アベノミクス効果で経済も活性化された日本(と、信じたい)、自前でネット広告やマーケティングを管理するのを諦めてことから飛躍してネットに精通したマーケティングエージェンシー、ま、早く言うとネット広告代理店、の力を借りようと思っている企業さんも多いのではないでしょうか?とはいえ、信頼して仕事を任せられる代理店がどれだけあるかというと私も正直に答えられないわけですが、、、悩める企業の皆様がより優れたネット広告代理店を雇っていただくためのアドバイスを全米最強クラスのデジタルマーケッターがアドバイスします。 — SEO Japan
“あなたは私のために何ができますか?”
疑いようもなく、これは、Twist Imageに電話をかけてくる見込み客に私がされるナンバー1の質問だ。私たちのビジネス開発の最前線において、毎年70近いイベントでの講演を通して、過去7年間世界中で、他のデジタルマーケティングエージェンシーにいる仲間との率直な会話の中で、デジタルマーケティングエージェンシーと関わるとはどういうことかをしっかりと把握しているブランド(大、中、小を含む)は数少ないということが私にははっきりと分かっている。
デジタルマーケティングエージェンシーを雇う前に、あなたが考えるべきことは6つある:
- DNA: あなたの血にデジタルは流れているのか。デジタル世代の人である必要はないが、新しい消費者および彼らがどのように繋がっているのかを鋭く把握していなければならない。ブランドは自分のDNAを見て、自分が本当にデジタルマーケティング戦略に力を注ぐ準備が整っているのかどうかを自問自答しなければならない。もしあなたが1つか2つのプロジェクトで様子を伺うつもりなら、それが失敗に終わる可能性は高い。デジタルマーケティングの力は、あなたのDNAをキャンペーン広告の発想からコミットメントに転換することからやって来るのだ。
- プラン: デジタルマーケティングエージェンシーに電話をかける前に、自分が求める結果および予測する結果について自分独自のプランもしくはビジョンを作る時間を取ること。プラン―それが単純なものであろうとプロフェッショナルなものであろうと―は、デジタルマーケティングエージェンシーにあなたが持っている(もしくはあなたに欠けている)知識のレベルに関していくらかのアイディアを与える。これは大部分のブランドが耳にしたくないことだ。彼らは、自分がバカに見えることや、自分が洗練されていないことが理由でエージェンシーが有利に立つことを心配する。それは誤りだ。プランを立てることには、自分が確実に適切なエージェンシーと会うために下調べをすることも含まれる。周りに話を聞いたり、照会をチェックしたり、たくさんのオンライン調査をすることに時間をかけること。そこから、可能性のあるパートナーのリストを作成するのだ。練習だけでは完璧にはなれない。計画と練習が完璧を作るのだ。
- 予算: “これにはいくらかかるのですか?見積もりを下さい。私たちは予算がいくらなのか分かりません。” これらは、確実にあなたが最高の結果を手に入れなくする3つの簡単な方法だ。もしマーケティング予算がないのなら、エージェンシーパートナーに電話をする前に予算を作るのがベストだ。その予算全体のうち何パーセントをデジタルに費やしたいのかを把握すること。それに全力を注ぐのだ。そこから少し深く掘り下げる。この予算を使って何をしたいのか(これが上記No.2で述べたプランの一部になるべきだ)?新しい顧客のために何を支払うつもりなのか(これは顧客獲得単価としても知られる)?確かに、賢いデジタルマーケティングエージェンシーは、あなたがこのようなことを把握するのを手助けしてくれるが、あなたはまず自分で下調べをしなければならない。予算は確定されたものでなくていい。エージェンシーにいくらかのレールを与えるつもりで考えるのだ…共に働くためのしっかりとした範囲を。
- 人: Jim Collinsは、賢い人に自分のベストを尽くしてもらうことの婉曲表現として、バスで適切な席に適切な人間を置くことについて話す。現代では、デジタルマーケティングエージェンシーに頼ることが理にかなっていることは間違いない。ブランドは、全てのことを自分でするために時間やリソースを費やすことはできない(それができるブランドは、とても幸運だ)。そうは言っても、ブランドは、自分たちが何を購入しているのかを知り、リードすることができるように、適切な(賢く、プロフェッショナルで、経験豊富な)リーダーシップを持たなければならない。ブランドとエージェンシーの最高の関係は、並外れたものを作るために、常に両者が並んで一緒に仕事をしている関係だ。残念ながら、ブランドは、自分たちのエージェンシーパートナーが成功できるようにするために、適切な人を適切な場所に置いていない。これはブランドに対して根拠もなく反対しているわけではなく、デジタルマーケティングとは、四半期ごとに計画して、毎週状況をチェックするものではないのだ。これは、年中無休24時間リアルタイムの環境なのだ。これを正しく行うためには努力と献身が必要であり、全てはイタラティブでオーガニックで生のエンゲージメントから生じる。ウェブは今起きているのだ。
- 知識: これは全く新しい。20年という歳月は、この領域にいるには長い時間のように思えるが(私のような人にとって)、それはマーケティングのプロにとってはまだまだ新しいのだ。優れたエージェンシーパートナーとは知識を持っているエージェンシーではない。優れたエージェンシーパートナーは、知識を共有する。簡単に言うと、私たちは皆、時間とともに学び、進化している。私たちがFacebookが全てであると考え始めると、スマートフォンとiPadが表れ、それは、私たちのマーケティングは今後数年でどんなふうになるのかと一歩下がって疑問に思うことを強いる。それは正常であり、それは恐ろしい。私たちは皆、もっと知識豊富になって、その知識をお互いに共有しなければならない。もしあなたのブランドがその学習体験の一部になる意思がないのであれば、あなたがデジタルマーケティングエージェンシーから優れたサービスを得ることはますます難しくなるだろう。それは1つの簡単な理由からだ:正確に、自分が何を購入しているのかを、あなたが心から理解することはないからだ。
- パートナー: デジタルマーケティングエージェンシーをベンダーとして考えないこと。戦略パートナーとして考えるのだ。これがあなたのブランドがデジタルを自分のDNAの一部にするのを手助けし、それが戦略プランがどのように進化するかの最新情報を全ての人に絶えず伝え、そしてそれが予算とゴールを理解するのをより簡単にするだろう。それにも増して、全ての人が、一緒に、より賢くなるだろう。ブランド側のシニアマーケティングのプロフェッショナルと、エージェンシーがとっかえひっかえされている回数に関して言えば、私たちの業界が劇的な入れ替わりが激しい一番の理由は、真のパートナーになっているブランドとエージェンシーがほとんどいないという事実に直接関係していると私は信じている。
何か見逃していることはあるだろうか?デジタルマーケティングエージェンシーを雇う前にブランドが知っておくべき重要なことは他に何があるだろうか?
筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Before You Hire A Digital Marketing Agency」を翻訳した内容です。
元々、原文ではDigital Marketing Agencyという言い方だったのですが、日本語の場合はベタながらネット広告代理店が一番置き換えられる言葉かと思いそうしました。書かれていることは、別にネットに詳しくなくとも理解できる真っ当&当然の内容だったと思います。問題は正しいパートナー選定ができない会社はそもそもこの文章の内容自体を理解できないというか余りピンとこなさそうな感じがしなくもないことですが・・・。
日本企業のネット化の遅れが問題であることは良くいわれますが、それ以前にマーケティングに対する基本知識や概念を理解している企業が少なすぎることの方が問題なのかもしれません。だからこそ、意味不明・搾取のみが目的の悪質ネット広告代理店(&SEO会社)に騙される会社が後を絶たないわけで。ネットやネット広告の普及がそういう状況を、数年で(ま、既に10年は立っていますけど)打破はできないまでも少しずつ改善していければまた少しでも日本経済復興のプラスにはなるのでは?と思う私でした。なんて偉そうにいっている私も日々常に勉強です。 — SEO Japan [G+]