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目次
Googleマップで人種差別を意味する言葉で検索すると不適切な検索結果が表示されることが発覚されました。様々な例が挙げられており、検索を行う地域によって異なることもあったようですが、最も有名な例として、以下の検索結果が挙げられています。
上記画像では”○○○ga house”と検索するとホワイトハウスが検索結果として表示されています。
*上記検索語は原文でも伏せ字になってます。アフリカン・アメリカン(この表記も正しくない場合もありますが、いわゆる黒人)の差別を意味する言葉であり、ホワイトハウスで勤務するオバマ大統領への好ましくない印象を与えることとなります。
確認した限りでは、Washington Post紙(2015/5/19)が一番早く記事にしており、次いで、Search Engine Land(2015/5/20)とSearch Engine Roundtable(2015/5/22)も報じています。(その他、多数のブログやニュース記事も取り上げていましたが割愛します。)
Googleはこの件に対し、すぐに謝罪文を掲載しました。4段落の文章となりますが、最初の段落の和訳を下記に掲載します。
「今週Googleマップにおいて、いくつかの問題が発覚しました。特定の”不快な”検索語に対し、”不適切な”検索結果が表示されていました。多くの方と同様に、我々もこの問題に対して深い憤りを感じており、現在修復に取り組んでおります。この問題の解決にしばらくの時間がかかることをお詫び申し上げます。また、この問題に対し、どのような対応を行っているか、その内容についてのお知らせも今後進めていきたいと思います。」
上記以下の段落の内容は箇条書きでまとめます。
まとめると、Googleは今回の件を認識しており、その修復を行うことを明言したということになります。
2015/5/26にSearch Engine Roundtableがローカル検索での順位変動を記事にしています。フォーラムなどで、「順位変動が起こった」、という投稿が見られるようになったようです。上記問題の修復との関連性を疑っています。
Mozcastでは2015/5/15から変動があったことを示していますが、その時点では変動の報告は確認されておらず、2015/5/22以降、つまりは、Googleが謝罪文を掲載した直後に、変動の報告が見れられるようになったということです。
変動の理由として、①Googleの位置情報のアルゴリズムにバグが発生、②Googleマップの問題の修復がローカル検索にも影響を与えた、③または、その両方、を挙げています。
2015/5/27の記事では、GoogleのGary Illyes氏のツイートを取り上げています。ローカル検索での変動に関する報告を多く目にしていることを認めました。
@screamingfrog @JohnMu we are looking into the numerous reports we got about this. Thanks for the ping!
— Gary Illyes (@methode) 2015, 5月 26
Search Engine Landでは、”今回の件に関するGoogleからの詳細な情報はないだろう”、としており、”Googleは常に検索結果の改良に努めている”という、お決まり(?)の返信のみが返ってくるだろうとしています。
2015/5/28のSearch Engine Roundtableの記事は、ローカル検索の結果が早くも改善されたのでは?という内容でした。
結論付けるには時期尚早としながらも、改善されたとの報告が多く挙がっているとしており、Dan Sharp氏とMehul Solanki氏のツイートを引用しています。
Google have fixed the IP overriding your set location bug cc @rustybrick
— Dan Sharp (@screamingfrog) 2015, 5月 28
@rustybrick it looks like local rankings recovered which was droped in last few days due to #Googlebombfix
— Mehul Solanki (@imehul1989) 2015, 5月 28
新たな情報がこれから出ることで、問題の原因も特定されるかもしれませんが、バグの可能性も高そうです。
Marketing Landでダニー・サリバン氏は、今回の件の原因をGoogle Map Makerによるスパム(以前Googleマップで起きたスパム行為)とは別要因であるとし、個人的見解としながら、以下のように述べています。
「個人的には、今回の現象を以下のように捉えている。人々が特定の場所について、ブログやその他のコンテンツで言及しており、GoogleはそれらWeb上の情報を発見・収集することが出来る。おそらくはオフィシャルサイトやGoogleマップへのリンクとともに、誰かが差別的な表現を用いてホワイトハウスについて言及する。Googleはその情報を発見し、その場所と言葉とを関連付ける。仮に、リンクが張られていなかったとしても、ナレッジグラフの技術はWeb上の情報を収集することを可能とする。そうした”事実”(ホワイトハウスについての不適切な表現)を編纂し、結果として、今回のようなミスが起こった。」
ダニー・サリバン氏はピジョン・アップデートの影響にも言及しつつ、”Googleが進めるクラウドソーシングの闇(良くはない)の部分”と表現しています。
また、ダニー・サリバン氏は”Googleがこの問題を対処しないという言い訳は通用しない”と指摘しています。リンクやコンテンツに対する取組は、パンダやペンギンなどのアルゴリズムによって対処されていることは知られていますが、今回の件に対応する方法も、今後は明らかになってくれるとよいですね。
こういった機会もあまりありませんので、ダニー・サリバン氏に話しを聞こう!ということになりました。以下にQ&A形式にまとめます。
Q:Googleマップの件について、アメリカでは大きな話題になったのでは?
A:そうだね。大きな話題と言えるものだったよ。
Q:Marketing Landの記事にあるように、やはり原因はWeb上の情報収集の仕方に不備があったということ?
A:その通りだ。Googleによる修正も行われている。
Q:Googleからその後、連絡は?
A:連絡はあった。原因の報告と修正の連絡といった内容だ。
Q:ということは、第三者が意図的に操作を試みたわけではない、という認識で間違いないだろうか?ハッキングではないと。
A:その通りだね。意図的に操作した結果ではなく、Googleに不備があった。つまりは、Googleのミスという認識で良いと思う。
Q:もしかしたら、アメリカ以外の国でも同様のことが起きるかもしれない。
A:その可能性はあるかもしれないけど、Googleの修正はすでに完了している。今は適切に表示されているから、このままであるといいね。
“不適切な表示”も改善され、ローカルの順位変動も落ち着いているようです。このままであれば今後はあまり話題にならない可能性もあったため、このタイミングで記事にさせていただきました。SMX Advancedの参加者にも尋ねてみましたが、「出来事は知っているけど、改善は完了している」という認識の方が多かったです。パンダアップデートの発表もありましたので、そちらの方が関心が強いかもしれませんね。
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