「オウンドメディア」とは、自社が保有するメディアを指します。しかし、「ホームページとの違いは?」「オウンドメディアの目的とは?」と意味や重要性について疑問を持っている方も多いでしょう。そこで今回は、オウンドメディアの意味やメリット、オウンドメディアを始めるまでのステップをわかりやすく紹介します。
目次
自社のサービスや商品のページへの流入獲得のため、オウンドメディアを運営している企業も増えています。ここでは、オウンドメディアの意味やホームページとの違いを解説します。
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で保有し管理するメディアを指す言葉です。広義のオウンドメディアにはホームページ(公式サイト、コーポレートサイト)をはじめ、紙媒体のメディア(パンフレットなど)も含まれます。一般的にはブログのように情報を発信する自社サイトのことをオウンドメディアと呼ぶケースが多くなっています。
ホームページは一般的に「Webサイト」を意味する和製英語として広まりました。もともとはブラウザを開いたときに最初に表示されるホーム画面のことを「ホームページ」と呼んでいましたが、Webサイトのトップページを含め、サイト全体を「ホームページ」と呼ぶようになりました。そのため、オウンドメディアも広義ではホームページに含まれますが、現在は次のように別物として扱われるケースが多くなっています。
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公式サイトやコーポレートサイトのように、自社の取り組みや商品、サービスを紹介する場があれば、オウンドメディアは必須ではないと考える方もいるかもしれません。しかし、オウンドメディアを運営することで得られるメリットは多数あります。
オウンドメディアの強みは自社の商品やサービス、ターゲット層のニーズに関連するキーワードを取り入れたり、SEO対策を実施したりして検索結果において上位表示することで、見込み顧客に広くアプローチできる点です。たとえばタスク管理ツールを販売する場合、「タスク管理 ツール」「業務効率化 ツール」などの関連キーワードからアクセスした見込み顧客が問い合わせや資料請求を行うなど、リードを獲得につなげられます。
公式サイトやコーポレートサイトを訪問するのは基本的に自社の概要や商品、サービスを知っているユーザーに限られます。しかし、オウンドメディアは関連キーワードからの流入が見込めるため、サービスや商品を知らない非認知層への認知拡大を狙えます。たとえばタスク管理ツールを販売する場合、「タスク管理ツール」というビッグワードだけでなく、「タスク管理ツール 効果」のような関連キーワードを含むページを増やすと、幅広い層にアプローチできるでしょう。
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オウンドメディアはターゲットとする層の悩みや商品、サービスの分野に関する知識など、公式サイトやコーポレートサイトでは伝えるのが難しい情報を発信できます。質の高いコンテンツを作り上げて発信することは、自社や商品、サービスの信頼感につながります。たとえ商品やサービスを知らなくても「この会社なら信頼できる」「誠実な会社だ」という認知が広まれば、自社のブランディングに役立つでしょう。
オウンドメディアはリサーチや設計なしで立ち上げると失敗につながったり、サイトの構造が複雑になり、SEOにおいて不利になったりする可能性があるので注意が必要です。次の6つのステップを参考に、計画的にオウンドメディアを立ち上げてみてください。
確度の高い見込み顧客の流入を見込むためには、まずオウンドメディアを運営する目的や成果を設定する必要があります。たとえば「リーチの獲得を10%アップさせる」「資料請求の数を100件増やす」など、目的や成果はできるだけ数値化して設定しましょう。明確な数値を伴った目的や成果があれば、効果検証もスムーズです。
ターゲットの年齢や性別、ライフスタイルや趣味嗜好など、具体的な人物像まで絞り込み、実際に1人の人物像を作り上げることをペルソナといいます。ペルソナを設定すると、職種などの表面的な情報だけでなく、悩みや好みなど、より深い潜在的な部分までニーズを掘り下げられます。ペルソナから連想される関連キーワードをオウンドメディアに取り入れて上位表示できれば、競合とは別の角度から見込み客にアプローチできる可能性もあるでしょう。
設定したペルソナの情報をもとに、ターゲットとする人物が何を求めているのか、何を提供するのかを分析し、サイトのコンセプトを設定します。これによって発信するコンテンツの内容はもちろん、ペルソナのライフスタイルに合わせて、いつ、どのような形で発信するのがベストなのかという発信方法も決められるでしょう。たとえば経営者向けにタスク管理ツールを販売するなら、業務効率化のコツやツールの選び方、従業員教育の方法などのコンテンツを、経営者がメディアをチェックする時間帯に発信するなど、一貫性のあるオウンドメディアづくりを目指せます。
ペルソナにとって有益な情報を発信するのは大切ですが、最初に設定した目的や成果を忘れてはいけません。たとえば資料請求の数を増やすという目的や成果を設定した場合、各コンテンツから資料請求につなげる導線づくりをしなければいけません。ユーザーは商品を購入するまでには、段階を踏んだ過程があるといわれています。このファネルに沿って、ユーザーが資料請求という出口にたどり着けるよう、階層やカテゴリの設定などの設計を綿密に行いましょう。
オウンドメディアのコンセプトや設計が終わったら、メディアを運営するのに必要なチームを構築します。コンテンツ制作には、最低でもディレクター、編集(校閲)、ライターなどのポジションが必要です。また、企画や効果検証、分析を行う担当者や、専門分野に精通した監修者が必要となるケースもあるでしょう。社内にリソースがない場合は、外注も検討して運用体制を構築してみてください。
ここまでのステップが完了したら、設定した設定した目的やペルソナ、ファネル設計、運用体制などをもとに、使えるリソースの範囲で実現できるサイトを構築します。サイトの運営を開始したら、最初に設定した目的や成果の数値をもとに、期間を決めて効果を検証しましょう。PDCAサイクルを回し、オウンドメディアの効果を高めていくのがおすすめです。
オウンドメディアは自社サイトや商品、サービスへの導線を作ればいいというだけではありません。オウンドメディアの効果を最大限に発揮するためにも、次のポイントに注意してオウンドメディアの運用に取り組んでみてください。
オウンドメディアは設計をはじめ、コンテンツを1つ作成するためにライターや編集者、ディレクターなど、さまざまな人が関わっているので、メディアを軌道に乗せるまでは時間がかかります。コンテンツを量産したとしても、ユーザーのニーズと合致しない質の低いコンテンツは評価されず、インデックスもされないリスクもゼロではありません。そのため、オウンドメディアの運営に焦りは禁物です。サイトの設計やリサーチ、SEO対策などをしっかり行なって、着実に成果の出せるオウンドメディアに育てていきましょう。
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検索ボリュームが多いビッグワードで上位表示すれば、インプレッション数やアクセス数が増えます。しかし、いくら見てもらえるコンテンツを作成しても、肝心の成果につながらなければ予算をかけてオウンドメディアを運営する意味がありません。数値だけでメディアの評価を決めるのではなく、最初に設定した成果の達成にどれだけ貢献しているかに目を向け、定期的に効果検証に取り組んでいきましょう。
オウンドメディアの費用対効果を検証する方法は、設定した目的や成果によって異なります。ここからは、おもに2種類の成果に対する費用対効果の検証方法を解説します。
売り上げを高めることを成果に設定するなら、まず1件の売り上げが何件のリードで発生しているのかを特定します。そこから獲得したいリード数をオウンドメディアの成果として設定しましょう。成果は月間、年間など期間ごとに数値で設定し、各期間でかけたコストに対する達成率を計算してください。また、成果をKGIとした場合、KPIや必要なタスク、スケジュールも設定しておくと多角的に評価できます。
利益を上げるためには運用コストを抑えるのも一つの方法です。コストダウンを成果として設定した場合、まずは人件費から見直すのがおすすめです。しかし、人材リソースの削減はコンテンツの品質に影響を与える可能性があるので、月間、年間など期間を設定して、コストとオウンドメディアの利益の相関関係を定期的に検証することが重要です。また、広告費などコストを追加することでリターンが期待できるケースもあります。あくまでもオウンドメディアの利益を確保した上でコストダウンを目指すことをおすすめします。
オウンドメディアは自社の公式サイトやコーポレートサイトとは違い、自社の商品やサービス以外の情報を幅広く発信できるため、見込み客獲得につながります。求めている情報から自社の商品やサービスを知ってもらうことで、リードの獲得につながる可能性もあります。質の高いコンテンツを作るのは短い時間でできることではありませんが、オウンドメディアは大切な資産となるため、専門家に相談しつつ費用対効果を見極めながら運営していくことをおすすめします。弊社ではSEOを専門としたコンサルティングを提供しています。事業目的に沿った成果につながる施策のご提案からプロジェクト設計までお任せいただけます。お気軽にご相談ください。
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