エンティティとは?キーワードとの違いや注目を浴びない理由

公開日:2024/01/18

最終更新日:2024/07/09

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SEOにおいてキーワードと混同されやすい「エンティティ」ですが、まったく意味が違います。エンティティを正しく理解することは、今後のSEOにとって欠かせないともいわれているため、エンティティの意味や指標などを把握しておくのがおすすめです。本記事ではエンティティの意味や注目を浴びない理由、指標を上げる方法などを解説します。

参考:SEOとは? 企業が実施するSEOの目的・内容とメリット・デメリット

エンティティとは

SEO対策において重要視されるのは「キーワード」ですが、今後AIが発達していくにつれて、「エンティティ」に移行されるともいわれています。将来的に重要な指標になると考えられるエンティティとはどんな意味を持つのか詳しく解説します。

エンティティとはひとまとまりのデータのこと

エンティティは、実体、存在、本質などと行った意味を持つ英単語で、ひとまとまりのデータを指します。IT分野では識別名や所在情報によって構成されるデータをエンティティと呼ぶことが多いですが、Web検索においては、データベース内のレコードがエンティティと呼ばれています。たとえば、Googleのエンティティは「MREID=/m/23456」のように表記されます。

エンティティ検索とは

エンティティ検索とは、検索クエリに対してボットがエンティティをもとに、ユーザーの検索意図を認識し、検索結果を表示する方法です。たとえばWebで「東京スカイツリー」を検索するとします。その場合、あるユーザーは「日本でもっとも高いタワー」と検索し、またあるユーザーは「世界一高い電波塔」と検索するかもしれません。このように入力されたキーワードに関わらず、ユーザーの検索意図から検索結果を表示することをエンティティ検索といいます。

ナレッジグラフにはエンティティが含まれている

ナレッジグラフとはナレッジ(知識)を連結させ、グラフ構造で表したネットワークのことを指し、エンティティもナレッジグラフを構造するパーツに含まれます。ナレッジグラフは関連性のある情報が無数に連結しているため、検索クエリを正しく分析したり、新しい情報を発見したりするために役立つといわれています。将来的にはキーワードのみのクエリはなくなる可能性も示唆されています。

キーワードとエンティティの違い

エンティティはキーワードと混同されることが多いですが、明確な違いがあります。たとえば「〇〇駅にあるおしゃれなカフェ」と検索したとき、キーワード検索では「〇〇駅」「おしゃれ」「カフェ」といったキーワードが含まれる結果を表示します。しかし、検索したユーザーが意図する「おしゃれなカフェ」には外観がレトロなカフェやインテリアに拘っているカフェ、テラス席があるカフェなども含まれるかもしれません。そこでユーザーの意図を正しく判断するために役立つのがエンティティです。エンティティは言語に依存しないため、ユーザーの意図を分析し、求める結果を表示できるのです。

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エンティティがそこまで注目を浴びない理由

エンティティは検索エンジンの未来に重要な役割を持つといわれている反面、AI技術が日常生活に普及した現在でも、あまり注目を集めていません。なぜエンティティがそこまで注目を浴びないのか、その理由を解説します。

難易度が高い

SEOの知識がある人でもキーワードとエンティティの区別がつかないことがあるほど、エンティティという概念は理解するのが難しいといわれています。近年のSEOではキーワードが重視されていたため、エンティティに注目が集まりにくかったことも原因の一つと考えられます。また、エンティティにはラベルがつけられており、一般的にはキーワードや記述子といったラベルがつけられるので、SEOの専門家もキーワードとエンティティを混同してしまうのも無理はありません。しかし、今後「エンティティ検索」がSEOに適用されたとき、エンティティとして扱ってもらえないと、クエリに対する答えとして検索結果に表示してもらえなくなるなどの問題が発生する可能性があります。

情報が少ない

実際に調べてみるとわかりますが、Web検索におけるエンティティに関する情報は非常に少なくなっています。また、エンティティはITのさまざまな分野で使われているため、専門知識がないと情報の取捨選択が難しいのが現状です。しかし、世界的にAI技術の進歩が顕著となっている昨今において、エンティティがGoogleをはじめとする検索エンジンで重要度が増していると考えられます。実際に音声検索などに柔軟に対応するためには、キーワード検索では限界があるといわれています。

不確定な部分が多い

今後キーワード検索はなくなると予測する説もありますが、確実ではなく、いつ廃止の方向性に進むかについては明らかになっていません。かつてはコンピュータのパワー不足が原因で、キーワード検索を採用せざるを得なかったといわれています。しかし、現在、ほとんどの検索エンジンが前後の関係がわかるエンティティ検索を活用しています。エンティティとみなされない場合、エンティティ検索において結果に表示されることはありません。今後はクエリに該当するキーワードではなく、クエリへの関連性を認識させることが重要視されるでしょう。

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エンティティの指標

Googleの社員が2014年に発表した論文によると、Googleはキーワードとエンティティの用途を区別する取り組みを進めているようです。ドキュメント内のエンティティを定義するための「顕著性」システムについて、Googleは0から1の範囲で測定していると記述されており、次の6つの指標が存在するといわれています。

参考:A New Entity Salience Task with Millions of Training Examples

1st-loc

1st-locはエンティティが言及される最初のセンテンスであるといわれています。たとえば、あるWebページにおいて早い段階でエンティティについて言及すれば、そのエンティティがページにおいて「顕著である」とみなされる可能性があります。

Head-count

Head-countはそのエンティティが最初に言及された文章の「先頭の単語」が登場する回数を指します。「先頭の単語」については明確に定義されていないものの、「単語をシンプルな形に連結したもの」であるといわれています。

Mentions

Mentionsにはエンティティの単語やラベルをはじめ、エンティティにおける参照といわれている「彼」や「彼女」などの要素も含まれています。

Headline

Headlineとは、見出しのなかにエンティティが含まれている場所を指します。

Head-lex

Head-lexとは、「最初に言及されている小文字の見出しの単語」といわれています。

Entity Centrality

Entity Centralityは、Webページの重要度を決定するために用いられるアルゴリズムである「PageRank」をエンティティに適用させ、ナレッジグラフのなかでお互いを近接させます。この取り組みによって、ドキュメント内のエンティティの重要度の重み付けを変化させているといわれています。

エンティティの指標を上げる方法

検索エンジンにエンティティとして認知してもらうためには、そのWebページがユーザーのクエリに関連していることをアピールしなければいけません。たとえば、そのページが何について説明しているのかを説明するのに役立つスキーマである「about」と「mentions」を使用すると、検索エンジンが明確に判断するために役立つといわれています。1つまたは2つのエンティティに「about」を使用して、複数のエンティティに「mentions」を使用することによって、長い記事でも重要な部分を集約できるため、ナレッジグラフが理解しやすくなるでしょう。

エンティティ検索の注意点

今後、検索エンジンがエンティティ検索に本格的に移行した場合、検索エンジンにエンティティと認識してもらうことや、正しいSEO対策が必要となります。ここからは、エンティティ検索において有効といわれる施策や注意点について解説します。

エンティティを可視化する

エンティティを可視化すると、どのトピックが中心的なのか、どのようなサブトピックが存在するかが一目でわかり、戦略の調整やコンテンツの計画に役立ちます​​​​​​。たとえば、トピッククラスターを設計し、サイト内の記事を戦略的にグルーピングするのも一つの方法です。サイト内でトピックの中心となるピラーコンテンツを決定し、補足コンテンツであるクラスターコンテンツと内部リンクでつなぎ、サイトの評価を高めていきましょう。

エンティティの顕著性を最適化する

エンティティの明瞭さは、テキスト内の表記の一貫性によって影響を受けるといわれています。異なる表記や類義語を使用した場合、異なるエンティティとして認識される可能性があります。また、エンティティへの参照の頻度も重要です。たとえば、名前付き参照、名目上の参照、代名詞的な参照を組み合わせて使用することで、エンティティの顕著性を最適化できます。

コンテンツの質を高める

将来的にキーワードの重要性が失われ、エンティティの影響力が上がったとしても、「ユーザーが求めている情報を提供する」という基準は変わりません。そのため、質の高いコンテンツを作成し、有益なサイトだと評価されることによって、エンティティ検索においても好影響を及ぼすでしょう。

ただし、今後はSEOにおいて信頼性や専門性がさらに重視されるようになるともいわれています。さらに、SNSの普及により、第三者からの評価やリンク(引用、拡散など)もWebサイトを評価する重要な基準ともいわれています。SEO対策の根本は変わらないものの、今後はコンテンツの質の高め方を工夫していく必要があるでしょう。

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まとめ

現在主流となっているキーワード検索は、かつてコンピュータのパワー不足やパフォーマンスを重視するために採用されたものです。そのため、音声検索や行動を認知した結果表示において、カバーしきれない部分が多くなっています。AIが日常生活に当たり前に溶け込む現代、そして未来では前後関係が把握できるエンティティ検索のニーズが高まっていくと考えられるでしょう。エンティティを含め、最新のSEO対策を取り入れるためにもSEO専門家である弊社へご相談ください。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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