SEO対策について学んでいくと、「ホワイトハットSEO」という言葉を一度は耳にすることがあるでしょう。しかし、具体的にどのような意味があるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事ではホワイトハットSEOの概要や、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
参考:SEOとは? 企業が実施するSEOの目的・内容とメリット・デメリット
目次
ホワイトハットSEOとは、Googleのガイドラインに則ったSEO施策のことです。
SEO(検索エンジン最適化)は、その名のとおり、検索エンジンの検索結果で自社のWebページが上位に表示されるための施策を指します。検索エンジンにはYahoo!やBingなどいくつかの種類がありますが、日本において圧倒的なシェアを誇るのは「Google」です。そのため、日本におけるSEO対策もGoogleに照準を合わせたものになります。
GoogleはSEOのガイドラインを公表しており、それに則ったSEO施策をホワイトハットSEOと呼びます。つまり、Googleが推奨する方法で良質なコンテンツを制作し、検索順位の上昇を目指す施策を「ホワイトハットSEO」というのです。
ホワイトハットSEOを行うためには、Googleのガイドラインを理解する必要があります。
GoogleのSEOガイドラインは、「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」というページで確認できます。ガイドラインの内容を簡潔にまとめると、以下のとおりです。
参照:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google
「ブラックハットSEO」とは、ホワイトハットSEOの対となる概念です。
ホワイトハットSEOがGoogleのガイドラインに則ったSEO施策なのに対し、ブラックハットSEOはGoogleのガイドラインを無視したSEO施策を指します。コンテンツのクオリティは度外視で、ただ検索順位を上げることを目的としているのが特徴です。
たとえば、以下のような施策はブラックハットSEOに該当します。
ブラックハットSEOは、「検索エンジンのプログラムを騙し、良質なコンテンツであるかのように見せかける行為」ともいえるでしょう。ホワイトハットSEOが正規の攻略方法なのに対し、ブラックハットSEOはバグを利用したチートのようなものです。
「正規の攻略方法ではなくても、結果的に検索順位が上昇すれば問題ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、ブラックハットSEOは、Googleからペナルティを課される可能性があります。Googleのインデックスから削除され、Webページが検索結果に表示されなくなるケースもあるでしょう。せっかく労力をかけて施策を講じても、検索結果に表示されなくなってしまえば本末転倒です。
また、Googleのアルゴリズムの更新によりブラックハットSEOの対策が強化され、現在ではほとんど通用しない手段となっています。もしも検索順位が上がったとしても、ブラックハットSEOはユーザー目線を度外視しているため、「すぐにページを閉じられてしまう」「問い合わせや購入といったアクションにつながらない」など、サイト運営者が望むような結果は得られない可能性が高いでしょう。
自社の中長期的な利益を考えても、正規の方法を地道にコツコツ続けていくことが大切です。
ホワイトハットSEOにはさまざまなメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。
ホワイトハットSEOのメリットは、主に以下の4つです。
ホワイトハットSEOの施策を講じたWebページは、Googleの基本的な考え方に則ったコンテンツに仕上がっているといえるでしょう。Googleのアルゴリズムは度々アップデートされていますが、「ユーザーに良質なコンテンツを提供する」という基本的な理念は変わりません。そのため、ホワイトハットSEOはGoogleのアップデートに左右されにくく、検索順位が大きく変動するリスクはほとんどないでしょう。
Webマーケティングにおいては、自社のWebサイトの回遊率・離脱率・直帰率といった数値を改善することが大切です。
回遊率 | 一度の訪問で、ユーザーがどれだけのページを閲覧したのかを表す数値。回遊率が高いほど、ユーザーが興味を持てるコンテンツを多く掲載していることになり、ユーザーからの評価が高いWebサイトと判断できる。 |
離脱率 | そのページの閲覧後に離脱した人の割合を表す数値。離脱率が高いページは、「ユーザーがWebサイトを閉じる要因」になっている可能性があると判断できる。 |
直帰率 | サイト訪問者が最初にアクセスしたページだけ見て離脱した割合を表す数値。直帰率が高い場合は、ユーザーのニーズに合うコンテンツを提供できていない可能性がある。 |
ホワイトハットSEOは「良質なコンテンツの制作」に重きを置いた施策のため、上記で紹介した数値の改善につながります。
CV率とは、商品の購入や問い合わせといった「Webサイトの成果」の達成率を表す指標です。ホワイトハットSEOで制作されたWebページは、ユーザー目線の良質なコンテンツになっている場合が多いため、CVに直結しやすいというメリットがあります。
ブラックハットSEOで制作されたWebページは中身が伴っていない場合が多く、訪問者から不信感を買いやすい傾向があります。一方、ホワイトハットSEOはコンテンツ力の底上げにつながるため、ブランドイメージを損なう心配がありません。ユーザーのニーズを満たすコンテンツを提供すれば、企業や商品のイメージアップにもつながるでしょう。
ホワイトハットSEOのデメリットは、主に以下の2つです。
大前提として、SEO施策の効果が表れるまでには時間がかかります。ホワイトハットSEOでは良質なコンテンツを制作する必要があるため、準備期間も長くなりがちです。
ホワイトハットSEOに限った話ではありませんが、Webサイトを運営するためにはサーバー代やドメイン代などのコストがかかります。サイト制作やSEO施策を外注する場合は、さらに費用が発生するでしょう。
GoogleのSEOガイドラインでは、それぞれの項目における具体的な施策も明示されています。いくつかの施策をピックアップして解説するので、ぜひ参考にしてください。
ユーザーにとって有益なコンテンツを作成すると、ユーザーの満足度が高まり、SNSなどでページを紹介してくれる可能性があります。そのためには、ユーザーが求めるものを的確に把握したうえで、質の高い情報を提供することが大切です。
また、掲載内容によっては、専門家に執筆・監修を依頼するなどして、コンテンツの信頼性を高めることも重要になるでしょう。実際に、Googleは「E-E-A-T(Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・TrustWorthiness(信頼性)」の4つの基準を最も重視し、コンテンツの質を判断しているとされています。
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サイトマップとは、Webサイトにどのようなページが存在するのかを伝える地図のようなものです。サイトマップを作成してGoogle Search Console(サーチコンソール)等のツールを使って送信すると、Googleに自社のWebページを見つけてもらいやすくなります。
サイトマップのメリットとは?Webサイト構造の理解から最適化まで解説
クローラーとは、インターネット上に存在するWebページを巡回し、検索順位を決定するための情報を集めるロボットのことです。前述の「サイトマップの送信」もクローラーが自社のWebページを見つけやすくするための施策であり、基本的にクローラーは積極的に呼び込む必要があります。
しかし、「未完成のページ」や「コンテンツ力の低いページ」をクローラーに巡回されると、かえってWebサイトの評価が低下してしまう場合もあるでしょう。このように認識されたくないページがある場合は、「robots.txt」というファイルを使用することでクローラーのアクセスをブロックするのがおすすめです。
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ページタイトルには、ユーザーとGoogleの両方に「このページにはどのような内容が記載されているのか」を伝える役割があります。そのため、個々のページに対して、正確なタイトルをつけることも大切です。
メタディスクリプションとは、検索エンジンの検索結果に表示される概要文のことです。Webページの内容を要約することで、ユーザーのクリック率が上昇する効果を期待できます。
また、メタディスクリプションは、強調スニペットとして採用される場合もあります。強調スニペットとは、Googleの検索結果の画面上部に表示される「ユーザーの疑問に対する回答」のことです。通常の検索結果と比べて強調された形で表示されるため、ユーザーに自社のWebページを強力にアピールできます。
見出しタグとは、Webサイトの見出しを示す際に使用するHTMLタグのことです。大見出しはh2タグ、小見出しはh3タグといったように、見出しタグを適宜設定すると、ページに階層構造ができ、ユーザーがページ内を移動しやすくなります。
ナビゲーションとは、ユーザーがサイト内の主要なページに移動するためのリンクです。ナビゲーションを設定すると、ユーザーが自分にとって必要なページを見つけやすくなります。
パンくずリストとは、そのページがサイト内のどのポジションに位置するのかを示すものです。たとえば、「サポート実績>SEO施策>(個別のサポート事例)」といったように表示することで、ユーザーが前のセクションに素早く戻れるようにできます。
ガイドラインにもあるように、Googleはモバイルフレンドリーを推奨しています。モバイルフレンドリーとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で快適にWebページを閲覧できるようにすることです。たとえば、さまざまな画面サイズのデバイスに合わせて、Webページの表示を最適化するといった施策が考えられます。
スマートフォンやタブレットでインターネットを利用する人は多いので、モバイルフレンドリーへの対応はユーザー満足度の向上につながります。
ホワイトハットSEOは、Googleのガイドラインに則ったSEO施策です。ブラックハットSEOはもはや昨今では通用しない手段であり、さまざまなリスクも伴います。時間やコストはかかっても、ユーザーにとって価値のあるコンテンツをコツコツ作り上げていくことが大切です。
ホワイトハットSEOの施策は多岐に渡り、専門知識が求められるものも少なくありません。社内リソースでの対応が難しい場合は、SEO施策の専門家に相談するのがおすすめです。
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