AI技術の自然言語処理(NLP)とは?できることと活用事例

公開日:2024/01/18

最終更新日:2024/02/28

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AIが「言葉」を分析する技術である自然言語処理(NLP)に注目が集まっています。しかし、自然言語処理(NLP)は具体的に何ができるのか、どのような技術に使われているのか、よくわからないという方も多いでしょう。そこで本記事では、自然言語処理(NLP)について、自然言語処理で可能なことやその手法、活用例などをわかりやすく解説します。自然言語処理を理解したい方はぜひ参考にしてみください。

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自然言語処理(NLP)とは

自然言語処理(NLP)とは、人間が生まれながら使用している言語である「自然言語」をAIが分析する技術のことです。自然言語は日本語や英語など、人間が日常的なコミュニケーションや文章作成で使用する言葉です。反対に、プログラミング言語やHTML、CSSなどのWebに使われる言語を「人工言語」といいます。AIが自然言語のテキストデータを分析して処理することで、人間と機械の円滑なコミュニケーションを実現しています。

自然言語処理でできること

自然言語処理の技術は、大きく次の2種類に分けられます。

  • 自然言語理解:人が自然言語を用いて書いた文章に対して行う処理
  • 自然言語生成:機械に自然言語を用いた文章を生成させる技術

自然言語理解はメールのタイトルや内容をもとに分類したり、検索エンジンにおいて検索クエリから最適な結果を表示したりする際に使われています。自然言語生成は文章の要約や機械翻訳などに使われています。

この自然言語理解と自然言語生成の技術を組み合わせ、質疑応答などを可能にしたのが「ChatGPT」です。ChatGPTは、それぞれ個別に行っていた処理を1つのシステムでこなせるため注目を集めています。

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自然言語処理の仕組み

明確なルールがある人工言語に比べて、自然言語は曖昧な部分が多いことが特徴です。曖昧性を克服するために、次の4つのステップで自然言語処理が行われています。

  1. 形態素解析:自然言語で構成された文章を単語に分割する作業、最小単位である単語に分けることで意味を解析しやすくなる
  2. 構文解析:単語の関係性を解析する作業、文法的に考えられる構造を列挙する
  3. 意味解析:構文解析をした文章は意味が定まっていないため、辞書のデータをもとに単語同士の意味や関係性をリサーチする
  4. 文脈解析::同じ文章でも文脈によって異なる意味を持つケースがあるため、文脈の意味を明確にするために、前後の文章などを含めて文脈を明らかにする

このような流れを経て、自然言語の翻訳を行ったり、文章を生成したりしています。

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自然言語処理の手法

自然言語処理に用いられている代表的な手法は3つあります。

共起語解析

ある言葉と関連性が深い言葉を「共起語」といいます。共起語の解析はユーザーのニーズを把握するために非常に役立ちます。

たとえば、「コーヒー」の共起語は「香り」「コーヒー豆」「ギフト」「通販」などです。検索エンジンを使ってこのワードを検索する際、コーヒーについて知識を深めたい人は「コーヒー 香り」と検索するかもしれません。一方で、コーヒーを購入したい人は「コーヒー 通販」と検索するかもしれません。このように共起語を解析することによって、ユーザーの顕在ニーズや潜在ニーズを判断しやすくなるのです。

トピックモデル

テキストデータがどのような内容なのか、どのようなトピックを扱っているのかを解析する技術がトピックモデルです。従来は潜在意味解析といって、テキストデータ内の単語の数や頻度からトピックを判断していましたが、複数のトピックが含まれる場合、分類がわかりにくい点が課題とされてきました。

しかし、トピックモデルは複数のトピックの確率から全体の確率を算出するため、そのテキストデータの大きなテーマやカテゴリが把握しやすいという特徴があります。これによって、テキストデータの分類が容易になり、記事のタグ付けやカテゴリ設定がしやすくなりました。

感情分析

感情分析は、テキストデータに含まれる単語をもとに感情を分析します。

たとえば、SNSの投稿や口コミにおいて「おすすめしたい」「役に立つ」などの単語は感情分析でポジティブと判断され、「星1つ」「つまらない」などの単語はネガティブと判断されます。また、「普通」「まあまあ」といった単語が含まれていたり、ポジティブにもネガティブにもとれない単語が多かったりする場合は、ニュートラルに分類されるようです。

感情分析はテキスト全体ではなく単語ごとに判断を行い、ポジティブな単語は加点、ネガティブな単語は減点対象となり、総合結果が導かれます。ネガティブな単語が多くても結果的にポジティブな印象の投稿や口コミは、「ネガポジ判定」とされることもあります。

自然言語処理の活用例

自然言語処理は日常生活の身近な場面でも多く使われています。数ある技術のなかでも、一般的な技術を7つ紹介します。

AIチャットボット

質疑応答などに使われるシステムであるAIチャットボットには、自然言語処理が使われています。データやログを学習したAIが最適な回答を生成してくれるため、カスタマーサポートにかかる人材コストを大幅に削減できるとして注目を集めています。AIチャットボットは、人間が入力した文章を理解し、回答を生成する際に自然言語処理が用いられています。あらかじめシナリオが設定されているチャットボットは、登録した内容のみが表示されるため、自然言語処理の技術は使われていません。

音声認識

人間が発した自然言語を理解して処理する音声認識AIは、基本的に自然言語処理が用いられています。音声検索や音声による機器への指示をはじめ、音声認識を活用した議事録作成では音声認識したデータをテキスト化できるため、ビジネスシーンで注目を集めています。また、データやログの学習によって、専門用語や会社内で用いられる用語を理解できるようになれば、より精度の高い議事録を作成することも可能です。

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AI-OCR

AI-OCRは、手書きされた自然言語の文字をカメラが認識して、文字データに変換する技術です。手書きのアンケートやテストの答案用紙などをスキャンすれば、自然言語処理が行われ、テキスト編集可能なデータを生成することができます。紙媒体の内容を電子化することによって、事務手続きをスムーズに行ったり、データ分析したりするために役立ちます。

翻訳

Google翻訳など、テキストや音声の翻訳サービスにも自然言語処理が使われています。入力した言語をすばやく分析し、他言語の近い言葉を探して提案してくれる翻訳サービスは年々精度が高まりつつあり、数多くの言語に対応しています。なかには翻訳の結果をテキストと音声の両方で提示してくれるサービスもあり、音声を再生すれば他言語を話す人とも会話できるようになっています。

ビッグデータ活用

人間の力では全体の構造を把握するのが難しい大量のデータ群である「ビッグデータ」の分析や活用を行うためにも、自然言語処理が採用されています。ビッグデータの構造をわかりやすく整理して分析しやすい状態に処理するためには、大量のデータのなかから必要な情報を摘出する「テキストマイニング」の技術が使われます。テキストマイニングではテキストの形態素解析が行われ、単語の出現頻度や単語同士の関係性を明確にした上で、有益な情報が抽出されます。これまで難しかったビッグデータが活用できるようになったことで、マーケティングの幅が大きく広がると注目を集めています。

検索エンジン

自然言語処理はSEOにおいても重要な役割を担っています。自然言語処理を行ってサイトの構造やページの内容を正確に把握したり、ユーザーが入力した検索クエリを分析して処理したりすることによって、ユーザーが求める最適な結果の提供が可能になります。実際にGoogleでは文脈が理解できる自然言語処理技術である「BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)」を導入し、ユーザーの検索意図をより正確に読み取れるよう、アップデートが行われています。

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文章の要約

自然言語処理は文章の要約にも活用されており、おもに次の2つのアルゴリズムが使われています。

  • 自動要約:テキストデータのなかから抽出した単語と文章をもとに、要約を作成するアルゴリズム
  • 抽出的要約:テキストデータを解析し、言い換えたり表現を短縮したりしながら自然な文章を生成するアルゴリズム

抽出的要約は人間が行ったような要約を生成できるというメリットがありますが、アルゴリズムが複雑化する傾向にあるため、簡単なアルゴリズムである自動要約が主流となっています。

まとめ

人間が普段使っている言葉のデータを分析できる自然言語処理(NLP)は今後もますます需要が高まる技術といえるでしょう。また、検索エンジンは、Webページの内容を理解し、ユーザーの検索クエリに最も適した結果を提供するために、自然言語処理を使用するため、SEOについても大きな役割を果たしています。自然言語処理(NLP)について理解を深めることで、新たな視点からSEO対策が行えるでしょう。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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