普遍的問題はソリューションで解決できない

公開日:2013/04/02

最終更新日:2024/02/16

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4月に入り新社会人も街や会社に溢れ(私の会社は新卒はいませんが・・・)、新たな事業や製品サービス、スタートアップを立ち上げようと燃えているウェブ業界人の方も多いことでしょう。新しい製品サービス、スタートアップを立ち上げる時に「それが何の課題解決をするソリューションに成り得るのか」について明確な答えがあることが重要とはよくいわれることですが、この議題を突き詰めていくとニッチな課題を飛び越えて普遍的な問題にぶち当たってしまうことがよくあります。仮にその問題を解決できればまさにイノベーションを起こせるかもしれず、思わず興奮してしまう人も多いと思いますが、簡単に物事がうまくいくわけでもなく。。。今回はそんな課題解決ソリューションの意義と意味について一歩深く考えた記事を。 — SEO Japan

“もっと多くのお金を稼ぎたい?”

人を雇うのは難しい?”

“Eメールに圧倒されている?”

もっと健康だったならと思ってる?”

大部分の人にとって、これらの質問に対する唯一の答えは、“イエス”だ。それらは分かりきったことだ。普遍の真理。普遍の問題。そして、解決不可能なこと。

あまりに多くのスタートアップが、大きなビジョンと普遍の心理を解決しようとすることを混同している。大きなビジョンは大切だ。あなたには、非常に高く、世界を変えるような目標が必要だ。しかし、普遍の問題を解決するのだと主張することは、普通、あなたが目の前にある本当の問題を理解していないことを示している。

見込み客に販売をする時、創設者は、1つの答えしかない質問で始めるという間違いをおかし、その答えを得ると、それを自らのソリューションの理由として利用する。

スタートアップ創設者:“優れた人材を採用するのに苦労していますか?”

見込み客:“はい。とても大変です。”

スタートアップ創設者:“そう思いましたよ!あなたのための完璧なソリューションがあります。”

それはこんな風に進む:大きく、当たり前の問題(普遍の真理)…私たちのソリューション…成功!

しかし、そんな風にはいかない。実際の問題や課題(そしてチャンス)は全て、…(点点点)の中にはない。

まず第一に、このような種類の質問をすることは、もしあなたが顧客の痛みについて知りたいのなら(そうすべきである)無意味だ。実際の痛みは、何段階も深く、微妙で、具体的だ。ここでは、普遍の真理“もっと健康になりたい”を分解してみよう。

ここでの本当の問題は何か?時間がないのかもしれない。しかし、それでは十分に具体的ではないかもしれない;大部分の人は1日30分のフリータイムがあるが、それでも運動をしない。もしかすると、ジムに行って他の人の前でワークアウトをするのが恥ずかしいのでは?もしかすると、ロッカールームでの体験が恥ずかしいのでは?もしかすると、単にワークアウトをする方法や、自分に適切なワークアウトが何か知らないのでは?もしかすると、一部の人にとっては上記全てのことが当てはまるが、別の人にとっては他の問題がある?

あなたは自分の顧客の問題を、玉ねぎの皮を剥くように、中心を突き止めるまで本当に理解しなければならない。“イエス/ノー”の質問をすること、特に誰もが同じ回答をするような質問は、あなたが役に立つことを知る助けにはならない。

次に、あなたが抱いている信頼の上限はあまりも大きすぎて、結果、あなたの顔にまともに当たる「これだ!(gotchyas)」を知ることができない。たとえあなたが専門知識のある業界インサイダーであるとしても、前もって発見することができていたはずの障害にぶつかる運命にある。リスクを特定せず点を繋げずに普遍の真理を解決しようとするのは確実に失敗する方法だ。

私は先に普遍の問題は解決できないことだと言った。実際にはそれは事実ではない。普遍の問題は解決できるが、それらは、あなたが心から自分の顧客を理解する時にのみ解決できる:彼らがどのように運用し、購入し、彼らが気にかけていること、彼らの痛みなど。本当に重要な大きくて困難な問題を解決したいのであれば、点を埋め、前もってこれだ!(gotchyas)を知る必要がある。普遍の問題に対するソリューションを売るのではなく、あなたが自分の顧客のために本当に変化をもたらすことを可能にする根本的な問題に対するソリューションを売れば、徐々に自分の大きなビジョンに気が付くのだ。


この記事は、Instigator Blogに掲載された「Don’t Sell Solutions to Universal Problems」を翻訳した内容です。

短いながら示唆に富んだ考えさせられる記事でした。普遍的な問題を表層だけで考えるのではなく、多重的・多面的に考えなければ、そして何より顧客のことを真に理解しなければ、課題解決になるソリューションは提供できない。いわれてみれば当たり前のことかもしれませんが、世の中ほぼ全てのスタートアップソリューションはそれを理解していないか、余りにピンポイント、単一課題の解決しかできず、そもそも普及しないか、ニッチすぎて事業として成長しきれないケースが大半です。

私の会社でもLPOというウェブマーケでもかなりニッチの分野に特化した製品を提供してきましたが、正直その分野では既に日本No.1の自信があるのですが(SEOはないです・・・)、所詮マーケットも限られているので、そこから得た顧客課題を元に新たなソリューションに拡大展開しようと試行錯誤している途中です。もちろん初めから大きく考えられればベストなのでしょうが、開発規模、人材、資金、諸々全てを解決するソリューションビジネスを展開するにはスタートアップ・ベンチャーには多くの課題がありますし、ピンポイントで初めてそこから拡げる戦略もまたあるのではと思いますし、そこでの成功を目指して頑張っていきたいと思っています。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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