この記事では、Webサイト設計の修正によって、SEOにおける大きな恩恵を得た事例を3つ紹介したい。
それが自身のWebサイト内のものであろうと、リンクはコンテンツとコンテンツの関係性を示すものである。リンクは、ページからページへ、その価値と重要性を伝える働きをする。また、より重要なことに、内部リンクはWebサイトの設計を定義するものである。内部リンクはユーザーを目的のページへと案内し、検索エンジンがあなたのWebサイトを理解する手助けをする。健全な内部リンクの設計をすることで、ページがインデックスされ、順位づけされやすくなる。また、CTRの増加も期待でき、訪問者が目的のページへたどり着きやすくなることで、コンバージョンの増加にもつながるだろう。検索結果の順位上昇に効果的な3つの方法を紹介する前に、内部リンクの基本的な知識をおさらいしておこう。
グラフタイトル:内部リンク数とクロール頻度
下部のコメント:内部リンクを多く獲得しているページほど、頻繁にクロールされる
基本知識のおさらいが完了したところで、SEOを改善させる内部リンクの3つの戦略を見ていこう。
2018年6月、Googleのジョン・ミュラー氏はWebmaster Central Hangoutで次のように述べている。
「クリックの深さ、つまり、トップページからそのページにたどり着くまでに何回のクリックが必要とされているか、はSEOにとって重要である。」
トップページに近いページほど、Googleからポジティブな印象を与えられる。複雑で深い階層のWebサイトにとっては、すぐに着手できる施策となりえるだろう。実際、OnCrawlでは、EC、不動産、求人などのWebサイトに対し、ページの階層を減らすことで順位を上昇させ、ユーザー体験も向上させてきた実績がある。
グラフタイトル:クロールの有無とページの階層
下部のコメント:ページの深さとGoogleのクロールには相関関係が見られる
様々なWebサイトの改善実績から得た、ページの階層を減らすための方法をいくつか紹介しよう。
とあるWebサイトで上記の施策を行った結果、50以上の階層を15までに減らすことに成功した。
グラフタイトル:階層別のページ数
下部のコメント:検索結果における表示回数とWebサイト内のページの階層には相関関係がある
こうした施策を継続した結果、とあるECサイトのカタログページにおけるクロールの頻度が高まったことが確認できている。その結果、新しい商品がGoogleにより発見されやすくなったのだ。これにより、営業や広報を含む様々なキャンペーンがより効果を生むことにつながったのである。
Webサイトのグロースと特定の領域におけるオーソリティを高める手段としてコンテンツマーケティングを採用しているWebサイトは多い。こうしたサイトにとっても、内部リンクの戦略は、コンテンツのパフォーマンス向上の役に立つものである。キーとなるトピックを強化し、メインとなるページを関連性に準じてグループ化することで、特定の領域におけるオーソリティの向上と、検索結果の順位獲得の改善につなげることができる。
グラフタイトル:サイトの構造化と順位の獲得
下部のコメント:サイトの構造において内部リンクを活用し、上位表示を獲得する
ハブとなるコンテンツをもとにWebサイトのセグメント化を進める。OnCrawlを使用すれば、ハブとなるコンテンツとテーマごとにグループ化したコンテンツの内部リンクの構造を視覚化できる。その結果、自然流入、順位、クロール頻度などの主要な指標を観測できるようになる。ハブとなるこンテンツは次のような特徴を持つ。
一般的に、メインとなるページは良い順位を獲得する傾向がある。こうしたページから、ハブとなるコンテンツに記載されているページへ内部リンクを設置することで、メインとなるページが獲得したオーソリティを、関連するページへ伝えることが可能となる。ページの重要性理論(URLを記載)の一例と言えるだろう。こうしたハブとなるコンテンツの作成と内部リンクの設置により、ドメイン・オーソリティとCTRの増加につなげることができる。テーマごとに区別したコンテンツがお互いに内部リンクを設置することで、このグループのコンテンツが検索結果により表示されるようになるのだ。
季節性のあるページやイベントに関連したページを作成する場合も、内部リンクの戦略が非常に重要となる事例を多く見てきた。例えば、ホリデーシーズンのセールや業界内のイベントのチケット販売など、そのイベントが開始される前にプロモーションが成功している必要があるものだ。イベント関連のプロモーションにおいては、次の内容が重要となる。
グラフタイトル:平均の内部リンク数
下部のコメント:内部リンクが多いほどインプレッションが高まる
OnCrawlを使用すれば、内部リンクの戦略の指標となる、次の指標の推移も確認することができる。
プロモーションの期間が過ぎれば、ランディングページへの内部リンクを削除することを忘れずに。
内部リンクの戦略をしっかりと設計することで、特定の領域におけるオーソリティを高め、CTRを向上させることが可能となる。また、ページの階層や重要性のような順位に直接影響を与える要素を改善することで、ランキングの上昇も見込める。内部リンクは、Googleによるページの優先度、検索結果における順位、検索経由での訪問など、定量化できる結果を生み出してくれる。ページの階層を減らし、ハブとなるコンテンツを作成し、特定のグループをプロモートすることが、あなたのSEO戦略の大きな武器となるだろう。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「How to boost search rankings using only your internal linking strategy」を翻訳した内容です。
サイトの規模が大きく、複雑になればなるほど、内部リンクの設計の難易度もあがります。場合によっては非常に面倒な作業となりますが、ページ遷移率やサイト内滞在時間など、様々な面で改善が見込めそうです。ユーザーにも検索エンジンにも最適な内部リンクを設計し、SEOフレンドリーなサイト構築を心がけたいものです。
お知らせにはなりますが、SEOJapanでは先日サービスページを一新いたしました。サービス一覧ページの他にも、サイト種別に最適なサービスをご提案ページもご用意しております。内部リンク設計などでお悩みのお客様向けには、SEOコンサルティングサービスによるサイト設計サポートをご用意しております。
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