初日午後2つ目のセッションは「Google’s Personalized Search Revolution」。Googleがパーソナライズド検索について語ります。他にも気になるセッションはあったのですが、何年も前から言われているパーソナライズド検索の最先端の話を聞きたくて参加してみました。
モデレーターは前回と同じダニー・サリバン。Googleからはパーソナライズドサーチ部門のエンジニア、ブライアン・ホーリングが参加。
まずはサリバンが一言。
「昨年末からパーソナライズド検索はまさに【革命的】に変わった。ログインしなくても勝手に検索結果がパーソナライズされるようになった。」
。。。いや、僕もこれ最初は驚いたんですけどね。。。先日もGoogleでSEOで検索してSEO Japanは2位だから喜んでたら、勝手パーソナライズドのせいと気付いてガックリ 汗
と言うことで、ブライアンのプレゼンテーション。
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Googleで「SMX」で検索した時に何を表示すべきか?
イギリスにはSMXと言うバイクのクラブがある。カリフォルニアのサンタマリア市にはSMXと言う空港がある。ホンダのミニバンでS-MXと言うのもある。映画のスクリーン技術にSMXもある。人によってそれぞれ求めている結果が違う。
多くの検索キーワードはその意図がキーワードだけでは不明。
パーソナライゼーションは検索結果に存在する
・地理
・趣味嗜好
・パターン
・ソーシャル
等の差異を改善する。
パーソナライゼーションは、
・透明・意識せず機能する
・コントロールできる
ことが理想。
例えばGoogleでは国レベルのパーソナライゼーションがある。同じ英語圏だが例えば「tax」(税金)で検索した時にアメリカとイギリスでは提供する結果が違うべき。
地理で言えば都市レベルでも調整できる。「bus schedule」(バスのスケジュール)で検索された時、それぞれの都市のスケジュールを最初に表示する。しかし余りに地域にこだわると一般的な検索ニーズにこたえられないので大手のバス会社の結果も含めたりする。
検索のディテールでパーソナライズも可能。例えば「hardware store」(ハードウェアの店)で検索された時、何を表示すべきか?Gogleでは検索履歴をベースに最適な結果を出すオプションも用意している。Google Mapsではデフォルトの地域を指定できる。検索結果に出てくる地図も設定できる。地域はIPで判断している。
最近リリースした検索ツールのオプションでは英語圏の場合、地域でも絞り込めるようにしている(日本語はまだ)。
ユーザーがログインした状態で検索していれば、そのウェブの検索履歴を記録して、そこから最適と思われる検索結果を表示するパーソナライズド検索も提供している。当然、検索履歴は削除したり中断することもできる。
またサリバンが言ったように、現在はログインしなくともある程度パーソナライズ検索を行うようにしている。検索履歴はCookieで記録し、過去180日のデータを元にしている。またこの機能自体は検索ページの右上のウェブ履歴のリンクから無効・有効の設定はいつでもできる。
。。。デフォルトで有効ですよね。大半の人はそのまま使うだろうな。。。確かにこれは大きな変更ですよね。
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。。。まずは一気にパーソナライズド検索のパターンを説明してきました。特に目新しことは無いのですが、今後どんな展開になりますか。
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次にソーシャルサーチのパーソナライゼーションについて説明したい。
ソーシャルウェブにおいて各ユーザーは自分のネットワーク( Social Cicle 、ソーシャル・サークルと説明)を持っている。そのネットワークの中のコンテンツを優先的に扱うなど、より関連度の高い検索結果を提供するニーズは確実にある。自分が関係しているソーシャルネットワーク上のユーザーの発言やコンテンツは優先的に表示する。
ソーシャル・サークルの範囲は下記のデータが元になる:
・Googleのコンタクトリスト
・Googleのプロフィール
・ソーシャルグラフAPIでコンタクトの範囲は拡大される
・Googleリーダーの購読者もケースバイケースで対象とする
プライバシーの問題も当然あるため、基本的にパブリックなコンテンツしか検索結果には表示しない。
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パーソナライズド検索はどれ位、通常のウェブ検索に変化をもたらしているか?
・全てのユーザーの検索結果に影響を与える、ただしそれぞれ違った形で
・5回の検索に1回、パーソナライゼーションの要素が含まれている
・パーソナライズドされた検索結果であっても、全ての結果を変えることはない、あっても1ページで2-3、変え過ぎても混乱が起こる
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パーソナライズ検索でSEOはどう変わる?
・単にキーワードで上位表示できれば良いと言うだけではない、、、ユーザーの検索意図にあった形で上位表示されることが重要。
・特定のキーワードで世界中のサイトと競合になる回数が減り、同じ地域のサービスサイトと順位を競う回数が増える。例えばタクシーで検索された場合、同じ地域のタクシー会社が競合になる。
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パーソナライズドサーチに効果的なSEO対策は?
・まずは説得力のある、魅力的なコンテンツ
・検索エンジンでなく、ユーザーにアピールすべき
。。。一般論すぎ 汗。
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簡単なティップスだが、検索URLの最後に &pws=0 と言うパラメータをつければパーソナライゼーションは解除される。
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。。。以上でした。続いてQ&A。
サリバン:
FirefoxとGoogle Chromeで検索結果が違うことがあるらしい。ブラウザーでパーソナライゼーションをしているか?
Google:
全くしていない。他の要素が影響した結果だろう。
サリバン:
じゃあFirefoxのシェアを奪うために何かやっているわけではないんだね 笑
Google:
しかしプラットフォームのパーソナライゼーションはありうる。例えばMacで検索しているユーザーにはMacの情報を優先的に見せることは有効だろう。
サリバン:
検索広告が検索履歴に基づいて出るんだっけ?出た気がするが?
Google:
僕は部門が違うから分からない。
サリバン:
(会場にインタビュー)
パーソナライズド検索は、問題があると思う人はどれ位いる?
Google:
(会場が挙手する前に割り込み)
パーソナライズド検索はユーザーの検索体験をより便利にするために行っていることは理解してほしい。
サリバン:
パーソナライズ検索の結果毎に検索順位を教えてくれるような機能がウェブマスターツールに用意されれば便利なんだけど。
Google:
確かにそうだね。検討します。
サリバン:
パーソナライゼーションはドメインレベルで行われるのか?例えば一度ユーザーが見たサイトのドメインを記憶して、そのドメインの結果を優先的に出すなど。
Google:
実験していたこともあるが、現状はまだ試行錯誤中。
サリバン:
パーソナライゼーションはオプトアウトのオプションを常に持つべきと思うか?
Google:
当然そう思う。
サリバン:
Googleのパーソナライズド検索でオプトアウトした人の比率は分かる?
Google:
正確な数字を今答えられない。具体的な数字は基本的に答えられない 笑
サリバン:
Googleが定義する「良いユーザー体験」とは何か?
Google:
個人的な意見だが、ソファーに座って快適な気分で時間を過ごすような気持でいられることじゃないか。
サリバン:
Cookieが利用できない場合、パーソナライゼーションはIPに頼るしかないのか?
Google:
基本的にはそうなる。その場合は地理ベースのパーソナライゼーションが中心となるだろう。
サリバン:
アダルト関連の検索やサイト閲覧は自動的に記録しないようなオプションを開発できないのか?
Google:
なるほど。要望リストに入れておきます 笑
サリバン:
リアルタイム検索にパーソナライゼーションの要素は含まれていくのか?
Google:
僕の口からは何とも言えない。
会場:
ログイン無しのパーソナライゼーションで、SEOのクライアントが上位表示したいキーワードで自分のサイトが上に表示されて、ぬか喜びしていることがあるが。。。
サリバン:
SEO会社には良いんじゃないか 笑
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。。。以上です。最後にやっぱりその話題出ましたか。Googleの人が真面目なエンジニアだったので、いまいち盛り上がりに欠けた感じでしたが(答えられない、ばかりでしたし。ま、これは誰であっても、かもですが)、Googleのパーソナライズド検索の現状は理解できました。技術的に特に新しい発見は無かったのですが、元々それ程期待もしてませんでした。と言うか、現状これ以上は技術的にも難しいと思いますし、必要性も無い気が。
逆に今後Googleがどの位、どの分野のパーソナライゼーションに力を入れていくか、と言う話をもう少し聞きたかったですけどね。ただ結構SEOの話をしてくれたので、それは参考になりましたが。しかしアダルト検索の排除機能はパーソナライゼーションの普及には意外と重要な気も。
サリバンも頑張って次から次に質問をしてくれましたし、何となくの知識が今回のセッションを通じて明確になった部分も多く良かったですかね。ちなみに質問は他のセッションもそうですが、サリバンが全て考えた訳ではなく事前にTwitterやSNS経由で質問を受けていたようですね。こういう手法は有効かもです。
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