事実: 規模に関わらずあらゆる企業が、資金を節約することを望んでいる。
私もこの点は理解しているし、共感する。しかし、安価な道を選び、オンライン戦略で節約を試み – その後、騙され/最悪の結果に見舞われ/グーグルからブロックされると仰天する企業が続出している点は理解できない。
会社を始める上でも、維持する上でも、そして、成長させる上でも、莫大なコストがかかる。しかし、ビジネスを構築する上では、絶対に出し惜しみをしてはいけない領域がある。経験の浅い、安価な建設業者を採用して、ビルを建てたくはないはずだ。レストランを経営しているなら、値引きされた傷のついた食品を買わないはずであり、サンドイッチ屋を営んでいるなら、1日前に作られたパンを使わないはずである。
それでは、なぜ、ウェブサイトおよびオンラインでの評判 – つまり顧客への最初の自己紹介 – を経験の浅いアマチュアやあまりにも安価な詐欺業者に任せてしまうのだろうか?
現実世界およびオンラインの世界では、払った金額に見合う結果が得られる。以前も申し上げたが、頼りになる、成功を収めるSEOおよびソーシャルの戦略は時間のかかるプロセスである。時は金なりと言う表現もある。安価な業者や経験の浅い業者や手抜きの“プロ”の業者を雇って幾らか節約しても、そのツケをいつか払うことになるだろう。
これでも信じてもらえないだろうか?近道をすると(もしくは近道を自分の代わりに行う業者を雇うと)、痛い目に遭う。
イメージ: ByronShell(フリッカー)
1. 選んだ道: 安価なリンクやリンク構築キャンペーン。
結果: グーグルペンギンに捕まる。
グーグルはリンクスパムを嫌い、ペナルティを与える。事実、リンクスパムに類似しているリンクにもグーグルは容赦なくペナルティを与える。4月24日、グーグルは、クエリの約3%に影響を与えるアンチスパムのアルゴリズムアップデート グーグルペンギン(日本語)を導入した。このアップデートの効果に関する議論(日本語)はさておき、ペンギンによって、グーグルが積極的にスパムを行うサイトを追放する点が証明され、また、リンクネットワークとブログネットワークを閉鎖させている点からもグーグルの本気度が窺える。
リンクの購入は、安価で簡単なリンク構築(およびリンクスキーム)を行っていることを堂々と宣言しているようなものだが、リンクの購入だけが問題なのではない。前にも申し上げたように、リンク構築は時間のかかる取り組みである。コネクションは一夜にして生まれるものではなく、一晩で大きな結果を出すことを約束する人は嘘つきでしかない。
経験豊かなSEOは、リンク構築キャンペーンを始める上で役に立つコネクションを確立しているかもしれないが、このコネクションの対価を支払わなければならない。 時給がとてつもなく安い業者は、確実に近道をする(リンクを買う)、あるいは、経験が浅い(笑ってしまうメールを送って接触を試みる)何よりの証拠である。
信じ難い話だが、経験の浅いSEOは、あからさまに検索エンジンを騙そうとするSEOと同じぐらい危険である。アマチュアのSEOは、自分達の取り組みが検索エンジンの目にはリンクスパムに映っていることを気づかないためだ。
リンクを買うのは言語道断だ。「奇跡を起こす」と言う宣伝に騙されないで欲しい。そして、リンク構築キャンペーンに妥当な料金を支払うべきである。これが結果 – サイトが追放されない本当の意味での結果を得る唯一の方法である。
2. 選んだ道: 安いコンテンツ。
結果: グーグルパンダに捕まる。
グーグルパンダについて説明する必要はないと思うが、念のために簡単におさらいしておく。パンダは2001年2月に導入されたメジャーなアルゴリズムのアップデートであり、コンテンツファームをほぼ絶滅に追いやった。安く、粗雑に作られたコンテンツの時代は終わり、グーグルはあらゆるコンテンツが王様なれるのではなく、有益で質が高いコンテンツ(キーワードで埋め尽くされたコンテンツではない)がポストパンダの世界では重要視されることを強調した。
劣悪なコンテンツでは上位にランクインすることが出来ないのは当たり前だが、さらに歩みを一歩進め、安価なコンテンツはビジネスの役に立たないことも学んでもらいたい。 効果的なストラテジストは、読者を動かす、コミュニケーションを取る、そして、注目を集めるためにコンテンツを利用する。質の高いコンテンツとは、見た人がシェアしたくなるような、コメントを残したくなるような、そして、買いたくなるようなコンテンツを指す。
安い、質の低いコンテンツは何もしない。ページ上に居座り、検索エンジンのユーザーが来るのを待ち続け(とは言っても、十中八九、コンテンツを見た瞬間に検索結果に戻ってしまうだろう)、そして、グーグルから制裁を受ける。
本物のブロガー、本物のライター、本物のデザイナー、本物のビデオグラファー、つまりプロを雇うべきである。ポートフォーリオを見て、過去の作品を入念にチェックしよう(ポートフォーリオを持っていないなら、対象から外すこと)。コンテンツをサイトに掲載するつもりなら、サイト自体に負けないぐらいの素晴らしいコンテンツを用いてもらいたい。
3. 選んだ道: 安価なウェブデザインおよび開発。
結果: エラー。セキュリティの脆弱性。低いコンバージョン率。見た目がひどいサイト。
たった50ドルを払うだけでもウェブサイトを作ってもらえるが、それ相応のサイトしか手に入れることは出来ないだろう。
ゴーダディを使って適当にサイトを作って、割と魅力的なサイトに仕上げることが出来るアマチュアレベルのディベロッパーは掃いて捨てるほどいる(そして、醜いサイトに仕上げるアマチュアはもっと多い)。しかし、美しさは別としても、単に見た目が良いサイトではなく、機能するサイトを手に入れるべきである。
サイトが今後どのように成長していくことが出来るのか開発者に尋ねてみよう。SEOを知っているか尋ねてみよう(知っているべきである)。過去に構築したサイトを見せてもらい、サイトを構築する際にどのようなハードルを乗り越えたのか見つけ出そう。コンバージョンを増やし、顧客をセールスファネルの下の層に導くためにどのような手順を踏むのか教えてもらおう。
ウェブサイトは顧客候補に対する第一印象そのものである。また、物理的な店(オフィス)の延長線上にあり、支払いを受け付け、質問に答え、そして、バーチャルなショーウィンドウとなり、製品やサービスを見せびらかす役目も持っている。
ウェブサイトがもたらすこういった機会を重視するなら、a)頻繁にクラッシュして評判を貶め、b)顧客を混乱させ、c)まったく成長しないウェブサイトを作る可能性があるアマチュアを雇うべきではない。
長期的に付き合うことになるウェブのプロを選ぶ必要がある – ウェブサイトをアップデートする際、またはサイトを増やす際、素晴らしいサイトを作り上げた本人に仕事を任せたいはずである。
4. 選んだ道: 安価なSEO。
結果: 過剰なSEO、ブラックハットな手法、結果が出ない。
プロのSEO業者は高い。SEOも、弁護士や会計士のように、大半の会社が存続するために必要ではるものの、多くの人々にとって理解するのが難しい役割を果たす。専門用語を使いこなし、長年の経験を持ち、結果と評判を築き上げている。
結果が欲しいなら、そのための対価を支払わなければならない。そして、結果は一夜にして現れるわけではない。
SEO(またはソーシャルメディアマーケッター、リンク構築業者等)を雇うと言うことは、サイトおよび自分の評判を任せることになる。彼らのやっていることの中に少しでも分からないことがあるなら、ペナルティの対象となる行為を実施している可能性がある。
SEOの最新情報を取り入れていないなら、過剰な最適化に挙げられ、サイトにペナルティが課される時代遅れの手法を実施している可能性がある。また、進歩を計測することが出来ないなら(あるいはその方法を知らないなら)、SEOへの投資による見返りがあるのかどうか分からない。
5. 選んだ道: 安価なソーシャルメディアマーケティングおよびソーシャルメディアマネージメント。
結果: アカウントの利用禁止、不確かな成果。
ソーシャルメデイア自体は無料で利用することが可能だが、ソーシャルメディアのアカウントを管理するために費やす時間は無料ではない。所謂ソーシャルメディアのエキスパートなら、対人能力、マーケティングの知識、そして、アカウントを運営した経験を持っていなければならない。
フォロワーやファンの人数を確約する必要がある。人数を増やすと言う約束と、次の日にはフォロワーを5000人にすると言う約束は全く別物である。
ソーシャルメディアは関係の上に構築される – 顧客に新たな側面を見せ、質問に答え、フィードバックを手に入れ、クレームに対応する。1日に3回ツイートするだけでは不十分である(それなら、自分の力で何とかなるはずであり、しかも遥かに良い結果を得られる)。
優秀なソーシャルメディアマネージャーは、ブランドの声とマッチさせ、明確な目標を持ってキャンペーンを構築していく – そして、フォロワーやファンを得ることは目標ではなく、ビジネスを成長させてくれる人達を基にオーディエンスを構築することが目標だ。また、優秀なエキスパートなら、ソーシャルメディアでのプレゼンスがビジネスにどのような影響を与えているのかを(数字)で説明することが出来るはずだ。
フォロワーが50人しかいない経験のない大学を卒業したばかりの若者に仕事を任せることも出来る。お馴染みのフォローバックアカウントを使い、数千名の役に立たないフォロワーを集めることも出来る。あるいは、自分の仕事を熟知し、実際に結果を出すことの出来る人物を雇うことも出来る。
大勢の人達がアマチュアが編み出した詐欺や“誰でも簡単にお金を稼げる”策略に引っ掛かっていることが面白いのか悲しいのは、私には分からない。「安いSEOなど存在しない」と何度口を酸っぱくして言わなければならないのだろうか。そんなものは実在しない。
ウェブデザインであれ、SEOであれ、ソーシャルメディアであれ、いくら料金が安くても、いずれその代償を支払うことになる。ペナルティを課され、アカウントはブロックされてしまう。また、結局、新人に説明するため、自称“プロ”の過ちを直すため、あるいは評価を回復させるため、多くの時間をつぎ込むことになるだろう。せっかく節約した資金を最終的に費やさなければならなくなる。
これが最後のヒント、最後のお願い、そして、最後のアドバイスである – 近道などは存在しない。近道を提案する人はイカサマ師であり、嘘つきであり、詐欺師であり、または、何も分かっていない素人でしかない。選ぶのは皆さん次第だ: 自分の仕事を知り尽くし、時間を割いて正しい取り組みを行う、もしくは後ほど見返りををもたらすプロを雇うことも出来る。いずれせよ、支払った額に見合う結果を得ることになる。ただし、お金を払えばそれだけ結果が良くなるわけでもない。非常に高額な料金を請求する業者が、ひどいサービスを提供しているケースを私は何度も目にしたことがある。ここでも同じルールが当てはまる。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Hidden Cost Of Cheap SEO & Social Media Labor」を翻訳した内容です。
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