5/11にGoogleはユーザー体験をランキングシグナルとするCore Web Vitalsを発表しました。
平たく言えば、ユーザー体験が順位に影響することになりますが、その実装は2021年以降になるとのことです。
ただし、Googleから正式に告知された以上、一度「自身のサイトのユーザー体験(UX)は良いものかどうか」を確認しておきたいですね。
今回の記事は、ニール・パテル氏がユーザー体験とSEO、そしてその具体的なチェック方法を述べたものになります。ぜひ今のうちに確認してみてはいかがでしょうか。
まだ心配は無用だ。
ページエクスペリエンスアルゴリズムのアップデート(Core Web Vitals)はまだロールアップデートされておらず、トラフィックへの影響はまだない。
Googleによると、そのアップデートは2021年になるということだ。
新型コロナウイルスが原因で、Googleは将来のアルゴリズムアップデートと、それに伴うものについて、予告することを決定した。
つまり、Webサイトを見直す時間ができ、それによってトラフィックの急激な減少を防ぐことができる。
本題に入ろう。ページエクスペリエンスアップデートとは何だろうか?
目次
ページエクスペリエンス(Page Experience)とは、Googleによると次のとおりである。
ページ エクスペリエンス シグナルは、ユーザーがウェブページの操作体験をどのように感じるかという側面を測定するものです。
これらの側面を最適化することは、すべてのウェブブラウザおよびサーフェス全体でユーザーにとってウェブをより快適なものにし、モバイルに対するユーザーの期待に沿ってサイトを進化させるのに役立ちます。
ユーザーはもっとサイトを利用するようになり、よりストレスを感じずに操作できるようになるので、そうした取り組みはウェブでのビジネスの成功に寄与すると考えています。
※参照:より快適なウェブの実現に向けたページ エクスペリエンスの評価
言い換えれば、彼らは「Webサイトの使いやすさ」を探しているということだ。
以下の動画は彼らが望まない例だ。
この動画からわかるように、ユーザーは「No, go back」をクリックしようとしたが、インストールバーが上部にポップアップされたため、ページ全体が押し下げられ、ユーザーが誤って「Yes, place my order」をクリックしてしまった。
ページエクスペリエンスアップデートの目的は、上位に表示されているサイトが、ユーザーが嫌う体験を作成していないことを確認することになる。
このアップデートについて考える最も簡単な方法は、「ユーザーフレンドリーなサイトがユーザーフレンドリーでないサイトよりも上位表示されること」だ。
しかし、この変化はSEOにとって大きなものとなる。
Googleが上位に表示したいと思うサイトは何だろうか。考えてみてほしい。
実際には、そのどちらでもない。Googleは、ユーザーが最も愛するサイトを上位表示したいと考えている。
例えば、運動靴を買いたいとき、どんなブランドが思い浮かぶだろうか。
おそらく、NIKEが真っ先に思い浮かぶことだろう。
クレジットカードなら、Visa・Amerikan Express・Mastercardが思い浮かぶのではないか。
これがブランドクエリ(指名検索)がランキングに影響を与える理由だ。これは私が学んだ最も重要なSEOの教訓の一つとして分類している。
※参考:3,000万ユーザーを集客した結果わかった、SEOに関する30の教訓
Neil Patelの指名検索が時間と共にどのように成長しているのかを見てほしい。下のグラフは、時間の経過と共に私の名前を検索している人々の数を示している。
そして、これが私のSEOの成果推移である。
ブランドが成長するにつれて、自然流入数も増加する。
しかし、それは古い情報であり、何年もの間Googleのアルゴリズムの一部であった。
一方でこちらは事実となるが、ほとんどのサイトはブランドと呼べるほどのものではなく、Googleもそれを理解している。そのため、ブランドがなくても順位は付く。
私のクライアントとその成長を見てみると、有名な大規模ブランドを持つ企業はわずか4%に過ぎない。しかし、残りの96%は依然として流入数の増加が見られる。
Googleが行っていることは、「ユーザーが最も愛するサイトを1位に表示する」という使命により密接に一致するようにアルゴリズムを適応させることだ。
そして、指名検索を増やすというのは方法のひとつであるが、ユーザー体験はまた別の指標である。
今後数年間で、ユーザー体験に焦点を当てた多くのアルゴリズムアップデートが発表されることだろう。
それでは、ユーザー体験をどのように最適化していくべきだろうか。
Googleが将来のアルゴリズムアップデートについて述べた記事を見ると、「ページエクスペリエンス」、または「Webサイトエクスペリエンス」が強調されている。
「Webサイト全体が良いユーザー体験を持っていなくてはならない」という意味ではないが、その代わりに彼らは個別のページの評価から始めることだろう。
Webサイトにユーザー体験の悪いページがいくつかあるものの、他は良い場合において、サイト全体のランキングを下げることはGoogleにとって意味がない。
特に多くのページが競合よりもはるかに優れた体験を提供する場合は。
ユーザー体験を最適化する方法は以下のとおりだ。
Webサイトの読み込みが速いほど、より良い体験が得られる。
SEOアナライザーでURLを入力してみてほしい。
すると、次のようなレポートが表示される。
上記のスクリーンショットで強調したユーザーエクスペリエンスに影響を与えるレポートの2つの重要性に気づくだろう。
このヘルスチェックボックスでは、壊れたページがないことを確認する必要がある。壊れたページは悪い体験を生み出す。
ページスピードのボックスには、サイトの読み込み時間が表示される。ページスピードが速いほど、読み込みが速くなる。デスクトップとモバイルの両方で、Webサイトのロード時間を3秒未満にしよう。
理想を言えば、1秒未満に留めたいところだ。
あなたのサイトは素晴らしいユーザー体験を提供しているかもしれないが、それはあなたのSEOにどう関係しているだろうか?
Ubersuggestで、競合相手のURLを入力してほしい。
ナビゲーションに移動し、トップページをクリックする。
すると、次のようなレポートが表示される。
トップページのレポートは、SEOの観点から、競合サイトで最も人気のあるページを示している。上に行くほど、流入数の多いページとなる。つまり、適切な処理が行われているということだ。
彼らの上位50ページを見てほしい。それらのページをくまなく、真剣に見て、ユーザー体験を確認してみよう。
彼らは何をしているのだろうか。コンテンツの品質はあなたのサイトとどう違うだろうか。あなたと彼らのサイトの違いは何だろうか。
順位付けされた各ページについて、「View All」をクリックすると、各ページがどのようなキーワードで順位が付いているかが表示される。
競合のユーザー体験を評価する際は、それらのキーワードで検索するユーザーが、どのように喜んでいるかを考えてほしい。考えることで、「何をすべきか」という示唆が与えられることだろう。
ただし、「競合に合わせること」ではなく、「競合より優れること」であることを忘れないでほしい。
この動画を覚えているだろうか。設計に課題を抱えているUIだ。
多くの場合、そのような問題が生じることはないが、他のユーザビリティの問題がある。
ユーザビリティの問題を見つけるには、ヒートマップを使用することだ。
ユーザビリティの問題を見つけるためには、Crazy Eggでテストを実行すると良い。
Crazy Eggにログインすると、次のようなダッシュボードが表示される。
右上の「Create new」をクリックして、「Snapshot」を選択しよう。
次に、「Multiple Snapshots」を選択する。
そこから、少なくとも3つのポピュラーなURLを追加する必要がある。やがて、すべてのページでテストを実行することになる。
次に、以下の画像のような設定が表示される。ここでは何もする必要がないため、「Next」をクリックする。
すると、すべての設定を確認できるようになる。問題がなければ、右下の「Create Snapshots」ボタンをクリックする。
最後に重要なこととして、トラッキングスクリプトをインストールする必要がある。
「Install Tracking Script」をクリックしよう。
次にオプションを選択しよう。例えば、NeilPatel.comではWordPressを使用しているため、WordPressオプションを選択する。
セットアップが完了すると、結果が表示されるまでに少なくとも1日待つことになる。その期間はサイトの流入数によって前後する。
もし、1日に何千ものアクセスがあるなら、数時間以内に結果が得られるだろう。
テストを設定して数日が経過したら、Crazy Eggに再度ログインして、サイドバーの「SNAPSHOTS」をクリックする。
移動すると、作成したスナップショットのリストが表示される。
スナップショットのいずれかをクリックすると、人々があなたのページにどのように関与しているかというヒートマップが表示される。
砂プショットの優れた点は、1回クリックするたびに表示されることだ。NeilPatel.comのサイトの例を見てほしい。
ご覧のように、人々はテキストの上にある画像をクリックしている。しかし、問題がある。その問題を推測できるだろうか?
これらの画像をクリックしても何も起こらない。しかし、クリックされるということは、「クリックすると何かが起こるはずだ」と思われていることに他ならない。
簡単に修正するなら、それらをクリック可能にすることだ。ユーザーがクリックした時に、各機能の詳細を説明するページに移動させる。もしくは、各機能についての説明を加えることもできるだろう。
ページに修正を加えたら、同じページでCrazy Eggのスナップショットを撮り直し、その修正がユーザー体験の向上に役立ったかどうかを確認する。
UbersuggestのChrome拡張機能をインストールしていない場合は、ぜひインストールしてほしい。
インストールすると、Google検索を実行した際に、各URLのデータが表示される。
1日を通して自然にGoogleを使用しており、業界に関連するキーワードを検索している際、Ubersuggestの2つの主要な指標を確認してほしい。
したがって、検索を行う場合はドメインスコアが低く、バックリンクが少ないサイトを探すことになるが、それでも上位に表示されているサイトがある。
これは推測だが、ユーザー体験が良いなどの理由で上位に表示されている。
彼らのコンテンツは競合のものより魅力的なのかもしれない。そのページの直帰率は競合より低いのかもしれない。
様々な理由が考えられるが、そういったサイトはぜひ分析したいところだ。
上野画像では、AMAの順位がHubspotより高くなっているが、リンクの数もドメインスコアもHubspotより劣っている。そのため、AMAの方がより高品質なページと言え、分析する価値はあるだろう。
ユーザー体験は、この先ますます重要になっていく。
あなたが自身のサイトを愛していて、他の誰もがそのサイトを愛しているなら、Googleは最終的にそのサイトが上位表示されることを確認したいだろう。
反対に、誰もがWebサイトのユーザー体験が悪いと感じている場合、Googleはそのサイトを長期的には評価しないだろう。
Googleのアルゴリズムアップデートと同様に、時間の経過と共に複数のアップデートが行われることを期待してほしい。彼らが学ぶにつれて、アルゴリズムをより効果的にするように適応するだろう。
しかし、今回のアップデートのユニークな点は、事前の通知があることだ。この機会を利用して、ユーザビリティの問題を修正しよう。
あなたのWebサイトをより使いやすくする方法には、何があるだろうか?
ページエクスペリエンス、ユーザー体験を良くする上での考え方や具体的な方法がわかりやすくまとまった記事でした。
特にヒートマップを使ったサイト改善は有名ですが、「まだヒートマップは使ったことがない」という方はぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
ページを改善することは、コンバージョンの改善にも繋がります。やるべきことは多いですが、アップデートの告知をひとつの機会として、施策を整理してみるのも良いかもしれません。
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