毎年これを言うのは簡単だが、まさに2011年は、アジアにおけるインターネットとテクノロジー業界のブレイクスルーだった。新興成長市場からの成長と発展は当たり前ではあるものの、アジアはかなりのプラスの速度で進展しているのだ。
たくさんの局所的な裏付けがあるが、私達は、アジアのテクノロジー業界にとって2011年に得られた(たくさんの)意義深いものの中から4つについて振り返っていこうと思う。
目次
アジアのスマートフォン革命はここしばらく最先端にあるが、Androidに対する驚異的な反応は、デバイスの所有が過去12カ月にわたっていくつか速度を上げるのを目にしてきた。
東南アジアへのAndroidの出荷数は、Googleが所有するオープンソースのオペレーティングシステムと共に今年1000%増加し、今日ではこの地域のスマートフォンの40%を占めると考えられている。
この最近のインフォグラフィックが示しているように、2015年には1億6300万台のスマートフォンが東南アジアに存在するようになると予測されている。この地域の人の大部分がすでにスマートフォンを所有しているか、次のデバイスとしてスマートフォンを購入することを予定しているのだ。
Androidが影響を及ぼしているのは東南アジアだけではない。Androidは大陸全体の市場で幅広い手ごろな値段のタブレットとスマートフォンを可能にしている。例えば、インドでは、Androidが世界最安のタブレット―$45のAkash―を作るために使われていたし、来年登場する2代目に搭載されるOSにもなる予定だ。Androidデバイスは中国やその他の市場でもうまくいっている。
さらに、アプリ市場のトップ5のうち4つがアジアにあり(人数に基づく)、ここでもこの地域における重要性を示している。
Twitterは他の数多くの欧米のソーシャルネットワークと共に中国では禁止されているため、この国のソーシャルメディアスペースが独自の異なるやり方で発展するのを見てきた。2つの主要なWeibo(中国語でマイクロブログ)サービスは、SinaとTencentによって提供されており、この2つが他にも数多くのインターネットサービスを持っている。
多くの人が‘チャイニーズ・クローン’―欧米サイトをコピーした偽物を意味する―の時代をよく知っているが、このフレーズはこの国のマイクロブロギングサービスを公平に評価していない。それは、ほぼ間違いなくTwitterよりも革新的で大胆不敵なのだ。
例えば、Sinaは2011年、IMやゲームなどエキサイティングな機能に加えて、ソーシャルビデオサイトを含む新機能の導入に忙しかった。新しく追加されたものは新しい外観となり、今月初めTwitterがその後に採用した新しいデザインがそれに似ているとPenn Olsonの人間が抜け目なく言った。
より商用向けと見られているTencentのWeiboは、サッカー選手のクリスチアーノ・ロナウドとスペインのトップチームFC バルセロナを含む数々の欧米人を付加してその魅力を広めることに取り組んできた。
数字の面では、SinaとTencentを合わせると、インターネット接続のある中国人の数を上回る5億5000万以上のユーザーがいて、ニュースや情報が当局に厳しく監視されているこの国に重要な新しいコミュニケーションチャンネルを提供している。
ユーザー数の増加とマイクロブロギングの影響に対応するため、北京は、7月に起きた大きな列車事故のような政府が秘密にしておきたいニュースを伝えたメッセージに対してweiboユーザーに責任を負わせることに取り組んできた。
最近、中国政府は全てのwebioユーザーがナショナルIDでアカウントを照合することを確実にする法案を導入し、Sinaのような企業は、中国当局と問題を引き起こす可能性のある偽情報を取り締まるために‘噂チーム’を採用した。
Weiboなんて欧米からはるか遠いところで起きているちっぽけなものだと思っている人は、これを考えてみるのだ:weiboが中国全土にわたって手の届く範囲は、アメリカでTwitterが持っているよりも大きく、comScoreによれば、Sinaのweiboは今年181%増加し、世界で10番目に大きなソーシャルネットワークに位置している。
Tencentについで、Sinaも近いうちにサイトの英語版をローンチする予定だ。この2つの企業は、Twitterに挑んでいるというより、‘中国に向けて開かれた窓’を拡大して、このサービスを中国人以外の読者が使用できるようにしたいのだ。いかにも、Sina独自のiOSアプリは、すでに素晴らしく質の高い英語体験を提供している。
Facebookは、ここしばらくの間、多くのアジア諸国でソーシャルネットワークを支配しているし、今年、Twitterがこの地域において同様の成功を目にし始めている。
例えば、Facebookが有力なソーシャルネットワークになっているタイでは、ここ10年で最悪の洪水の間Twitterの巨大な成長が見られた。それよりもはるかに大きな規模で、日本では今年起きた地震の時にTwitterが不可欠だった。これはこの国におけるTwitterの知名度を考えるとそれほど驚くことではないが…。
Twitterは定期的に国ごとのユーザー数を発表しているわけではないため、その使用量を数値で表すのは難しい。しかしながら、このサービスで使用された言語に関する最近の調査を介して、この大陸におけるTwitterの人気を垣間見ることができる。
英語が先頭を走っているが、日本語、マレーシア語、タイ語、韓国語もトップに入っており、このサービスが、中国という注目すべき例外はあるものの、アジア市場でよく使用されていることを示している。
Facebookに関しては、この地域のほとんどの場所で引き続き人気があり、多くの政府組織がそれを国民への接触や交流の場として使用している。中国やベトナムのように政府によってFacebookがブロックされていたり、日本や韓国のようにローカル企業に負けている地域もあるが、それ以外ではFacebookがアジアを支配している。
日本や韓国においても、Facebookが参入する前にすでにソーシャルメディアスペースは成熟していて両市場がものすごく内向きであることを思えば、Facebookは目覚ましい発展をしている。韓国でのここ3ヶ月間にわたるFacebook登録者数の増加(31%)は、もうすぐこのサービスが韓国の上位層に重大な課題を提供することを示している。日本におけるFacebook拡大の脅威は、同じ期間で30%の成長を示していた。
すでに重要な地位についている市場では、インターネット接続とスマートフォンの所有が増加してオンラインを手にする人がもっと増えることを考えると、Facebookの成長は今後も続きそうである。しかし、今日でさえも、いかにしてFacebookが年老いたフィリピン人の夫婦が再会する手助けをしたのかというストーリーが示すように、それはアジアにおいて人生に重大な影響を与えているのだ。
しかし、ソーシャルメディアの成長と発展の究極の証拠は、アジア諸国の政府がそれらに載っているコンテンツをコントロールしようと積極的になっていることだと言ってよいだろう。タイでは、政府がFacebookに不正リンクを削除するように求めて接触してきたし、現在インドは、数多くのインターネットプロバイダーから?‘受け入れ難い’コンテンツを削除させようとしている最中である
リーダー企業のDeNAやGREEの拠点である日本を起源とするモバイルのソーシャルゲームのアジアにおける発展について、私達は大々的に取り上げたことがある。
先のAndroidおよびスマートフォンのまとめの項で示したように、アジアではモバイルアプリが絶大な人気を得ている。さらに一歩進めると、DeNAとGREEは、携帯電話にゲーム用のプラットフォームを提供している。そこでは、ゲーマーが友人や全く見知らぬ人と一緒にゲームすることができるのだ。
このコンセプトは日本で大流行しており、DeNAは野球チームを所有するまでになり、モバイルのソーシャルゲームは数百万まではいかないとしても数十万人のユーザーを獲得し、どちらの企業も自分達のプラットフォームを世界に広めようとしている。
GREEとDeNAは、それぞれOpenFeint とNgmocoを獲得し、すでにアメリカでの事業を展開しており、今年は、両企業がヨーロッパ、中東、ラテンアメリカ、アジア全土における新事業で世界にネットワークを広げるのを目にした。
スマートフォンの台頭とモバイルのゲーム人気の上昇を考えると、この2つのアジア企業はモバイルのソーシャルゲームを欧米に押し込み、来年には世間に認められた国際企業になるに違いない。それについては、私達は近いうちにさらなる情報を得ることだろう。
今年、テクノロジーとインターネットがアジアで目覚ましい前進を遂げた領域は他にもたくさんある―音声マイクロブロギングのプロバイダー?Bubble Motion(世界に1000万ユーザー)や、携帯メッセージサービスMig33(1日に850万メッセージが送信)などが目立った例だ。私達は、ここで紹介した断片が全領域をカバーしていないことは分かっている。
これから数日かけて、私達は2012年について思いを巡らせることにしよう。その多くは2011年の成功と特にここで紹介した4つの領域に関係してくることだろう。
今度はあなたの番だ:アジアでの取り組みであなたの印象に残った企業はどこだろう?テック市場としてのアジア大陸の可能性を最も示したのはどの企業だとあなたは思うだろうか?コメント欄で教えて欲しい。
この記事は、The Next Webに掲載された「2011 Tech Rewind: This year in Asia」を翻訳した内容です。
さて、マイクロブロギング、SNS、ソーシャルゲーム、スマホ、、、他の振り返り記事に比べても比較的分かりやすいモノばかりでしたね。SNSでまだまだアジアのネット業界は黎明期→成長期の段階ともいえますが、特にソーシャルやスマホではアジアを先行する日本のネット企業も多いと思いますし、2011年のトピックで既にGreeやDeNAは出ていましたが、2012年のアジアでの日本企業のさらなる活躍も楽しみです。
しかしFacebookが日本ばかりか韓国でも人気沸騰中なのは知りませんでした。Googleでさえ検索サービスでは共に勝ち切れなかった国ですし、共にメジャーなSNSが存在していたいるにも関わらず、まさかFacebookがここまで浸透してくるとはネット事情通の皆さんの多くも驚いたのではないでしょうか。共にグローバルで誰もが利用していることがFacebookを利用することの意義にはなりにくい国と思いますし(基本共にローカル重視の国と思いますし)、一件既存のSNSと圧倒的に差別化した特別な何かがあると思えないのですが、何故ここまでFacebookが普及できたのかが気になります。今後、マスレベルで成功するには今後両国でどこまで浸透していくのでしょうか?
また話がずれますが、ツイッターの言語別シェアを見ると英語が39%で日本語が14%なんですね。日本はアメリカ以上のツイッター大国と思っていましたが、人口比率で見ると(英語圏がイギリスやシンガポール等も含まれているとはいえ)以外とそうでもないのですかね。ポルトガル語が3位なのはブラジルのおかげと思いますが。そういえば私もお遊びプロジェクトでInstaBGというツイッターの壁紙サービスを英語&日本語で運営しているのですが、最初にブレイクしたのはブラジルでした。ウェブサービスをグローバル展開する際にポルトガル語版を用意していくのも今後はありかもしれません。そしてマレー語が6%と中々の数字なのも無視できないですね。
最後に、世界のスマホ事情の話題はSEO Japanでもインフォグラフィックで取り上げましたので興味ある方はご覧ください m(_ _)m — SEO Japan
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