メモ:最近、私にこの記事を書く動機を与えたいくつかの記事があった(1つはコンテンツマーケティングの誇大広告に関すること、1つは具体的に“コンテンツマーケティング”という用語に関すること)。
遡って2001年、私はPenton Mediaのカスタムメディア部門の一部としてコンテンツマーケティングサービスを販売し始めた。大部分は、大きなB2B組織にカスタムマガジンと印刷したニュースレターを販売していた。オンラインのホワイトペーパーやオンラインセミナーのようなものは売り始めたばかりだった。
その当時、コンテンツマーケティングというような言葉はなかった。カスタム・パブリッシングというのが、今のコンテンツマーケティング業界に値する用語だった。90年代後半には、デジタルコンテンツ現象に応えてカスタムメディアが業界用語としてカスタム・パブリッシングに取って代わり始めた。
私たちPenton Custom Mediaでは、グループとして、マーケティングは資産であるべきで、オリジナルの関連情報を顧客に届けることが極めて重要であるという考えを信じていた。広告の存在も評価はしていたが、広告が機能したとしても顧客はさらなる情報を求めるだろうし、求める情報がなければ、どこかに行ってしまうか別の誰かの情報に頼ってしまうかもしれないという考えを持っていた。さらに私たちは、顧客維持はマーケティングのゴール設定の最も不十分な部分で、顧客への継続したコンテンツ(メディア企業風に)が顧客をそのブランドの支持者に変えるための答えだと信じていた。
とは言うものの、これは私たちの顧客の大部分にとって新しいコンセプトだった。ブランドがストーリーを伝えるアイディアは何百年も存在していたにもかかわらず。
コンテンツマーケティングを売ることは決して簡単ではなかった。10年前、シニアマーケッターはまだバナーやボタンやダイレクトEメールに夢中だった。コンテンツ制作は文字通り彼らの頭の中で最後のことだった。
しかし、私たちは目的を貫いた。私たちが“カスタム・パブリッシング”というフレーズを使用する時、マーケッターは印刷物か本を思い浮かべた。
カスタムメディア?カスタムコンテンツ? もっと具体的に言ってくれる?
ブランドジャーナリズム…おい、私たちはパブリッシャーではない。 コーポレート・コンテンツ/メディア…それって社内報のためのもの?
カスタマーメディア…あまりにヨーロッパ風だ。
ブランドストーリーテリング…これってフィクション?
それは本当にチャレンジだった。なぜなら、私たちの業界は、それをたくさんの名前で扱っていたし、私たちが実際に売っているものを説明するには時間がかかったからだ。
ある日の営業訪問中に、私は、大きな製造会社のマーケティング部長に“あなたのコンテンツマーケティング戦略は何ですか?”と聞いた。彼は少し疑わしげな視線を私に向けた(想像できる通り)が、身を乗り出して、“説明してくれる?”と尋ねてきた。
ほお、コンテンツマーケティング…心当たりがあるような気がする。
“コンテンツマーケティングとは、自分自身を本物の業界エキスパートとして位置付けるため、価値があり関連性があり魅力のある独自コンテンツを作ることです。そのコンテンツを通して、見込み客と顧客はあなたをより信用し、あなたからより買おうと思うようになります。それはあなたの業界のためのメディア企業のようなものですが、あなたは広告を売り込む代わりに、あなたは、顧客がいっそう多くの製品やサービスをあなたから購入したり、彼らを顧客として維持するよりよいチャンスを作り出すという信念を持って顧客に関与するのです。雑誌、PR記事、ホワイトペーパー、ニュースレター、さらにはオンラインセミナー、ウェブコンテンツなど、コンテンツマーケティングにはたくさんの形が存在します。”
このマーケティング部長は興味をそそられ提案書を依頼するまでしたが、結局採用はしなかった(代わりに6倍の印刷広告を買った)。しかし、最終的に、私は“コンテンツマーケティング”に対する彼の反応を気に入った。
2001年から2007年、私はたくさんのフレーズを試し続け、営業訪問に関する様々な指示を受けた。年が経つにつれ、ますますコンテンツマーケティングは他のことよりも共鳴するように思えた。2005/2006年には、私はコンテンツマーケティングが業界の言葉になるだろうと思い始めた。
2007年、私が今のContent Marketing Instituteになるものをローンチした時は、コンテンツマーケティングが、組織がメディア企業のように活動するためのフレーズになるだろうという信念のもとにビジネスモデル全体を築いた。そして、2007年4月26日、Why Content Marketing?が、私の600にも及ぶブログ投稿の最初の記事として書かれた。
驚くほどの幸運とコンテンツマーケティングのアイディアと実践の周囲に私たちが開拓した各種コンテンツはさておき、私はそれが業界用語になったと信じている。なぜなら:
私は、コンテンツマーケティングという表現がどれだけ正しい言葉ではないかとか、そんな新しい業界用語を作り出すアイディアがばかげていると非難する多くの記事を読んできた。私の主張は、コンテンツマーケティングは数百年もあったにもかかわらず、それが中核となるマーケティング分野として早く進まなかった1つの理由は、マーケッターがそれについて賢い会話を持つことができなかったからだというものだ。誰もがそれを違うもので呼んでいたため、進展が訪れるのは難しかった(バベルの塔を考えてみるのだ)。
ここ何年かの検索トレンド:Content Marketing vs. Custom Publishing
あなたがコンテンツマーケティングという言葉を好きか嫌いかにかかわらず、この業界は一体になっていて、私たちはその分野を一緒に学んでいる(詳しくは、このAltimeterのコンテンツマーケティングレポートとこのCMI/MarketingProfsレポートを見よう)。確かに、この先は長いが、私たちはみんな正しい方向に向かっているのだ。そして、驚くことに、私たちがこんなにも早くここまで進歩したにも関わらず、もしコンテンツマーケティングが野球のゲームであるとするなら、私たちはちょうどファーストイニングのダッグアウトから抜け出しているところなのだ。この新しいマーケティング部門は今、部分的にマーケティングで部分的にパブリッシングだ。このタイプの進化は時間がかかるだろう。特に大きな組織にとっては。
1つ確かなことは、人々に影響を与える価値のあるコンテンツを作る最大のチャンスを持っているのは、個人のユーザーやパブリッシャーではなく、組織であるということだ。賢い組織は、今それをしている。もっと多くの組織がそうするようになるだろう。そして、物事は面白くなっていくだろう。
コンテンツマーケティング革命を続けよう!
この記事は、Content Marketing Institute – Joe Pulizzi’s Blogに掲載された「Why Content Marketing (as a term) Is All the Rage」を翻訳した内容です。
SEO Japanではコンテンツマーケティングが単なるバズワードで終わらせないためにも、CopyBlogger、Content Marketing Institute含めた米国のコンテンツ関連記事を今後より積極的に配信していくつもりです。米国のノウハウや考え方がそのまま正しい・日本に通じるわけではないでしょうが、できるだけヒントや参考にできる点が多くありそうな記事や、何らかの気づきや考えるきっかけになるような記事を選んで紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします! — SEO Japan [G+]
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