Bardは、Googleが開発した対話型のAIサービスです。対話型AIサービスといえばChatGPTが有名ですが、BardとChatGPTはどのような違いがあるのでしょうか。本記事ではBardの特徴を明確にしつつ、基本的な使い方やおすすめの活用方法、ChatGPTとの違いについて解説します。
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目次
Gemini(旧Google Bard)とは、Googleが開発したいわゆる個人向けの対話型AIツールで、質問(プロンプト)を入力することで回答が得られるツールです。前身となるGoogle Bardは、2023年3月にリリースされ、2023年5月からは日本語対応がスタートし、世界のIT業界をリードするGoogleが開発した生成AIとして注目を集めました。
当初は「PaLM 2」という同社の大規模言語モデルを搭載していましたが、2023年12月にGoogleは最新のマルチモーダル生成AIモデル「Gemini」シリーズを公開。搭載AIモデルが「PaLM 2」から「Gemini Pro」に変更しました。Geminiは主要な指標の多くでGPT-4を上回っており、GPT-4を凌ぐともいわれています。
情報収集はもちろんのこと、文章作成や悩みごとの相談など、ビジネスからプライベートまで幅広いシーンでの活用が期待されています。
Gemini(旧Google Bard)は、Google の大規模言語モデル(LLM)である PaLM 2を利用しています。膨大な言語パターンを学習し、文章のなかで「次にくる単語」を高精度で予測することが可能です。これにより、まるで人間が話しているかのような自然な文章を生成できます。回答にはある程度の柔軟性が与えられており、機械的ではないユニークな回答を期待できるでしょう。
また、Googleの検索エンジンと連携しており、回答結果にはGoogleの検索結果に遷移するボタンが表示されます。これにより、ユーザーはエビデンスとなるWebページや、より詳細な情報をシームレスに確認することが可能です。こうした生成AIによる検索体験を「SGE」といいます。
そのほか、Google Workspaceとの併用にも対応しており、Gemini(旧Google Bard)の回答をGmailやドキュメントに直接エクスポートして、文章作成や共有などのアクションをスムーズにとることができます。Googleのサービスを頻繁に利用する方にとっては、とくに使いやすいサービスといえるでしょう。
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Gemini(旧Google Bard)は、個人向けサービスとしてのプランがあります。
アプリのダウンロードなども不要で、ブラウザで気軽に利用できるのもポイントです。本格的な運用開始時期は明らかになっていませんが、2023年12月7日には高性能AIモデル「Gemini」を調整した「Gemini Pro」が搭載されるなど、さらなる進化を続けています。2024年1月時点では「Gemini Pro」は英語版のみのリリースですが、いずれ日本語にも対応すると考えられます。
ほかにも、2024年の始めには最上位モデルの「Gemini Ultra」で動作する「Bard Advanced(料金未定)」をリリース予定です。本格的な運用開始に向け、進化を続けるBardから目が離せません。
Gemini(旧Google Bard)とChatGPTは、どちらもユーザーの質問(プロンプト)に対して膨大な学習データを活用し、コンテンツを出力する「生成AI」の一種です。基本的な機能は同じですが、両者には以下のような違いがあります。
ChatGPTは1つの質問に対して1つの回答を生成するのに対し、Geminiは1つの質問に対して内容の異なる3つの回答を生成します。複数の回答のなかから、ユーザーが最も適していると考えるものを自由に選択することが可能です。また、どの回答もしっくりこなかった場合も、ボタン1つで回答をスムーズに再生成できます。
ChatGPTは2022年1月までの情報から回答を生成するのに対し、Geminiはより最新の情報に基づく回答を生成可能です。最近のニュースや時事問題に関する事柄も、Geminiなら的確な回答を期待できるでしょう。ChatGPTの最新バージョンのひとつである「GPT-4V」との比較においては、いくつかの分野でGeminiのほうが正確な結果を返しているという情報もあります。
ChatGPTはスマホアプリが用意されていますが、Geminiはブラウザサービスのみです。(2024年1月時点)外出先やスキマ時間で手軽に利用できるのは、ChatGPTの強みといえるでしょう。
ただし、Geminiは定期的なアップデートでさまざまな動きを見せているので、今後スマホアプリが登場する可能性はあります。
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ここからは、Geminiの具体的な使い方を紹介します。基本的な利用方法は以下のとおりです。
Geminiを利用するためには、Googleアカウントが必要です。アカウントを持っていない場合は、あらかじめ作成しておきましょう。
Geminiにアクセスし、ログインボタンからGoogleアカウントにログインします。「Geminiを試す」のボタンをクリックし、利用規約を読んだら同意ボタンを押しましょう。
Geminiに質問したい内容や指示をテキストボックスに入力します。
テキストボックスの右側にある三角形のボタンをクリックすると、回答が生成されます。
テキストボックスの横にある「画像をアップロード」をクリックし、画像を選択するだけでOKです。
プロンプト画面の右上にある編集ボタンをクリックし、内容を変更したら「更新」をクリックします。
Geminiは、アイデア次第でさまざまな活用方法が考えられます。とくにおすすめなのは以下の8つの方法です。
Geminiは、プログラミングのサポートが可能です。「◯◯のソースコードを作成してください」と入力するだけで、コードが自動的に出力されます。簡単なものから複雑なものまで、幅広く対応可能です。
前述のとおり、Geminiは比較的新しい情報も学習しています。最近のニュースやトレンドも学習しており、最新の情報をスムーズに入手できます。
最近では、文章の校閲・校正に生成AIを利用する人が増加しています。変換ミスや言葉遣いなどを自動で修正してくれるため、ビジネスシーンでも役に立つでしょう。
Geminiなら英語だけでなく、中国語やドイツ語など多言語への翻訳が可能です。また、直前に入力した文章を記憶しているため、同じ文章を入力し直さなくても、複数の言語の文章を連続で生成できます。
取引先への挨拶や求人情報など、ある程度テンプレートが決まっている文章の作成にも役立ちます。利用シーンに合わせてテンプレートを作成しておけば、作業の効率化を図れるでしょう。
生成AIは、Webメディアやブログの記事執筆にも活用できます。文章の内容がすべて正しいとは限りませんが、見出しや構成案のアイデア出しや文章の手直しをしてもらえたり、ファクトチェックを行ったりするだけで記事を量産できるのが強みです。
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Webページを指定して要約を頼めば、記事の要点を簡潔にまとめてくれます。たとえば、文章のボリュームが多く、複雑な内容の記事も、すみやかに要点を把握できるでしょう。
GoogleドキュメントやGmailなど、Googleの各種サービスと連携できるのもGeminiの強みです。Bardで資料の下書きを作成し、ドキュメントにエクスポートして調整することもできます。
Geminiを利用する際は、以下のポイントに注意しましょう。
Geminiに限った話ではありませんが、生成AIは常に正しい回答を出力するとは限りません。AIが参照した情報がそもそも間違っていたり、ユーザーの質問(プロンプト)の意味を誤解したりする場合もあります。
このように、AIが事実に基づかない情報を生成することを「ハルシネーション」といいます。とくに、他者に公開する文章を作成する際は、ユーザーがファクトチェック実施し、情報の正確性を確認することが重要です。BardはGoogleの検索結果に遷移するボタンがあるので、ファクトチェックを容易に行えるのも魅力です。
生成AIで文章を作成すると、どこかのWebページにある一文をほとんどそのまま使用する場合があります。また、著作権で保護されているコンテンツを学習し、ユニークな表現などをそのまま出力してしまう可能性もあるでしょう。
GoogleやMicrosoft、OpenAIなど、生成AIの提供元は、いずれも「生成AIによる著作権侵害の責任はユーザーが負うべき」という旨の主張をしています。コンテンツの作成に生成AIを活用する際は、十分注意が必要です。
Googleは、ユーザーの位置情報やBardの会話ログを最長3年間保管します。情報はプライバシーに配慮し安全に保管されますが、不正アクセスのリスクはゼロではありません。そのため、住所やID・パスワード、クレジットカード情報など、重大な個人情報は入力しないことを推奨します。
Geminiをはじめとする高性能な会話形AIの登場により、今後は情報調査のかたちが大きく変わる可能性があります。
たとえば、「欲しい情報」があるとき、従来のように検索エンジンを使うのではなく、生成AIに質問を投げかけるユーザーが増加すると考えられます。また、生成AIは文章の要約も可能なため、ユーザーは、長々とした解説を読まずとも要点を素早くキャッチできるというメリットがあります。
このように、情報調査のスタンダードが変化していくと、SEO施策の効果が薄れてしまうことが懸念されます。SEOは「検索エンジン最適化」の名のとおり検索エンジンでの表示順を上昇させるための取り組みなため、検索エンジンの利用者数が激減すると、これまでのような効果を期待できなくなってしまうでしょう。
しかし、前述のとおり、生成AIは常に正しい回答を出力するとは限りません。誤った情報を出力する可能性は十分にあるため、検索エンジンを用いたファクトチェックはほぼ必須なのが現状です。そのため、すぐさま検索エンジンが生成AIに取って代わられるようなことにはならないでしょう。
生成AIとSEOは相反するものではなく、「AIが出力した情報を検索エンジンで精査する」「検索エンジンで調べた内容を理解できない場合に、AIに要約を頼む」など、検索エンジンと生成AIを上手に組み合わせて活用することが大切です。
Geminiは、Googleが開発した生成AIです。イメージとしてはChatGPTに近いですが、「複数の回答が表示される」「Googleの各種サービスと連携できる」など、Geminiにしかない強みがあります。長文の要約や定型文の作成など、ビジネスでも利用できるシーンが多いので、上手に活用しましょう。
ただし、質問に対し生成される回答によっては誤っているケースもあります。今後も検索エンジンの必要性は高く、SEO対策も重要です。
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