SEOの外部施策とは、「インターネット上で外部から高い評価を得ることで検索結果の上位表示につなげる」というSEOの手法です。
SEOの外部施策には、主に以下の3つの要素があります。
今回は、この3つの要素を中心に、SEOの外部施策について詳しく説明します。
また、SEOの外部施策は単独で行うものではなく、あくまでも良質なコンテンツ提供などの結果として自然とついてくるものです。
こうしたSEO外部施策の立ち位置や基本的な方針についてもご紹介します。
参考:SEOとは? 企業が実施するSEOの目的・内容とメリット・デメリット
参考:被リンクとは?SEOにおける重要性や獲得方法、注意点などを解説
目次
SEO対策は主に、コンテンツSEO、内部対策、外部施策、ユーザー体験(UX)の4つの手法に分類することができます。 それぞれの概要は、以下のとおりです。
今回のテーマである外部施策は「外部からの評価」を高める取り組みです。 インターネット上におけるWebサイトの外部評価は、おもに
の3つの要素を軸に行われます。
外部リンクは他サイトからの被リンクおよびその質と数を、メンションはSNSやブログでの話題性を、指名検索はサイト名などによる直接検索を指しています。
これらの数が多く、質が高いほど、多くのユーザーに支持され、社会的に認知されていると評価され、検索順位もアップしやすくなります。
外部施策の内容や重要性を説明する前に、検索エンジンの検索順位決定の仕組みについてあらためて整理しましょう。
検索順位が決まるまでの流れは、
の3段階に分かれており、外部施策は3段階目のランキングにおいて大きな意味を持ちます。
Googleの検索アルゴリズムは、200以上のランキング要素を用いてランク付けをしています。
Googleが「リンクとコンテンツがランキングにおける最も重要な要素である」と公式に発言していることからも、外部施策はSEOにおいて非常に重要であることがわかるでしょう。
検索エンジン(Google)のアルゴリズムとは?仕組みを知りSEO対策
外部リンクとは、異なるサイト(他サイト)から自サイトへと設定されたリンクを指します。 被リンクとも呼ばれています。
リンクの重要性については、その成立過程を見るのがわかりやすいでしょう。
リンクの重要性とその背景 「Web(ウェブ)」という言葉は、本来「蜘蛛の巣」や「蜘蛛の巣状の網」を意味しています。
もともとは、CERN(セルン:欧州原子核研究機構)に所属していた技術者が、研究論文など複数の文書を相互にリンクさせる仕組みとして、1989年に「World Wide Web(WWW)」を考案したのが始まりであり、その後、世界中に広まりました。
まさに「世界中に広がる蜘蛛の巣状の情報網」が出来上がったわけです。
こうしたWebの成り立ちからも、リンクという仕組みはインターネットの根幹を担っているといえます。
研究論文は、今では無数のWebコンテンツに姿を変えていますが、コンテンツが相互にリンクされてつながることによって、情報網に広がりが生じます。
単独のコンテンツだけでは限られた情報であったものが、他のコンテンツとリンクすることによって乗算的に情報の価値を増やしていくのです。 研究の世界では、優秀な研究論文ほど被引用数が多くなる傾向があります。
この考え方をWebサイトに持ち込んだのがリンクによる評価方法です。
外部リンクを得るということは、「情報をリンクさせる価値のあるコンテンツ」だと他サイトのユーザーから認められ、それだけ必要とされていることを意味します。 だからこそ、Googleはリンクをランキング要素の最も重要な指標の一つとして扱っているのです。
ページランクとは、検索エンジンがWebサイトのランキングを評価する指標の一つであり、外部リンクの数や質を基準として評価が行われます。
この評価においては、リンクジュース(Link Juice)という考え方が重要な位置を占めます。
リンクジュースとは、「Webページ間のリンクを伝わって流れる価値」のことであり、リンクジュースが多く集まっているほどページランクは高くなります。
外部リンクによって多くの「価値」を得てページランクを高めたサイトは、検索エンジンからの評価も高くなるという仕組みです。
以前はページランクが公開され、0から10までの11段階でランキングが行われていたものの、2016年以降はページランクの公開は完全に廃止され、外部からは確認できなくなりました。
しかし、Googleの内部的なアルゴリズムにとっては、現在でも重要な指標の一つであることは変わりません。
「外部リンクによって価値を得る」という考え方から、かつては自演リンクが横行していた時期もありました。
自演リンクとは、複数のドメインを用意してコピーコンテンツを掲載したり、内容がほとんどない薄っぺらなコンテンツのみを掲載したサイトを用意したりして、そこから大量の外部リンクを得ることで検索順位を高めようという手法です。
中には、ブックマークサイトやディレクトリサイトと呼ばれ、リンク以外は中身のないサイトから、大量の外部リンクを「有料で売る」SEO業者も存在していました。 見た目上は外部リンクですが、大量に用意したダミーサイトなので自演リンクと呼ばれていました。 ユーザーにとっては、役に立たないリンクです。
ペンギンアップデートによる自演リンクの終焉 Googleは、これらの自演リンクをユーザーと検索エンジンをだまそうとするスパム的な行為と考え、ペンギンアップデートを通じ、自演リンクを排除するアルゴリズムへと進化させました。
単に評価が低下して検索順位も下がるだけでなく、明示的にペナルティを受けることもあります。
自演リンクは、ペンギンアップデートにより終焉を迎えたといえるでしょう。
その後は、Googleが提示するガイドラインに沿って、ユーザーの役に立つコンテンツやWebサイトを提供するホワイトハットSEOが主流になりました。
リンクに関していえば、コンテンツの良さから自然発生するリンクのみが評価されるようにシフトしていったのです。
外部リンクを評価する際には、リンクの「質」と「数」という2つの軸で評価が行われます。
アルゴリズムのアップデートを経て、質がより重視されるようになってきました。
では、そもそも質の高い外部リンクとはどのようなものなのでしょうか。
質の高いリンクと見なされる要素として、リンクされたコンテンツ同士のトピックが一致あるいは類似していることが挙げられます。
話題が類似しているコンテンツであれば、
といった形で、紹介や参照のリンクが設定されやすくなります。
外部リンクが設定されるのは、コンテンツにユーザーが満足したからこそです。
こうした自然発生的なリンクはナチュラルリンクとも呼ばれます。
自演リンクで使うサイトとは異なり、ナチュラルリンクを設定してくれるサイトはまじめに運営しているサイトが多いため、リンク1本あたりの価値が高まります。
リンクジュースは、リンクを伝わってリンク元サイトの価値が流れ込むという考え方です。
リンクジュースを考える上で重要なのが、「リンク元となったサイトの価値が高いほど、リンクの質も高くなるという点」になります。
いくらトピックが近くても、新規に開設されたサイトからの外部リンクであった場合、そのリンクの質は高いとは評価されません。
なぜなら、リンク元の対象サイトが新しく、まだ他サイトからの外部リンクをあまり集めていないからです。
多くのサイトから外部リンクを得ているサイトは、それだけユーザーに認められた価値の高いサイトであると判断されます。
価値の高いサイトからの外部リンクであれば、そのリンクジュースでは非常に大きな価値が流れてくることになり、リンクの質も高く評価されます。
また、リンク元のサイトが特定のトピックやジャンルのオーソリティである場合も、そこからの外部リンクは高く評価されます。
たとえば、ダイエットサプリをテーマにしたサイトにおいて、有名な病院や大学医学部などからの外部リンクを得ることができれば、オーソリティ(業界の権威)からのリンクとして大きな価値を持つでしょう。
自然発生的な外部リンクや、価値の高いサイトからの外部リンクは、数が少なくても効果が大きいと考えられています。
価値の高いサイトであるかどうかを判断する要素として、かつてはGoogleのページランクが便利でしたが、現在は公表されていません。
ページランクとは若干意味が変わってくるものの、Ahrefs(エイチレフス)などのサードパーティーツールを使うことで、リンク元サイトの価値を確認することもできます(Ahrefsの場合はDR:Domain Ratingで算出)。
質の高い外部リンクが高く評価される一方で、低品質・悪質な外部リンクはサイトの評価を下げることにつながります。
明らかに低品質な外部リンクがあった場合は、対象サイトにリンクの削除を依頼してみる他、Google Search Consoleを用いて被リンクを否認することもできます。
ブログのコメント欄や掲示板に書き込まれたスパムコメントなどから、他サイトへ向けての外部リンクが、自サイトの発リンクとして設定されることもあります。
これは、悪質なサイトに対して自サイトの価値を渡してしまうだけでなく、自サイトの評価にも影響してきます。
このような場合は、リンクタグ(aタグ)の「nofollow」を利用して「自サイトの評価をリンク先ページに渡さない」ように設定します。
低品質なサイトや悪質なサイトから悪影響を受けないようにすることも、SEOの外部施策においては重要です。
外部リンクは、価値の高いサイトから自然発生的に貼られたものが高く評価されます。
自然発生的なリンクは、通常はゆっくりと少しずつ増えていくものです。
自然な外部リンクを受けるためには、「リンクすべきコンテンツ」であると他サイトに判断してもらうことが何よりも大切です。
また、価値の高いサイトやオーソリティ(権威のあるサイト)からの外部リンクを得たり、自身が特定ジャンルのオーソリティになったりすることでも、検索エンジンからの評価は高まります。
良質な外部リンクを獲得するためには、コンテンツSEOが有効であり、コンテンツSEOを適切に実施することが重要です。
まずはしっかりとコンテンツSEOを進めることを心掛けましょう。
コンテンツでSEO対策!プロが教えるユーザーからも検索エンジンからも評価される高品質コンテンツの作り方
せっかく良質なコンテンツを作っても、ただ放置していては外部リンクは増えていきません。
世の中には「モノは良いけれど、あまり知られていない商品」や「高品質だけど売れ行きはイマイチの製品」などはいくらでもあり、これは知名度を上げるための施策が適切でないことが原因であるケースも多々あります。
Webサイトも同様で、そもそもサイトの存在を知ってもらうためにバズ企画を実施するなどして、より積極的に外部リンクを獲得するのも効果的です。
検索エンジンは、インターネット上で単なる話題として取り上げられた場合でも、それがポジティブな内容であれば「ユーザーによる高評価」として評価の対象としています。
これはメンション(Mention:触れる、言及する)、またはサイテーション(Citation:引用、言及)と呼ばれ、SNSやブログ、掲示板などでのポジティブな紹介、口コミなどを指しています。
昨今のSNSの普及によって、メンションの重要度と注目度は高まっているのが現状です。
SNSやブログでポジティブな内容の紹介をするユーザーは、その対象となるコンテンツや製品を「良いもの」だと判断しています(もちろんネガティブな場合は逆ですが)。
自分がよいと思ったからこそメンションし、そこから自然発生的に口コミが広がるという一連の流れは、検索エンジンが重視する「ユーザーが満足した結果としてのリンク」といえます。
一方で、SNSなどにおいては、ユーザーは必ずしもリンクを設定して投稿するわけではありません。
気に入った情報について、テキストや絵文字のみで気軽に書き込むことも多いでしょう。
こうしたリンクのないテキストのみのメンションであっても、SEO的な効果が期待できます。
サイト名や商品・サービス名、URLなどが記載され、それがポジティブな発言と紐付いていれば、なお良いでしょう。
メンションによる外部評価の獲得を狙うには、SNSやブログで取り上げたくなるようなタイトルや見出しを意識するのも効果的です。
「話題として取り上げる、言及する」というメンションの性質を考えると、やはりSNSでのメンション獲得を狙うのが効果的でしょう。
といっても、自サイトに掲載したコンテンツについて、多くのSNSユーザーが突然かつ直接的に取り上げてくれることはほとんどありません。
まずは、自社のSNSアカウントを用意して、そこからコンテンツに関して発信するようにしましょう。
自社アカウントのフォロワーは、コンテンツや企業そのものに関心のあるユーザー層が多くを占めます。
自社アカウントから発信したコンテンツが良質なものであれば、フォロワーは自然とメンションしてくれるようになるのです。
また、SNSにおけるメンションは、Facebookの「いいね」やTwitterのリツイートなどによる拡散が得やすいのも特徴です。
さらに、これらのエンゲージメントは定量的に測定できるため、より効果的なSNS発信へと役立てることができます。
SNSでのメンションが得られれば確かにSEOには効果がありますが、SNSの活用方法を誤ると炎上などの問題を引き起こす恐れもあります。
コンテンツそのものがユーザーに不快感を与えるものであった場合や、ユーザーの興味を考慮せずにコンテンツを押しつけるように宣伝した場合などには、逆にネガティブな評価を得ることになってしまうでしょう。
さらに、投稿の話題性を上げるような人為的操作を加えるプログラムに参加した場合、たとえSNS上では話題になっても、検索エンジンからの評価は下がる恐れがあります。
SNSの根底には、フォロワーとの対話や交流があるという点を十分に理解して、活用するようにしましょう。
指名検索とは、名前を直接指定して検索することです。
つまり、サイト名や店名、サービス名、ブランド名、企業名などによる直接検索を指します。
たとえば、「服 通販」というざっくりとした検索ではなく「ユニクロ」と指定するケースや、「本 通販」ではなく「Amazon」と指定するケース、「SEO会社」ではなく「アイオイクス」と指定するケースなどが、指名検索に相当します。
指名検索を行うユーザーは、そもそも対象のサイトに訪問したり、実店舗に来店したりすることを望んでいます。
この指名検索からSERPs(検索結果ページ)上でサイトがクリックされると、「ユーザーの需要が多い」と検索エンジンに判断されるためにSEO対策としても有効です。
指名検索が行われるためには、そもそもユーザーがブランド名や店名などを知っている必要があります。
指名検索の多さは、その名前がそれだけ社会的に認知され、浸透していることを意味しています。
認知度が高くなれば、SEO的にきわめて有利になります。
ブランド名などでの認知に加えて、対象となる名前がどのようなサービスやコンテンツを提供しているのかまで認知が進めば、より効果が期待できます。
「SEOJapan SEOの方法」や「アイオイクス SEO外部施策」のように、「名称+関連キーワード」での指名検索が行われるようになれば、かなりの社会的認知度であるといえるでしょう。
指名検索を増やすためには、さまざまな対策が必要です。
まずは、良質なコンテンツを発信してリピーターを増やすことを心掛けましょう。
キーワードのみを意識しすぎて肝心の名前が抜けないようにしたり、タイトルや本文中に適切にブランド名などを配置したり、といったことも欠かせません。
また、コンテンツやSEO対策だけでなく、マーケティング施策全体で考えることも重要です。
広告を出して知名度を上げたり、SNSでの口コミ情報で拡散を狙ったりなどの対策に加え、指名検索を意識したネーミングの差別化が必要になることもあります。
指名検索の獲得は、単なるSEOというよりも、「ブランディング全体に関わるテーマである」と理解して取り組むようにしましょう。
かつての外部施策には、自演リンクにより被リンクを増やす、ユーザーのブログを利用したステルスマーケティングを行うなど、「ユーザーによる評価」以外のテクニックを弄するものもありました。
しかし、現在では、こうしたスパム的な手法は検索エンジンからの低評価やペナルティの対象となっています。
逆に定着が進んでいるのが、「質の良いコンテンツであれば、自然と外部リンクやメンション、指名検索も増える」という考え方です。
実際、検索エンジンのアルゴリズムも、こうした自然発生的なリンクやメンションのみを評価しています。
これからの外部施策は、それ自体を目的に単独で行うものではなく、良質なコンテンツを提供した結果として後からついてくるものと考えて進めるようにしましょう。
では、リンクやメンションをするだけの価値のある良質なコンテンツとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
これは、以下の条件を満たすコンテンツであると考えられます。
実際に自分がリンクを設定したり、SNSで投稿したりする立場になって考えてみれば、これらの重要性はわかりやすいことでしょう。
外部施策とは何らかの行動をユーザーに強要するものではありません。 ユーザーによる自発的な評価こそがGoogleも認める外部評価であり、良い評価を得るためには良質なコンテンツが不可欠です。
コンテンツでSEO対策!プロが教えるユーザーからも検索エンジンからも評価される高品質コンテンツの作り方
SEOの外部施策とはインターネット上におけるWebサイトの外部評価による検索上位を目指すSEO手法であり、主に以下の3つとなります。
外部リンクにおいては数よりも質が重要であり、多くのリンクを集めているサイトやオーソリティ(権威のあるサイト)からの外部リンクをいかに得るかが大きく影響してきます。
メンションはSNSの普及にともなって、さらに重要性を増しています。
具体的には、コンテンツと自社アカウントの連携、フォロワーとのやり取りが評価アップにつながるのです。
また、指名検索にはネット以外での認知度アップも必要であり、マーケティング全体を考えながら進めることが必要になります。 どの要素にも共通しているのは、「SEOの外部施策は単独で行うものではなく、また、それ単体で効果を期待するものでもない」ということです。
あくまでも他のSEO対策の結果として、ユーザーによる自然発生的な外部評価が得られたときにのみ、検索エンジンは外部施策を評価します。
そのためには、良質なコンテンツの提供という基本が必要不可欠なのです。
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