PageRankのどこがすごいのか?自分のPageRankスコアが少しでも変化するたびに騒ぐ必要性はあるのか?もしくは、自分のPageRankの上昇に焦点を合わせる必要性はあるのか?
それらは全て良い質問ではあるが、Google PageRank(PR)の基準に飛びこむ前に、PageRankとは何か、それはどのようにして獲得したり失ったりするものなのか見ていくとしよう。PageRankがどのように計算されるのか理解することによって、効率的に測定するために今もそれが使用されていることや、進化する検索の世界におけるその具体的な限界を見ることができる。
PageRankの実用的定義に関する限りは、PageRankについて以下のように説明しているGoogleのTechnology Overviewページを見れば十分だ。
Googleが創設された時、1つの重要な革新が、様々なデータと共に他のどのページがリンクしているかを見ることによってウェブページの“重要性”を決定する技術、PageRankだった。
基本的に、Googleの共同創設者Larry Pageにちなんで名づけられたPageRankは、そこにリンクしているウェブサイトの数とそれらのリンクの関係性の質に基づいて全てのページに点数を指数で割り当てる。PageRankのスコアは、0~10の等級で報告され、PR0が最低ランク、PR10が最高となる。
もしあなたが新しいウェブサイトを持っているなら、PageRankが更新されるまでは、一般的にあなたのPRはN/A(無)になるだろう。
そして、どうやってPageRankが決められるのか不思議に思っているあなた、PageRank Explainedによると、PageRankを計算するために使用される方程式は、以下の公式が基本となっているようだ:
PR(A) = (1-d) + d(PR(t1)/C(t1) + … + PR(tn)/C(tn))
上の公式は、Googleが最初にPageRankの基準を開発している時に発表したオリジナルの方程式だ。そのため、長年の間に多くの変化が加えられてはいるものの、基本的な変数は恐らく今も似たようなものだろう。
もしかするとあなたはそれがどう計算されるかなんて興味がないかもしれないが、ここで達する重要な結論は、5個のアウトバウンドリンクを持ったPR3のサイトからのリンクは、1000個のアウトバウンドリンクを持ったPR5のサイトからのリンクよりもずっと価値があるということだ。
PageRankについて他に特筆すべきことは、それが対数尺度に基づいて作動するということだ。これはつまり、PR0とPR1と間の差は、PR7とPR8の差と同じではないということを意味する。Ellianceによる以下の画像がその仕組みを理解するのに役立つだろう。
2008年にはPageRankの更新は5回あった。2009年も5回、2010年は1回、そして2011年はこれまでのところ3回あった。歴史的に見るとツールバーの中では1年間に数回更新されるが、実際にはGoogleの結果に基づいて絶えず更新されている。
Googleが新しいGoogle PRのスコアを日々あなたに見せたくない理由は、あなたが人々に価値を提供するだけでなく問題を解決するサイトを作ることに焦点を合わせるのではなく、そればかりに取り付かれることがあって欲しくないからだ。
だからあなたが新しいサイト、古いサイトのどちらを持っているにしろ、自分のPageRankスコアが更新されていていることを認識することは良いことだが、ツールバーが報告していることに焦点を合わせるべきではない。その代わりに、自分の事業を成長させるためにマーケティングの取り組みに焦点を合わせるのだ。
PageRankは、検索エンジン結果の順位と強く相互関係を示すものではない。高いPageRankを持っているからといって、自動的にGoogleでの上位表示が保証されているわけではないのだ。逆に、上位表示されていても、高いPageRankが保証されているわけではない。
以下のグラフを見ると、ランキングの相互関係を科学的に説明している:
SEOmozの調査では、4,000キーワードの検索結果を分析し、これらのSERPと個々のPageRankスコアを比較した。もし2つの変数に完璧な相関性があるなら、PageRankが最高のページは1位になり、相関関係は1.00になるだろう。しかし、グラフを見る限り、GoogleのSERPにおけるランキングとPRの相関関係はかろうじて2.0だった。
この調査の全体的な結果では、GoogleのPageRankは他の主要検索エンジンのランキングと同様に、ランキングとほんのわずかに相関していた。
だから、PageRankが過去にGoogleのランキングアルゴリズムに大きな役割を果たしていたことが真実だとしても、PageRankのローンチ以降、他にたくさんのランキング要素が導入されてきているということが主な理由で、今日の役割はランキングに関して言えば重要ではないということだ。ランキング要素が多く導入されればされるほど、それぞれがサイトのトータルスコアのより低い割合を示すため、この2つの関連性は小さくなる。
例えば、PageRankが最初にローンチされた時には、それはGoogleのランキングアルゴリズムによって検討された恐らく数十個の因子の1つだった。しかしながら、今日では、アルゴリズムは200以上の異なる変数を検討しており、1つ1つのランキング要素の重要性は著しく減少しているのだ。
私はいくつものサイトを所有してきたが、それらは全て異なるPRを持っている。私が持っているサイトの中にはPRが3と低いものもあれば、PR8と高いものもいくつかある。私が気が付いた1つのことは、5年ほど前は高いPageRankを持ったサイトはGoogleで非常に良いランクだったということだ。しかし、残念なことにもはやそんなことはない。
私は、TechCrunchやGawker Mediaのようなサイトと結んだ事業開発の契約を介して、それらのサイトの各ページから私のブログにリンクしてもらっていたため(お金は発生していない)、それが自分のPageRankを上昇させる手段だったかもしれない。これをすることで、自分のサイトに多くのトラフィックを運ぶだけでなく、サイトのPageRankを8もしくは悪くても7を獲得した。これをして数年経った後、PRを上げても検索エンジンのランキングが高くなっていないこととトラフィックが飛躍的に増えていないことに気が付いた私は、トラフィックを増やすために伝統的スタイルのリンク構築に戻したのだった。
個人的にはもうPageRankに集中的に取り組むことはないが、代わりに以下のことに焦点を合わせている:
この情報に基づいて、PageRankはもはやそれほど重要ではないと仮定することは簡単だ。そして、ある意味では、重要ではないと言える。より高いPageRankを持つことは検索エンジン結果でより高い順位を獲得することにはならない。つまりそれは、高PRを目指して作業することは、より多くのサイトトラフィックをもたらすこともなく、それ故に売上げも上がることはないことを意味する。あなたのサイトに実際に違いをもたらすメトリクスを改善するという観点からすれば、PageRankがもはや重要ではないということは事実だ。
GoogleのウェブマスタートレンドアナリストのSusan Moskwaは、Google Webmaster Centralブログの記事の中でこの考え方を上手にまとめている:
PageRankを最終目標として気にかけている人は誰もいないと思う。PageRankは、私達が本当に求めていること―ウェブサイトがより多くのお金を稼ぎ、より多くの読者を惹き付け、より多くの見込み客を生み出し、より多くのニュースレターの登録など―の単なる代役なのだ。
しかしながら、これは、PageRankが完全に役立たずであるということを意味するわけではない。PageRankが今も重要な役割を担っている領域が2つある:
まず、PageRankは、あなたのサイトがどれ位の頻度で再インデックスされるかを決める際に役割を果たす。あなたが高いPageRankを持っていれば、Googleは、それがより重要で、低いPRのサイトよりも頻繁に分析されクロールされる価値があるとみなす。より頻繁にクロールされることは、検索エンジンでより早く上位表示されるコンテンツを導くことができ、その理由から高いPageRankが今も大切であると言えるのだ。
さらに、PageRankは、Googleのサービス利用規約に違反するリンク構築戦略を使っているサイトオーナーにペナルティを課す威嚇射撃として長い間Googleに使用されてきた。最近、Forbes.comとJC Penneyは、PageRankを上げるために有料インバウンドリンクを使ったり売ったりしたことで目立ったペナルティを被った。
さて、PageRankはもはや重要ではないのかという最初の質問に戻ると、その答えは・・・Yesであり、Noでもある。PageRankを上げることに取り組むことが上位表示とは直接相関はないものの、それを完全に放棄することはお勧めしない。
もしあなたが自分のPageRankが劇的に下がるのを目にしたら、自分が使っているSEO戦略をよく観察することだ。もしあなたの数字がだんだんと上がり続けているなら、あなたは順風満帆だ。
あなたはPageRankが重要だと考えるだろうか?
この記事は、Quick Sproutに掲載された「Does Google PageRank Really Matter?」を翻訳した内容です。
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