クローキングとは 意味・用途

公開日:2020/01/16

最終更新日:2025/07/08

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SEOにおいて、自分のウェブサイトを上位表示させたいという願望は、サイト運営者にとって共通のものです。しかし、その目的のために「クローキング」という不正な手法を用いることは、検索エンジンから厳しいペナルティを受け、最悪の場合、検索結果から完全に削除されるリスクを伴います。

本記事では、この「クローキング」について、その仕組み、危険性、そしてなぜGoogleがこれを厳しく取り締まるのかを詳しく解説します。

クローキングとは

クローキングとは、Googleとユーザーに異なったコンテンツを見せる事を表します。Googleは、全てのWebサイトがユーザーとクローラー(Googleボット)に対して同じコンテンツを見せることを求めており、クローキングはGoogleから推奨されていない行為の一つです。

クローキングの仕組み:検索エンジンとユーザーに異なる内容を見せる

クローキングとは、ウェブサイトが、検索エンジンのクローラー(情報を収集するプログラム)と一般のユーザーに対して、それぞれ異なる内容のコンテンツを提供する手法を指します。

具体的には、以下のような仕組みで動作します。

  1. IPアドレスやユーザーエージェントで識別: ウェブサーバーは、アクセスしてきたのが検索エンジンのクローラーなのか、それとも通常のウェブブラウザを使用しているユーザーなのかを、そのIPアドレスや「ユーザーエージェント」(アクセス元のブラウザやOSの情報)を識別して判断します。
  2. 異なるコンテンツを提供:
    • 検索エンジン向け: SEO効果を高めるために、キーワードを過剰に詰め込んだり、ユーザーには見えないテキストやリンクを隠したりした「最適化された」コンテンツを表示します。これは、検索エンジンのアルゴリズムを欺き、不当に高い順位を獲得しようとするものです。
    • ユーザー向け: 検索結果をクリックしてアクセスしてきたユーザーには、広告だらけのページ、全く関連性のないページ、あるいは質の低いコンテンツを表示します。

このようにして、クローキングは検索エンジンの目を欺き、本来のコンテンツの品質とはかけ離れた評価を得ようとするのです。

なぜクローキングは「悪質」なのか?

クローキングが検索エンジンから悪質な手法と見なされる理由は、主に以下の点にあります。

ユーザー体験の著しい低下

ユーザーは検索結果に表示された情報に基づいてクリックしますが、実際に表示されるページが全く異なる、あるいは質の低いものであれば、期待を裏切られ、不満を感じます。これは、検索エンジンの提供する情報の信頼性を損なう行為です。

検索エンジンの公平性を損なう

クローキングによって、本来評価されるべき質の高いコンテンツが埋もれ、質の低いコンテンツが不当に上位表示されることになります。これは、検索結果の公平性、ひいてはインターネット全体の情報流通の健全性を損なう行為です。

スパム行為と見なされる

Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーにとって価値のある情報を提供することを最優先しており、クローキングのようなユーザーを欺く行為を「スパム」と見なしています。

クローキングの種類

クローキングには、いくつかの具体的な手法があります。

  • IPアドレスベースのクローキング: アクセス元のIPアドレスが検索エンジンのクローラーのものであるかを判別し、異なるコンテンツを配信します。
  • ユーザーエージェントベースのクローキング: アクセス元のユーザーエージェント文字列(例: Googlebot、Bingbotなど)を識別し、コンテンツを切り替えます。
  • JavaScriptクローキング: JavaScriptを使用して、ユーザーには異なるコンテンツを表示し、検索エンジンには別のコンテンツを表示します。
  • Flashクローキング: Flashコンテンツ内に検索エンジン向けのテキストを隠し、ユーザーにはFlashアニメーションのみを表示します。
  • リダイレクトによるクローキング: 検索エンジンには正規のページを表示させ、ユーザーがアクセスするとすぐに別のページにリダイレクトさせます。

クローキングに対するGoogleのスタンスとペナルティ

Googleは、クローキングをウェブマスター向けガイドライン(現在のGoogle検索の基本事項)に違反する明確なスパム行為として非常に厳しく取り締まっています。

クローキングが発覚した場合、以下のような厳しいペナルティが科せられます。

検索順位の著しい降格

不当に獲得した順位が剥奪され、大幅に検索順位が下がります。

インデックスからの削除

最悪の場合、ウェブサイト全体がGoogleのインデックスから完全に削除され、検索結果に一切表示されなくなります。これは、ウェブサイトにとって事実上の「死刑宣告」とも言える非常に重いペナルティです。

手動ペナルティ

Googleのウェブスパムチームが手動でペナルティを適用する場合があります。この場合、Google Search Consoleに通知が届き、ウェブマスターが問題を修正した後に再審査リクエストを提出する必要があります。

一度ペナルティを受けると、それを解除するには時間と労力がかかり、ウェブサイトの信頼性回復も容易ではありません。

クローキングと間違われやすいケース:ホワイトハットSEOとの違い

クローキングは悪質な手法ですが、以下のような正当な理由で行われる技術が、誤ってクローキングと認識されることがあります。

  • コンテンツのパーソナライズ: ユーザーの地域や過去の行動に基づいて、関連性の高いコンテンツを表示する。
  • A/Bテスト: 異なるバージョンのページをユーザーに表示し、どちらがより効果的かをテストする。
  • 異なるデバイス向けのコンテンツ提供: スマートフォンユーザーにはモバイルフレンドリーなコンテンツを、PCユーザーにはPCに最適化されたコンテンツを提供する。

これらは、ユーザー体験を向上させるための正当な手法であり、検索エンジンもこれを推奨しています。重要なのは、検索エンジンとユーザーに見せるコンテンツの「意図」が異なるかどうかです。ユーザー体験の向上を目的としたものであれば問題ありませんが、検索エンジンを欺く意図があればクローキングと見なされます。

まとめ:健全なSEOのためにクローキングは避けるべき

クローキングは、短期的な利益を追求するために検索エンジンとユーザーを欺く、非常にリスクの高い悪質なSEO手法です。Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーに高品質な情報を提供するために日々アルゴリズムを改善しており、不正な手法は確実に検出され、厳しいペナルティが科せられます。

ウェブサイトの長期的な成功のためには、クローキングのような不正な手段に頼るのではなく、ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツを作成し、健全なSEO対策を行うことが最も重要です。

検索エンジンのガイドラインを遵守し、正直かつ倫理的な方法でウェブサイトを運営することが、最終的に安定した検索順位とユーザーからの信頼を得るための唯一の道と言えるでしょう。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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