SEOのプロとして有名な多くの人々は自分の宣伝に多大な時間を費やし、肝心な事業の発展を疎かにしている。ちなみに私もその一人だ。しかし、妻に出会ってからは徐々に後者に移行しつつある気がする 😉
また、SEO業者の多くはパフォーマンスよりもエゴに走っている気がする。一流のSEOを雇うと、たとえ彼らが強固なブランドを保持し、素晴らしい仕事をしていても、サービスに対する料金は反社会的に低く見積もられてしまう…そのため :
SEOマーケットでサービスを提供し、正常なキャッシュフローを手に入れるのは、自分のウェブサイトを運営する取り組みと比較すると、岩から水を抽出する並みに難しい。
個人的には、SEOの成功の目安は、知識ではなく、知識を活かしてキャッシュフローを構築する能力で判断するべきだと思う。お金がすべてではない点は重々承知しているが、私達はアルゴリズムが毎日複雑化している業界に身を置いていることを忘れてはならない。そのため、マーケットの価値よりも低い価格で仕事を請け負うたびに、破滅に一歩近づいていることになるのだ。
スパムやジャミングを行えば少しは収入を得ることが出来るかもしれないが、スタミナおよび勢いのあるサイトを少なくとも1つや2つ持っていなければ、毎年、7、8ケタ“常に”稼ぐことは出来ないだろう。
SEOの複雑性そしてSEOマーケットの流動性の欠落を考慮すると、多額の収益を上げているSEO業者は概してアフィリエイト収入から大半の収益を得ていると言える。その点を鑑み、私は一流のSEOと認める人物を何人か挙げていこうと思う(そしてその理由も)。
目次
ダニー・サリバン氏ほど検索の歴史およびトレンドの知識を有している人はほとんどいないはずだ。近づきやすい人物となるとさらに少ない。また、この業界でブランドやウェブサイトの勢いを増すために10年をつぎ込み、中止し、ゼロからやり直し、そして、10年かけて築いた他社のサイトに対抗する出来ることが人物となると数えるほどしかいない。
10年に渡って労力を注いできた最強のサイトにゼロからスタートしたサイトが同じビジネスモデルを用いて勝負を挑んできたとしよう。このような状況でもサリバン氏ならうまくやりぬける。
グレッグ・ボーザー氏は、“SEOの生き字引”を挙げる際に一番に思い浮かぶ存在だ(あのブルース・クレイ氏よりも)。ボーザー氏は過去の事情にも精通しており、サリバン氏に引けを取らない。ボーザー氏は、パフォーマンスに対する支払いを求めることで、コンサルティング業務を実施する価値を見出した。このような方法でSEOを実行することで、アフィリエイトのような存在になるものの、競争相手は減り、マーケットで大きなアドバンテージを得ることが出来る。
デビッド・ネイラー氏は英国製ボーザー氏のような存在(あるいはボーザー氏が米国製ネイラー氏?)であり、世界有数のブランドにおいて、共同プロジェクトを成功させた実績を持つ。
ステファン・スペンサー氏は自らをeコマース専用のSEOと称している。そして、SEO業者の中では珍しく、大企業に売り込むことが出来る技術力“と”マーケティングのスキルを持っている(彼らの言葉で話し、毎年世界中のカンファレンスで講演を何度も行っている)。
同氏は、クローキング並みにおいしい(リスクゼロで逃げ通せるなら)ソフトウェアプログラムを構築しているが、適切な企業と提携を結び(大規模なブランド)、グラビティストリームソリューションをグーグルから疑問視されないように適切にブランディングすることに成功した。このアプローチにより、パフォーマンスベースで料金をもらうものの(多くのアフィリエイトと同じように)、コアのブランドのウェブサイトのパフォーマンスに対する支払いが発生するビジネスモデルが完成した 😀
NetConceptsはSEMサービスを提供する企業のCovario(コバリオ)に売却された。そのため、グラビティストリームのテクノロジーを予測分析、そして、グーグルのインデックスシステム「カフェイン」の検索結果に結び付け、メリットを得ることが出来るようになるだろう。
現時点では私は両氏を信頼しているわけでもなければ、リスペクトしているわけでもない(そして、信頼し、リスペクトしている人達は最終的に損をする気がしている)。ただし、ビジネスを効率的に運営する点に関しては、彼らの右に出る者はいない。パトリック・ギャビン氏はリスクを承知して、テキストリンク広告のリンクの仲介業を構築し、5000万ドルほどで売却することに成功した。そして、ギャビン氏のSEO分野の最新のベンチャーもまた、「リンクを絶対に買わない」を上級者向けのSEOのアドバイスと呼ぶほど大胆な行動を取っている。一方、アンディー・ヘイガンズ氏は自らのサイトでリンクの購入が必要な人のためにiAcquire(iアクワイア)を推奨している 😀
テキストリンク広告の成果に満足せず、両氏は利益(そしてその他の資金)を使って、ケビン・ハム氏やフランク・シリング氏ですら称賛するドメインポートフォーリオを構築した。 しかし、両氏はさらにこのドメイン名を機能的なウェブサイトに転換し、コスト構造を低く保つ一方で、トップ~リストのブログをウェブで最も多く作り出し、大量の“おめでとう”系eメールをリンク先候補に送信した。その結果、8桁/年の収益を上げると噂されるリード生成事業が生まれた。
大きなバブルにつながる経済的なゆがみが発生するたびに彼らは少なくとも数十から数百ものサイトを運営し、毎日マーケットを少しずつ削っていくだろう。そして、そのスケールアップを上回るスピードで効率が良くなっていくのだ。
マット・カッツ氏がSEO業者のリストに載っていると頭にくる。「カッツ氏はSEO業者ではない」と言いたくもなる。
…しかし…
グーグルのソースコードを見ているSEO業者はどれほどいるだろうか?そのコードを数多く書いたことがあるSEO業者はどれほどいるだろうか?グーグルの上級検索エンジニアの一人として、マット・カッツ氏はウェブの変化を読み取るだけでなく、スパムの進化を常に追跡し、そして、戦っている。カッツ氏はその知識と経験により、検索結果を一目見るだけでアルゴリズムの弱点とエクスプロイトを見つけることが出来る。
また、マット・カッツ氏はパブリック・リレーションズにも長けており、事実、パブリック・リレーションズのプロの99%を上回るスキルを持つ。カッツ氏は常にグーグルの製品を宣伝し、問題解決に乗り出す。批判を受けることはめったにない。また、たとえグーグルの大半の失敗や偽善的なポリシーを弁明する際においても、パブリック・リレーションズの面においてミスを犯すことはほとんどない。
自分の会社が偽善的な戦略を採用しながら「悪いことはしない」と言うスローガンを掲げている姿を想像してもらいたい。それでも同氏は切り抜けてしまうのだ。
– 人間による干渉を通して、浄化する – と述べ、業界人をことごとく極悪人呼ばわりしながら業界の注目を浴びる。 そして、不況をいいことに編集スタッフをほぼ全員解雇しつつ、ドメインのオーソリティを活用して低俗な多目的の自動ウェブスクレイパーを作りだす。そして、このツールが検索結果を自分達のページで埋め尽くす(しかもその大半広告)。さらに、リンクファーミングを行い、オーソリティを築き上げ、このプラットフォームの影響力を用いてSEOサービスを企業のクライアントに売りつけ & リンクを販売する。まさに荒業である。(註:彼の運営するMahaloというウェブ上の既存コンテンツを流用して大量のページを持つ限りなくスパムコンテンツに近い?!サイトのことを指しています)
マット・カッツ氏は、これらのスクレイパーのサイトを数年前に「見つけ次第銃撃しているようなもの」と表現していた。しかし、ジェイソン・カラカニス氏の低俗なサイトは、ほとんど価値を与えることがないにも関わらず、今でもトラフィックを獲得している。
バカだカニス氏のことを考えると、欠陥商品法が存在しない国からやってきた中古車販売のセールスマンを思い描いてしまう。壊れた車を売り付けて、ほくそ笑む姿が目に浮かぶ。しかし、カラカニス氏はどうにかこうにか事業を成立させている。同氏もまたパブリック・リレーションズの才能に長けている。そして、SEO業者の無知を主張し、アンチスパム主義を掲げる一方で、スパムとしか思えないガラクタを他の人々に投げつけ、グーグルのスパムチームを無力化している。
1999年、リチャード・ローゼンブラット氏はiMall(聞いたことがある人はいるだろうか?)を5億ドル以上で売却した。その後、マイスペースを5億8,000万ドルで売却。さらにもう一度大儲けを狙い、同氏はディマンド・メディアを立ち上げ、eHow.comを買収し、検索仲介コンテンツファームを作り上げた。成長率が落ち始めると、ローゼンブラット氏は同氏のモデルをメディアで正当化することで物議を醸し出し、さらに大量のリンクをサイトにもたらしたのだった。次にこのプラットフォームをサクセスストーリーとして活用し、収益を分け合う提携をその他のパブリッシングウェブサイトを結び、USAToday.comのような信頼の厚く、権威のあるドメインでエントリを投稿するようになった。
現在、ディマンド・メディアはIPOまたは売却を検討していると見られている(註:昨年IPOしています):
オンラインの検索エンジンのデータを掘り起こして、毎日大量の動画や記事を生成する注目スタートアップ企業、ディマンド・メディアはゴールドマン・サックスを雇い、IPOの可能性を調査している。
この計画を熟知している人々は、同社がIPOを早ければ8月に申請すると話している。詳細は決定されていないが、11月頃に株価に関する議論が行われ、同社に約15億ドルがつけられるのではないかとみられていた。
SEO業界ではあまり知られていないが、ローゼンブラット氏はiCrossingの会長も務めている。この企業は現在Hearst Publishingに4億ドルで売却されると噂されている(註:日本語記事の配信時点で売却しています):
この取引は最終段階を迎えており、国内有数のデジタルマーケティングサービスを提供するiCrossingは、3億7,500万ドルを獲得し、さらに、特定のターゲットを達成した際にはボーナスの支払いが行われると見られている。
…
この件を詳しく知る人物は、アリゾナ州スコッツデールに本拠を置くiCrossingは適切な価格を導き出すことが出来ない場合は売却をやめる可能性があると述べている。
素晴らしいチャレンジだと思う。
ローゼンブラット氏は不況をものともしていない。このまま続ければ、数年後にはベン・バーナンキ氏に恥をかかせることが出来るだろう。 😀
ここ数年間でジェレミー・シューメイカー氏、ブライアン・クラーク氏、そして、レイ・ホフマン氏はそれぞれ異なるアプローチで優れたコミュニティを構築している。スコット・スミス氏はSEOのメトリクスを現実世界のマーケティングアドバイスに結び付ける取り組みを得意としており、収益を上げ、その実力を実証している。コンサルティングモデルの構築において如何なく才能を発揮しているのがブルース・クレイ氏だ。ティム・アームストロング氏はAOLを黒字化させる取り組みを行っており、成功したならばここで取り上げる価値はあるだろう。 また、CygnusもSEOの業者リストに加えたいところだが、少しシャイであり、立派な功績があるにも関わらず謙遜する傾向がみられる。ジョン・アンドリュース氏もリストアップに値する価値があるが、アンドリュース自身がリスト嫌いを公言しているので仕方ない! 😀
この記事は、SEO Bookに掲載された「Who Are The Top 10 SEOs in the World?」を翻訳した内容です。
SEOコンサルタントからジャーナリスト、Googleの社員まで色々混在していますが、定番の面子を入れつつもスパムチックなSEOビジネスで物議をかもした面々も入れているなど(確かに世界最高クラスのSEOエキスパートなのは間違いないです)アーロン・ウォールらしい皮肉の効いたリストでした。
個人的には執筆者自身のアーロン・ウォールもトップ10に入ると思いますし、SEOmozのランド・フィッシュキンが入っていないのも謎ですが(インタビューもしていますし仲は悪くないはずなんですけど)。なんて、良く見るとリストに9人しか入っていないのは密かに自身を1人にいれているのでしょうか?!
しかしこのリチャード・ローゼンブラットって初耳だったのですが、半端ない経歴ですね。iMallってネットバブル時代に米国では既に消え去ったExciteが買収したショッピングモールです。その後、マイスペース、まさかのディマンドメディア、何故か世界有数のサーチマーケティング企業iCrossingの会長、、、ネットで金儲けの何たるかを誰よりも知る人物のようです。 — SEO Japan
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