WEBマーケッター(SEO/SEM)に贈る新年3つの誓い

公開日:2013/01/07

最終更新日:2024/02/18

ブログ

SEO Japanの2013年2日目、新年シリーズを続けます、ということで今回は検索マーケッターが2013年をどう過ごすべきかを3つの誓いにまとめてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

デジタルマーケティング業界で働く長所は、退屈することがない点である。毎週のように新しい広告のオプションが、グーグルのアルゴリズムのアップデートが、ターゲティングの新しいオプションが、そして、注目を集める新たなソーシャルメディアプラットフォームが登場しているように思える。

しかし、その結果、オンラインマーケッターの時間に対する要求は今まで以上に高まり、そして、細分化されている。この状況は悪化するばかりである。

管理するプログラムが多ければ多いほど、優先順位をつける取り組みの重要度は高まる。人間の特徴として、会社の事業計画における重要性に関わらず、一番新しく、一番輝きのあるプログラムに注目してしまう傾向がある。しかし、コアを見失うと、ビジネスに大打撃を与える可能性がある。

あなたが、オンラインマーケティングに関わっているなら、以下の3つの新年の誓いを立てることが有効かもしれない:

1. SEOや広告の予算に適切な優先順位をつける

プログラムの新しさや格好良さに惑わされることなく、各チャンネルに対して、マーケティングの予算の規模に応じて、そして、収益の増加における重要度に応じて、注目の優先順位をつけることを誓います。

有料検索プログラムが壊滅状態にあるにも関わらず、サイトがクロールすることが出来ない状態になっているにも関わらず、そして、ディスプレイ広告の予算が、適切な追跡またはROIのメトリクスが存在しない状態で使われているにも関わらず、高度なアトリビューションメソッドについて話したがる人達が後を絶たない。

私達の業界は、微調整、そして、最新および最高のプログラムを試す取り組みを大事にしているからと言って、そして、フェイスブック広告における多変量テストに好奇心を奪われたからと言って、検索マーケティングの取り組みを明確に定めるの段階で、新しいプログラムに注目するべきではない。Return On Effort(取り組みに対する見返り)は、大半の機会が存在する場所に適用してこそ、より大きな成果が得られるのだ。

ただし、言うほど簡単ではない。

次の2つの形式の1つの存在により、この誓いの難易度が上がると考えられる(双方が当てはまることもある):

  1. 役員・上司の介入: 「Xに関する記事を読んだけど、Xについて今何をしているんだ?Xを優先するべきだ。」「最大のライバルがYをしているようだ。私達のYの戦略はどうなってる?検索とeメールに時間を無駄に使うのを止めて、Yに力を入れろ!」
  2. 自覚がもたらす欠点: 時折、広告スポンサーは、コアのプログラムが実際よりも優れていると過信することがある。「一流のエージェンシーがこのプログラムを管理しているから安心だ。」「社内のSEMマネージャーはこの会社に来る前に何年も経験しているみたいだから、安心だね。」

問題 #1の解決は難しい。教育が必要である。これもまた難しい。そして、教育が失敗に終わり、役員・上司に対して、マーケティングの優先順位を決める権限はないと言うのは、常識/雇用の確保の面から見ても、危険である。つまり、解決することが出来ないケースが多々あるのだ。

一方、問題 #2への解決策は単純である。「信頼するものの、確認を怠るな」である。評価、ランキング、評判、または、「経験」を信頼するべきではない。その代わりに、戦略、取り組み、実行、そして、結果を信頼するべきだ。有料検索、SEO、eメール、カスタム検索、ディスプレイ、アフィリエイト等、あらゆるプログラムに対して、業界の変化に応じて、定期的に評価を行うべきである。

オンラインマーケティングの世界は、変化が絶え間なく起きているため、各チャンネルに存在する最新の機会を把握するのは容易ではない。しかし、優れたマネージャーは、パフォーマンスの評価を受け入れるはずだ。

2. SEOや広告の本質を見極める

有料検索において、表面上、最も明らかな点ではなく、実際に最も重要な点に注目することを誓います。

最も明白だと言う理由で、広告コピーに多くの注目、そして、管理の時間の大半が注がれることがある。これは取り組みを割り当てる方針として賢明とは言えない。ターゲットが絞られ、説得力のある広告コピーを作成するために投じる取り組みのROIは非常に高い。オファーを使ってコピーを変える行為の価値が指摘されることもあるが、この価値は、CTRを改善するものの、バリューパークリックを下げるため、実際には存在しない可能性がある。

コピーの変更は、事実上、コピーが良いか悪いかを証明するまでは、品質スコアを「平均値」にリセットしてしまう。つまり、頻繁に変えていると、品質スコアに打撃を与え、しっかりと管理したコピーのメリットを受けることが出来なくなってしまうのだ。

例えば、「チューブソックスの10%オフ」を組み込むため、コピーを変えるために費やす時間が、この時間のコストに見合う確率はとても低い。

ただし、次の理由でなら、広告コピーを変更することは認められる:

  • 広告コピーを変えることで、明らかに結果が改善される
  • ブランドのメッセージを更新する

しかし、次の理由の場合は、コピーを変えるべきではない:

  • 既存のコピーに飽きた
  • コピーを頻繁に変えると、時間を効率良く使えるようになると誰かから聞いた
  • 他に何をすればいいのか分からない
  • 上司が何かを期待している

外部の人間は、リサーチ、分析、そして、このようなプロジェクトが、ターゲットに絞られた入札に与えるインパクトの重要度を分かっていない。また、外部の人間は、自動入札システムによって、賢明な人間による分析および調整は不要だと考えている。自分の分野を心得ている人達は確かに知識は豊富かもしれないが、最も大きなインパクトが得られるコアに穴を掘るのではなく、氷山の一角を追わなければならないため、最も重要な手段に焦点を絞ることが出来ない。

Management By Objectives(目標管理)が不適切に適用され、検索マネージャーのパフォーマンスが、実際の仕事の質および価値ではなく、仕事量で判断されることがある。名コーチの故ジョン・ウッデン氏が言っていたように、成果と活動を混同するべきではない。大勢のスタッフをエンタープライズの有料検索プログラムに取り組ませるのは容易だが、適切な知識が欠けている状態では、生産性を逆に落としてしまう恐れがある。

有料検索は、アートであり、サイエンスでもある。アーティストでも、サイエンティストでもない人に「余裕がない状態」で利用されるなら、アーティストもサイエンティストも最高の作品を作り出すことは出来ないはずだ。有料検索における創造力と想像力は、考えるための時間を必要とする。生産的な検討するための時間は、初心者には時間の無駄に見える。しかし、時間の無駄遣いかどうかは、結果に現れる。

3. SEOや広告施策の成功を評価する

希望的観測に対して、パフォーマンスを基に評価するのではなく、成果に対して、戦略、実行、そして、結果を基に評価を行うことを誓います。

企業の有料検索マネージャーは、上司が次の四半期にはとても野心的な目標を設定したと宣言すると、すくみ上がってしまう。

とりわけ、有料検索マネージャーが、予測を行うプロセスに参加していない場合、尚更この傾向が強い。

本質的に不可能であったとしても、予算案と見通しは作成される。しかし、推測されるマーケットの機会を基に慎重に作られるのではなく、企業の野心にフィットするように決められているようでは、害をもたらすだけである。

来年は有料検索プログラムを倍増させ、ROIをさらに好転させるつもりだ!

このセリフは、成果を上げているプログラムを運営する一流の有料検索マネージャーにとっては、履歴書を作っておけ。君のやっていることはよく分からない。この会社に残るなら、ひどい目に遭うぞ。」と言われているように聞える。

私達はエージェンシーとしてこのような状況に見舞われることがあり、過去の成功が原因になっていることもある。壊滅的なプログラムの管理を引き継ぎ、収益を300%増加させて、ROIを改善することは可能だが、このような成長率が毎年可能だと思い込んでしまう人達がいるのだ。

この点もまた、この手の予算を練る人達を教育する取り組みの失敗、そして、予算編成のプロセスに参加する取り組みの失敗を反映している。 いずれにせよ、予算が既成事実として提示されてしまうと、可能な範囲で重点を絞りこむのが難しくなる。

有料検索マネージャーが推測のプロセスに参加したとしても、評価を基に推測を行うべきではない。有料検索のパフォーマンスを正確に推測するには、3ヶ月後、6ヶ月後、そして、9ヶ月後の消費者の行動を把握しているだけでは不十分である。

そもそも、消費者が検索を行っていない場合、広告を表示させることが出来ない – そのため、検索エンジンがページレイアウトに導入する変更、エンジンがマッチングアルゴリズムおよびパートナーのネットワークにもたらす変更、そして、パフォーマンスにインパクトを与える新しいコントロールおよび広告フォーマットを理解する必要があるのだ。

また、来年、競合者がどのような戦力および広告を利用するのか、あるいは、新しい競合者が市場に参入するかどうかも知っておきたいところだ。株式のアナリストが6ヶ月後に買うべき株を勧めることが出来ないように、必ずしもこの業界で起きることを推測することが出来るわけではない。

推測は、採用、販売計画、そして、会計を行う上で役に立つものの、このようなニーズに応えるには、再び推測を行い、現実を反映させなければならない。そのため、成果をどれほど正確に推測することが出来るかに応じてではなく、直面する状況を考慮して、検索マーケッターがどれだけ頑張ったかに応じて、パフォーマンスを評価するべきである。

オンラインマーケティングを統括しているなら、今回紹介した新年の誓いを立ててもらいたい。検索マネージャーとして十分な報酬が貰えていないなら、この誓いを紙に書いて、上司の机の上にそっと置いておこう。

良いお年を!

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「3 Top Line Search Marketing Resolutions For 2013」を翻訳した内容です。

検索マーケッターに限らない、一定以上のレベルのウェブマーケッターなら考えるべき要素を簡潔に説明してくれた記事でした。どれも細かい手法に囚われずマーケティングプランを考案、実施していく前提でベースに持っておきたい基本概念で、これらをどれだけ意識できるかで今年の年末、あなたのマーケティング活動がどれだけビジネスにインパクトを与えられるか大きく変わってくる気がします。2013年、常に勉強の日々と思いますが、あなたも事業も少しずつ前進していきたいですね。 — SEO Japan [G+]

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。