グーグルは過度の広告掲載を阻止するアルゴリズムを導入したと発表した。ページの上半分の何%(日本語)を広告に当てることが出来るのかに関しては明言を避けているが、ブラウザのプレビューツールの利用を推奨している。グーグル.comの検索結果でこのツールを利用すれば、当然ながらスパムサイトと評価されるはずである。いずれにせよ、グーグルはパンダを回避した小規模なアドセンスのウェブマスター達に先制攻撃を与えた可能性はある。
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パンダが行われてからほぼ1年が経過するが、まだ全てのサイトがダメージから回復したわけではない。そのため、最初の攻撃に大きな懸念を抱く人達もいるかもしれないが、“過剰な量の広告”アルゴリズムはパンダよりも遥かにアップデートのペースが早い :
ページのレイアウトをアップデートすると、ページレイアウトアルゴリズムは自動的に再びクロールを行う際にこの変更点を反映し、サイトの十分な量のページを処理して、変更を評価する。その期間は、サイトのページ数、そして、グーグルボットがコンテンツをクロールする効率等、様々な要因に左右される。典型的なウェブサイトでは、グーグルボットがクロールを行い、サイト上の十分な量のページを処理し、レイアウトの変更を反映するまでに数週間を要する。
パンダの影響を受け、アドセンスの広告ユニットを増やして、広告収入の減収を埋め合わせようとしたウェブマスター達は、たった今、パンダ特急第2号の突進をまともに食らってしまったのではないだろうか 😉
グーグルは上半分のスペースには広告ではなく出来るだけコンテンツを掲載するべきだと大打撃を受けたアドワーズの広告主に薦めていた。
しかし、グーグルはアドセンスに関するデータセットを豊富に持っており、個人的にはただ単にレイアウトを見ているだけだとはどうしても思えない。私が当該の広告主だったら、以下のような様々なメトリクスを考慮に入れるだろう:
モバイルのアクセスが主体となっているサイトもあれば、大きなモニターで閲覧されることが多いサイトもあるだろう。グーグルがページロードを確認し、CTRを計測する際は、推測に頼るよりも、実際のユーザーのレスポンスを追跡する方が望ましい。
その後、これらのデータから優れたメトリクスを考案し、トラフィック/収益が高いサイトに対して、攻撃を与えるべきか、見逃すべきかを確認するため、精査を行い & この類のエッジケースがなくなるまで“アルゴリズム”の調整 + 改善が行われると見られる。グーグルは、コンテクスチュアル広告 & ディスプレイ広告では敵がいない状態であるため、グーグルのエコシステムに十分な価値を与えていないと感じられるパブリッシャー達に厳しい条件を飲ませることが出来る。
このようなアルゴリズムに加え、グーグルは、ドアウェイページのレッテルを貼られたサイトのネットワークを意図的に攻撃し、アービトラージが大き過ぎると感じた場合、サイトで掲載されている広告、もしくはアカウント全体を無効にする取り組みを昨年行ってきた。SEO ブックのメンバーの一人が、昨年の10月にパキスタンのアドセンスのアカウントが大量に葬られた点を指摘するスレッドを紹介してくれた。また、別のメンバーはこのメールと同じような文面のアカウント停止を伝えるグーグルからのメールのサンプルを送ってくれた:
このメールの大事な点を挙げていく:
グーグルの最新の四半期収支報告では、グーグルはグーグルの対前年比の収益が25%アップしているものの、ネットワークの収益の成長率は15%に留まっていると強調している。また、グーグルは、検索の品質が改善されたこと、そして、パンダ等のアップデートを成長率の低さに関係しているとして挙げていた。
この報告では、アルゴリズムが展開されるまでは、グーグルがスパムに資金を投じていた点は明かされていなかった 😉 アドセンス & コンテンツファームの問題は、インセンティブの構造が意図しない結果をもたらしたために発生していたのだ。
グーグル+の過剰なプロモーション(この件を取り上げたエントリを遅ればせながら投稿する予定)、もしくは、グーグルがいまだにディマンドメディアに再び資金を投じて、動画“コンテンツ”をユーチューブに投稿させている経緯を考慮すると、グーグルは今でも同じモデルに投資している可能性があるが、関連性に対するコントロールを強め、ゴミからマシな作品を取り出せるように工夫している可能性はある(コンテンツを掲載し、ユーザーのレスポンスを追跡すれば、そのコンテンツが比較的どれだけ質が高いかが分かるはずだ)。これらのサイトを短期間で過剰に宣伝しているなら、グーグルもまた同じ類の歪んだビジネスモデルの問題を作り出していると言えるだろう。
ユーザーエクスペリエンスを提供していると言えば、劣悪な作品と優れた作品を容易に区別することが出来るかもしれないが、その他のパブリッシングエコシステムへのインパクトの方が大きな問題と言えるのではないだろうか。グーグル+上の人気のあるユーザーから大量の薄いスパムがもたらされ(誰かセレブに焦点を絞ったペイパープラスのサイトを作った人はいるだろうか?)、上半分に自然なSERPが事実上存在しない場合は、詳細な編集コンテンツが経済的に実現不可能な状態になるかもしれないのだ。
次に、最悪の作品の一部を一掃する取り組みを取り上げ(“劣悪なインセンティブ”の以前の世代に発生)、さらにこの問題を追及していく。この問題の影響を受けたとしたら、パンダはあの有名なフロリダアップデートと並ぶ大きさ/凶暴さを持っていることになり(小規模な個人のウェブマスターに与えるインパクトにおいて)、彼ら/私達を無理やり価値連鎖の上の領域に上らせるだろう。
つまり、短期的には痛みを伴うが、(ブランド & オーガニックな非検索トラフィックのストリームを作るべき警鐘と取られた人達にとって)規模が小さくなった後には長期的に見て遥かに大きな見返りを得ることが出来るかもしれない。
企業に勤める点に関するラリー・ペイジ氏の見解を以下に掲載する:
私の祖父は車のメーカーに勤めていた。そして、私は祖父が作った、会社から身を守り、仕事場に持っていく武器を持っている。それは大きな鉄パイプであり、先端にリード線が大量に詰められている。会社で自分の身を自分で守らなければいけなかった祖父の時代の企業から現在の企業はどの程度進歩してきたのだろう。
多くのSEO業者にとって、やり直しと言う概念は苦痛を意味するが、優秀なSEOのプロ達は強制的な進化、そして、その全てを楽しむ傾向が見られる。彼らはのたうち回ることもなければ、死んだふりをすることもなければ、SEOを忘れることもない。そして、グーグルが時折厳しい初期化を行わなければ、巨大なヘッジファンドがばらまき作戦でSERPをぶち壊し、私達を容赦なく叩きのめしてしまうだろう。
このエントリをグーグルにとって前向きな提案だととらえることも出来る(実際、大半はグーグルよりである)、しかし、グーグルのミーハーなファンとも思われなくないので、グーグルが一貫性を保つために、改善の余地のある点を幾つか挙げていきたいと思う:
このアップデートはパンダアップデートよりも規模が遥かに小さいため、サイトのサンプル/例が大幅に少ない。今回のアップデートの影響を受けた人はいるだろうか?影響を受けたなら、以下の点について説明してもらいたい …
この記事は、SEO Bookに掲載された「From AdSense to SpamSense to Spam Cents」を翻訳した内容です。
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