力した時点で、昨年の9月から全く投稿が行われていないサンドバーグ氏のグーグル+のページを選ぶよう薦められた。これはかなりの優遇処置である。サンドバーグ氏のウェブサイトや別のソーシャルプロフィールを押しのけてこのページをなぜ提案するべきなのだろうか?
「Don’t Be Evil」ボタンの開発者達はこのオートコンプリートによる提案を「先行入力」結果と呼んでいる。このボタンを利用すると、先行入力の提案が変化する。サンドバーグ氏の場合、フェイスブックのプロフィールが表示される:
ここでは私が先程申し上げたロジックが用いられている。サンドバーグ氏の名前の検索に対してグーグルが最初に挙げるソーシャルネットワークが何であれ、そのネットワークのプロフィールがオートコンプリートボックスで採用されるのだ(ただし、私にとってはフェイスブックのプロフィールではなく、クランチベースのプロフィールが表示されるべきである)。
この点については過去の投稿でも取り上げているが、今回、再び強調させてもらいたい。グーグル+のプロフィールだけを挙げるのは、グーグルのこれまでの方針と比べると、遥かに贔屓のレベルが高い。次のイメージを見てもらいたい:
これは私が[facebook]で検索を始めようとした際の画面である。[face]を入力した状態で既にグーグルはフェイスブックのホームページに検索ボックスから直接向かうよう提案している。
グーグルはこのような提案を2008年および2009年から行い始めていた。グーグルインスタントの予測機能を検索の設定画面で無効にしているなら、今でもこのタイプの提案が行われる。Amazon、Best Buy、もしくはNew York Timesと入力すると、同じような提案が行われる。
しかし、大半のユーザーはグーグルインスタントを有効にしている。デフォルトで有効にされているためだ。そのため、彼らはこのような“かつて”行われていたウェブリンクの提案を見ることはない。その代わりに、グーグル+のプロフィールが提案されている。グーグルはプラスのページを推薦するだけでなく、意図的に選択しているのだ。
検索を行い、メインのリスティングの下に“字下がりの”多数のリスティングが掲載されている点に気づいたことはあるだろうか?これらのリスティングはサイトリンクと呼ばれている。グーグル+のアカウントに関連するリスティングに対して、グーグルは特別なサイトリンクとしてグーグル+の2本の最新の投稿を選ぶ。以下に例として、TV ガイドをグーグルからログアウトした状態で検索した際の結果を掲載する:
2本の矢印は、グーグル+の特別なサイトリンクを指している。このタイプのアイテムは、サーチ・プラス・ユア・ワールドが展開される前から存在していたが、公式に告知されたのは私の記憶にはない。少なくとも、グーグル+のダイレクトコネクトが立ち上げられた際、このようなサイトリンクを製品の一部として強調していなかったことは確かだ。
実際に、このサイトリンクの追加は、1年と少し前にグーグルがその他のソーシャルネットワークのサイトリンクを見せていた点を考慮すると、とても異様に思える。例えば、次のように[Twitter]の検索で、本サイトのニュースエディターを務めるバリー・シュワルツがフォローするべき人物が挙げられている:
「Don’t Be Evil」ボタンは、グーグル+のサイトリンクをその他の変更が行われる仕組みと同様の仕組みで入れ替える。再びTV ガイドの例を見てみよう:
グーグル+のサイトリンクを2本表示するのではなく、1本しか表示されていない。このケースでは、TVガイドのツイッターのプロフィールに向かうリンクが表示されている。グーグル検索で「tv guide」の検索を行った際に最初に登場するのがツイッターのプロフィールだったためだ。 TV ガイドのフェイスブックのプロフィールへのリンクは、代案として用意されている。
ここ2週間、多くの投稿で私自身も説明してきたように、私はグーグルの検索ページでのグーグル+のプロモーションに嫌気が差している。
「人物 & ページ」の結果は、グーグル+のプロモーションを意図している場合であっても、 – グーグルのユーザーがウェブ全体から集められたと思うような – まるで通常の検索結果のように現れる。しかし、実際にはウェブ全体の検索結果ではなく、グーグル+自身の結果である。
もっと質の高い分類をすれば、この手のプロモーションはうまくいくと言う主張も一理ある。しかし、それでもグーグル+のプロフィールをウェブのその他のページへと向かうリンクではなく、グーグルの検索の提案の中でプッシュする理由は説明されていない。ここで表示されているリンクは必ずしも最も関連する提案とは限らないのだ。
グーグル、とりわけ会長のエリック・シュミット氏は、その他のソーシャルサービスをグーグルプラスのように表示するために必要なデータが揃っていないと主張している。フェイスブックと合意に達することに失敗し、ツイッターと契約を更新することに失敗した結果、必要なソーシャルシグナルを手に入れることが出来なくなったとグーグルは述べている。
「Don’t Be Evil」ツールは、グーグルの主張が誤っており、実際にはグーグルがその気になれば見つけることが可能なソーシャルシグナルが存在する点を実証している。
当然ながら、グーグルがもし現在「Don’t Be Evil」が実施していること – フェイスブックとツイッターへのリンクを組み込む – を合意に至らなかった後に行っていたのなら、許可なくコンテンツを盗用していると言う疑いをかけられる可能性はある。事実、中傷キャンペーンと幅広く報じられていた取り組みの中で、昨年、フェイスブックが示唆していたのはまさにこの点であった。
私は先週フェイスブックとこのツールについて話し合った際に、この点を尋ねてみた。すると、フェイスブックは、競合するソーシャルサービスを構築するために公のシグナルを活用するのと – グーグルが実際にそうしているとフェイスブックは感じていた – これらのシグナルを外部のサイトへとユーザーを導く検索サービスの一環として利用するのでは異なると答えていた。
またグーグルが「Don’t Be Evil」が行っているような取り組みを行うなら、フェイスブックは非難しないと断言していた。
今後の展開に注目する必要がありそうだ。私はグーグルの見解も訊いてみるつもりだ。また、フォーカス・オン・ザ・ユーザーのウェブサイトでも詳しい情報が掲載されている。ちなみにこのサイトには概要を紹介する動画も用意されている:
ジョン・バッテル氏もここで素晴らしい記事を見解付きで提供している。そして、テックミームにはその他のサイトの記事のまとめが提供されている。
フェイスブックやツイッター等のサービスが、契約を誰に対しても(グーグルを含む)求めることなく、公開されている情報の提供を渋ったにも関わらず、検索結果で十分に取り上げられていないと非難するのは、いささか理解しがたい – 言っていることと、やっていることが違うと言われても仕方ないかもしれない。
また、フェイスブックとツイッターが共に自社のサービスをソーシャルネットワークで贔屓し、グーグルを弾き出しているにも関わらず、グーグルに“フェア”に扱えと求めるのは奇妙に思える。
しかし、グーグルがソーシャルネットワーク、そして、検索エンジンの双方を運営している点はグーグルにとっては厄介な問題である。グーグル+はフェイスブックとツイッターと確実に競合しており、そして、誰もが自分に有利になるように計らうべきだと考えている。
しかし、万人にフェアであるべきだと言うアイデアの下にグーグルの検索エンジンは生まれたのだ。つまり、優れた検索エンジンに求められるのは – 最高の結果を提示することであり、親会社にとっての最高の結果が求められているわけではない。 グーグルの検索結果におけるグーグル+化の継続は、この公平さを疑問視する声をもたらしつつある。
これは反独占禁止の問題に結びつく可能性がある(そして、支配的なソーシャルサービスとして、フェイスブックも競合者に門戸を開放するようにプレッシャーを受けるかもしれない)。しかし、反独占禁止の問題は別にして、単純に信用の問題である。ユーザー達は、グーグルの結果がユーザーをまっとうに扱っていると信頼するだろうか?
この記事は、Search Engine Landに掲載された「“Don’t Be Evil” Tool ? Backed By Facebook & Twitter ? Shows Google’s “Search Plus Your World” Can Go Beyond Google+」を翻訳した内容です。
予備知識が無いと理解しづらい内容でもあったので、SEO Japan過去最長の冒頭のコメントから始めてみましたが、いかがだったでしょう。Don’t be Evilのツール解説的な内容でしたが、同時に世界で論議を巻き起こしているサーチ・ユア・ワールドの懸念点も浮き彫りになった現状を把握するにはちょうど良い記事だったと思います。次の成長に向けてGoogle+を一気に普及させたい気持ちは十二分に分かりますが、ここまで圧倒的な検索プラットフォームになってしまうと一私企業とはいえ色々と突っ込まれて大変ですね。最も技術やサービス力以外にオープン性と公平性を重視した理念を売りにして多くのファンを得てもいただけに今回の件は必要以上に非難されてしまうのでしょうが。。。記事にもありますが、プラグインまで出して(公式ではないそうですが、、、一応)文句をいっているFacebookやTwitterにしろ、自身のデータを限定的にしか公開していないわけですし。
とはいえユーザー視点で考えても今回は流石に納得いかない点も多いですけどね。以前からローカル検索やバーティカル検索でGoogleが自社広告やサービスを優先表示しすぎる点はその業界のプレーヤーやサーチ業界(もっぱらSEO Bookですが 汗)からも批判されてはきましたが、ソーシャル上にもっと有益な情報があるにも関わらず、Google+を優先表示するばかりか、他の情報を表示さえしない、という今回の仕様は流石にやり過ぎな気がします。サリバンが他のブログで新たに書いた記事によると、実際、今回の仕様に対してはGoogle社内で納得していない社員も相当数いるようですね。
Googleにしてもリスク承知で一気に勝負に出たのかもしれませんが、さてこのままGoogleがGoogle+を強気に押し切れるのか、予想以上の批判に方向性を変えるのか、業界人としても1ユーザーとしても今後の動向が見逃せません。 — SEO Japan
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