2012年、ソーシャルメディア業界にどんな変化があるのだろうか?Facebookの近い将来に予測されているIPOから、Google+とFacebookの競争状態が最終的にどんな局面を見せるのかまで、2012年には様々なことが起こる可能性がある。
Facebook、Twitter、Google+というソーシャルメディア界の大部分を占有している3つの大物が存在するため、新しい企業が姿を現して既存のサービスから人々の注意をそらすようなことは想像し難い。その代わり、私達は恐らく、Flipboard や その他多くの競合他社のような新興デバイスに進出するサービスを目にし続けることになるだろう。それらのサービスは、ソーシャルメディアが現在のイベントとニュースのキュレーションのためのツールになったことに便乗しているのだ。ニュースアグリゲーター界が過密状態である中、2012年には他のツールが、ソーシャルメディアを政治-特にアメリカ大統領選挙-や教育に使用されるツールとして利用して台頭するかもしれない。
同時に、Pathのような新しいソーシャルネットワークが目覚ましい成長率を見せてもおり、モバイルデバイスへの集中的な取り組みの結果、2012年には予期しないようなモバイルサービスが店頭に並ぶかもしれないが、それは続くのだろうか?私達は、これらの疑問を考え、以下に2012年のソーシャルメディアに関して5つの予測を記した。
目次
Google+が初めてローンチした時、私達はみんな、ボクシングのリングでFacebookを叩きのめしているもしくは平手打ちをくらわしている新しいソーシャルネットワークを示した多様なGIFを堪能した。冗談はさておき、2012年は、ついに私達がその戦いの勝者を見る年になるはずだ。
FacebookとGoogle+の戦いはまだ始まったばかりだが、トップにのし上がるのはたった1つのソーシャルネットワークだけだ。ソーシャルネットワーキング界にはその両方のための場所があることは確かだが、それでもGoogle+がFacebookに追いついてそれを越えることができるかどうかは見ものだ。
2011年は、両方のソーシャルネットワークにとってかなり白熱した年だった。Google+は、Facebookがつま先立ちすることを強いたし、主要なソーシャルネットワークは、友達リストのような新しい機能を大量生産することに忙しかったが、それらの機能の全てがタイムラインのようにユーザーに気に入られたわけではなかった。
私達は、Google+がFacebookにとって代わるのかという質問をしたことがある。Mark Zuckerburgは、Googleのソーシャルネットワーキングのパワーについてわずかな譲歩をするだけのために、いかにMark ZuckerbergがGoogle+を本物の脅威として素早くはねつけたかを私達は目の当たりにした。
“確かにGoogleは素晴らしい会社だし、私達は彼らがする全てのことを見て学びたいと考えている。しかし、それと同時に、人々は多くのことをFacebookで共有し、すでに自分達のライフストーリーをFacebook上で伝えてきた。そして、私達は、それをするためのもっとはるかに良いツールを持っていると考えている。”
それでは2012年はどうだろう?FacebookとGoogle+の競争はもっと激しくなる運命にあるが、その戦いはエンドユーザーから離れたところにシフトして広告主の方に向かう可能性がある。結局、これらは、サービスを無料で提供する利益を生み出す企てなのだ。だからと言って、エンドユーザーに恩恵がないということではない。実際、エンドユーザーは広告主を迎え入れるための白熱した戦いから得られる全てのものを手にしているのだ。
広告主は、人気の衰えているサイトには関わりを持ちたくないため、FacebookとGoogleは、現在のユーザーを関与させ続けると共にそれ以上に引きつけようとして、私達に新しい機能を投入し続けたり資金を増加し続けなければならない。
Google+はそれに適した取り組みをしているが、ソーシャルネットワークの成長、つまり明らかにする義務のないことに関してほんの少しの情報しか発表していない企業では、2012年がもたらすことについて私達に推測ゲームをさせておく。
Rob Enderleは、FacebookとGoogle間の今後のバトルを以下のように言って1つのシンプルなフレーズにまとめた。
これはFacebookにとって生き残りをかけた戦いである―そして、Googleにとっては妥当性をかけた戦いである。2012年に起こることは、この10年の終わりまでにFacebookが存在するかどうか、Googleが検索以外で真の意味を持つことができるかどうかの違いを生むだろう。
もしEnderleの予測が本当なら、2012年はこれら2つのソーシャルネットワーキング大企業の運命を決める年になる。たとえ今後12カ月間で確固たる結果を目にすることがないとしても、この年は、避けて通ることのできない成功か失敗の道筋に確実に彼らを導くだろう。どちらの会社がどちらの道筋を進むかは誰にも分からない。
AndoroidとiOS両方で利用可能なモバイル限定のソーシャルネットワークとして自身を再配置してオーディエンスを探し求めているPathの2度目の企ては、2012年のソーシャルメディア界の主要ポイントの1つの大きな指針である。2週間の間に、Pathのユーザー基盤は、Facebookアカウントを使って登録したユーザーの数に基づくと、少なくとも800%成長した。過去2週間で、成長はわずかに遅くなっているが、Facebookを介した200,000人のユーザーを追加して、合計500,000人となった。
モバイル限定のソーシャルネットワークとしては、今のところiOSとAndroidの2つのプラットフォームのみで利用可能であると、当局者は言っている。人々は、スマートフォンを基にした自分達のソーシャルメディア体験を喜んで維持する。便利な携帯電話から写真を撮って共有したり、ロケーションにチェックインしたり、近況をアップデートしたりする能力があれば、たくさんの関心の集中が、主要なソーシャルネットワークが提供するスマートフォンとタブレットの両方の体験を向上することにシフトするだろう。
FacebookとGoogle+とTwitterがそれぞれのネットワークにおけるモバイル体験を向上および強化するための新しい方法を継続して見つけるだけでなく、私達は、ニッチのニーズに対処する多数の新しいモバイルソーシャルネットワークを目にすることになる。
最近目覚ましい成長を見せているモバイルソーシャルアプリはPathだけではない。以前にここでレビューしたことがあるiPhoneアプリのOinkは、たったの1ヶ月で150,000ユーザーを獲得した。
スマートフォンは世界的にはモバイル市場の27%しか占めていないが、ヨーロッパとアメリカでの比率はもっと高く、それぞれ51%と63%である。世界の他の地域でも、この数字は上昇傾向にあり、アジアにおけるAndroidの普及率は3倍になると予測されている。このような成長があるため、モバイル市場はソーシャルメディアの可能性を広げており、今の時点では誰が勝つか分からない競争なのだ。
ソーシャルメディアは、2011年にはジャーナリズムの世界においても大きな進歩を遂げた。私達はTwitterが主要なニュースを報道するのを目にしてきた。例えば、オサマ・ビン・ラディンの死がそうだ。さらに私達は、ソーシャルメディアが、ニューヨークからダマスカスまで現場にいる活動家によって1つのツールとして使用され、主要メディアが到達する前にストーリーを報道するのも目にしてきた。2012年には、ソーシャルメディアはジャーナリストの分野が自然に発展したものになるだろう。
私達はすでにBambuserが2012年に持っているモバイルライブストリーミングアプリの計画について少し耳にしている。イベントの真っただ中に現場にいる記者を必要とせずにニュースを実証する手段として、主流メディアと密接に連動するというものだ。Bambuserについての予測は、ソーシャルメディアと主流メディア全体の予測としても見ることができるだろう。
Alfred Hermidaが“2012年はソーシャルメディアがつまらないものになる年だ”と言っているが、少なくともジャーナリズムの分野に関する限りはそれが懸念される。2011年、私達はジャーナリズムにおけるソーシャルメディアの活用に驚いたが、2012年、私達はそれをツールとして使うことについて話すよりも、それをツールとして使うことに集中するだろう。
しかしながら、ジャーナリズムの分野がソーシャルメディアをこんなにも完全に受け入れていることが原因で、2012年にはこの業界に負の影響が起こるだろう。私達はすでにソーシャルメディアが持っているマイナス効果を味わってきた。特にCNNの最近の人員削減によって示されたような雇用削減の形で。2012年は、ソーシャルメディアの報道ツールとしての完全な主流使用が原因でもっと多くの人員削減が実施されることが考えられる。
ソーシャルメディアのノーマライゼーションは、ジャーナリズムをさらに拡大するだろう。これらのサービスの一部は、早くもその名を知られるようになって、どの業界であろうとマーケティングの取り組みの標準ツールになるだろう。ソーシャルメディアの社会主流化によって、私達は恐らくKloutのようなソーシャルメディアの目新しさに完全に頼り切ったアドオンツールのゆっくりとした静かな死を目にすることになるだろう。その目新しさが消えると、人々は自分達の生活の一部となっているツールを測定したり評価する必要性を感じることが少なくなってくるだろう。
ソーシャルメディア界で、あるいはテック界でさえも、FacebookのIPO以上に期待して待たれているIPOは恐らく他にない。
Facebookの1,000億ドルのIPOに関する予測がすでに数カ月も出回っていて、私達はすでに既存のテック企業の評価においてその数字がいかにフィットするかを見てきた。しかし、2012年にとってそれは何を意味するのか?まず第一に、ソーシャルメディア最大手企業が株式公開する時、私達は大量のエンジェル投資家を予期することができる。
2012年にIPOを予定しているソーシャルメディア会社はFacebookだけではない。Yelpは、Facebookの予測されているIPOの後を追って1億ドルのIPOを申請しているが、この2つの企業が1999年以降のインターネット企業では最大のIPOを進めている。
もちろん全ての目がFacebookに注がれることになり、正確な数字はまだ知られてはいないが、どちらにせよ株式公開は、このソーシャルメディア最大手企業にとって良いことを意味する運命にあるし、もしかするとそれは、今日利用可能なナンバー1のソーシャルネットワークとしてその評価を固めるために必要とされた影響力への即時アクセスを提供して、切望していたGoogleを越えるというアドバンテージなのかもしれない。
Twitterはすでに、ポツリポツリと小さな広告をスポンサー付きのツイートと共にタイムラインに入れていて、ソーシャルメディアサイト上の広告は、2012年にもっと当たり前のことになる運命にある。
8月に、私達はTwitterが自分の側にビジネスとブランドを引き入れるためにする必要があることに目を向けたが、Google+ページのローンチが原因でマイクロブロギングサイトの将来の展望は完全に確かなものではなかった。2012年は、Twitterが広告およびブランドとの関係の在り方をきっぱりと見つけ出す年になるべきだ。そして、もしTwitterが真剣に受け止められたいと思うなら、FacebookとGoogleとのかなり激しい競争に直面して、Twitterはステップアップしなければならなくなるだろう。
ブランドはTwitterをカスタマーサービスやマーケティングツールとして使用できるようになっているが、最近までブランドは、日常のユーザーからアカウントを区別するような追加ツールを提供してこなかった。
ここでレビューしたTwylahのようなサードパーティ・サービスがブランドにオンラインプレゼンスでTwitterの力をほんの少し活用するための方法を提供してきたが、2012年は、Twitterが自分達のロイヤルブランドにユニークな体験を提供するのを私達が目にする年になるだろう。Twitterは、私達がここで見たように、辛うじてブランドページのローンチの上っ面をなでてきただけだった。Twiiterが提供しているものは、すでにFacebookを使用しているマーケッターやGoogle+の新しい世界を深く掘り下げているマーケッターに与えられている堅固な機能と比べてかなり控えめだ。
Twitterは、2012年のマーケティングの競争に上昇してこなければならない。そして、まさにTwitterはそうするつもりだと言って間違いない。問題は、Twitterに今日あるような人気をもたらしてきたその機能と雰囲気を維持しながら、収益の上がる事業のために必要とされるマーケティングと広告の正しいバランスを見つけることだ。
2012年のソーシャルメディアにおける予測は、InstagramアプリのAndroid版や、Googleの+1のおかげで検索結果に対する影響の増加、ソーシャルネットワーキングにおけるマルチメディアの増加など、他にもたくさんある。スマートフォンの増加と共に、写真、動画、オーディオを自分のスマートフォンからソーシャルメディアの世界に直接共有することが標準になるのだ。
あなたにも2012年のソーシャルメディアに関する予測があるだろうか?コメント欄で教えて欲しい。
この記事は、The Next Webに掲載された「What 2012 holds for social media」を翻訳した内容です。
記事中でさりげなくKloutの死を予測しているのも驚きでしたが、確かにブログがブームになった時もブログ検索エンジンからブログの影響力測定ツールまで数多くのサービスが登場しましたが今生き残っているものはほとんど無いのも事実ですけどね。Kloutレベルまで人気が出れば最終的にはどこかに吸収されてお互いにハッピーエンドを迎えることができる気もしますが、Technoratiみたいにどっちつかずになってしまった例もありますし。いずれにしても2012年のソーシャルメディア、その進化が止まることだけはなさそうです。 — SEO Japan
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