共起語は、検索されるキーワードの説明に必要な関連語句を指します。かつては記事内に共起語を多く盛り込むことが、検索上位に表示されるための有効な手段でした。しかし、現代SEOでは共起語に対する検索エンジンの評価は大きく変わっています。今回は現代SEOにおける共起語の役割と、有効な活用方法についてご紹介します。
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目次
共起語とは、特定のキーワードと一緒に頻出する単語であり、キーワードの説明に必要な関連語句を指す用語です。たとえば「男性化粧品」というキーワードには「価格」「ブランド」「メンズ」「スキンケア」、「健康保険」なら「医療」「給付」「負担」「保険料」といった単語が共起語の例としてあげられます。
ユーザーが検索をするうえで必ず使用される言葉ではありませんが、キーワードを解説する際には無視できない語句が多く、記事内には多く含まれます。
Googleでの検索では「サジェスト」「他のキーワード」といったキーワードが活用されます。検索キーワードに関連する用語であるという点は共起語と共通していますが、これらの内容は必ずしも共起語と同一であるとは限りません。
サジェストは、メインキーワードと同時に検索されやすい言葉です。正式名称をオートコンプリートといい、Googleの入力欄に検索されたキーワードに対し、セットで入力されやすい複数のキーワードが自動的に表示されます。
共起語は、メインキーワードを解説するために使われる関係が深い単語です。そのため検索時に活用される場合も多く、サジェストにも同じ語句が表示される場合があります。しかし、サジェストはあくまで検索された実績から抽出されているものであるため、常に共起語=サジェストであるとは限りません。
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他のキーワードとは、Googleの検索結果ページの下部に表示されるワードの組み合わせを指します。
過去の検索結果から出力される点はサジェストと同様ですが、類似キーワードの検索状況を参照するなど、サジェストとは異なるアルゴリズムにより表示されるワードが選択されます。そのため、メインキーワードが含まれない検索ワードなど、サジェストとは異なる提案が行われることも珍しくありません。
他のキーワードには共起語を含む検索キーワードも多く提案されますが、サジェストと同様に過去の検索結果をもとにユーザーへ検索内容を提案する機能であるため、共起語とイコールの関係ではありません。
キーワードの解説に必要な共起語は、コンテンツ制作において重要な存在です。ユーザーがコンテンツに対する理解を深めるために必要ではありますが、SEOにおいてはどのような評価を受けているのでしょうか。共起語とSEOの関係性について詳しく解説します。
2016年頃のSEOにおいては、共起語は非常に重要視されていました。共起語の数がコンテンツの質として評価されていたため、たとえユーザーの検索意図を満たさない結果となったとしても、ページを上位表示させるためにひとつでも多くの共起語を盛り込むことが求められていました。
しかし、検索アルゴリズムが進化した現代SEOでは、共起語の数よりもユーザーの検索意図を満たす内容であることが高く評価されています。とくに2021年11月にGoogleが公表した「検索品質評価ガイドライン」では、E-E-A-T(「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」)が評価基準に盛り込まれました。この結果、コンテンツの質に寄与しない共起語の数は評価に直結しなくなったと考えられています。
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共起語の数そのものは検索エンジンに評価されなくなりましたが、共起語に使い道がなくなったわけではありません。共起語は前述の通りキーワードを解説するための単語であるため、ユーザーが検索結果に求めているものを探る重要なヒントになり得ます。
現代SEOで重視されるユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作るためには、ユーザーニーズの把握が重要です。共起語は検索キーワードに対してユーザーが求める結果を探るためのツールとしては、今でも有効に活用できると考えられます。
また、E-E-A-Tの一項目である専門性が高いコンテンツでは、コンテンツを詳細に解説する内容が求められるケースがあります。共起語は検索キーワードの解説に使われる単語であるため、専門性との相性は抜群です。
先述の通り、共起語の数は検索エンジンからの評価には直結しません。しかし、結果としてE-E-A-Tを満たした質の高いコンテンツに共起語が多く盛り込まれるというケースは珍しくありません。
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共起語を盛り込んでいること自体は現代SEOで評価されませんが、コンテンツ制作への活用は今でも可能です。共起語をコンテンツ制作に活かすためには、大前提としてユーザーファーストのコンテンツ作りを意識する必要があります。
共起語はキーワードの解説に必要な単語ですが、コンテンツの中に無理に盛り込んでしまうと、本来は不必要な記述が増えるために文章が読みにくくなるおそれがあります。共起語の数は現代SEOでは評価の対象にならないため、不自然な盛り込み方は避け、ユーザーの読みやすさや理解のしやすさを優先したコンテンツ作りを意識することが大切です。なお、共起語の存在を理由にコンテンツがマイナス評価を受けることはありません。自然な文章になるように適度に盛り込みましょう。
共起語はメインキーワードと関連性が高い語句であり、ユーザーが検索から連想しやすいワードです。ユーザーが検索結果に求めている課題の洗い出しにも応用しやすいため、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツ作りに役立てられます。
たとえば「個人年金 おすすめ」というキーワードには、共起語に「保障」「保険料」「運用」「準備」といったワードが並びます。ユーザーは単に個人年金の商品名を知りたいだけでなく、掛け金に対するリターンや運用に必要な準備を知りたいというニーズを想起可能です。検索意図を満たすコンテンツを作りやすくなるでしょう。
メインキーワード+共起語で検索すれば、ユーザーの細かいニーズを掘り起こしやすくなります。サジェストや他のキーワードは過去の検索結果から生成されます。しかし、表示数が限られていることもあり、規模の小さな検索キーワードの掘り起こしには向きません。そのため、共起語に目を向けることで、キーワード候補を掘り起こしやすくなります。
たとえばメインキーワード「電気料金」に共起語を組み合わせてみると、「電気料金 プラン(590)」「電気料金 調整費(170)」「電気料金 2023年(50)」といった検索ボリュームが1,000未満のキーワードをいくつも見つけられます。検索ボリュームが少ないキーワードは「ロングテールキーワード」と呼ばれ、サイト運営において非常に重要です。ロングテールキーワードは競合との差別化やサイト全体のアクセス数増加に繋がるため、SEO施策にも役立ちます。
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キーワードから共起語を調べるためには調査ツールを利用するのがおすすめです。
ラッコキーワードは検索ボリュームや上位表示ページの見出し抽出、関連ニュース記事のリストアップといったキーワードに関する調査を行える、共起語のリサーチツールです。現代SEOにおいてはおもにサジェストや検索ボリュームの調査に活用されていますが、上位ページに使われているテキストデータ解析から共起語を抽出する機能も備わっています。無料プランでは1日に利用できる回数や表示されるキーワード数が制限されているため、使用時は注意が必要です。
共起語の検索に特化したWebツールです。Googleで表示される上位30サイトを母集団として、テキストの内容から共起語を抽出します。機能は共起語抽出だけに限定されていますが、有料プランは無く完全無料で利用できます。
Webマーケティング会社のサクラサクマーケティング社が提供するSEOツール「サクラサクラボ」には、共起語調査ツールが含まれています。登録したキーワードの共起語をGoogleやYahoo!の上位表示ページからリストアップし、合計出現回数や平均出現回数を出力します。出力結果はツール内に保存されいつでも確認できるほか、CSVファイルへの出力も可能です。また、サクラサクラボでは関連語調査ツールやキーワード選定ツールなど、本格的なSEO対策に活用できる数々のツールも利用できます。
SEOにおける共起語は、コンテンツを充実させる有効な手段としての役割を担っています。ユーザーの連想先や求める答えを探るために共起語を活用し、ユーザーが読みやすく内容を理解しやすいコンテンツを制作しましょう。共起語を活用したメディア運営にお困りの際には、専門家への相談がおすすめです。
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