INTERVIEW
代表メッセージ
普通の大学を卒業してサラリーマンになるつもりはまったくなくて、漠然とですが将来は映画制作に関わる仕事がしたいな、と思いロサンゼルスにある南カリフォルニア大学へ進学しました。卒業後、現地の映像業界で4~5年ほど仕事をしたのですが、ハリウッドの映像制作の現場には、それこそ世界中から才能あふれる人材がやってきます。20代の後半には自分の才能に限界を感じ、長く続けていける仕事ではないなと思いました。
一方そのころ、アメリカのインターネットは黎明期。先人が少なく、開拓の余地が大きな世界でした。そこで、何人かの仲間と一緒に、音楽配信サービスの事業化に取り組むことになり、インディーズ業界中心に数百レーベル、数十万楽曲の契約を手にできました。とはいえ、当時はデジタルデバイスやストリーミングの仕組みも整っていない時代ですから、業績はなかなか伸びませんでした。最終的には事業を譲渡する形でアメリカでの仕事を一旦終了させ、日本に戻ってきたのが2000年前後のことです。
帰国後は新たなインターネット関連の事業立ち上げを考えていました。いろいろ考えた結果、当時日本で知られていなかったSEOをビジネスにすることにチャンスを感じました。音楽配信事業ではお金がまったくなかったため、予算が必要な広告ではなくSEOを活用していました。そのため、検索エンジンの集客効果、そして自然検索から流入したユーザーの購入確率の高さも把握していたのです。その価値が理解されれば日本でもSEOが普及する確信はありました。
SEOJapanを立ち上げたのが、2002年のこと。教科書的なコンテンツを作って公開しましたが、最初はSEO自体の存在が知られておらず地道にセミナー活動や対面営業を行っていました。ところがその後、Googleの台頭や検索キーワード広告の普及とともに一気に事業は成長しました。上手くマーケットの波に乗れたのは、とてもラッキーだったと思います。
2002年から2006年にかけて、日本でもSEOは急成長を遂げました。当時のSEOビジネスは、検索エンジンに依存する部分が多く、検索エンジンの裏をかくような要素が多分にあったと思います。ですが“いたちごっこ”のような手法をやり続けても先がありません。いくら成長して利益が出ていても、もっと先を見据えておく必要があると考えていました。そこから現在のように、SEOの手法が広がり、コンサル型のサービスが確立され、持続的に収益を上げられる体質に変化していったと思います。
また、SEO事業だけに頼るのではなく、利益を他の事業に先行投資する重要性も強く感じていました。当時はIPOブームで上場の話もいろいろあったのですが、私自身にパブリックな企業経営をやっていくことへの興味がなく、自己責任の範囲で投資していろいろやってみたいという考えがありました。
実際に7~8年は投資を行い、15事業ほどを立ち上げました。成功したものもあれば、失敗したものもありましたが、なかでも最も良い実績をあげたのが、データアーティスト株式会社です。元々はSEOで集客したユーザーのコンバージョン率を高める手法として、ABテストをアイオイクスの一事業としてツール化したのが始まりです。ランディングページの最適化を図るツールであるDLPOを開発し、東大でAI研究をされている松尾先生の研究室と提携してアルゴリズムの改善に取り組むなど、先行投資にずいぶんと力を入れました。その後、2010年前後にAIブームがやってきて事業も成長し、データアーティスト社は最終的に電通に売却しました。先行投資が大きなリターンにつながったのと同時に、事業の立ち上げを通してたくさんのノウハウも社内に蓄積できたと思います。
2006年頃からいろいろな事業に投資をしていて、2011年からシンガポールに移り住み、海外でもいくつかの事業をはじめました。その後、投資する事業を精査して、現在は信頼できる責任者に任せています。アイオイクスの経営に関しては、リモート経営を5年ぐらいやっていましたが、ここ数年は社員と近いところから経営の舵取りをしています。
設立当初と比べるとアイオイクスの成長スピードが落ち着いてきたのですが、もう一段階大きく成長できるシナリオを描いています。直近で最も伸びしろがあるのがSEOです。事業体制に改善できる要素が多く、テコ入れを図っている最中で、組織も変化させつつ現在に至っています。その効果が徐々に出始めていて、事業をワンランク上のレベルに成長する準備が整いました。
アイオイクスは私が作った会社であり、今も私が代表ですが、みなさんが思うほどオーナーシップに対するこだわりは強くないと思います。会社をやみくもに大きくしたいという願望より、新しいチャレンジを通して成長していくことが好きです。30代の前半くらいまでは完璧主義的なところがあって、人に任せるより自分でやっていました。ですが、想定以上のスピードで会社が急成長してしまって、すぐに限界がやってきました。それからは信頼できる人に任せるようにして、たまには任せ過ぎて失敗したこともありましたが、失敗も成功の元と考え、あまり悩みすぎずに今日までやってきました。
現場を離れてからは、定期的な会議や打ち合わせに参加することも少なかったのですが、今は全体会議や個別ミーティングにもできるだけ参加するようにしています。それぞれの仕事に口出しをしたいわけではなくて、私自身の経験や体験したことをアドバイスできればいいなと思っています。
アイオイクスは設立から20年が経過して、それなりのブランド力や実績、ノウハウが蓄積されていますが、このまま落ち着いてしまおうとは思っていません。さっきも申し上げたとおり、私自身が新しいことが大好きな人間です。一緒に働くみんなにも、現状に満足したり、限界を決めてしまったりせず、どんどん新しい仕事にチャレンジしてほしいと思っています。
今を第二創業期として、まだまだ成長していきたいですね。みんなと一緒に事業を盛り上げて、やりたいことにどんどんチャレンジできる環境にしていきたいと思っています。
黎明期のSEOは、テクニカルな要素がより重視されていたというのが正直な印象です。現在は、検索エンジンが完全にプラットフォームとなって、検索行動がネットの一部になっています。それに伴い、SEOも総合的なマーケティングの知識が求められるようになりました。
SEOは、サイトを作るところからはじまります。最初にしっかりと良いサイトを立ち上げておけば、そこから派生してさまざまなマーケティング施策を効果的に実施していくことが可能です。そういった意味で、SEOはアップセルやクロスセルがしやすい業態であり、SEOを軸にして複数の分野と提携し、マーケットを広げていく余地が大いにあります。
もちろん、SEO単体で見れば限りがあります。ですが、別分野との連携などを踏まえた捉え方をすれば、伸びしろは大きくなっていきます。いろいろな知見とSEOをクロスさせることで、新しいサービスやマーケットが生まれていくのは間違いありません。試行錯誤をしている最中ですが、社員の声を聞きながら、SEOに頼り過ぎない事業やサービスにどんどんチャレンジしてきたいと考えています。
以前はSEOに頼り過ぎている部分がありましたが、今は複数の事業が相互に支えってアイオイクスを形成しています。より事業間のシナジーを出しつつ、社員の様々なアイデアをくみ取って、新しいチャレンジに取り組める環境になってきました。
アイオイクスという老舗SEO会社のブランド力を伸ばしつつ、これまでに培ってきた社内のリソースを新規事業に役立てられたらいいなと思っています。例えば、今取り組んでいる税務・会計領域向けの新サービスのように、これまでできなかったことややってこなかったサービス、マーケットを作っていくのが具体的な目標です。
アイオイクスのSEOサービスの品質は非常に高いと自負しており、多くのクライアント様にご満足いただいています。ブランド力に頼り過ぎるのはよくありませんが、新しいことにチャレンジする上で、上手くブランド力も活かせればいいと思います。SEOをベースにしながら、いろいろなことを組み合わせて、新しいビジネスを作り、育てていければ理想ですね。
第二創業期を迎えて、今まで培ってきた良いものは残しつつ、今あるものに頼り過ぎない会社へと成長しようと思っています。SEOオタクみたいな人ばかり採用するのではなくて、むしろSEOに詳しくない人の力や可能性にも期待しています。双方の良い部分がかけ合わさって、きっと素晴らしい成果が生まれるのではないでしょうか。
また、インターネット業界でコンサルタントとしての力を身につけたいという人にも、アイオイクスは良い環境だと思います。自分の意見を形にできますし、年齢や経験に関係なく、自分自身を成長させていく意欲がある方を歓迎する会社だからです。WebサービスやWebマーケティングに力を入れたい企業は、これからまだまだ増えていくでしょう。そういったお客様と一緒に、新しいことに取り組んでいけるのも、アイオイクスで働く魅力の1つです。
一方で、とても自由度の高い業界だからこその難しさもあると思います。SEOは施策の種類や方法があまりにも多く、広げようと思えばどこまでも広げられるサービスです。幅と深さを身につけるのは簡単ではありませんが、そこに魅力を感じる人にとっては、とてもやりがいのある仕事だと思います。アイオイクスではメディア運営、EC、システム開発から飲食までSEO以外の事業も複数手がけていますし、SEOと連動した新サービスを提供していくこともアイデア次第で可能です。また失敗を一切否定せず、チャレンジを歓迎する文化が昔からあります。
さまざまなところで可能性のタネを見つけて、ぜひ自分の力で大きく育てていってください。自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。
INTERVIEW