本当に大変な一週間だった。自動車業界に詳しくない人のために分かりやすく説明しよう。まさに修羅場だったのだ。
本当に共有する価値がある場合を除き、私は仕事の話はしないことにしている。そのため、共有する価値があると思ったときは、好きなことを言わせてもらう。皆さんと分かち合いたい重要な情報を私は持っているのだ。
今週、私はずっとツイッターで、そして、出来る限りブログのエントリで人々と直接交流してきた。しかし、L.A オートショーに参加していたため、思ったよりも会話に参加することは出来なかった。
そして、フォードでの私たちのソーシャルメディアへの取り組みが始まろうとしている。GMの私の同僚は相当強力なチームを擁しているが、私はたった一人で自分の出来る取り組みを行っている。フォードはソーシャルメディアの分野において強固な公のプラットフォームを持っていないため、個人レベルの交流が主流となる。そして、週の大半が、水鉄砲で山火事の消火活動に当たるような状態であった。
そこで私は自分の知識そして意見をブログで共有することに決め、そして、出来るならば皆さんの協力を得て、失速する米国の自動車産業に手を差し伸べることにした。基本的には業界全体を支援しているものの、私の見解は必然的にフォードに偏っている。なぜなら、最も詳しいのがフォードであり、忠誠を尽くしているのもフォードだからだ。それでは、順を追って説明していこう。
私はフォードで面接を受けた。素晴らしい経験をさせてもらった。当時、フォードは第一四半期の収益を発表したばかりであった。久しぶりの黒字であり、アラン・ムラリーCEOが掲げる2009年までにフォードを黒字にする計画が順調に進んでいた。採用プロセスの一環として、イノベーション、そして、ワクワクするような製品開発の現場を目の当たりにしたことも、私がこの仕事を引き受けた理由の一つである。[余談: ボストンからデトロイトに引っ越しするほどの衝撃であった – 私はデトロイトに良い印象を持っていない東海岸のエリート気取りだったのだ。しかし、教訓を得て、このエリート志向を克服した。]
しかし、現在、私たちは大きく異なる状況に身を置いている。燃料費は急激に上昇し、一次産品のマーケットが倍増し、不動産が危機を迎え、金融市場は枯渇している。これらすべてが自動車産業にネガティブな影響を与え、しかも、四半期内で発生したのだ。その結果、思いもよらない急激且つ強烈な不振が自動車産業を襲った。
私個人は、この業界や経済が失速するとは思っていなかった。しかし、私はフォードの将来、そして、消費者が望み、価値を見出すような素晴らしい自動車を作ろうとする同社の取り組みに関しては、今でも楽観視している。
問題は、私たちの主張がまだすべて(そして公平に)語られていないことだ。フォードは毎日のようにメディア、連邦議会、そして、オンラインのありとあらゆる場所で袋だだきに遭っている。私たちは現金を死に物狂いで求めているわけでも、お先真っ暗のシナリオで一般市民を脅かそうとしているわけでもない。私たちが伝えたいのは、既に改革が進行していること、そして、つまり成功への階段を登り始めていることだ。
ここでの私の目標は、連邦倒産法第11章の届け出について意義深い議論を交わすことではなく(もしくは連邦倒産法第7章の整理の可能性について)、供給と需要経済について討論することでもなく、広報の失敗をこきおろすことでも、この悲劇における無数の関係者の誰かに責任を負わせることでもない。
皆さんにこのエントリを読み進めてもらい、これから提供する情報を役立ててもらえると嬉しい。最終的には、決断しなければならないのだ。しかし、感情的になり、よく考えずにデトロイトおよびワシントンで起きていることに反応するのではなく、あくまでも情報を得た上で結論を出してもらいたい。
そして、コンテンツを読んで、見て、聞く以外にも以下のことをしてもらえるとありがたい:
それではフォードに関するあまり知られていない幾つかの事実を紹介していこう。その多くは、ドライブ・ワン キャンペーン: Drive Safe. Drive Green. Drive Quality. Drive Smart(安全運転、エコ志向の運転、質の高い運転、賢く運転)に関連している。このようにフォードはすべての分野で進歩を遂げているのだ。
- フォードはシートのクッションの素材に大豆を利用している
- 石油ベースの製造部品を植物ベースのポリオールに切り替えている(その結果二酸化炭素排出量を削減)
- 自動車が役目を終えた後に容易に生物分解される素材を開発している
- 本社では午後6:に照明が落とされ、それ以降電力が必要な場合は電話をかけ、システムに必要な時間を伝えなければならない
- 私はデニムからリサイクルされたフォードの鉛筆を利用している
- フォードのローグの工場は世界最大のグリーンルーフを持つ
- フォードの英国のダゲナムにある工場は風力で稼働している
- スペインの工場にはソーラーパネルが装備されている
フォードの現在のシステム開発の詳細を知りたい人は、フォード・デジタル・スニペッツで確認し、RSSを購読しよう。また、ツイッターで@FordDriveOneをフォローする手もある。
日常的にフォードで行われている優れた開発の話はこれで切り上げ、私が懸念を抱いている別の分野に話を移そう。この一連の騒動の中、私たちはあらゆる面で払ってきた犠牲について忘れがちである:
ほぼすべての経営陣に会ってきた経験から言わせてもらうと、彼らは一生懸命働いており、フォード、顧客、そして、すべての従業員の幸せを心から願う、立派な人達だ。人を見る目については自信がある。また、このチームおよび経営陣に少しでも疑いを感じたら、ここまでフォードに忠誠を誓うことは出来ないだろう。
最後に、我が国が米国の自動車産業を支えている点を理解していもらいたい。困難な時期、自動車産業は米国を支えてきた。第二次世界大戦では、自動車工場は飛行機および船を製造する施設として活躍し、自動車の製造は後回しにしていた。9/11の直後、すべての自動車メーカーは不況を乗り切るため、米国市民に0%の融資を申し出た。
現在、この国は自動車業界に何をしてくれているのだろうか?
以下に、私たち全員が結束することが可能な提案を幾つか挙げていく。他にも案があるなら、コメント欄で紹介してもらいたい。
1. 発見したことを共有する
私はデリシャスで米国の自動車産業のページを作成した。もし、支援もしくは自動車業界に関する記事、動画、オーディオファイル等を見つけたら、デリシャスのアカウントで「for:US_Auto_Industry」とタグをづけてもらいたい。タグをつけてもらったコンテンツは、私がリストに加える。
それと、このエントリをディグ/スタンブルアポン等に投稿してもらえるとありがたい。
2. 積極的に動く
GMの仲間はフェイスブックのコーズ「米国の自動車産業を支援することで、米国の経済を支える」を依頼した。このコーズをフェイスブックのプロフィールに加えると、他の人達にも参加を呼び掛けることが出来るようになる。既に6,500名のメンバーが登録しているが、まだまだ足りない。
3. 自分で学習する
上述したように、自動車産業とその影響の複雑な状況に関する知識や理解が大幅に欠けている。私自身も知らないことはある。しかし、誤解を解く記事を読みたいなら、まずは以下のエントリに目を通してもらいたい:
デリシャスのUS自動車産業ページには他にも記事が掲載されている。
4. 運転してみる。
前にも申し上げたように、私の意見を理解するためには、実際にフォードの車を運転するのが一番だ。最近フォードの車に乗っていないなら、脱帽するのではないだろうか。
ドライブ・ワンのサイトを訪問し、ウェビソードに目を通してもらいたい。そして、共有し、エンベッドし、フォードがイノベーションを起こしている点を周りに人々に伝えてもらいたい。
5. この動画を見て、共有する
以下の動画は映画「スミス都へ行く」の実生活バージョンと言えるだろう。ぜひ、皆さんに見てもらいたい。
最後に時間を割き、この若干な長いエントリを読んでくれた皆さんの心意気に感謝したい。ご覧の通り、私は情熱を持ってこのエントリを作成した。皆さんにもその役割を果たしてもらえるとうれしい。
アップデート: このエントリを投稿してから、総合的な情報を掲載したウェブサイトを作った。それがザ・フォード・ストーリーだ。目を通し、周りの人たちに紹介してもらえるとありがたい。
写真: detroitderek
この記事は、Social Media Marketing Blogに掲載された「How You Can Use Social Media to Help the U.S. Auto Industry」を翻訳した内容です。
当時まさに米国の自動車メーカーが危機的状況だった時に書かれた記事ですね。当時の緊張感とスコット氏のやる気が感じられて、想いが伝わる記事になっていると思います。しかし1社員のコメントとは言え、この記事を読むだけでフォード・モータースに対するイメージって大分変わりました。。。もちろん良い意味で。彼の記事がフォード・モータースの全てを表しているわけではないことは当然理解していますが、人の顔が見え、その人が自分の意見を発することって大事なんだな、と改めて感じられた記事でした。
大企業は中小企業と比べて個人の意見を発信していくことは難しい環境にあるとは思うのですが、フォード・モータースのようなどちらかと言うと米国でもかなり保守的な企業がソーシャルメディアの担当者を雇って、さらに個人ブログを好きに書かせている(多少のルールはあるのでしょうが)と言うこと自体が驚きですよね。もちろんあそこまで危機的状況に陥ったからこそ、やれているのかもしれませんが。。。今後の記事にご期待ください! — SEO Japan
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