ここ数週間、グーグルは最新の+1と呼ばれる投票機能を大々的に宣伝している。小さな+1をクリックして、特定の検索結果を気に入ったことを他の人達に伝える機能だ。
その後、グーグルは+1ボタンの告知を行った。このボタンをクリックして、お気に入りのページをそのページからネットワーク内の人達に伝えることが出来る。グーグル.comにいる必要はない。実はこのエントリにもこのボタンを掲載している。右側に注目 >>
しかし、現在、インターネットマーケティングの分野は混乱している。通常よりも遥かに混乱度は高い。次のようなメッセージが私のもとに届きつつある:
日本語訳: 私のウェブサイトの+1をクリックしてくれたらあなたのウェブサイトの+1をクリックしましょう。
また、フォーラムでは次のような発言が相次いでいる: 「+1の票を交換しよう。現金で票を交換しよう等々。さらに追い打ちをかけるように“グーグル +1が状況を一変させる”等のヘッドラインの記事が続々と登場している。
誰もがグーグル+1を大きなニュースとして取り上げている。+1に関する誇大広告はパンダアップデートに関する誇大広告よりも大きくなっている:
信じられない光景だ。これがそこまで興奮するようなことだろうか?単なるボタンである。クリックして、ページ上で投票するだけの。
魔法のような“1位にしてくれる”ボタンではない。
これはソーシャルメディアの投票ボタンである。グーグル版のフェイスブックのライクボタンであり、グーグルはフェイスブックほど大勢の人々にアプローチすることが出来ないため、質は落ちる。この点に関して言えば、ツイッターのツイートボタンよりも劣っている可能性がある。
よく考えてもらいたい。 SEOとインターネットマーケティングには思考が必要である。1秒でいいからグーグルの立場で考えてもらいたい。グーグルがランキングに大きな影響を与えるボタンを作るだろうか?ツイッターのフォロワーをスパムして投票し、SERPの順位を上げて簡単に操作することが可能な状況を作るだろうか?
そんなはずはない。
+1をアルゴリズムの結果に対するチェックとして使うのだろう。
グーグルは、+1をパーソナライズドされた結果で他のコンテンツを提案するために用いるはずだ(ログインしている場合)。
また、インチキな商品ばかりのサイトに1日で10の+1が寄せられ、次の日に1000票が集まっているような場合に注目することが出来るように、スパムサイトに対する信号としても用いるだろう。
そして、サイトの全体的な質のシグナルとしても確実に使うはずだ: 自然なパターンで+1が寄せられているサイトは、質が高いことを示唆する。しかし、他のシグナルをないがしろにすることは出来ない。これは状況を大きく変えるアイテムではないのだ。
それにも関わらず、多くの「SEO」業者や「マーケッター」達は(意図的に括弧でくくった)、これがランキングを改善する上での秘密の方程式だと考えているようだ。
これはすべて出鱈目なのだろうか?
言い直そう: +1スパムがランキングを上げることが出来ると信じているなら、間違いなくすべて出鱈目である。
グーグルの+1はまったく面白味がないのだろうか?実はとても興味深い。+1はグーグルによる3度目か4度目のソーシャルメディアへの進出の試みである。グーグルバズやサイドウィキ等の過去の成功を上回るポテンシャルはある。グーグルウェーブを遥かに凌ぐ優れたアイテムになる可能性もある。
真面目な話、+1のボタンをサイトに掲載する価値は十分にある。票を獲得することが出来るのだ。多くの人々はグーグルのアカウントを持っている。チャンスがあれば、多くのグーグルのユーザーがその小さなボタンをクリックするだろう。検索結果において、若干貢献してくれる可能性がある。グーグルによるこの最新のソーシャルメディアの挑戦がうまくいけば、ソーシャルプロフィールには大いにプラスの効果をもたらすだろう。
私は+1ボタンをサイトに掲載する。間違いなく気に入っているし、票には何らかの意味があるはずである。+1を無視するべきだと勧めているのではない。値する注目を与えるべきである。それ以上でも、それ以下でもなく。
グーグル+1に関する噂は、私の知る限り、最悪の装飾品症候群の一つに数えられる。自分のウェブサイトを改善したいなら、SEOのスキルを磨くか、オンラインで成功を築き上げる必要がある。その際、優先順位をつけなければならない:
あるいは、実際に見たいと思うコンテンツを考案する方法を考えてみるのもよい。何をするにせよ、+1の誇大広告を鵜呑みにするのだけは避けるべきである。新しい小さなツールでしかない。
強力な武器でもなければ、マーケティングの救世主でもないのだ。
この記事は、Conversation Marketingに掲載された「Google +1: NOT the internet marketing messiah」を翻訳した内容です。
検索順位への影響については私も記事と同じ意見で、多少の影響はあるのでしょうが、正にリツイートと同じで不正のしやすさから、そこまで検索順位に大きな変動をきたすような影響力は余り無いのでは、、、という気もします。「アルゴリズムの結果に対するチェックとして」使われるのが妥当な線ではないでしょうか。この記事はGoogle+のベータリリース前に書かれたものですが、Google+がFacebookに負けない位、普及してきた場合はまた多少変わってくるのかもしれませんが。「救世主」とまではならないかもですが、「強力な武器」にはなりえるかもしれません。いずれにしてもGoogle+という気がしますね。 — SEO Japan
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