編集者のエリザベスにAvvoからアーバンスプーンへ転職した経験をインハウスSEOのコラムで取り上げたいと伝えると、笑顔で「以前取り上げたことがあるはずよ」と言われた。その通りだった。
SEOのような生まれたばかりの業界であっても、求人市場が流動的に動いていると言うことは、経験豊かなSEOの専門家が会社を3回、もしくは4回渡り歩いていることを意味する。
自信を持って新しい役割を引き継ぐ能力は、インハウスSEOのスキルの一つである。
5年前にAvvoで仕事を始めた頃、SEOは単なるコンセプトでしかなく、SEOを製品に奥深く組み込むことが可能であった (アレックス・バナート氏の専門的なアドバイスのおかげで)。このプロセスにより、その後、SEOの知識をもたらし、そして、この小規模な会社全体で認めてもらうことが出来たのだった。
現在、私はアーバンスプーンで完全に異なる立場にいる – 非常に優れた製品を持つ有力な企業に新しい社員として加わったのだ。
最初の5週間で私が経験したことを挙げていく…
新しい会社に来てから約2週間が経過した頃、「とても見にくい広告がアーバンスプーン全体に掲載される」と言う題名がつけられた全社員宛てのメールが送られてきた。これまで務めてきた小さな会社には必ず少数の純粋な人達がいた – 彼らは会社に長く務め、非公式ではあるがブランドを取り締まる役割を持っている傾向が見られる。
彼らはブラックハット SEOに嫌気が差し、スパムや疑わしいマーケッターのせいでユーザーエクスペリエンスが台無しになってしまうと主張する。純粋主義者は、SEOの仮定に噛みつき、歯止めをかけようとする。
全ての良質な小規模な会社は、中核に純粋主義者を配置している。彼らは手っ取り早い利益を求めて、“価値を作り出す”リミットを設けることで長期的な活躍の場を閉ざしかねない会社の側面のバランスを取っている。
大きな企業の場合、残念ながら官僚制によって純粋主義者の人達が追い出されてしまう可能性がある。また、小さな企業で働いているものの、純粋主義者が見当たらない場合、私なら徹底的に被リンクのチェックを行う。
新しい組織に足を踏み入れる際、データのオーバーロードが起きる可能性がある。この脅威は、a) 組織の規模 b) 組織が開発者に向ける焦点の度合い(開発者が中心なら、過去にその場でレポーティングのクエリを作成した経験を持つ優秀な人達が権力を持つ)によって変わる。
アーバンスプーンで、私はこれまで11個の異なるレポーティングシステムを特定している。重複する部分や社内での採用の度合いは一つ一つ異なる。新入りは、重要な数を特定して、それぞれのメトリクスに対して多くの人々が利用するレポーティングシステムに関する合意を得る必要がある。
2本の時計を身につけていると、何時なのか分からなくなる点、そして、新しい時計を皆に無理やり見せつけると孤立する点を忘れないでもらいたい。
実際に計算を行い、計算を確認し、計算を弄び、計算を愛してもらいたい。少なくとも1つ目に関しはしっかりと実行に移してもらいたい。既存のレポーティングシステムのニュアンスを理解することほど重要なポイントはなく、データをとことん利用しなければ何も理解することは出来ない。
幸いにもデータを得ることが可能な分析付きのピボットテーブルを持っているなら、細かく説明してもらおう(あるいは一ヶ月ほど休みを取ってもらおう)。
ここでの目標は次に挙げる3つである: 1) 良質なデータを手に入れること 2) データが何を意味をしているのかが分からず社内で浮いてしまう事態を避けること 3) 既に存在するカスタムレポートを求める事態を避けること。
テクノロジーの面での変化へに対する他社の対応に遅れずについていくため、どの企業に注目しているだろうか?大半の企業は競合者を基準にして評価を行い、その他のオンラインの世界には見向きもしていない。これは大きな誤りである。
オンラインの世界で成功を収めていると思われる3-6サイトの非競合者のグループと自分の会社を比較することを私は勧める。このグループを調査し、学び、そして、必要に応じて非競合的な戦略を自分のレパートリーに含めよう。
TIP: ただし過去の会社は除外するべきである。「私が…にいた頃は」に明け暮れる新入社員ほど腹立たしい存在はいない。
非競合のベンチマークの設定は、既存のグループの定着した考えを膨らませる上で大いに役立つ。
これはSEOの問題ではなく、また、火を見るよりも明らかだが、とても役に立つので紹介せずにはいられなかった。
自分の会社がどのように受け取られているのかを感じるにはツイッターがうってつけである(競合者、そして、ソーシャルメディアマーケティングの様子のチェックも兼ねて)。ツイッターで誰にも触れられていないなら、会社の脈拍を確認した方が良いかもしれない。
インハウスSEOの職を変えると、コンサルタントとしての幅広い経験を得るだけでなく、インハウスマーケッターとしての奥深い経験を味わう機会が生まれる。
新たな社内のポジションで成功を収める秘訣を詳しく知りたいなら、以下のエントリに目を通しておくことを薦める:
トニー・アダム氏が2009年に投稿した「新たに社内の検索マーケティングの仕事に就く」、続いて今年の2月にキャメロン・オルサイス氏が綴った「インハウスSEOへの進歩」は是非読んでもらいたい。また、アーロン・ブラッドリー氏が投稿した「ハイ、私もこの会議の一員です – インハウスSEOの幅広い仕事内容」に該当するなら、私ならその会社は選択肢から外すかもしれない。
新しい会社での仕事は、常に冒険的な要素をはらんでおり、これにSEOが重要である点を分かってもらうための戦いを加えると、悪夢のようにしか思えない。最後に、インハウスSEOでいることの限界を考慮しているなら、アダム・アウデッテ氏の力作「エンタープライズ検索戦略におけるインハウスSEOとエージェンシーSEOの比較を読んでもらいたい。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Hello, Goodbye: 5 Lessons Learned 5 Weeks Into A New In House SEO Position」を翻訳した内容です。
これまでSEOに真面目に取り組んでこなかった会社であればある程、既存の抵抗勢力もあるでしょうし、単純に費用対効果だけで押し切るのも感情的に協力を得るのが難しい面もあったりするでしょうし(例えばトップの後押しがあったとしても!)、インハウスSEOの担当者には他の仕事以上にコミュニケーション能力も求められる気がする私です。 — SEO Japan
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